WEBVTT

00:00:01.391 --> 00:00:03.670
皆さんは私をご存じないでしょうが

00:00:03.670 --> 00:00:07.014
私は皆さんがあちこちで耳にする

00:00:07.014 --> 00:00:08.957
上位0.01％の富裕層の一人で

00:00:08.957 --> 00:00:13.022
つまり紛れもないプルートクラット
（超富豪 政治権力者）です

00:00:13.022 --> 00:00:16.111
今日は私の仲間である
超富豪の人たちに向けて

00:00:16.111 --> 00:00:18.418
お話ししたいと思っています

00:00:18.418 --> 00:00:21.229
私たち超富豪が話し合うべき時が

00:00:21.229 --> 00:00:23.305
来たように思うからです

00:00:23.305 --> 00:00:25.883
多くの超富豪と同様 私も
資本家であることを

00:00:25.883 --> 00:00:28.226
誇りに思い
悪びれてもいません

00:00:28.226 --> 00:00:31.763
私は様々な業界で30を越える会社を

00:00:31.763 --> 00:00:35.293
個人や共同で設立したり
資金提供したりしてきました

00:00:35.293 --> 00:00:38.888
アマゾン社に非同族で出資したのは
私が初めてでした

00:00:38.888 --> 00:00:41.609
私はアクアンティブという会社を
共同で立ち上げ

00:00:41.609 --> 00:00:45.479
マイクロソフト社に64億ドルで
売却しました

00:00:45.479 --> 00:00:48.027
友人と共に銀行を所有しています

00:00:48.027 --> 00:00:50.923
これをお伝えしたのは ―（笑）

00:00:50.923 --> 00:00:52.170
信じられないでしょう？

NOTE Paragraph

00:00:52.170 --> 00:00:55.380
これをお伝えしたのは私の人生が
他の多くの超富豪と

00:00:55.380 --> 00:00:58.143
同じだと言いたかったからです

00:00:58.143 --> 00:01:01.450
私は資本主義やビジネスを

00:01:01.450 --> 00:01:03.250
大きな視野で捉え

00:01:03.250 --> 00:01:07.040
それによって鼻持ちならないほどの
利益を得て

00:01:07.040 --> 00:01:09.197
皆さんには想像もつかないような

00:01:09.197 --> 00:01:11.456
生活をしています

00:01:11.456 --> 00:01:14.157
複数の住宅、ヨット、自家用機

00:01:14.157 --> 00:01:18.284
その他もろもろ

00:01:18.284 --> 00:01:21.546
でも正直に言います
私はズバ抜けて賢くはありません

00:01:21.546 --> 00:01:23.950
最も勤勉な人物でもありません

00:01:23.950 --> 00:01:25.923
学生時代は平凡でした

00:01:25.923 --> 00:01:27.141
技術も全然ありません

00:01:27.141 --> 00:01:29.639
プログラムも書けません

00:01:29.639 --> 00:01:32.772
まさに私の成功は

00:01:32.772 --> 00:01:35.220
出生、境遇、タイミングにおける

00:01:35.220 --> 00:01:40.124
驚くほどの幸運の結果なのです

00:01:40.124 --> 00:01:44.619
しかし私にはいくつか長所があります

00:01:44.619 --> 00:01:49.263
１つはリスクに耐える力が
非常に強いこと

00:01:49.263 --> 00:01:51.678
もう１つは将来 起きることを言い当てる

00:01:51.678 --> 00:01:54.303
直感や洞察力が優れていることです

00:01:54.303 --> 00:01:57.586
この未来に対する直感が

00:01:57.586 --> 00:02:01.156
優れた起業家精神にとって
最も重要だと思います

NOTE Paragraph

00:02:01.156 --> 00:02:03.674
では今日 私が未来をどう見ているか

00:02:03.674 --> 00:02:05.676
気になりますか？

00:02:05.676 --> 00:02:07.331
鉄の熊手が見えます

00:02:07.331 --> 00:02:12.121
怒りの群衆が手にしているような農具です

00:02:12.121 --> 00:02:17.335
なぜなら私たち超富豪は

00:02:17.335 --> 00:02:20.866
想像を絶するほどの強欲に
まみれて暮らし

00:02:20.866 --> 00:02:23.779
99％の一般国民を

00:02:23.779 --> 00:02:26.592
どんどん引き離しているからです

00:02:26.592 --> 00:02:29.080
1980年 アメリカ国民の上位１％は

00:02:29.080 --> 00:02:31.558
国民所得の８％を占めていました

00:02:31.558 --> 00:02:34.232
当時の下位50％が占めていたのは

00:02:34.232 --> 00:02:36.775
18％です

00:02:36.775 --> 00:02:40.127
