1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 50年前に私が海を探検し出した頃には 2 00:00:03,000 --> 00:00:09,000 誰も―ジャック・ペラン(映画監督) ジャック・クストー (海洋学者) レイチェル・カーソン(生物学者)でさえ 3 00:00:09,000 --> 00:00:12,000 私たちが海に捨てた物や 海から穫った物のせいで 4 00:00:12,000 --> 00:00:15,000 海が破壊されるなんて想像しませんでした 5 00:00:15,000 --> 00:00:18,000 かつての海はエデンの園のようでした 6 00:00:18,000 --> 00:00:24,000 今では「楽園喪失」が目前となっています 7 00:00:24,000 --> 00:00:27,000 私たちの誰もに影響を及ぼす― 8 00:00:27,000 --> 00:00:30,000 海の変化について 私の考えをお話しします 9 00:00:30,000 --> 00:00:34,000 大型の魚の90パーセントは この50年で 10 00:00:34,000 --> 00:00:37,000 私たちが捕獲して食べてしまったので 11 00:00:37,000 --> 00:00:40,000 失われてしまいました これがなぜ問題であるのか 12 00:00:40,000 --> 00:00:44,000 珊瑚礁の半分が消滅したことを 懸念すべきなのはなぜか 13 00:00:44,000 --> 00:00:50,000 太平洋における謎の酸素の減少が 海洋生物の生死にだけでなく 14 00:00:50,000 --> 00:00:53,000 皆さんにも関係するのはなぜか 15 00:00:53,000 --> 00:00:56,000 考えていきたいと思います 16 00:00:56,000 --> 00:00:58,000 本当に皆さんにも関係があるのです 17 00:00:58,000 --> 00:01:03,000 レイ・アンダーソンが朗読した「明日の子」に込められた 想いが心に残っています 18 00:01:03,000 --> 00:01:07,000 なぜサメやクロマグロ イカや珊瑚の棲む 19 00:01:07,000 --> 00:01:12,000 生命に満ちた海を守らなかったのか 20 00:01:12,000 --> 00:01:14,000 まだ時間があったにも関わらず・・・ 21 00:01:14,000 --> 00:01:17,000 今はまさに行動する時です 22 00:01:17,000 --> 00:01:20,000 皆さんに 支援いただいて 23 00:01:20,000 --> 00:01:23,000 海を探査するとともに 24 00:01:23,000 --> 00:01:26,000 自然の海の健全な姿を戻すための保護を通じて 25 00:01:26,000 --> 00:01:30,000 人類の希望も守りたいのです 26 00:01:30,000 --> 00:01:33,000 海が健全であることは 私達の健康を意味します 27 00:01:33,000 --> 00:01:40,000 ジル・ターター(天文学者)は地球外生命体の探索において 「地球人」という言葉を使っていますが 28 00:01:40,000 --> 00:01:42,000 そこにイルカやクジラなど 29 00:01:42,000 --> 00:01:45,000 海洋生物も含まれていることを願います 30 00:01:45,000 --> 00:01:48,000 そしていつの日か この地球上の人類の中から 31 00:01:48,000 --> 00:01:55,000 「知的生命体」の存在を示す証拠を 見つけられることを願ってますよ ジル 32 00:01:55,000 --> 00:01:57,000 (笑) 33 00:01:57,000 --> 00:02:00,000 これは冗談ですけどね 34 00:02:02,000 --> 00:02:05,000 すべてが始まったのは 35 00:02:05,000 --> 00:02:08,000 科学者として1953年に 36 00:02:08,000 --> 00:02:11,000 スキューバダイビングを始めた時でした 37 00:02:11,000 --> 00:02:14,000 この時初めて泳いでいる魚の姿を見ました 38 00:02:14,000 --> 00:02:17,000 レモンとバターで調理された魚とは別物です 39 00:02:17,000 --> 00:02:20,000 私はナイトダイビングが大好きです 40 00:02:20,000 --> 00:02:23,000 夜は昼間見れない様々な魚が見られます 41 00:02:23,000 --> 00:02:27,000 