WEBVTT 00:00:01.114 --> 00:00:08.606 過去数世紀に渡って 顕微鏡は世界を変えてきました 00:00:09.036 --> 00:00:14.252 小さすぎて肉眼では見えない 物や生物や構造の世界を 00:00:14.252 --> 00:00:17.158 顕微鏡が明らかにし 00:00:17.158 --> 00:00:20.177 科学や技術に対して 大いなる貢献をしました 00:00:20.177 --> 00:00:23.404 今日ご紹介したいのは 新しいタイプの顕微鏡 00:00:23.404 --> 00:00:25.982 「変化を見る顕微鏡」です 00:00:25.982 --> 00:00:28.884 普通の顕微鏡のように 光学的に小さなものを大きく 00:00:28.884 --> 00:00:30.881 見せるのではなく 00:00:30.881 --> 00:00:35.257 ビデオと画像処理を使って 00:00:35.257 --> 00:00:40.513 肉眼では見えないような 人や物の微細な動きや 00:00:40.513 --> 00:00:44.355 色の変化を 見えるようにします 00:00:44.355 --> 00:00:48.475 これは世界に対する まったく別の見方を与えてくれます 00:00:48.475 --> 00:00:50.385 色の変化とは どんなものかですが 00:00:50.385 --> 00:00:53.217 例えば人の肌というのは 血の流れに応じて 00:00:53.217 --> 00:00:55.214 色がかすかに変化します 00:00:55.214 --> 00:00:57.611 これはとても 微妙な変化であるため 00:00:57.611 --> 00:00:59.674 隣に座っている人を 見たところで 00:00:59.674 --> 00:01:01.925 肌や顔の色が 00:01:01.925 --> 00:01:05.500 変わっているようには 見えません 00:01:05.500 --> 00:01:09.860 このスティーブの映像を見ても 静止画のように見えます 00:01:09.860 --> 00:01:13.720 しかし私達の新しい顕微鏡を 通して見ると 00:01:13.720 --> 00:01:16.320 まったく異なる イメージが現れます 00:01:16.320 --> 00:01:20.250 肌の色の小さな変化を 100倍増幅することで 00:01:20.250 --> 00:01:24.686 目で見て分かる ようにしています 00:01:24.686 --> 00:01:27.953 脈拍を見て取る こともできます 00:01:27.953 --> 00:01:31.180 心拍の早さだけでなく 00:01:31.180 --> 00:01:36.535 顔を血がどう流れているかも 分かります 00:01:36.544 --> 00:01:39.175 脈拍を可視化 できるだけでなく 00:01:39.175 --> 00:01:42.646 心拍数を正確に 00:01:42.646 --> 00:01:44.439 計測することもできます 00:01:44.439 --> 00:01:48.892 普通のカメラでできて 患者に触れる必要もありません 00:01:48.892 --> 00:01:54.509 ここでは普通のDSLRカメラで撮った 新生児の映像から 00:01:54.509 --> 00:01:57.390 脈拍と心拍数を 取り出しています 00:01:57.390 --> 00:01:59.206 これで計測した心拍数は 00:01:59.206 --> 00:02:04.017 病院にある通常の計器によるのと 同様の正確さがあります 00:02:04.017 --> 00:02:06.659 映像も自分で撮ったもの である必要はなく 00:02:06.659 --> 00:02:09.654 既存のビデオを使うこともできます 00:02:09.654 --> 00:02:13.555 これは『バットマン ビギンズ』の一場面から 00:02:13.555 --> 00:02:15.459 クリスチャン・ベールの心拍が 見えるようにしたものです(笑) 00:02:15.459 --> 00:02:17.281 クリスチャン・ベールの心拍が 見えるようにしたものです(笑) 00:02:17.281 --> 00:02:19.404 映画なのでメークも しているだろうし 00:02:19.404 --> 00:02:21.357 光の条件にも 難しい面がありますが 00:02:21.357 --> 00:02:24.308 それでも映像から 彼の心拍を 00:02:24.308 --> 00:02:26.326 非常にうまく 取り出せています 00:02:26.326 --> 00:02:28.246 どうやっているのかですが 00:02:28.246 --> 00:02:32.844 ビデオのそれぞれの ピクセルに記録された 00:02:32.844 --> 00:02:35.115 光の時間的変化を分析し 00:02:35.115 --> 00:02:36.913 その変化を拡大しています 00:02:36.913 --> 00:02:39.075 変化が見て分かるくらいに 大きくするわけです 00:02:39.075 --> 00:02:40.977 難しいのは 捉えたい変化が 00:02:40.977 --> 00:02:43.910 非常に小さなものだ ということで 00:02:43.910 --> 