30年経った現在 上位１％が占めるのは

00:02:40.127 --> 00:02:43.749
国民所得の20％を越えており

00:02:43.749 --> 00:02:45.650
下位50％が占めるのは

00:02:45.650 --> 00:02:48.564
12-13％です

00:02:48.564 --> 00:02:51.010
この傾向が続けば

00:02:51.010 --> 00:02:52.490
今後30年のうちに

00:02:52.490 --> 00:02:54.796
上位１％が占めるのは

00:02:54.796 --> 00:02:56.588
国民所得の30％を越え

00:02:56.588 --> 00:02:58.868
下位50％が占めるのは

00:02:58.868 --> 00:03:00.607
たったの６％になります

NOTE Paragraph

00:03:00.607 --> 00:03:02.603
お分かりでしょう
問題は

00:03:02.603 --> 00:03:04.684
格差そのものではありません

00:03:04.684 --> 00:03:07.136
高度に機能する
資本主義下の

00:03:07.136 --> 00:03:10.430
民主主義において
ある程度の格差は必要です

00:03:10.430 --> 00:03:12.140
問題は今日の格差が

00:03:12.140 --> 00:03:15.502
史上最大であり

00:03:15.502 --> 00:03:18.921
日々悪化しているということです

00:03:18.921 --> 00:03:21.545
そして もしこのまま富や力や所得を

00:03:21.545 --> 00:03:23.380
一握りの超富豪に

00:03:23.380 --> 00:03:25.681
集中させていたら

00:03:25.681 --> 00:03:27.529
私たちの社会は

00:03:27.529 --> 00:03:29.262
資本主義下の民主主義から

00:03:29.262 --> 00:03:33.034
18世紀のフランスのような

00:03:33.034 --> 00:03:35.019
新封建主義へ変わってしまいます

00:03:35.019 --> 00:03:38.213
それは革命前の

00:03:38.213 --> 00:03:39.960
農具を持った民衆が

00:03:39.960 --> 00:03:41.984
反乱した頃のフランスです

NOTE Paragraph

00:03:41.984 --> 00:03:44.538
私には伝えたいことがあります

00:03:44.538 --> 00:03:46.360
私と同じ超富豪や大金持ち

00:03:46.360 --> 00:03:47.834
バブルの世界で

00:03:47.834 --> 00:03:50.070
優雅に暮らす人々へのメッセージです

00:03:50.070 --> 00:03:51.421
「目を覚ませ」

00:03:51.421 --> 00:03:55.141
目を覚ましましょう
いずれ終わりが来ます

00:03:55.141 --> 00:03:57.160
私たちがこの社会における

00:03:57.160 --> 00:04:01.491
あからさまな経済格差に対して
何もせずにいたら

00:04:01.491 --> 00:04:04.236
あの民衆が襲いに来ます

00:04:04.236 --> 00:04:08.184
自由で開かれた社会で
今のような経済格差の拡大が

00:04:08.184 --> 00:04:11.188
長く続くはずがないのです

00:04:11.188 --> 00:04:14.110
過去にも 続いた例はありません

00:04:14.110 --> 00:04:15.969
極めて不平等な社会には

00:04:15.969 --> 00:04:17.447
警察国家や

00:04:17.447 --> 00:04:19.214
暴動が付き物です

00:04:19.214 --> 00:04:21.358
手立てを講じなければ

00:04:21.358 --> 00:04:23.269
世直し一揆が私たちを襲いますよ

00:04:23.269 --> 00:04:27.117
可能性の話ではありません
時間の問題です

00:04:27.117 --> 00:04:30.750
その時が来たら
それは誰にとっても

00:04:30.750 --> 00:04:32.201
酷いことになりますが

00:04:32.201 --> 00:04:37.185
特に私たち超富豪にとっては最悪です

NOTE Paragraph

00:04:37.185 --> 00:04:40.605
リベラル派の優等生みたいに
聞こえるでしょうが

00:04:40.605 --> 00:04:42.855
違います
経済格差が悪だとかいう

00:04:42.855 --> 00:04:46.117
倫理的な議論をしているのではありません

00:04:46.117 --> 00:04:50.403
私が訴えたいのは
この経済格差の拡大は

00:04:50.403 --> 00:04:53.924
馬鹿げていて
最終的には自滅につながるということです

00:04:53.924 --> 00:04:57.152
格差拡大は私たちが
民衆に襲われる危険性を

00:04:57.152 --> 00:04:59.020
高めるばかりでなく

00:04:59.020 --> 00:05:03.587
ビジネスにも大打撃を与えます

00:05:03.587 --> 00:05:07.457