1970年の私にとって 昼夜問わずダイビングすることは容易でした 42 00:02:27,000 --> 00:02:32,000 当時はダイバーのグループを率いて 何週間も水中で暮らしていました 43 00:02:32,000 --> 00:02:39,000 ちょうど宇宙飛行士が月面着陸した頃です 44 00:02:39,000 --> 00:02:43,000 1979年 私はジムと呼ばれる潜水装置を使って 45 00:02:43,000 --> 00:02:46,000 海底に足跡を残すことができました 46 00:02:46,000 --> 00:02:50,000 約10キロの沖で水深約375メートルの海底でした 47 00:02:50,000 --> 00:02:53,000 私の大好きな水着の1つです 48 00:02:55,000 --> 00:02:59,000 それ以来 30種の潜水艇を使い 49 00:02:59,000 --> 00:03:02,000 3つの会社とディープサーチというNPOを創設しました 50 00:03:02,000 --> 00:03:05,000 それは深海を訪れるためのシステムを 51 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 設計して 開発するためです 52 00:03:07,000 --> 00:03:10,000 また5年間のナショナル・ジオグラフィックの調査や 53 00:03:10,000 --> 00:03:13,000 海洋生物保護のための調査を 54 00:03:13,000 --> 00:03:15,000 こんな小型の潜水艇で行いました 55 00:03:15,000 --> 00:03:18,000 取扱いは簡単で 科学者にも操作できます 56 00:03:18,000 --> 00:03:20,000 私がその証拠です 57 00:03:20,000 --> 00:03:22,000 宇宙飛行士もダイバーも 共に 58 00:03:22,000 --> 00:03:27,000 空気 食物 水 温度など 59 00:03:27,000 --> 00:03:31,000 生きるために必要なものの重要性を熟知しています 60 00:03:31,000 --> 00:03:34,000 宇宙飛行士のジョー・アレンからもこう聞きました 61 00:03:34,000 --> 00:03:37,000 生命維持システムに関しては学べる限りを学び 62 00:03:37,000 --> 00:03:40,000 システムの維持に必要な管理は 63 00:03:40,000 --> 00:03:43,000 すべて行ったのだ と 64 00:03:43,000 --> 00:03:48,000 それから 彼はこの地球を指さして 「生命維持システムだ」と言いました 65 00:03:48,000 --> 00:03:51,000 私たちは同様に学べることをすべて学び 66 00:03:51,000 --> 00:03:54,000 全力を尽くして保護する必要があるのです 67 00:03:54,000 --> 00:03:58,000 詩人オーデンの言葉です 「愛なくして生きた者は幾千あれども」 68 00:03:58,000 --> 00:04:01,000 「水なくして生きた者はいない」 69 00:04:01,000 --> 00:04:04,000 地球上の水の97%は海が占めています 70 00:04:04,000 --> 00:04:07,000 水なくして緑はないのです 71 00:04:07,000 --> 00:04:09,000 もし海が重要ではないと感じるのであれば 72 00:04:09,000 --> 00:04:12,000 海がない地球を想像してみてください 73 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 火星はまさしくそうです 74 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 海もない ゆえに生命維持システムもない 75 00:04:16,000 --> 00:04:19,000 少し前に世界銀行に対してスピーチを行ったとき 76 00:04:19,000 --> 00:04:22,000 私はこの美しい地球の絵を見せて言ったんです 77 00:04:22,000 --> 00:04:25,000 「これが世界銀行です!」 78 00:04:25,000 --> 00:04:29,000 「ここにすべての財産があります!」 