1 00:00:00,760 --> 00:00:03,510 夜空を見上げ星を見ると 2 00:00:03,510 --> 00:00:05,216 その数に驚かされます 3 00:00:05,240 --> 00:00:06,696 美しいですね 4 00:00:06,720 --> 00:00:09,816 しかし そこには 目には見えない星が もっとあるのです 5 00:00:09,840 --> 00:00:10,740 なぜなら 6 00:00:10,740 --> 00:00:12,830 ほとんどの恒星には それぞれ 7 00:00:12,830 --> 00:00:15,896 周回している惑星が 1つや2つはあると 8 00:00:15,920 --> 00:00:17,120 分かっているからです 9 00:00:18,120 --> 00:00:20,216 ですからこの写真には 10 00:00:20,230 --> 00:00:22,470 今まで発見された系外惑星全ては 11 00:00:22,470 --> 00:00:24,280 写っていないのです 12 00:00:24,280 --> 00:00:26,940 惑星というと 私たちは遥か彼方にある 13 00:00:26,940 --> 00:00:29,376 地球とは全く異なる天体を 想像しがちですが 14 00:00:29,400 --> 00:00:31,816 私たちが暮らしている地球も惑星です 15 00:00:31,840 --> 00:00:35,856 地球に関する多くの 驚くべき現象があります 16 00:00:35,856 --> 00:00:39,130 そのようなことを探し求め 幅広く宇宙を探索する中 17 00:00:39,130 --> 00:00:42,856 驚くことが分かって来ています 18 00:00:42,880 --> 00:00:47,096 その中の地球に関するあることを お話ししたいと思います 19 00:00:47,120 --> 00:00:49,856 それは 毎分 20 00:00:49,880 --> 00:00:52,296 約180kgの水素と 21 00:00:52,320 --> 00:00:54,936 3kg近くのヘリウムが 22 00:00:54,960 --> 00:00:58,090 地球から宇宙空間へと散逸しており 23 00:00:58,800 --> 00:01:02,760 二度と戻って来るものではない ということです 24 00:01:03,440 --> 00:01:06,456 水素やヘリウムその他多くの気体で 25 00:01:06,480 --> 00:01:09,336 組成されている地球の大気は 26 00:01:09,360 --> 00:01:13,176 宇宙飛行士が ISSから撮ったこの写真に 27 00:01:13,200 --> 00:01:16,416 青い線となって写し出される 28 00:01:16,440 --> 00:01:18,680 様々な気体の集まりにすぎません 29 00:01:19,200 --> 00:01:22,576 しかし 私たちの惑星を包む この薄い層のお陰で 30 00:01:22,600 --> 00:01:24,936 地球では生命が繁栄し 31 00:01:24,960 --> 00:01:27,816 隕石その他多くの衝撃から 32 00:01:27,840 --> 00:01:29,856 地球が守られているというのは 33 00:01:29,880 --> 00:01:33,550 驚愕の現象です 34 00:01:33,550 --> 00:01:36,756 それだからこそ この構成部分が 失われているということは 35 00:01:36,756 --> 00:01:39,320 それ程でないにしても 恐るべき話です 36 00:01:40,160 --> 00:01:43,456 私は この現象を研究しています 37 00:01:43,480 --> 00:01:45,720 これは「大気の散逸」と呼ばれ 38 00:01:46,680 --> 00:01:51,256 地球に限って起きていることではなく 39 00:01:51,280 --> 00:01:55,016 むしろ惑星である証拠だと 言ってもいいでしょう 40 00:01:55,040 --> 00:01:59,376 地球だけでなく どの惑星にも 41 00:01:59,400 --> 00:02:01,976 起きている大気の散逸は 42 00:02:02,000 --> 00:02:07,400 その惑星自体を 知る手がかりとなります 43 00:02:07,920 --> 00:02:10,576 太陽系というと 44 00:02:10,600 --> 00:02:12,640 この絵を思い浮かべるでしょう 45 00:02:13,800 --> 00:02:17,216 惑星が8個ありますが 9個だと言う人もいるでしょうから 46 00:02:17,240 --> 00:02:19,736 この絵に苛立つ そんなあなたの為に 47 00:02:19,760 --> 00:02:21,136 もう1つ加えましょう 48 00:02:21,160 --> 00:02:22,376 (笑) 49 00:02:22,400 --> 00:02:26,130 探査機「ニュー・ホライズン」の写真も あるので冥王星も並べましょう 50 00:02:26,160 --> 00:02:27,376 実は ここでは 51 00:02:27,400 --> 00:02:30,136 大気散逸に関する このトークの目的のため 52 00:02:30,160 --> 00:02:31,490 冥王星も 53 00:02:31,490 --> 00:02:35,550 他の見えない恒星を 周回する惑星と同じように 54 00:02:35,550 --> 00:02:37,936 私の中では惑星なのです 55 00:02:37,960 --> 00:02:40,656 惑星の基本的な性質の定義に 56 00:02:40,680 --> 00:02:42,180 自己重力で1つに結合した天体 57 00:02:42,180 --> 00:02:45,536 というのが含まれています 58 00:02:45,560 --> 00:02:47,270 つまり色々なものが 59 00:02:47,270 --> 00:02:49,680 引力で引きつけられ結合しており 60 00:02:50,240 --> 00:02:53,096 質量も重力も大きいので 61 00:02:53,120 --> 00:02:54,416 丸いのです 62 00:02:54,440 --> 00:02:57,296 冥王星を含む これら全ての惑星を見ると 63 00:02:57,320 --> 00:02:58,520 みんな丸いでしょう 64 00:02:59,000 --> 00:03:01,736 重力の働きが分かりますね 65 00:03:01,760 --> 00:03:05,056 惑星のもう1つの基本的性質は 66 00:03:05,080 --> 00:03:06,816 これでは見えない 67 00:03:06,840 --> 00:03:09,416 恒星である太陽との関係にあります 68 00:03:09,440 --> 00:03:12,560 太陽系にある惑星は全て 太陽を周回していますが 69 00:03:13,200 --> 00:03:16,920 それが基本的に大気の散逸を 引き起こしているのです 70 00:03:17,760 --> 00:03:23,096 恒星が惑星に大気散逸を 起こさせている根本的な原因は 71 00:03:23,120 --> 00:03:28,496 恒星から惑星に放射される 粒子や光や熱が 72 00:03:28,520 --> 00:03:31,616 惑星の大気を 流出させているからです 73 00:03:31,640 --> 00:03:33,456 熱気球を考えても 74 00:03:33,480 --> 00:03:37,616 また この写真で見られるタイの 「コムローイ祭り」の提灯を見ても 75 00:03:37,640 --> 00:03:41,136 熱風は気体を上昇させる力を 生み出すのが分かります 76 00:03:41,170 --> 00:03:45,316 太陽が持つ十分なエネルギーと熱で 77 00:03:45,316 --> 00:03:48,696 重力に拘束されているだけの 非常に軽い気体は 78 00:03:48,720 --> 00:03:51,320 宇宙空間へと拡散しています 79 00:03:51,600 --> 00:03:52,980 こうして 80 00:03:52,980 --> 00:03:56,330 地球や他の惑星の大気が 81 00:03:56,330 --> 00:04:00,400 恒星から熱を受け 自己重力に逆らいながら 82 00:04:00,400 --> 00:04:04,320 その双方の影響を受け 大気散逸が起きています 83 00:04:05,000 --> 00:04:06,736 先程お話ししたように 84 00:04:06,760 --> 00:04:10,096 その割合は 毎分 水素が約180kg 85 00:04:10,120 --> 00:04:12,200 ヘリウムが3kg近くです 86 00:04:13,040 --> 00:04:14,696 では その様子は? 