私たち金持ちの手本は
ヘンリー・フォードでしょう

00:05:07.457 --> 00:05:11.270
フォードは有名な
「日給５ドル」という―

00:05:11.270 --> 00:05:14.217
当時の一般的な賃金の
倍増計画を導入しましたが

00:05:14.217 --> 00:05:16.287
彼の功績は
工場の生産性を

00:05:16.287 --> 00:05:18.256
向上させただけではなく

00:05:18.256 --> 00:05:21.653
貧しく搾取されていた自動車工たちを

00:05:21.653 --> 00:05:24.353
自分たちの作る商品を買うことができる

00:05:24.353 --> 00:05:27.570
成長した中流階級に転換させたことです

00:05:27.570 --> 00:05:31.860
フォードは直感していました
現代の私たちが認めるとおり

00:05:31.860 --> 00:05:35.861
経済は生態系になぞらえて考えるのが
最適で

00:05:35.861 --> 00:05:37.780
自然界の循環システムと

00:05:37.780 --> 00:05:40.340
自然界の循環システムと

00:05:40.340 --> 00:05:42.080
同様の特徴があり

00:05:42.080 --> 00:05:46.018
経済にも企業と顧客の間に
循環システムがあるのです

00:05:46.018 --> 00:05:49.124
賃上げによって需要が増し

00:05:49.124 --> 00:05:51.205
需要によって雇用が増え

00:05:51.205 --> 00:05:53.286
それによって賃金や

00:05:53.286 --> 00:05:55.916
需要や利益が増えます

00:05:55.916 --> 00:06:00.760
この景気の好循環こそが

00:06:00.760 --> 00:06:02.909
今日の経済回復に

00:06:02.909 --> 00:06:07.904
欠けているものです

NOTE Paragraph

00:06:07.904 --> 00:06:12.522
だから私たちは
両政党で強い勢力を誇る―

00:06:12.522 --> 00:06:16.230
トリクルダウン政策とは手を切って

00:06:16.230 --> 00:06:18.027
私が「ミドル・アウト経済」と呼ぶ

00:06:18.027 --> 00:06:21.432
やり方を採用する必要が
あるのです

00:06:21.432 --> 00:06:23.967
ミドル・アウト経済では

00:06:23.967 --> 00:06:26.284
経済というのは効率的で線形で

00:06:26.284 --> 00:06:30.481
メカニズム的であるから
均衡や公正に進む傾向があるという

00:06:30.481 --> 00:06:33.608
新古典派経済学の考えを却下し

00:06:33.608 --> 00:06:37.046
21世紀型の考え方を採用します

00:06:37.046 --> 00:06:40.820
経済は複雑、適応的、生態系的なので

00:06:40.820 --> 00:06:42.822
均衡や公正とは逆方向に進み

00:06:42.822 --> 00:06:46.170
不平等になる傾向があり
効率とは程遠いが

00:06:46.170 --> 00:06:47.920
うまく管理されていれば

00:06:47.920 --> 00:06:51.205
効果的であるという考え方です

00:06:51.205 --> 00:06:54.476
この21世紀型の観点でとらえると

00:06:54.476 --> 00:06:57.140
現存する資源の効率的な分配によって

00:06:57.140 --> 00:07:00.427
資本主義が機能しているのでは
ないということが

00:07:00.427 --> 00:07:02.867
はっきり見えてきます

00:07:02.867 --> 00:07:08.865
資本主義は人類が抱える問題に対して
新たな解決策を生み出すことで

00:07:08.865 --> 00:07:10.120
機能するのです

00:07:10.120 --> 00:07:12.329
資本主義の特質は

00:07:12.329 --> 00:07:17.211
解決策を見つけるべく
進化するシステムだという点です

00:07:17.211 --> 00:07:23.162
他の人たちの問題を解決した人々に
報酬が与えられます

00:07:23.162 --> 00:07:26.109
貧しい社会と豊かな社会の違いは

00:07:26.109 --> 00:07:28.426
そこに住む人々のために

00:07:28.426 --> 00:07:31.364
生産という形の解決策を

00:07:31.364 --> 00:07:33.297
どれほど生み出したかという

00:07:33.297 --> 00:07:36.156
度合いの問題であることは明らかです

00:07:36.156 --> 00:07:37.977
私たちの社会が保有する

00:07:37.977 --> 00:07:39.968
解決策の総和が すなわち

00:07:39.968 --> 00:07:42.342
私たちの繁栄であり
このことが

00:07:42.342 --> 00:07:44.625
グーグルやアマゾン

00:07:44.625 --> 00:07:46.988
マイクロソフトやアップルなどの会社や

00:07:46.988 --> 00:07:49.890