79 00:04:31,000 --> 00:04:34,000 そして私たちは自然システムが修復するより 80 00:04:34,000 --> 00:04:37,000 早いスピードで根こそぎの破壊をしてきました 81 00:04:37,000 --> 00:04:40,000 ティム・ワースは言います 「経済活動は環境に全面的に依存している」 82 00:04:40,000 --> 00:04:42,000 皆さんが飲む一滴の水も 83 00:04:42,000 --> 00:04:44,000 一息の空気も 84 00:04:44,000 --> 00:04:47,000 海につながっているのです 85 00:04:47,000 --> 00:04:49,000 地球のどこに住んでいても同じです 86 00:04:49,000 --> 00:04:52,000 大気中の酸素の大半は海で生成されます 87 00:04:52,000 --> 00:04:55,000 長年に渡って 地球上の有機炭素の大半は 88 00:04:55,000 --> 00:04:58,000 海に生きる微生物によって 89 00:04:58,000 --> 00:05:00,000 吸収され蓄えられてきました 90 00:05:00,000 --> 00:05:02,000 気候や天気 気温の安定化 地球における化学まで 91 00:05:02,000 --> 00:05:04,000 すべて海に支配されているのです 92 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 海水の水分が雲を生み 93 00:05:06,000 --> 00:05:09,000 雨やあられ そして雪として 94 00:05:09,000 --> 00:05:11,000 陸や海に帰り 95 00:05:11,000 --> 00:05:15,000 97パーセントもの地球上の生命に 生きる場を与えています 96 00:05:15,000 --> 00:05:17,000 宇宙でもそうかもしれません 97 00:05:17,000 --> 00:05:19,000 水がなければ 命はありません 98 00:05:19,000 --> 00:05:21,000 青い海がなければ 緑の大地もありません 99 00:05:21,000 --> 00:05:24,000 しかし私たち人間は 100 00:05:24,000 --> 00:05:27,000 地球は 海も空も 101 00:05:27,000 --> 00:05:30,000 とても広大で 回復力があるので 102 00:05:30,000 --> 00:05:32,000 何をしても地球に影響がないと思いがちです 103 00:05:32,000 --> 00:05:35,000 これは一万年前には真実だったかもしれません 104 00:05:35,000 --> 00:05:38,000 もしかしたら千年前もそうだったかもしれません 105 00:05:38,000 --> 00:05:40,000 しかしこの百年 特に最近50年となると 106 00:05:40,000 --> 00:05:42,000 この考え方はもはや通用しません 107 00:05:42,000 --> 00:05:45,000 空気 水 動物などの自然を 108 00:05:45,000 --> 00:05:48,000 私たちは使い過ぎたのです 109 00:05:48,000 --> 00:05:51,000 近年 新たな技術の登場によって 110 00:05:51,000 --> 00:05:54,000 自然の本来の姿や自然界での出来事が 111 00:05:54,000 --> 00:05:56,000 少しずつ分かる様になってきました 112 00:05:56,000 --> 00:05:59,000 私たちが及ぼした影響も分かる様になりました 113 00:05:59,000 --> 00:06:02,000 まず問題があることに気付かなければ始まりません 114 00:06:02,000 --> 00:06:05,000 そして今 幸いなことに 115 00:06:05,000 --> 00:06:08,000 自分たちの問題について かつてないほど多くを学んできました 116 00:06:08,000 --> 00:06:11,000 知ることによって思いやりが生まれ 117 00:06:11,000 --> 00:06:13,000 思いやりによって希望がもたらされます 118 00:06:13,000 --> 00:06:16,000 私たちが依存する自然システムの中に 119 00:06:16,000 --> 00:06:19,000 永遠の居場所が見出だせるかもしれません 120 00:06:19,000 --> 00:06:22,000 しかしまずは初めに知る必要があります 121 00:06:22,000 --> 00:06:25,000 3年前 グーグルアースのリーダー 122 00:06:25,000 --> 00:06:27,000 ジョン・ハンキに会いました 123 00:06:27,000 --> 00:06:30,000 世界中を手元に引き寄せ 自由に擬似的な探査ができるのは 124 00:06:30,000 --> 00:06:32,000 すばらしいと彼に伝えました 125 00:06:32,000 --> 00:06:35,000 そして「いつグーグルアースは完成するの? 