00:02:46.689 その変化を 録画につきもののノイズから 00:02:46.689 --> 00:02:50.520 注意深く分離する 必要があります 00:02:50.520 --> 00:02:53.515 それぞれのピクセルの ごく正確な色を得るために 00:02:53.515 --> 00:02:57.509 巧妙な画像処理を 行っています 00:02:57.509 --> 00:03:00.179 それから色の 時間変化の仕方を捉え 00:03:00.179 --> 00:03:02.872 それを拡大して 00:03:02.872 --> 00:03:06.852 変化が目で見て分かるよう 変化の強調された 00:03:06.852 --> 00:03:09.024 映像を作ります 00:03:09.024 --> 00:03:13.262 このようにして見えるようにできるものには 微細な色の変化だけでなく 00:03:13.262 --> 00:03:15.503 微細な動きもあります 00:03:15.503 --> 00:03:19.079 カメラに記録される光は 色の変化によってだけでなく 00:03:19.079 --> 00:03:21.889 物の動きによっても 00:03:21.889 --> 00:03:24.257 変化するからです 00:03:24.257 --> 00:03:27.893 これは生後2ヶ月の頃の 私の娘です 00:03:27.893 --> 00:03:30.892 3年ほど前に 録画したものです 00:03:30.892 --> 00:03:34.100 親になったばかりの人は 赤ちゃんが健康か 息をしているか 00:03:34.100 --> 00:03:36.642 生きているか いつも気にかけています 00:03:36.642 --> 00:03:38.784 私も娘の眠っている姿を 見られるよう 00:03:38.784 --> 00:03:41.253 ベビーモニターを 買いました 00:03:41.253 --> 00:03:44.780 普通のベビーモニターで見られるのは このような映像です 00:03:44.780 --> 00:03:48.462 眠っている様子は分かりますが 情報は大して得られません 00:03:48.474 --> 00:03:50.078 見て分かる事は 殆どありません 00:03:50.078 --> 00:03:52.902 もしこんな風に 見えたとしたら 00:03:52.902 --> 00:03:55.892 もっと情報が得られて 有用ではないでしょうか? 00:03:55.892 --> 00:04:02.248 動きを30倍拡大することで 娘の動きがはっきり見て取れるようになりました 00:04:02.248 --> 00:04:06.074 これで娘が確かに生きて 呼吸しているのが分かります 00:04:06.074 --> 00:04:08.327 (笑) 00:04:08.327 --> 00:04:10.249 並べて比較したところですが 00:04:10.249 --> 00:04:12.732 元々のビデオでは 00:04:12.732 --> 00:04:14.368 動きが分かりません 00:04:14.368 --> 00:04:18.075 しかし動きを拡大した映像では 呼吸の様子がよく分かります 00:04:18.075 --> 00:04:20.144 この「変化を見る顕微鏡」によって 00:04:20.144 --> 00:04:23.768 明らかにできる身の回りの現象は たくさんあります 00:04:23.768 --> 00:04:28.332 体の中で静脈や動脈が どう脈打っているか分かります 00:04:28.332 --> 00:04:30.960 目が絶えずユラユラ 動いていることも 00:04:30.960 --> 00:04:32.847 よく分かります 00:04:32.847 --> 00:04:34.356 これは私の目で 00:04:34.356 --> 00:04:37.421 娘が生まれた頃に 撮ったので 00:04:37.421 --> 00:04:41.623 あまり寝ていないのが 分かるかと思います(笑) 00:04:41.623 --> 00:04:44.339 じっと座っている人からでさえ 00:04:44.339 --> 00:04:46.383 多くの情報が得られます 00:04:46.383 --> 00:04:49.912 呼吸のパターンとか 小さな顔の表情とか 00:04:49.912 --> 00:04:51.537 このような動きから 00:04:51.537 --> 00:04:54.691 その人の思っていることや 感情も分かるかもしれません 00:04:54.691 --> 00:04:57.946 エンジンの振動のような 小さな機械の動きも 00:04:57.946 --> 00:04:59.501 拡大して見えるようにできます 00:04:59.501 --> 00:05:03.193 機械の問題の検出や診断を技術者がするのに 役立つかもしれません 00:05:03.193 --> 00:05:07.931 建物や構造物が風に揺れたり 反発したりする様子も見て取れます 00:05:07.931 --> 00:05:12.512 こういった動きを計測する方法なら 以前からありましたが 00:05:12.512 --> 00:05:14.965 その動いている様子を 00:05:14.965 --> 00:05:17.241 実際に目で見えるようにする というのは 00:05:17.241 --> 00:05:19.795 