87 00:04:14,720 --> 00:04:16,536 すでに1980年代に 88 00:04:16,560 --> 00:04:18,846 NASAの「ダイナミックエクスプローラー」 89 00:04:18,846 --> 00:04:19,776 探査衛星が 90 00:04:19,800 --> 00:04:22,696 地球の紫外線写真を撮っています 91 00:04:22,720 --> 00:04:24,536 この地球の写真では 92 00:04:24,560 --> 00:04:26,160 散逸している水素が 93 00:04:26,160 --> 00:04:29,576 赤く表示されています 94 00:04:29,600 --> 00:04:33,216 酸素や窒素の他の気体は 95 00:04:33,240 --> 00:04:34,696 白くキラキラと極圏に 96 00:04:34,720 --> 00:04:37,056 オーロラの環になり 97 00:04:37,080 --> 00:04:39,976 熱帯地方付近にも所々現れています 98 00:04:40,000 --> 00:04:43,016 この写真が決定的に証明しているのは 99 00:04:43,040 --> 00:04:46,736 地球の大気は 地球上の私たちを しっかりと包んでいるだけでなく 100 00:04:46,760 --> 00:04:50,376 宇宙の彼方まで 流出しているということです 101 00:04:50,400 --> 00:04:53,150 それも驚異的ペースで 起きているのです 102 00:04:53,150 --> 00:04:56,896 しかし地球だけが大気の散逸を 起こしているのではありません 103 00:04:56,920 --> 00:05:00,376 お隣の火星は 地球よりずっと小さいので 104 00:05:00,400 --> 00:05:04,176 大気を保持する重力は 遥かに小さく 105 00:05:04,200 --> 00:05:06,416 大気はあるのですが 106 00:05:06,440 --> 00:05:08,656 地球とは比較にならない程希薄です 107 00:05:08,680 --> 00:05:10,136 地表を見て下さい 108 00:05:10,160 --> 00:05:13,616 大気が薄く天体衝突の衝撃を 和らげられなかったことを示す 109 00:05:13,640 --> 00:05:15,906 複数のクレーターが見えます 110 00:05:15,906 --> 00:05:18,296 また「赤い惑星」と呼ばれるように 111 00:05:18,320 --> 00:05:20,856 火星が赤くなったのには 112 00:05:20,880 --> 00:05:22,456 大気散逸が関わっているのです 113 00:05:22,480 --> 00:05:26,056 火星は過去 水があり 114 00:05:26,080 --> 00:05:30,656 水に十分なエネルギーが加わり 水素と酸素に分解して 115 00:05:30,680 --> 00:05:34,416 軽い水素が宇宙空間に散逸し 116 00:05:34,440 --> 00:05:36,376 残る酸素が 117 00:05:36,400 --> 00:05:38,216 地表を酸化させ錆びつかせ 118 00:05:38,240 --> 00:05:41,960 現在の錆色となったと 思われています 119 00:05:42,960 --> 00:05:44,650 火星の写真を見て 120 00:05:44,650 --> 00:05:47,876 多分 大気散逸が起こったのだろうと 言うのは構わないのですが 121 00:05:47,876 --> 00:05:51,496 NASAは火星の周回軌道に 探査衛星「メイヴン」を送り 122 00:05:51,520 --> 00:05:55,056 火星の大気散逸を調べています 123 00:05:55,080 --> 00:05:58,090 火星探査機メイヴンは 124 00:05:58,090 --> 00:06:02,860 地球上の景色にとても似た映像を 125 00:06:02,860 --> 00:06:04,470 送って来ています 126 00:06:04,470 --> 00:06:07,776 火星が大気を失いつつあるとは 随分前から分かっていましたが 127 00:06:07,800 --> 00:06:10,646 それを示す素晴らしい写真があります 128 00:06:10,646 --> 00:06:12,736 赤い円が見えますね 129 00:06:12,760 --> 