126 00:06:35,000 --> 00:06:38,000 陸上については完璧に見れるけれども 127 00:06:38,000 --> 00:06:41,000 海はいつ見れるの?」と彼に尋ねました 128 00:06:41,000 --> 00:06:45,000 それ以来 グーグルやDOER Marine 129 00:06:45,000 --> 00:06:48,000 ナショナル・ジオグラフィック そして 130 00:06:48,000 --> 00:06:53,000 世界中の最高の研究所と科学者たちを巻き込んで 131 00:06:53,000 --> 00:06:56,000 グーグルアースに「海」を作るために活動できたことは 132 00:06:56,000 --> 00:06:59,000 とても光栄でした 133 00:06:59,000 --> 00:07:01,000 ちょうど今週月曜日にそれが完成し 134 00:07:01,000 --> 00:07:04,000 グーグルアースは本当の意味で「地球」になりました 135 00:07:04,000 --> 00:07:07,000 これを見てください わたしたちがいるこの建物からスタートして 136 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 近くの水族館も見えますし 137 00:07:09,000 --> 00:07:11,000 私たちの座っているここも見れます 138 00:07:11,000 --> 00:07:14,000 さらに海岸線を上って行くと大きな水族館や海があります 139 00:07:14,000 --> 00:07:17,000 カリフォルニアの4つの国立海洋保護区に 140 00:07:17,000 --> 00:07:20,000 新しい州立海洋保護指定区も分かります 141 00:07:20,000 --> 00:07:24,000 ここでまさに 私たちの財産である海を守り 回復する取り組みが始まっています 142 00:07:24,000 --> 00:07:27,000 ハワイにパッと飛べば 143 00:07:27,000 --> 00:07:30,000 ハワイ列島が見れます 144 00:07:30,000 --> 00:07:33,000 それも海面から顔を出してる島だけではなく 145 00:07:33,000 --> 00:07:36,000 海面下にあるものも見れるんです 146 00:07:36,000 --> 00:07:39,000 ちょっと待ってくださいね。ザッブーン! 147 00:07:39,000 --> 00:07:41,000 そう!こんな感じで! 148 00:07:42,000 --> 00:07:45,000 ここは海の中 クジラが見ているのと同じ景色を見ることができます 149 00:07:45,000 --> 00:07:50,000 普段は見えないハワイ列島がここでは見れます 150 00:07:50,000 --> 00:07:54,000 グーグルアースで海を自由に泳ぎ回って 151 00:07:54,000 --> 00:07:58,000 ザトウクジラに会うこともできます 152 00:07:58,000 --> 00:08:03,000 彼らは大きいけれども穏やかで 水中でいつ会っても 153 00:08:03,000 --> 00:08:06,000 嬉しく感じる生き物です 154 00:08:06,000 --> 00:08:09,000 クジラにじっと見られるのは何ともいいようのない体験です 155 00:08:09,000 --> 00:08:13,000 最も深い場所を選び 行ってみましょう 156 00:08:13,000 --> 00:08:16,000 水面下 約11kmにあるマリアナ海溝 157 00:08:16,000 --> 00:08:18,000 歴史上わずか2人しか訪れていない世界へ 158 00:08:18,000 --> 00:08:21,000 たった11kmなのに 159 00:08:21,000 --> 00:08:24,000 2人しか行ったことがないのです。しかも49年前に 160 00:08:24,000 --> 00:08:27,000 片道切符でなら簡単ですが 161 00:08:27,000 --> 00:08:30,000 新しい深海用潜水艦が必要です 162 00:08:30,000 --> 00:08:33,000 なぜ海洋探検にはエックスプライズ財団がないのかしら? 