1 00:00:06,821 --> 00:00:12,921 1796年 トーマス・ジェファーソンは 識別不能な骨の箱を受け取りました 2 00:00:12,921 --> 00:00:16,232 長く鋭い爪はライオンを 思い出させましたが 3 00:00:16,232 --> 00:00:19,433 腕の骨は より大型で 約3メートルの長さがある 4 00:00:19,433 --> 00:00:22,322 動物を示唆していました 5 00:00:22,322 --> 00:00:26,661 北アメリカに棲むライオンの 大型の未知の種かもしれないと考え 6 00:00:26,661 --> 00:00:30,003 ジェファーソンは探検家の ルイスとクラークに 7 00:00:30,003 --> 00:00:34,562 この得体の知れない捕食動物を 警戒するように伝えました 8 00:00:34,562 --> 00:00:38,102 しかしこのジェファーソンの 骨の箱はライオンのものではなく 9 00:00:38,102 --> 00:00:42,203 絶滅した巨大なナマケモノのものでした 10 00:00:42,203 --> 00:00:47,554 先史時代の地上性ナマケモノは 約3500万年前に出現しました 11 00:00:47,554 --> 00:00:51,923 数十の種が北、中央 南アメリカにわたり 12 00:00:51,923 --> 00:00:54,653 他の古代生物であるマストドンや 13 00:00:54,653 --> 00:00:57,434 巨大アルマジロと共に生息していました 14 00:00:57,434 --> 00:01:01,633 フタツユビナマケモノなどの地上性 ナマケモノはネコぐらいの大きさでしたが 15 00:01:01,633 --> 00:01:03,824 それら以外の多くは巨大でした 16 00:01:03,824 --> 00:01:07,634 ジェファーソンが見たメガロニクスは 約1トンの重さがあり 17 00:01:07,634 --> 00:01:10,334 それでも メガテリウムと 比べると小さな種で 18 00:01:10,334 --> 00:01:15,157 メガテリウムの中にはゾウのように 6トンに及ぶものもいました 19 00:01:15,157 --> 00:01:19,174 彼らは森やサバンナを ゆったりと歩き回り 20 00:01:19,174 --> 00:01:20,525 力強い腕や鋭い爪を使い 21 00:01:20,525 --> 00:01:23,394 植物を引き抜き 木々に登り 22 00:01:23,394 --> 00:01:28,695 草や葉っぱ 先史時代の アボカドなどを食べていました 23 00:01:28,695 --> 00:01:34,745 実際 もし巨大ナマケモノがいなかったら 現在のアボカドは存在しなかったかもしれません 24 00:01:34,745 --> 00:01:38,626 より小型の動物はアボカドの 大きな種を飲み込めませんでしたが 25 00:01:38,626 --> 00:01:40,136 ナマケモノには可能だったので 26 00:01:40,136 --> 00:01:44,555 アボカドの木を広範囲に 広げていきました 27 00:01:44,555 --> 00:01:47,476 地上性ナマケモノは 数百万年もの間 繁栄しましたが 28 00:01:47,476 --> 00:01:51,115 約1万年前に 西半球の他の巨大哺乳類と共に 29 00:01:51,115 --> 00:01:55,674 その姿を消し始めました 30 00:01:55,674 --> 00:01:58,816 研究者は 地上性ナマケモノが 追い出されたのは 31 00:01:58,816 --> 00:02:01,106 氷河時代の訪れか 32 00:02:01,106 --> 00:02:04,586 または他の種 おそらく人間が 33 00:02:04,586 --> 00:02:09,405 大半のナマケモノが絶滅し始めた時期に現れ 戦ったからではないかと考えます 34 00:02:09,405 --> 00:02:13,577 いくつかの小型のナマケモノは 生き残り 樹上に移り住みました 35 00:02:13,577 --> 00:02:18,317 現在残っているのは6つの種で 中央と南アメリカの熱帯雨林の林冠に 36 00:02:18,317 --> 00:02:21,358 住んでいます 37 00:02:21,358 --> 00:02:24,468 木々に垂れ下がるのは 捕食者を避けるのに良い方法で 38 00:02:24,468 --> 00:02:27,187 食べるのに十分な葉もあります 