こうした会社を作った起業家たちが

00:07:49.890 --> 00:07:53.450
我が国の繁栄に大きく貢献したと言える

00:07:53.450 --> 00:07:56.156
理由になるのです

NOTE Paragraph

00:07:56.156 --> 00:07:58.956
この21世紀型の観点でとらえると

00:07:58.956 --> 00:08:01.545
私たちが問題を解決した率をもって

00:08:01.545 --> 00:08:03.990
経済成長を理解するのが

00:08:03.990 --> 00:08:05.937
最も適切だということも

00:08:05.937 --> 00:08:08.431
はっきりしてきます

00:08:08.431 --> 00:08:11.849
しかしその率は問題を解決した人の数―

00:08:11.849 --> 00:08:15.426
問題を解決する能力のある多様な人々を

00:08:15.426 --> 00:08:17.912
私たちが何人持っているかに
かかっています

00:08:17.912 --> 00:08:20.645
つまり私たち市民のうち何人が

00:08:20.645 --> 00:08:22.870
解決策を提供できる起業家として

00:08:22.870 --> 00:08:26.520
また その解決策を購入する消費者として

00:08:26.520 --> 00:08:30.162
積極的に参加できるかによるのです

00:08:30.162 --> 00:08:34.280
しかしこの参加の最大化というのは

00:08:34.280 --> 00:08:35.899
偶然 起きたりはしません

00:08:35.899 --> 00:08:37.868
自然に起きる訳ではないのです

00:08:37.868 --> 00:08:41.597
努力と投資が必要です

00:08:41.597 --> 00:08:44.027
だからこそ大いに繁栄した

00:08:44.027 --> 00:08:47.258
資本主義下の民主主義は
どれも皆

00:08:47.258 --> 00:08:49.807
中流階級と
彼らの生活を左右する

00:08:49.807 --> 00:08:52.372
インフラに対し
大規模な投資を行うという

00:08:52.372 --> 00:08:55.240
特徴があるのです

NOTE Paragraph

00:08:55.240 --> 00:08:57.239
私たち超富豪は この

00:08:57.239 --> 00:09:00.378
私たちがさらに富めば

00:09:00.378 --> 00:09:02.284
他の人にも富が浸透するという

00:09:02.284 --> 00:09:04.951
トリクルダウン経済から
脱却する必要があります

00:09:04.951 --> 00:09:08.871
トリクルダウン理論は間違いです
そんなはずがないでしょう

00:09:08.871 --> 00:09:12.999
私には平均賃金の
千倍の収入がありますが

00:09:12.999 --> 00:09:15.924
千倍多く買い物したりはしません

00:09:15.924 --> 00:09:16.988
そうでしょう？

00:09:16.988 --> 00:09:20.176
私はこのズボンを２本買いました

00:09:20.176 --> 00:09:22.110
パートナーのマイクいわく

00:09:22.110 --> 00:09:23.625
「経営者ズボン」

00:09:23.625 --> 00:09:26.561
私はこれを２千本買えますよ

00:09:26.561 --> 00:09:29.627
でも買ってもしょうがないでしょう？
（笑）

00:09:29.627 --> 00:09:32.656
私が床屋に行く回数も

00:09:32.656 --> 00:09:36.361
外食する回数も そう多くはありません

00:09:36.361 --> 00:09:40.434
超富豪がいくら富をかき集めたところで

00:09:40.434 --> 00:09:43.978
国家規模の経済を動かすことは
絶対にできません

00:09:43.978 --> 00:09:49.671
それが可能になるのは
中流階級の成長によってのみです

00:09:49.671 --> 00:09:51.368
「手の打ちようがない」と

00:09:51.368 --> 00:09:55.509
超富豪の友人たちは言うかもしれません

00:09:55.509 --> 00:09:58.713
ヘンリー・フォードの頃とは
時代が違います

00:09:58.713 --> 00:10:00.987
出来ないことはあるでしょう

00:10:00.987 --> 00:10:03.923
でも出来ることもあるでしょう

00:10:03.923 --> 00:10:07.784
2013年6月19日

00:10:07.784 --> 00:10:11.217
ブルームバーグに私の書いた記事が
掲載されました

00:10:11.217 --> 00:10:16.150
『最低賃金15ドルという資本家の理論』
という題です

00:10:16.150 --> 00:10:19.072
賢明なフォーブス誌の人々の中には

00:10:19.072 --> 00:10:21.270
私の熱狂的なファンがいますが

00:10:21.270 --> 00:10:25.990
彼らに「ニック・ハノーアーによる
とんでもない提案」と呼ばれました

00:10:25.990 --> 00:10:29.219
しかし その記事が掲載されて