163 00:08:33,000 --> 00:08:37,000 深い海溝や海山も 164 00:08:37,000 --> 00:08:40,000 海の生命を理解するためにもっと探査する必要があります 165 00:08:40,000 --> 00:08:43,000 さて次は北極に行きましょう 166 00:08:43,000 --> 00:08:47,000 10年前に私は北極の氷の上に立ちましたが 167 00:08:47,000 --> 00:08:52,000 今世紀中には北極海の氷は無くなってしまうかもしれません 168 00:08:52,000 --> 00:08:56,000 これはホッキョクグマにとって非常に残念なニュースですが 169 00:08:56,000 --> 00:08:59,000 私たちにとっても残念なニュースです 170 00:08:59,000 --> 00:09:02,000 過剰な二酸化炭素排出は温暖化を促進しているのみならず 171 00:09:02,000 --> 00:09:05,000 海水の酸性化など 172 00:09:05,000 --> 00:09:08,000 海の状態にも大きく影響しているのです 173 00:09:08,000 --> 00:09:11,000 これは酸素を作り出すプランクトンやサンゴ礁にとって 174 00:09:11,000 --> 00:09:14,000 当然私たちにも残念なニュースです 175 00:09:14,000 --> 00:09:17,000 私たちは数えきれない量のプラスチックを 176 00:09:17,000 --> 00:09:19,000 そのまま海に捨てています 177 00:09:19,000 --> 00:09:22,000 大量に捨てられた漁業用の網も 178 00:09:22,000 --> 00:09:25,000 海中の生物の命を奪っているのです 179 00:09:25,000 --> 00:09:29,000 私たちは海を汚し 地球の循環システムに毒を注いでいます 180 00:09:29,000 --> 00:09:32,000 その結果 私たちは数えきれないほど多くの自然生物の 181 00:09:32,000 --> 00:09:35,000 命を奪っているのです 182 00:09:37,000 --> 00:09:42,000 私たちは残忍にもフカヒレスープのためにサメを殺すことで 183 00:09:42,000 --> 00:09:45,000 食物連鎖を断ち切り 地球上の化学物質による 184 00:09:45,000 --> 00:09:48,000 炭素循環や窒素循環 185 00:09:48,000 --> 00:09:51,000 酸素循環に水循環など 186 00:09:51,000 --> 00:09:54,000 あらゆる生命維持システムを壊しているのです 187 00:09:54,000 --> 00:09:58,000 絶滅危惧種にも指定されているクロマグロは 188 00:09:58,000 --> 00:10:01,000 その尊い命を奪われ続けています 189 00:10:02,000 --> 00:10:07,000 これらはすべて生命維持システムの一部なのです 190 00:10:07,000 --> 00:10:13,000 数十センチ毎に針の付いた釣り縄を80kmも延ばし 191 00:10:13,000 --> 00:10:15,000 海中の生物の命を奪っているのです 192 00:10:15,000 --> 00:10:19,000 商業用のトロール船や底曳き漁船は 193 00:10:19,000 --> 00:10:22,000 ブルドーザーの様に海底にあるすべてをさらってゆきます 194 00:10:22,000 --> 00:10:25,000 グーグルアースを使えばトロール船が 195 00:10:25,000 --> 00:10:29,000 両シナ海 北海 メキシコ湾などで 196 00:10:29,000 --> 00:10:33,000 生命維持システムの根底を揺るがし 197 00:10:33,000 --> 00:10:35,000 「死」の跡を残している姿を目撃します 198 00:10:35,000 --> 00:10:38,000 次回 皆さんがお寿司や刺身 199 00:10:38,000 --> 00:10:40,000 カジキのステーキやシュリンプカクテル 200 00:10:40,000 --> 00:10:43,000 海産物を食べる機会があるときは 201 00:10:43,000 --> 00:10:46,000 隠れた真の犠牲のことを考えてみて下さい 202 00:10:46,000 --> 00:10:48,000 市場に出回る 500グラムに対して 203 00:10:48,000 --> 00:10:52,000 5キロ以上 ときには50キロもの魚が混獲され 204 00:10:52,000 --> 00:10:56,000 