WEBVTT 00:00:06.794 --> 00:00:09.803 これは空になって捨てられた 00:00:09.803 --> 00:00:11.740 3本のペットボトルの物語です 00:00:11.740 --> 00:00:13.949 彼らの旅は いま枝分かれしようとしており 00:00:13.949 --> 00:00:18.546 その結果は地球の運命と同じくらい 大きな影響を持ちます 00:00:18.546 --> 00:00:20.731 しかし常にそうだったわけではありません 00:00:20.731 --> 00:00:25.938 ボトルがどこで終わりを迎えるかを理解するには その誕生についてまず知る必要があります NOTE Paragraph 00:00:25.938 --> 00:00:29.688 この話の主人公は石油精製工場で誕生します 00:00:29.688 --> 00:00:31.358 彼らの体を形作るプラスチックは 00:00:31.358 --> 00:00:35.692 石油やガスの分子を化学的に結合して 00:00:35.692 --> 00:00:37.495 モノマーを作り 00:00:37.495 --> 00:00:43.112 さらに このモノマーを つなげて長いポリマーの鎖を作り 00:00:43.112 --> 00:00:46.610 最後に何百万もの プラスチックのペレットが作られます 00:00:46.610 --> 00:00:50.692 ペレットは製造工場で溶かされ 鋳型で成型され 00:00:50.692 --> 00:00:55.228 三つ子の体を作る 弾力性のある物質になります 00:00:55.228 --> 00:00:58.205 機械が甘い炭酸飲料でボトルを満たした後 00:00:58.205 --> 00:01:02.288 ボトルは 包装、出荷、購入、開封、消費され 00:01:02.288 --> 00:01:05.501 あっさりと捨てられます 00:01:05.501 --> 00:01:06.970 ここに彼らが横たわり 00:01:06.970 --> 00:01:10.283 見知らぬ場所の隅っこで 静かにしています NOTE Paragraph 00:01:10.283 --> 00:01:14.550 ボトル1は何億トンのプラスチックと一緒に 00:01:14.550 --> 00:01:16.761 ゴミ廃棄場で一生を終えます 00:01:16.761 --> 00:01:19.235 この巨大な処理場には もっとゴミが届き 00:01:19.235 --> 00:01:23.633 場所を埋め続け 毎日拡大していきます 00:01:23.633 --> 00:01:27.931 プラスチックは他のゴミの層で押しつぶされ 00:01:27.931 --> 00:01:30.081 雨水がゴミの中を流れます 00:01:30.081 --> 00:01:34.074 雨水は容器に含まれる 水溶性化合物を吸収しますが 00:01:34.074 --> 00:01:36.926 そのいくつかはとても有毒です 00:01:36.926 --> 00:01:41.006 これらは一緒になって浸出液と呼ばれる 有害なシチュー状の物を生み出します 00:01:41.006 --> 00:01:44.471 浸出液は 地下水や土壌、河川などに流れ込み 00:01:44.471 --> 00:01:48.102 生態系を汚染し 野生生物を脅かします 00:01:48.102 --> 00:01:54.014 ボトル1が分解されるまでには 苦悶の1000年が必要です NOTE Paragraph 00:01:54.014 --> 00:01:58.509 ボトル2の旅は ボトル1より奇妙ですが 残念ながら より幸せなわけではありません 00:01:58.509 --> 00:02:01.560 彼はちょっとした水の流れによって小川に達し 00:02:01.560 --> 00:02:03.558 小川は河川へと流れ込み 00:02:03.558 --> 00:02:06.674 さらに海に達します 00:02:06.674 --> 00:02:08.465 海の中で数ヶ月彷徨った後 00:02:08.465 --> 00:02:13.417 ゴミが集まる大きな渦にゆっくりと 引き込まれていきます 00:02:13.417 --> 00:02:17.722 「太平洋の巨大ごみ処分場」として 知られる場所です 00:02:17.722 --> 00:02:22.304 ここでは海の流れが何百万もの プラスチックのゴミを閉じ込めています 00:02:22.304 --> 00:02:27.342 ここは世界の海にある プラスチックで満たされた5つの環流の1つであり 00:02:27.342 --> 00:02:32.168 汚染物質が水を 濁ったプラスチックのスープに変える場所です 00:02:32.168 --> 00:02:35.984 海鳥のような動物の中には このゴミの中に絡まってしまうものもいます 00:02:35.984 --> 00:02:41.321 動物たちは明るい色のプラスチックの破片を 食べ物と勘違いしてしまうのです 00:02:41.321 --> 00:02:44.660 プラスチックは動物達に 空腹にも関わらず満腹と感じさせてしまい 00:02:44.660 --> 00:02:46.581 その結果 彼らは飢え死にし 00:02:46.581 --> 00:02:50.343 さらにプラスチックの毒素を 食物連鎖の上位に渡してしまいます 00:02:50.343 --> 00:02:52.938 例えば ハダカイワシに食べられると 00:02:52.938 --> 00:02:55.126 そのイワシはイカに食べられ 00:02:55.126 --> 00:02:57.114 イカはマグロに食べられ 00:02:57.114 --> 00:03:00.133 マグロは我々に食べられます 00:03:00.133 --> 00:03:02.504 多くのプラスチックは生物分解されません 00:03:02.504 --> 00:03:06.521 すなわち食べられたプラスチックは マイクロプラスチックと呼ばれる 00:03:06.521 --> 00:03:08.610 より小さな破片になる運命にあり 00:03:08.610 --> 00:03:12.750 永久に海の中を循環し続けます NOTE Paragraph 00:03:12.750 --> 00:03:17.379 しかしボトル3は 他の兄弟のような ひどい苦しみから逃れます 00:03:17.379 --> 00:03:19.177 トラックが彼を工場に運び 00:03:19.177 --> 00:03:22.068 そこで彼と友人達はぺしゃんこにされ 00:03:22.068 --> 00:03:24.704 ブロックへと圧縮されます 00:03:24.704 --> 00:03:27.944 確かに これもひどいように聞こえますが ちょっと待ってください 00:03:27.944 --> 00:03:29.395 あとで良くなります 00:03:29.395 --> 00:03:32.183 ブロックは細かく刻まれて 破片となり 00:03:32.183 --> 00:03:33.859 洗浄されて 溶かされます 00:03:33.859 --> 00:03:37.896 そして彼らは再利用できる原材料になるのです 00:03:37.896 --> 00:03:42.038 ボトル3は 魔法のように 00:03:42.038 --> 00:03:44.486 何か全く新しいものに生まれ変わります NOTE Paragraph 00:03:44.486 --> 00:03:47.908 地味な出自のプラスチックの 破片に 00:03:47.908 --> 00:03:50.902 突然 無限の未来が開けるのです