00:06:14,256 火星の輪郭です 130 00:06:14,280 --> 00:06:18,456 青い色が 火星から散逸している水素を示しています 131 00:06:18,480 --> 00:06:22,016 火星のサイズの10倍以上 その範囲は広がっています 132 00:06:22,040 --> 00:06:25,156 散逸した水素は もはや火星の大気圏にはなく 133 00:06:25,156 --> 00:06:26,736 宇宙空間にあります 134 00:06:26,760 --> 00:06:28,976 このことによって 水素が無くなったので 135 00:06:29,000 --> 00:06:31,760 火星が赤くなったという 理論が裏付けられます 136 00:06:32,520 --> 00:06:35,096 火星が失っているのは 水素だけではありません 137 00:06:35,120 --> 00:06:38,296 地球の大気からヘリウムだけでなく 酸素や窒素も散逸していますが 138 00:06:38,320 --> 00:06:42,096 火星からも酸素が失われているのが メイヴンからの記録で見て取れます 139 00:06:42,120 --> 00:06:44,576 酸素は重いので 140 00:06:44,600 --> 00:06:47,736 水素程 遠くへは行きませんが 141 00:06:47,760 --> 00:06:49,936 それでも火星から拡散しており 142 00:06:49,960 --> 00:06:53,730 赤い枠内に閉じ込められている わけではないのが分かります 143 00:06:53,800 --> 00:06:57,816 大気の散逸は地球にだけ 見られる現象ではなく 144 00:06:57,840 --> 00:07:01,456 どの惑星でも起きており 探査機を送り大気散逸を調べると 145 00:07:01,480 --> 00:07:04,576 その惑星の歴史が分かり 146 00:07:04,600 --> 00:07:06,300 また惑星一般についても 147 00:07:06,300 --> 00:07:08,946 地球の未来についても 知ることができます 148 00:07:08,946 --> 00:07:11,336 それで地球の未来を予測するには 149 00:07:11,360 --> 00:07:14,440 遠くの見えない惑星を知る というのが1つの方法です 150 00:07:15,440 --> 00:07:17,590 その前に一言 151 00:07:17,590 --> 00:07:20,976 冥王星では このような写真は お見せできません 152 00:07:21,000 --> 00:07:22,416 がっかりでしょうが 153 00:07:22,440 --> 00:07:24,456 その写真が まだないのです 154 00:07:24,480 --> 00:07:26,510 探査機「ニュー・ホライズン」が 155 00:07:26,510 --> 00:07:29,096 冥王星の大気散逸について調査中なので 156 00:07:29,120 --> 00:07:31,170 楽しみに しばらくお待ち下さい 157 00:07:31,560 --> 00:07:33,696 しかし ここでお話したい惑星は 158 00:07:33,720 --> 00:07:36,016 「トランジット系外惑星」 として知られている 159 00:07:36,040 --> 00:07:39,816 太陽系外の恒星を 周回する惑星です 160 00:07:39,840 --> 00:07:42,776 「系外惑星」または 「太陽系外惑星」と呼ばれる 161 00:07:42,800 --> 00:07:45,256 トランジット系外惑星には 162 00:07:45,280 --> 00:07:46,536 ある特質があります 163 00:07:46,560 --> 00:07:48,656 中央にある星をよく見ると 164 00:07:48,680 --> 00:07:51,056 瞬いているでしょう 165 00:07:51,080 --> 00:07:52,936 その瞬きの理由は 166 00:07:52,960 --> 00:07:56,976 常にその恒星を周回している 複数の惑星があるからです 167 00:07:57,000 --> 00:07:59,136 そして それが特有な効果を生み出し 168 00:07:59,160 --> 00:08:01,936 それらの惑星が恒星の光を遮るとき 169 00:08:01,960 --> 00:08:04,240 瞬いて見えるのです 