捨てられているのです 205 00:10:56,000 --> 00:10:59,000 これは海から獲れる資源には限りがある ということを 206 00:10:59,000 --> 00:11:02,000 知らないゆえに 起こっているのです 207 00:11:02,000 --> 00:11:06,000 この図で1900年から2000年までの 208 00:11:06,000 --> 00:11:09,000 海洋生物の減少をお見せします 209 00:11:09,000 --> 00:11:12,000 生物の密度の高いところを赤く示しています 210 00:11:12,000 --> 00:11:14,000 信じられないことに私が生きている間に 211 00:11:14,000 --> 00:11:18,000 大型魚の90パーセントが殺されてしまったのです 212 00:11:18,000 --> 00:11:20,000 カメ サメ マグロ そしてクジラの 213 00:11:20,000 --> 00:11:24,000 ほとんどの種が激減しています 214 00:11:24,000 --> 00:11:26,000 しかし良いニュースもあります 215 00:11:26,000 --> 00:11:28,000 10パーセントの大型魚はまだ生きているのです 216 00:11:28,000 --> 00:11:30,000 まだシロナガスクジラが生きています 217 00:11:30,000 --> 00:11:33,000 南極にはオキアミもまだ生きています 218 00:11:33,000 --> 00:11:35,000 チェサピーク湾にはカキが生きています 219 00:11:35,000 --> 00:11:38,000 まだ半数のサンゴ礁はとても良い状態で 220 00:11:38,000 --> 00:11:41,000 地球の真ん中に美しいベルトをかけています 221 00:11:41,000 --> 00:11:44,000 状況を変えるためにまだ時間はあります 222 00:11:44,000 --> 00:11:46,000 しかし多くの時間は残されていません 223 00:11:46,000 --> 00:11:48,000 このまま漁業を続けると50年後には 224 00:11:48,000 --> 00:11:51,000 珊瑚礁が消えてしまうかもしれません 225 00:11:51,000 --> 00:11:55,000 漁業もなくなってしまうかもしれません 魚がいなくなってしまうからです 226 00:11:55,000 --> 00:11:59,000 魚のいない海を想像してみて下さい 227 00:11:59,000 --> 00:12:03,000 それがどれだけ生命維持システムに影響することか 228 00:12:03,000 --> 00:12:06,000 陸の自然環境も大きな問題を抱えていますが 229 00:12:06,000 --> 00:12:08,000 問題が目に見えて分かりやすく 230 00:12:08,000 --> 00:12:14,000 森や川 動物を守る取組みがすでに行われています 231 00:12:14,000 --> 00:12:18,000 1872年のイエローストーン国立公園を皮切りに 232 00:12:18,000 --> 00:12:21,000 アメリカで国立公園が制定され始めました 233 00:12:21,000 --> 00:12:26,000 アメリカがした一番良かった事と言う人もいます 234 00:12:26,000 --> 00:12:30,000 現在では国土の約12パーセントが保護されています 235 00:12:30,000 --> 00:12:34,000 生物の多様性を守り 二酸化炭素の吸収源を提供し 236 00:12:34,000 --> 00:12:36,000 酸素を生成し 川を守っているのです 237 00:12:36,000 --> 00:12:41,000 1972年には陸だけでなく海にも 238 00:12:41,000 --> 00:12:43,000 国立海洋保護区が設立されました 239 00:12:43,000 --> 00:12:45,000 これも素晴らしいことでした 240 00:12:45,000 --> 00:12:47,000 さらに良いニュースは 241 00:12:47,000 --> 00:12:51,000 今では世界中の海に4,000カ所以上も 242 00:12:51,000 --> 00:12:53,000 保護区ができているのです 243 00:12:53,000 --> 00:12:55,000 グーグルアースで見ることができます 244 00:12:55,000 --> 00:12:57,000 残念なことに よく注意して探さないと 245 00:12:57,000 --> 00:12:59,000 