00:10:29.219 --> 00:10:31.795
ほんの350日後

00:10:31.795 --> 00:10:34.744
シアトル市長のエド・マレーが

00:10:34.744 --> 00:10:38.510
シアトルの最低賃金を
時給15ドルに上げるという条例を

00:10:38.510 --> 00:10:40.198
法律として成立させました

00:10:40.198 --> 00:10:41.638
これは連邦内で一般的な

00:10:41.638 --> 00:10:46.330
時給7ドル25セントの
倍以上に当たります

00:10:46.330 --> 00:10:48.110
何故そうなったのか

00:10:48.110 --> 00:10:50.195
分別ある方なら疑問に思うでしょう

00:10:50.195 --> 00:10:51.863
その理由は私たちが共同で

00:10:51.863 --> 00:10:53.227
中流階級の人々に

00:10:53.227 --> 00:10:54.878
彼らこそが資本主義経済の

00:10:54.878 --> 00:10:58.544
成長と繁栄の源であると
再認識してもらったからです

00:10:58.544 --> 00:11:02.110
労働者が持つお金が増えれば
企業は顧客が増え

00:11:02.110 --> 00:11:03.822
雇用を増やす必要が出てくると

00:11:03.822 --> 00:11:05.804
再認識してもらいました

00:11:05.804 --> 00:11:08.490
企業が労働者に生活賃金を払えば

00:11:08.490 --> 00:11:11.210
納税者は食糧配給券や

00:11:11.210 --> 00:11:13.102
医療扶助、家賃補助などの

00:11:13.102 --> 00:11:14.812
労働者が必要とする

00:11:14.812 --> 00:11:17.714
生活保護制度の財源を
負担することから

00:11:17.714 --> 00:11:19.424
解放されるということを

00:11:19.424 --> 00:11:21.820
再認識してもらいました

00:11:21.820 --> 00:11:24.784
低賃金の労働者は

00:11:24.784 --> 00:11:27.110
納税状況が極めて悪く

00:11:27.110 --> 00:11:29.128
すべての企業が

00:11:29.128 --> 00:11:31.253
最低賃金を引き上げれば

00:11:31.253 --> 00:11:32.920
どの企業も潤い

00:11:32.920 --> 00:11:35.651
競争も起きるということを
再認識してもらいました

NOTE Paragraph

00:11:35.651 --> 00:11:37.372
さて ここで出る定番の反論は

00:11:37.372 --> 00:11:41.175
最低賃金の引き上げによって
失業が増えるというものでしょう

00:11:41.175 --> 00:11:43.763
政治家たちはトリクルダウン案を

00:11:43.763 --> 00:11:46.855
繰り返し唱えるとき
こう言いますね

00:11:46.855 --> 00:11:48.948
「人件費が上がると
どうなります？

00:11:48.948 --> 00:11:51.740
雇用が減るんですよ」

NOTE Paragraph

00:11:51.740 --> 00:11:54.170
本当だと思いますか？

00:11:54.170 --> 00:11:57.823
矛盾する証拠がありますよ

00:11:57.823 --> 00:12:02.582
1980年以来
我が国のCEOの賃金は

00:12:02.582 --> 00:12:04.850
平均賃金の30倍から
500倍に

00:12:04.850 --> 00:12:07.122
上がりました

00:12:07.122 --> 00:12:10.290
これが人件費増加の実体です

00:12:10.290 --> 00:12:13.262
さらに 私が知る限り

00:12:13.262 --> 00:12:15.434
CEOの職を外部委託したり

00:12:15.434 --> 00:12:19.180
自動化したり
中国に移したりしている企業は

00:12:19.180 --> 00:12:21.267
一つもありません

00:12:21.267 --> 00:12:23.293
それどころか
かつてないほど

00:12:23.293 --> 00:12:26.515
多くのCEOや経営幹部が
雇われているようです

00:12:26.515 --> 00:12:30.705
テクノロジー系や
金融サービス系の

00:12:30.705 --> 00:12:32.531
労働者もそうです

00:12:32.531 --> 00:12:35.149
彼らは平均賃金の何倍も稼ぎますが

00:12:35.149 --> 00:12:37.154
彼らの雇用は増加しています

00:12:37.154 --> 00:12:42.050
人件費の増加が
高給取りの増加であることは

00:12:42.050 --> 00:12:44.091
明らかなのです

NOTE Paragraph

00:12:44.091 --> 00:12:46.675
ほとんどの人は

00:12:46.675 --> 00:12:48.397
最低賃金15ドルというのは

00:12:48.397 --> 00:12:52.312
常軌を逸した リスクの高い
経済的実験だと思うでしょう