39 00:02:27,187 --> 00:02:29,576 しかしこの食習慣には 欠点があります 40 00:02:29,576 --> 00:02:33,927 動物は食物から摂取した エネルギーを使うことで動き回り 41 00:02:33,927 --> 00:02:35,588 体温を保ち 42 00:02:35,588 --> 00:02:36,947 臓器を機能させ 43 00:02:36,947 --> 00:02:40,609 その他全ての生き残るために 必要な活動を行います 44 00:02:40,609 --> 00:02:43,748 しかし葉はエネルギーを あまり含んでおらず 45 00:02:43,748 --> 00:02:47,498 そのエネルギーを取り出すのは とても難しいのです 46 00:02:47,498 --> 00:02:51,818 ほとんどの草食動物はその食習慣を より高いエネルギーを持つ 47 00:02:51,818 --> 00:02:54,439 果物や種を食べて補います 48 00:02:54,439 --> 00:03:01,118 しかしナマケモノ 特にミツユビナマケモノは ほとんど葉だけに頼って生きています 49 00:03:01,118 --> 00:03:06,427 彼らはこの制限された食習慣に対処するため 細かく調整された戦略を進化させました 50 00:03:06,427 --> 00:03:12,628 まず 彼らは食物から可能な限りの エネルギーを取り出します 51 00:03:12,628 --> 00:03:17,071 ナマケモノは体の 3分の1を占める複胃を持ち 52 00:03:17,071 --> 00:03:18,748 種によって 53 00:03:18,748 --> 00:03:25,098 5日から7日間または数週間かけて 食物を消化することができます 54 00:03:25,098 --> 00:03:29,457 エネルギーを可能な限りわずかしか 使わないことも彼らの秘訣です 55 00:03:29,457 --> 00:03:34,450 その方法の一つはもちろん あまり動かないことです 56 00:03:34,450 --> 00:03:37,959 彼らはほとんどの時間を食べて 休んで眠りながら過ごし 57 00:03:37,959 --> 00:03:42,809 トイレ休憩のために 週に1回だけ樹の上から降ります 58 00:03:42,809 --> 00:03:46,350 ナマケモノの動きは あまり速くありません 59 00:03:46,350 --> 00:03:50,819 平均的な区画道路を渡るのに 約5分はかかります 60 00:03:50,819 --> 00:03:57,480 このように急がない生活はナマケモノには 筋肉があまり必要ないことを意味します 61 00:03:57,480 --> 00:04:04,110 事実 彼らの筋肉量は その大きさからすると 他の動物に比べ約30%も少ないのです 62 00:04:04,110 --> 00:04:07,400 またナマケモノは体を温かく保つのに より少ないエネルギーしか使いません 63 00:04:07,400 --> 00:04:12,281 なぜなら約5℃までの 体温の変化を許容できるからで 64 00:04:12,281 --> 00:04:17,023 変温動物の爬虫類には及びませんが ほとんどの哺乳類より大きく変動します 65 00:04:17,023 --> 00:04:22,131 これらの物理的かつ行動的な適応が ナマケモノのエネルギー消費 66 00:04:22,131 --> 00:04:24,890 または代謝率を最小限に抑えます 67 00:04:24,890 --> 00:04:30,560 ミツユビナマケモノの代謝は 哺乳類の中で一番遅く 68 00:04:30,560 --> 00:04:32,922 次に遅いのがジャイアントパンダで 69 00:04:32,922 --> 00:04:35,972 その次がフタユビナマケモノです 70 00:04:35,972 --> 00:04:41,781 ゆっくりと動くことが こずえという 生息地での繁栄を可能にしましたが 71 00:04:41,781 --> 00:04:46,982 同様に彼らは自身の体を他の生物の 素晴らしい生息地にしました 72 00:04:46,982 --> 00:04:54,243 その中でも藻類は ちょっとした保護色となり またスナックにもなるかもしれません 73 00:04:54,243 --> 00:04:56,922 ナマケモノはもう巨大では ないかもしれませんが 74 00:04:56,922 --> 00:04:59,582 彼らが非凡であることに 変わりはありません