170 00:08:04,960 --> 00:08:07,816 夜空の星の 171 00:08:07,840 --> 00:08:09,256 瞬きを調べて 172 00:08:09,280 --> 00:08:10,936 惑星を探し出すことが出来ます 173 00:08:10,960 --> 00:08:13,700 この方法で5千個以上もの惑星が 174 00:08:13,700 --> 00:08:16,060 天の川銀河内で発見されています 175 00:08:16,060 --> 00:08:19,256 前にも言いましたが もっとあると思っています 176 00:08:19,280 --> 00:08:22,176 私たちが見ている星の瞬きは 177 00:08:22,200 --> 00:08:25,130 惑星そのものからのものではなく 178 00:08:25,130 --> 00:08:26,770 記録可能な 179 00:08:26,770 --> 00:08:29,456 恒星の周期的な輝度の変化です 180 00:08:29,480 --> 00:08:32,895 恒星を周回する惑星が 恒星からの光を遮り 181 00:08:32,919 --> 00:08:35,336 それで私たちには 瞬いているように見えるのです 182 00:08:35,360 --> 00:08:37,176 これから惑星を発見できるだけでなく 183 00:08:37,200 --> 00:08:40,015 波長の異なる光をも検知できます 184 00:08:40,039 --> 00:08:44,135 地球や火星を 紫外線で見ると言いましたが 185 00:08:44,159 --> 00:08:47,776 ハッブル宇宙望遠鏡で トランジット系外惑星の 186 00:08:47,800 --> 00:08:49,896 紫外線観測をすると 187 00:08:49,920 --> 00:08:53,576 惑星が恒星の前を通るとき 紫外線はずっと弱くなり 188 00:08:53,600 --> 00:08:55,376 瞬きが ずっと大きくみえます 189 00:08:55,400 --> 00:08:57,160 それは拡散した水素を含む大気が 190 00:08:57,160 --> 00:09:00,056 惑星を囲んでいるので 191 00:09:00,080 --> 00:09:01,576 惑星は 膨らんで見え 192 00:09:01,600 --> 00:09:04,870 より多くの光が遮られることになるからだと 考えています 193 00:09:04,880 --> 00:09:07,776 この手法を使い 大気散逸をしている 194 00:09:07,800 --> 00:09:11,830 数個のトランジット系外惑星を 発見することが出来ました 195 00:09:11,830 --> 00:09:14,560 私たちが発見した惑星の中の 幾つかは 196 00:09:14,560 --> 00:09:16,776 「ホット・ジュピター」とでも 呼びたいものです 197 00:09:16,776 --> 00:09:19,516 この名前の由来は 木星のように 主に気体でできた惑星だからです 198 00:09:19,516 --> 00:09:21,340 ホット・ジュピターは 恒星にとても近く 199 00:09:21,340 --> 00:09:23,766 その距離は太陽と木星間の 百分の1程しかありません 200 00:09:23,766 --> 00:09:26,696 ホット・ジュピターにはたくさんの 今にも散逸しそうな軽い気体と 201 00:09:26,720 --> 00:09:28,646 恒星から放射される強い熱があり 202 00:09:28,646 --> 00:09:32,256 壊滅的ペースで 大気散逸が起きています 203 00:09:32,280 --> 00:09:36,896 毎分180kgの水素を 失っている地球とは雲泥の差で 204 00:09:36,920 --> 00:09:38,176 ホット・ジュピターは 205 00:09:38,200 --> 00:09:42,280 毎分約60万トンもの水素を 失っているのです 206 00:09:43,320 --> 00:09:47,656 これでは そんな惑星は 無くなってしまうのではと 207 00:09:47,680 --> 00:09:49,696 誰もが私たちの太陽系を見て 208 00:09:49,720 --> 00:09:51,536 投げかけてきた疑問です 209 00:09:51,560 --> 00:09:53,896 なぜなら太陽に近い惑星は 岩石惑星で 210 00:09:53,920 --> 00:09:56,856 太陽から遠い惑星は もっと大きく主に気体だからです 211 00:09:56,880 --> 00:09:59,256 最初は木星のような惑星だったのに 太陽が近いので 212 00:09:59,280 --> 00:10:01,356 ガスが全部なくなったということが 213 00:10:01,356 --> 00:10:02,616 あり得るのでしょうか 214 00:10:02,640 --> 00:10:05,696 惑星の始まりが ホット・ジュピターみたいな状態だったら 215 00:10:05,720 --> 00:10:08,536 水星や地球のような惑星には ならないだろうと考えています 216 00:10:08,560 --> 00:10:10,736 しかし 小さい惑星で始まるなら 217 00:10:10,760 --> 00:10:13,536 大量の気体が放出され 218 00:10:13,560 --> 00:10:15,696 それが大きく影響して 219 00:10:15,720 --> 00:10:19,056 最初の状態とは随分違う惑星に なった可能性はあります 220 00:10:19,080 --> 00:10:21,376 これは 一般的なことのようで 221 00:10:21,376 --> 00:10:23,536 太陽系では どうなのかと お考えのことかもしれません 222 00:10:23,560 --> 00:10:26,336 これが地球の私たちと どんな関係があるのでしょう 223 00:10:26,360 --> 00:10:28,136 遠い未来 224 00:10:28,160 --> 00:10:31,526 太陽の光度が増し 225 00:10:31,560 --> 00:10:34,880 太陽から放射される熱が 非常に強烈になるとしたなら 226 00:10:35,600 --> 00:10:39,936 今 ホット・ジュピターから 気体が流出しているように 227 00:10:39,960 --> 00:10:42,296 地球からも気体が 急速に流出して行きます 228 00:10:42,320 --> 00:10:44,496 それで 私たちが予期するのは 229 00:10:44,520 --> 00:10:46,576 少なくとも 心の準備をしているのは 230 00:10:46,600 --> 00:10:48,416 遠い未来に 231 00:10:48,440 --> 00:10:51,216 地球は火星のようになる と言う現実があるからなのです 232 00:10:51,240 --> 00:10:53,976 地球の水から分離した水素は 233 00:10:54,000 --> 00:10:56,416 宇宙空間により速く 放出され 234 00:10:56,440 --> 00:11:00,520 乾燥した赤い惑星だけが残るでしょう 235 00:11:00,960 --> 00:11:03,456 でも 怖がらないで下さい 数十億年後の話ですから 236 00:11:03,480 --> 00:11:05,056 十分準備の時間はあります 237 00:11:05,080 --> 00:11:06,136 (笑) 238 00:11:06,160 --> 00:11:08,976 未来に何が起きるのか 239 00:11:09,000 --> 00:11:10,256 というだけでなく 240 00:11:10,280 --> 00:11:13,496 大気散逸が こうしている間も 起きていることに気付いて欲しかったのです 241 00:11:13,520 --> 00:11:17,016 宇宙で起きていることや 遥か彼方の惑星について知らせてくれる 242 00:11:17,040 --> 00:11:18,976 多くの素晴らしい技術が 今はあります 243 00:11:19,000 --> 00:11:22,216 私たちは そんな世界を知ろうと これらの惑星を研究しています 244 00:11:22,240 --> 00:11:26,936 こうして火星や ホット・ジュピターのような 系外惑星を調べる過程で 245 00:11:26,960 --> 00:11:29,976 大気散逸の様な現象を発見し 246 00:11:30,000 --> 00:11:33,736 地球のことが さらに解明されます 247 00:11:33,760 --> 00:11:37,816 次に宇宙とは どこか遠いことのように 感じられる時 この私の話を思い出して下さい 248 00:11:37,840 --> 00:11:39,056 ありがとうございました 249 00:11:39,080 --> 00:11:42,120 (拍手)