00:12:52.312 --> 00:12:54.210
私たちはそう思いません

00:12:54.210 --> 00:12:56.684
私たちはシアトルでの

00:12:56.684 --> 00:12:57.950
最低賃金15ドル法を

00:12:57.950 --> 00:12:59.803
論理的な経済政策を維持するための

00:12:59.803 --> 00:13:02.511
策だと考えています

00:13:02.511 --> 00:13:04.471
それによって
こちらの都市が

00:13:04.471 --> 00:13:07.206
そちらの都市を
やっつけられるようになります

00:13:07.206 --> 00:13:08.965
というのも
ご存知でしょう

00:13:08.965 --> 00:13:10.677
ワシントン州はすでに

00:13:10.677 --> 00:13:12.170
最低賃金が国内で

00:13:12.170 --> 00:13:13.869
最も高い州です

00:13:13.869 --> 00:13:16.130
ここでの時給は9ドル32セントで

00:13:16.130 --> 00:13:17.973
これは連邦最低賃金である

00:13:17.973 --> 00:13:20.531
7ドル25セントより３割多いですが

00:13:20.531 --> 00:13:24.484
重要なのは
チップをもらう職種の連邦最低賃金である

00:13:24.484 --> 00:13:28.070
2ドル13セントの427％に当たる
金額であるという点です

00:13:28.070 --> 00:13:30.686
トリクルダウン支持者の言うとおりなら

00:13:30.686 --> 00:13:33.798
ワシントン州は大量の失業者を
抱えていたでしょう

00:13:33.798 --> 00:13:36.478
シアトルは沈没していたでしょう

00:13:36.478 --> 00:13:39.501
ところがシアトルは

00:13:39.501 --> 00:13:43.399
国内の大都市で
最も急成長しているのです

00:13:43.399 --> 00:13:47.516
ワシントン州は

00:13:47.516 --> 00:13:50.137
他のどの主要な州よりも
高い成長率で

00:13:50.137 --> 00:13:51.993
中小企業の雇用を増やしています

00:13:51.993 --> 00:13:55.897
シアトルのレストラン業は
好景気に沸いています

00:13:55.897 --> 00:14:00.285
その理由は資本主義の原則として

00:14:00.285 --> 00:14:01.900
労働者の持つお金が増えると

00:14:01.900 --> 00:14:03.426
ビジネスには客が増え

00:14:03.426 --> 00:14:05.683
働き手が必要になるからです

00:14:05.683 --> 00:14:08.834
レストランが従業員に払う給料で

00:14:08.834 --> 00:14:12.456
従業員が外食できるようになれば

00:14:12.456 --> 00:14:15.121
それはレストラン業にとって
悪くない話です

00:14:15.121 --> 00:14:16.820
良い話なんです

00:14:16.820 --> 00:14:21.399
レストラン経営者の中には
そうは考えない人もいるようですがね

NOTE Paragraph

00:14:21.399 --> 00:14:23.457
言うは易く行うは難しと
思われますか？

00:14:23.457 --> 00:14:24.454
もちろんそうです

00:14:24.454 --> 00:14:26.322
さまざまな力学が働いています

00:14:26.322 --> 00:14:28.564
でも 低賃金労働者の

00:14:28.564 --> 00:14:31.365
稼ぎが少し増えると失業が急増し

00:14:31.365 --> 00:14:32.873
経済が崩壊すると考えるのは

00:14:32.873 --> 00:14:34.201
もう止めませんか？

00:14:34.201 --> 00:14:36.810
そんな証拠はないのです

00:14:36.810 --> 00:14:38.041
トリクルダウン経済論の

00:14:38.041 --> 00:14:39.888
最もタチが悪い点は
金持ちが

00:14:39.888 --> 00:14:42.190
もっと金持ちになれば
皆が幸せになるという

00:14:42.190 --> 00:14:43.727
その主張ではありません

00:14:43.727 --> 00:14:46.788
貧乏人が金持ちになることは

00:14:46.788 --> 00:14:48.690
経済にとってマイナスだとして

00:14:48.690 --> 00:14:50.545
最低賃金の引き上げに

00:14:50.545 --> 00:14:52.762
反対する人々の主張です

00:14:52.762 --> 00:14:54.742
それはナンセンスです

00:14:54.742 --> 00:14:58.607
私や他の超富豪ら
金持ちが

00:14:58.607 --> 00:15:00.950
我が国を作ったという

00:15:00.950 --> 00:15:03.804
レトリックは もう

00:15:03.804 --> 00:15:06.377
止めにしませんか？

00:15:06.377 --> 00:15:08.452
我々 超富豪は知っています