また別の話になります 00:05:19.795 --> 00:05:22.836 私達はこの技術を開発して以来 00:05:22.836 --> 00:05:26.789 ネット上でプログラムを公開して 誰でも実験できるようにしています 00:05:26.789 --> 00:05:28.664 とても簡単に使え 00:05:28.664 --> 00:05:30.708 自分のビデオで 試すことができます 00:05:30.708 --> 00:05:33.901 私達の協力者のQuanta Researchは ご覧のようなサイトも用意していて 00:05:33.901 --> 00:05:36.579 ビデオをアップするだけで 結果を見られます 00:05:36.579 --> 00:05:40.395 だからコンピュータサイエンスや プログラミングの知識がまったくなくても 00:05:40.395 --> 00:05:43.331 簡単にこの顕微鏡で 実験ができます 00:05:43.331 --> 00:05:45.735 これを使ってみんなが どんなことをしているのか 00:05:45.735 --> 00:05:48.470 いくつかご覧に入れましょう 00:05:48.470 --> 00:05:53.787 このビデオはTomez85という YouTubeユーザーが作ったもので 00:05:53.787 --> 00:05:55.250 どういう人なのか知りませんが 00:05:55.250 --> 00:05:57.595 私達のプログラムを使って 00:05:57.595 --> 00:06:01.310 妊婦のお腹の動きを 拡大しています 00:06:01.310 --> 00:06:02.912 ちょっと不気味ですね 00:06:02.912 --> 00:06:04.525 (笑) 00:06:04.525 --> 00:06:09.486 ここでは手の静脈の拍動を 拡大しています 00:06:09.486 --> 00:06:13.268 しかしモルモットを使わなくちゃ 科学っぽくなりませんよね 00:06:13.268 --> 00:06:16.658 このモルモットは ティファニーという名前で 00:06:16.658 --> 00:06:19.607 作者はこれが 微細な動きを拡大された 00:06:19.607 --> 00:06:22.295 最初の齧歯類だと 主張しています 00:06:22.295 --> 00:06:24.483 美術作品を作ることもできます 00:06:24.483 --> 00:06:27.501 イェール大のデザイン科の学生が 送ってきたもので 00:06:27.501 --> 00:06:29.638 友人の身動きの仕方に 違いがあるか 00:06:29.638 --> 00:06:31.160 知りたかったのだそうです 00:06:31.160 --> 00:06:35.369 じっとしているように頼んで それから動きを拡大したものです 00:06:35.369 --> 00:06:38.747 写真が動き始めたみたいな 感じがします 00:06:38.747 --> 00:06:41.180 これらの例の良いところは 00:06:41.180 --> 00:06:43.476 我々自身何もする必要が なかったことです 00:06:43.476 --> 00:06:47.330 ただ新しい道具と 世界を見る新しい方法を提供するだけで 00:06:47.330 --> 00:06:52.462 いろんな人が新しくて面白い 創造的な使い方を見つけてくれます 00:06:52.462 --> 00:06:54.226 しかしそれで終わりではありません 00:06:54.226 --> 00:06:57.477 このツールは世界に対し 新しい見方ができるようにするだけでなく 00:06:57.477 --> 00:06:59.845 カメラで出来ることを再定義し 00:06:59.845 --> 00:07:03.026 可能性の限界を 押し広げもします 00:07:03.026 --> 00:07:05.255 科学者として 私達は考え始めました 00:07:05.255 --> 00:07:09.040 カメラで計測できる 微細な動きを生み出す物理現象として 00:07:09.040 --> 00:07:11.943 他にどんなものがあるだろう? 00:07:11.943 --> 00:07:15.944 そのような現象の1つとして 我々が最近取り組んでいるのが「音」です 00:07:15.944 --> 00:07:18.049 音というのは基本的に 00:07:18.049 --> 00:07:20.232 空気中を伝わる空気圧の変化です 00:07:20.232 --> 00:07:23.853 圧力の波が物にぶつかる時 小さな振動を生じ 00:07:23.853 --> 00:07:26.385 それを使って私達は音を聞いたり 録音したりしています 00:07:26.385 --> 00:07:30.053 しかし音は視覚的な 動きも作り出します 00:07:30.053 --> 00:07:32.886 肉眼では見えなくとも 00:07:32.886 --> 00:07:35.887 カメラを使って適切に処理すれば 見えるようになります 00:07:35.887 --> 00:07:37.460 例を2つお見せします 00:07:37.460 --> 00:07:40.074 これは私が素晴らしい歌唱力を 披露しているところです 00:07:41.064 --> 00:07:42.698 アー 00:07:42.698 --> 