見つからないのです 246 00:12:59,000 --> 00:13:01,000 例えばこの3年間で 247 00:13:01,000 --> 00:13:07,000 アメリカは約88万平方キロもの海を保護区に指定しました 248 00:13:07,000 --> 00:13:10,000 しかしそれは海全体からみればわずか0.6パーセントから 249 00:13:10,000 --> 00:13:15,000 0.8パーセントに増加しただけのことなのです 250 00:13:15,000 --> 00:13:18,000 保護区域は確かに改善の方向ですが 251 00:13:18,000 --> 00:13:20,000 元に戻すには 時間が長くかかります 252 00:13:20,000 --> 00:13:24,000 ― 50歳のロックフィッシュ アンコウ サメやスズキ 253 00:13:24,000 --> 00:13:26,000 200歳のヒウチダイを取り戻す時間 254 00:13:26,000 --> 00:13:29,000 陸上では200歳の牛や鶏を食べたりしません 255 00:13:30,000 --> 00:13:33,000 エド・ウィルソン(生物学者)が夢見たように 256 00:13:33,000 --> 00:13:36,000 「生物大百科」に載る海洋生物がみな 257 00:13:36,000 --> 00:13:40,000 リストや写真や文章で残されるだけでなく 258 00:13:40,000 --> 00:13:44,000 保護区域では生き残るだろうという 259 00:13:44,000 --> 00:13:48,000 希望が生まれます 260 00:13:48,000 --> 00:13:51,000 世界中の科学者と共に漁業や資源採掘 261 00:13:51,000 --> 00:13:55,000 原油の掘削やゴミ捨てに利用される海域の99パーセントを調査しました 262 00:13:55,000 --> 00:13:57,000 まだ復元できる海域を探すため そして 263 00:13:57,000 --> 00:14:01,000 海洋生物と私たちの未来を守る途を探るためです 264 00:14:01,000 --> 00:14:03,000 北極などはその一例で 265 00:14:03,000 --> 00:14:06,000 今を逃すと もうチャンスはありません 266 00:14:06,000 --> 00:14:09,000 南極もそうです 大陸は保護されていますが 267 00:14:09,000 --> 00:14:15,000 近隣の海からはオキアミ クジラ そして魚が奪われています 268 00:14:15,000 --> 00:14:20,000 800万平方kmのサルガッソ海から 269 00:14:20,000 --> 00:14:23,000 牛のエサにするために海藻が刈リ集められています 270 00:14:23,000 --> 00:14:27,000 ガラパゴス諸島の97パーセントは保護されていますが 271 00:14:27,000 --> 00:14:31,000 近郊海域は漁業によって壊されています 272 00:14:31,000 --> 00:14:33,000 パタゴニアの大陸棚の上にあるアルゼンチンでも 273 00:14:33,000 --> 00:14:36,000 深刻な問題になっています 274 00:14:36,000 --> 00:14:41,000 クジラやマグロ イルカが回遊する外洋は 275 00:14:41,000 --> 00:14:44,000 地上で最大かつ最も保護されていない生態系です 276 00:14:44,000 --> 00:14:47,000 発光生物もたくさん生きていて 277 00:14:47,000 --> 00:14:50,000 平均すると深さ3キロの暗い海にいます 278 00:14:50,000 --> 00:14:53,000 閃光のように 花火のように 279 00:14:53,000 --> 00:14:56,000 あるいはぼんやりと 光る命です 280 00:14:56,000 --> 00:14:59,000 海には私が子供の頃からずっと 手つかずの場所がまだあります 281 00:14:59,000 --> 00:15:03,000 これから10年は今までで最も重要で 282 00:15:03,000 --> 00:15:07,000 この10年次第で次の1万年に守るべき 283 00:15:07,000 --> 00:15:13,000 自然環境があるかないかが決まります 284 00:15:13,000 --> 00:15:16,000 気候変化に対応すべく 新たなエネルギー源が必要です 285 00:15:16,000 --> 00:15:22,000 貧困 戦争 病気に対処するため 新しい 