00:15:08.452 --> 00:15:10.076
表立って認めはしませんが

00:15:10.076 --> 00:15:12.745
私たちが
このアメリカ合衆国という国以外の

00:15:12.745 --> 00:15:14.642
どこか別の場所で生まれていたら

00:15:14.642 --> 00:15:17.502
舗装もされていない道端に裸足で立ち

00:15:17.502 --> 00:15:20.652
果物を売る人たちと同じだっただろうと

00:15:20.652 --> 00:15:23.183
極貧の地域などに
優れた起業家がいても

00:15:23.183 --> 00:15:25.208
どうにもならないのです

00:15:25.208 --> 00:15:26.760
その起業家の顧客に

00:15:26.760 --> 00:15:31.296
どれだけの購買力があるか
それに尽きるのです

NOTE Paragraph

00:15:31.296 --> 00:15:35.895
ではここで私が「新資本主義」と呼ぶ

00:15:35.895 --> 00:15:37.442
経済の新たな形

00:15:37.442 --> 00:15:40.329
政治の新たな形をご紹介しましょう

00:15:40.329 --> 00:15:42.801
資本主義は

00:15:42.801 --> 00:15:44.598
他の仕組みを圧倒し

00:15:44.598 --> 00:15:48.595
起業家にしろ顧客にしろ
より多くの人を巻き込むことで

00:15:48.595 --> 00:15:52.119
より良く機能するということを

00:15:52.119 --> 00:15:54.279
認めましょう

00:15:54.279 --> 00:15:58.065
是が非でも政府の規模を縮小しましょう

00:15:58.065 --> 00:16:00.784
ただし生活保護制度を
切り詰めるのではなく

00:16:00.784 --> 00:16:02.801
労働者が十分な賃金を得た結果

00:16:02.801 --> 00:16:06.123
保護が必要なくなるように
するのです

00:16:06.123 --> 00:16:09.040
中流階級にたっぷりと投資し
私たちの経済が

00:16:09.040 --> 00:16:12.233
より公正で
より包括的になるようにしましょう

00:16:12.233 --> 00:16:16.167
より公正ということは
真に競争力があるということで

00:16:16.167 --> 00:16:17.929
真に競争力があるということは

00:16:17.929 --> 00:16:20.745
人類が抱える問題に対する解決策を

00:16:20.745 --> 00:16:22.217
作り出す能力が高く

00:16:22.217 --> 00:16:27.847
それが成長と繁栄を推進する
力になるのです

00:16:27.847 --> 00:16:31.120
人類が社会における
繁栄をもたらすために

00:16:31.120 --> 00:16:32.589
生み出したもののうち

00:16:32.589 --> 00:16:35.451
しっかり管理された資本主義ほど
優れた社会技術は

00:16:35.451 --> 00:16:37.185
他にありません

00:16:37.185 --> 00:16:40.356
しかし資本主義は
複雑なシステムが増殖するという

00:16:40.356 --> 00:16:43.121
その根本的な力学のため

00:16:43.121 --> 00:16:46.649
どうしても不平等や富の集中
破綻に

00:16:46.649 --> 00:16:51.070
向かってしまう傾向があります

00:16:51.070 --> 00:16:53.518
民主主義の仕事は

00:16:53.518 --> 00:16:58.021
大衆の関わりを最大限に高めることです

00:16:58.021 --> 00:17:00.998
ごく一部の人だけに
お金を集中させるのではなく

00:17:00.998 --> 00:17:04.920
繁栄をもたらすようにするのです

00:17:04.920 --> 00:17:08.020
政治が繁栄と成長をもたらすのは

00:17:08.020 --> 00:17:11.246
起業家とその顧客の双方が

00:17:11.246 --> 00:17:14.137
豊かになれるような条件を

00:17:14.137 --> 00:17:15.982
整えてこそです

00:17:15.982 --> 00:17:19.165
私のような資本家と
労働者の力関係を整えるのは

00:17:19.165 --> 00:17:22.338
資本主義にとって悪い話ではありません

00:17:22.338 --> 00:17:24.137
不可欠なことです

00:17:24.137 --> 00:17:26.804
最低賃金を妥当な額にすることや

00:17:26.804 --> 00:17:28.818
医療費を手頃な額にすること

00:17:28.818 --> 00:17:30.121
有給病気休暇や

00:17:30.121 --> 00:17:33.540
中流階級が必要とする
教育や研究開発などの

00:17:33.540 --> 00:17:35.736
重要なインフラをまかなうために

00:17:35.736 --> 00:17:39.787
必要とされる一歩進んだ税制

00:17:39.787 --> 00:17:42.353
これらはやり手の資本家なら
成長のために