00:07:44.134 (笑) 00:07:44.134 --> 00:07:47.120 声を出している時の喉を 高速度カメラで撮影しました 00:07:47.120 --> 00:07:48.884 元の映像を見ても 00:07:48.884 --> 00:07:50.960 ほとんど動きは見られませんが 00:07:50.960 --> 00:07:55.292 動きを100倍拡大してやると 発声に関わる首の部分に 00:07:55.292 --> 00:07:58.566 波のような動きが広がっているのが 分かります 00:07:58.566 --> 00:08:01.306 音の痕跡が映像に 残されているわけです 00:08:01.306 --> 00:08:03.976 歌手は特定の音程の声を出して グラスを割れる 00:08:03.976 --> 00:08:05.439 という話は 良く知られています 00:08:05.439 --> 00:08:07.204 ここではグラスの 00:08:07.204 --> 00:08:09.730 共鳴周波数の音を 00:08:09.730 --> 00:08:11.778 横のスピーカーから 出しています 00:08:11.778 --> 00:08:16.197 その時の動きを 250倍拡大すると 00:08:16.197 --> 00:08:18.535 グラスが音に共鳴して 振動しているのが 00:08:18.535 --> 00:08:22.105 はっきり分かります 00:08:22.105 --> 00:08:24.525 あまり日常で目にする光景では ありませんね 00:08:24.525 --> 00:08:28.054 しかしここから 突飛なアイデアを思いつきました 00:08:28.054 --> 00:08:33.662 この過程を逆にして 映像から音を 復元できないでしょうか? 00:08:33.662 --> 00:08:37.697 音波が物の表面に作り出す 微細な振動を解析して 00:08:37.697 --> 00:08:42.474 元になった音を 生成するのです 00:08:42.474 --> 00:08:46.931 そのようにすれば 身の回りにある物を マイクに変えることができます 00:08:46.931 --> 00:08:49.163 私達はまさにそれを やってみました 00:08:49.163 --> 00:08:51.979 テーブルの上にポテトチップの 空き袋があります 00:08:51.979 --> 00:08:54.804 これをビデオ撮影して 音により生じた — 00:08:54.804 --> 00:08:56.395 微細な動きを 解析することで 00:08:56.395 --> 00:08:59.623 ポテトチップの袋をマイクロフォンに 変えようというわけです 00:08:59.623 --> 00:09:02.419 この部屋では こんな音楽を流しています 00:09:02.419 --> 00:09:06.853 (曲『メリーさんのひつじ』) 00:09:10.007 --> 00:09:13.032 そしてポテトチップの袋を 高速度カメラで撮影しました 00:09:13.032 --> 00:09:14.306 これを見ても 00:09:14.306 --> 00:09:17.648 何かが起きているようには 00:09:17.648 --> 00:09:18.706 見えませんが 00:09:18.706 --> 00:09:21.690 映像の中の微細な動きを 解析することで 00:09:21.690 --> 00:09:23.873 このような音を 再現できました 00:09:23.873 --> 00:09:26.682 (曲『メリーさんのひつじ』) 00:09:40.985 --> 00:09:42.471 私はこれを— 00:09:42.471 --> 00:09:47.696 (拍手) 00:09:49.878 --> 00:09:52.223 「ビジュアル・マイクロフォン」 と呼んでいます 00:09:52.223 --> 00:09:55.613 ビデオ信号からオーディオ信号を 取り出しているのです 00:09:55.613 --> 00:09:58.794 動きの大きさが どれくらいかというと 00:09:58.799 --> 00:10:04.135 かなり大きな音でも ポテトチップの袋の動きは1ミクロン未満です 00:10:04.135 --> 00:10:06.874 1ミリの千分の1です 00:10:06.874 --> 00:10:10.435 そのような小さな動きでも 00:10:10.435 --> 00:10:13.678 映像の中で物に反射する光を 観察することによって 00:10:13.678 --> 00:10:15.814 検出できるのです 00:10:15.814 --> 00:10:19.064 他の物を使うこともできます たとえば植物とか 00:10:19.064 --> 00:10:25.380 (曲『メリーさんのひつじ』) 00:10:27.214 --> 00:10:29.211 声を復元することもできます 00:10:29.211 --> 00:10:31.788 こちらでは部屋の中で 人が話しています 00:10:31.788 --> 00:10:35.991 Mary had a little lamb whose fleece was white as snow, (メリーさんは小さな羊を飼っていた 雪のように白い毛をして) 00:10:35.991 --> 00:10:40.221 and everywhere