優れた方法が必要です 286 00:15:22,000 --> 00:15:26,000 あらゆるものを守り 世界をより良い場所にする必要があります 287 00:15:26,000 --> 00:15:29,000 しかしそれができたとしても 288 00:15:29,000 --> 00:15:32,000 海を守れなければ意味を成しません 289 00:15:32,000 --> 00:15:36,000 私たちの未来は海と共にあるのです 290 00:15:36,000 --> 00:15:40,000 アル・ゴアが空に対して行ったことが海にも必要なのです 291 00:15:40,000 --> 00:15:43,000 世界規模での計画が進行しています 292 00:15:43,000 --> 00:15:45,000 国際自然保護連合, IUCNの下で 293 00:15:45,000 --> 00:15:47,000 生物の多様性を維持し 294 00:15:47,000 --> 00:15:51,000 気候変動の影響を軽減し 回復させる活動を 295 00:15:51,000 --> 00:15:55,000 外洋や沿岸海域を問わず 296 00:15:55,000 --> 00:15:59,000 環境破壊にさらされている地域で行っています 297 00:15:59,000 --> 00:16:03,000 海の95パーセントは未知なので 地図を作り 写真を撮り 298 00:16:03,000 --> 00:16:07,000 探査するために新技術が必要です 299 00:16:07,000 --> 00:16:10,000 私たちのゴールは生物の多様性を維持し 300 00:16:10,000 --> 00:16:12,000 安定と回復を促すことです 301 00:16:12,000 --> 00:16:14,000 海の探査には 深く潜れる潜水艦の 302 00:16:14,000 --> 00:16:17,000 新たな技術が必要なのです 303 00:16:17,000 --> 00:16:20,000 次のステップを見つけるために 304 00:16:20,000 --> 00:16:22,000 海洋保護のためのTEDが 305 00:16:22,000 --> 00:16:24,000 まさしく必要なのです 306 00:16:25,000 --> 00:16:28,000 そろそろ私の TED Wish に移ります 307 00:16:29,000 --> 00:16:34,000 映画 探査 インターネット 新しい潜水艦など 308 00:16:34,000 --> 00:16:37,000 可能な限りあらゆる手段を使って 309 00:16:37,000 --> 00:16:40,000 支援活動の活性化を皆さんにお願いしたいのです 310 00:16:40,000 --> 00:16:43,000 海洋保護区域を世界中に広げるため 311 00:16:43,000 --> 00:16:47,000 海を救い回復させることができる大きな保護区域のため 312 00:16:47,000 --> 00:16:50,000 そして地球の青い心を守るために 313 00:16:50,000 --> 00:16:52,000 どれほど広い保護区か 314 00:16:52,000 --> 00:16:55,000 中には10パーセントという人 0パーセントという人がいます 315 00:16:55,000 --> 00:16:59,000 どれだけ海を守りたいかは皆さんが決めてください 316 00:17:00,000 --> 00:17:02,000 ただそれがどれくらいであれ 317 00:17:02,000 --> 00:17:05,000 1パーセントに満たないようでは足りないのです 318 00:17:06,000 --> 00:17:08,000 私の願いは大きすぎるかもしれません 319 00:17:08,000 --> 00:17:12,000 しかし実現できれば 本当に世界を変えることができるのです 320 00:17:12,000 --> 00:17:15,000 そしてそれは私が1番好きな種の 321 00:17:15,000 --> 00:17:21,000 存続につながります 322 00:17:21,000 --> 00:17:23,000 つまり人類の存続に 323 00:17:23,000 --> 00:17:25,000 今の子供たちのために 324 00:17:25,000 --> 00:17:27,000 そして明日の子供たちのために 325 00:17:27,000 --> 00:17:31,000 今度ではな く 今が動くときなのです 326 00:17:32,000 --> 00:17:33,000 ありがとうございました 327 00:17:33,000 --> 00:17:48,000 (拍手)