00:17:42.353 --> 00:17:44.462
進んで利用すべき
必須ツールです

00:17:44.462 --> 00:17:48.448
なぜなら 私たちほど
その恩恵を受ける人は

00:17:48.448 --> 00:17:50.094
いないですからね

NOTE Paragraph

00:17:50.094 --> 00:17:52.342
多くの経済学者の言葉を信じて
皆さんは

00:17:52.342 --> 00:17:55.422
経済が客観的な科学だと
思い込んでいるでしょう

00:17:55.422 --> 00:17:58.269
私はそうは思いません
私は経済学もまた

00:17:58.269 --> 00:18:00.338
ツールの１つであり

00:18:00.338 --> 00:18:02.227
地位や権力に関する

00:18:02.227 --> 00:18:05.803
私たちの社会的 倫理的
選好と偏見を強化し

00:18:05.803 --> 00:18:09.705
コード化するために
人間が利用するものだと思っています

00:18:09.705 --> 00:18:11.982
だからこそ私のような超富豪は

00:18:11.982 --> 00:18:15.988
私たちの位置関係が
なぜ倫理的に正しく

00:18:15.988 --> 00:18:17.662
皆のためになるかについて

00:18:17.662 --> 00:18:21.776
他の人々に納得してもらえるような物語を

00:18:21.776 --> 00:18:25.908
常に求めてきたわけです

00:18:25.908 --> 00:18:30.183
たとえば私たち雇用を創り出す側は
絶対に必要で

00:18:30.183 --> 00:18:32.545
皆さんは そうではないとか

00:18:32.545 --> 00:18:35.931
私たち富裕層の減税は
成長につながるが

00:18:35.931 --> 00:18:37.945
皆さんへの投資は

00:18:37.945 --> 00:18:39.621
債務を膨らませ

00:18:39.621 --> 00:18:42.129
我が国を破産させるとか

00:18:42.129 --> 00:18:43.997
私たちに関係することは

00:18:43.997 --> 00:18:46.348
皆さんには関係ないとか

00:18:46.348 --> 00:18:48.991
何千年もの間
こうした物語は

00:18:48.991 --> 00:18:50.439
神権と呼ばれていました

00:18:50.439 --> 00:18:54.693
今日に至っては
トリクルダウン経済です

00:18:54.693 --> 00:18:58.576
どれもこれも誰が見たって
明らかに

00:18:58.576 --> 00:19:00.170
利己的ではありませんか

00:19:00.170 --> 00:19:02.952
私たち超富豪は理解する必要があります

00:19:02.952 --> 00:19:05.305
アメリカ合衆国が私たちを作ったのであり

00:19:05.305 --> 00:19:06.989
私たちが国を作ったのではありません

00:19:06.989 --> 00:19:09.827
中流階級の成長は

00:19:09.827 --> 00:19:12.123
資本主義経済における繁栄の源であり

00:19:12.123 --> 00:19:14.762
繁栄の結果ではありません

00:19:14.762 --> 00:19:17.453
そして私たちは決して忘れてはなりません

00:19:17.453 --> 00:19:21.148
私たちの中で最も有能な者でさえ
状況が最悪なら

00:19:21.148 --> 00:19:26.882
未舗装の道端に裸足で立ち
果物を売ることになるのです

NOTE Paragraph

00:19:26.882 --> 00:19:29.496
超富豪の仲間たちに告げます

00:19:29.496 --> 00:19:31.699
私たちが我が国のために再び尽力し

00:19:31.699 --> 00:19:34.261
より包括的で より効果的な

00:19:34.261 --> 00:19:38.615
新たな資本主義に取り組むべき
時が来たような気がします

00:19:38.615 --> 00:19:40.673
新たな資本主義はアメリカの経済を

00:19:40.673 --> 00:19:43.834
世界一の活力と繁栄に満ちたものとして

00:19:43.834 --> 00:19:47.220
末永くあり続けることを保証するものです

00:19:47.220 --> 00:19:49.380
我々自身の将来
そして―

00:19:49.380 --> 00:19:52.114
子々孫々の未来を守りましょう

00:19:52.114 --> 00:19:55.162
あるいは何もせず

00:19:55.162 --> 00:19:57.243
上流階級の優雅な暮らしや

00:19:57.243 --> 00:20:00.100
教育の中に身を潜めて

00:20:00.100 --> 00:20:02.136
自家用機やヨットで遊び―

00:20:02.136 --> 00:20:04.476
楽しいですしね

00:20:04.476 --> 00:20:06.287
民衆の反乱を待つかです

NOTE Paragraph

00:20:06.287 --> 00:20:07.810
ありがとうございました

NOTE Paragraph

00:20:07.810 --> 00:20:09.457
（拍手）