that Mary went, that lamb was sure to go. (メリーさんの行くところは どこにでも付いてきた) 00:10:40.221 --> 00:10:42.980 前と同じ ポテトチップの袋の映像から 00:10:42.980 --> 00:10:46.254 復元した声です 00:10:46.254 --> 00:10:51.085 Mary had a little lamb whose fleece was white as snow, 00:10:51.085 --> 00:10:55.944 and everywhere that Mary went, that lamb was sure to go. 00:10:55.944 --> 00:10:58.290 『メリーさんのひつじ』を使ったのは 00:10:58.290 --> 00:11:00.413 エジソンが1877年に 蓄音機で 00:11:00.413 --> 00:11:04.574 最初に録音したのが この歌だったからです 00:11:04.574 --> 00:11:07.802 それは音を記録する 最初の装置の1つでした 00:11:07.802 --> 00:11:11.129 音を振動板で受け 00:11:11.129 --> 00:11:15.208 その振動を針に伝え それが筒に巻いたアルミ箔に 00:11:15.208 --> 00:11:17.483 記録される仕掛けでした 00:11:17.483 --> 00:11:23.426 これはエジソンの蓄音機で 録音し再生するデモです 00:11:23.426 --> 00:11:26.446 (録音)Testing, testing, one two three. 00:11:26.446 --> 00:11:29.859 Mary had a little lamb whose fleece was white as snow, 00:11:29.859 --> 00:11:33.528 and everywhere that Mary went, the lamb was sure to go. 00:11:33.528 --> 00:11:36.268 (再生)Testing, testing, one two three. 00:11:36.268 --> 00:11:40.424 Mary had a little lamb whose fleece was white as snow, 00:11:40.424 --> 00:11:45.648 and everywhere that Mary went, the lamb was sure to go. 00:11:45.648 --> 00:11:49.665 137年後の今日 00:11:49.665 --> 00:11:53.752 音に振動する物の映像だけから 同程度のクオリティの音を 00:11:53.752 --> 00:11:57.831 再現できるようになりました 00:11:57.831 --> 00:11:59.765 しかも防音ガラスの 向こう側にある 00:11:59.765 --> 00:12:03.999 5メートル離れた物を使って それができるのです 00:12:03.999 --> 00:12:07.219 そうやって復元した音がこれです 00:12:07.219 --> 00:12:12.513 Mary had a little lamb whose fleece was white as snow, 00:12:12.513 --> 00:12:17.272 and everywhere that Mary went, the lamb was sure to go. 00:12:17.404 --> 00:12:21.034 すぐ思いつく応用は スパイ活動でしょう 00:12:21.034 --> 00:12:24.029 (笑) 00:12:24.029 --> 00:12:28.085 しかし他のことにも使えます 00:12:28.085 --> 00:12:30.925 もしかしたら 将来宇宙の向こうの音を 00:12:30.925 --> 00:12:33.177 再現できるように なるかもしれません 00:12:33.177 --> 00:12:36.753 音は宇宙を伝わりませんが 光なら伝わるからです 00:12:36.753 --> 00:12:39.157 私達は この新しい技術の可能性を 00:12:39.157 --> 00:12:42.176 探り始めたばかりです 00:12:42.176 --> 00:12:45.008 これまで存在するのは 知っていたけれど 00:12:45.008 --> 00:12:48.564 自分の目で見られなかった物理現象を 見えるようにしてくれるのです 00:12:48.564 --> 00:12:49.768 これが私の仲間です 00:12:49.768 --> 00:12:52.647 今日お見せしたものは みんなここに出ている人達の 00:12:52.647 --> 00:12:54.838 協力の結果 得られたものです 00:12:54.838 --> 00:12:58.005 みなさんにもぜひ 私達のウェブサイトを訪れ 00:12:58.005 --> 00:12:59.451 自分で試してみて 00:12:59.451 --> 00:13:02.423 一緒に微細な動きの世界を 探索していただきたいと思います 00:13:02.423 --> 00:13:04.048 ありがとうございました 00:13:04.048 --> 00:13:05.302 (拍手)