WEBVTT

00:00:00.705 --> 00:00:03.355
まず 皆さんがスーパーにいると
想像して下さい

00:00:03.355 --> 00:00:04.936
食料品を買うと

00:00:04.936 --> 00:00:06.561
選択肢が与えられます

00:00:06.561 --> 00:00:10.196
プラスチックであるポリエチレンか
紙のレジ袋を選べます

00:00:10.196 --> 00:00:12.386
環境によい物を選びたい場合

00:00:12.386 --> 00:00:14.802
正しい選択はどちらでしょうか？

NOTE Paragraph

00:00:14.802 --> 00:00:16.683
多くの人が紙を選ぶでしょう

00:00:16.683 --> 00:00:17.911
さて どうしてでしょうか

00:00:17.911 --> 00:00:19.604
まず茶色いですね

00:00:19.604 --> 00:00:21.080
それで環境に良いに違いない

00:00:21.080 --> 00:00:23.598
生物分解性です 再利用もでき

00:00:23.598 --> 00:00:25.548
時にはリサイクルだって可能です

00:00:25.548 --> 00:00:28.342
一方ポリ袋を見た際には

00:00:28.342 --> 00:00:31.272
このような事を考えるでしょうね

00:00:31.272 --> 00:00:33.655
皆さんご存知のように
とても恐ろしいことで

00:00:33.655 --> 00:00:35.871
いかなる犠牲を払っても

00:00:35.871 --> 00:00:38.226
このような環境破壊を
避けたいと思うでしょう

00:00:38.226 --> 00:00:40.439
しかし 人々はたいてい

00:00:40.439 --> 00:00:42.457
スペクトラムの反対側にある

00:00:42.457 --> 00:00:45.035
このようなことは考えません

00:00:45.035 --> 00:00:47.802
何らかの生産をする際には

00:00:47.802 --> 00:00:49.432
環境から原料を得る
必要があります

00:00:49.432 --> 00:00:53.336
そして 必ず環境に多大な影響を及ぼす
ことになります

NOTE Paragraph

00:00:53.336 --> 00:00:55.512
今起こっている事は

00:00:55.512 --> 00:00:57.489
私たちは複雑な選択をする
必要がある時に

00:00:57.489 --> 00:00:59.910
人間は単純な解決を
好む傾向があります

00:00:59.910 --> 00:01:02.526
しばしば単純な解決法を
求めるのです

00:01:02.526 --> 00:01:03.999
私はデザイン業界で働いていて

00:01:03.999 --> 00:01:05.510
デザイナーや

00:01:05.510 --> 00:01:07.775
イノベーターに持続可能性に関する
アドバイスをしています

00:01:07.775 --> 00:01:09.329
すると 必ず言われます
「レイラ―

00:01:09.329 --> 00:01:11.251
ただエコ素材がほしいんだよ」

NOTE Paragraph

00:01:11.251 --> 00:01:13.535
私は「そう単純じゃないのよ」と答えます

00:01:13.535 --> 00:01:15.364
そして本当のエコ素材とは何か

00:01:15.364 --> 00:01:17.279
４時間みっちり話し合う
必要があります

00:01:17.279 --> 00:01:19.199
どんなものでも
多かれ少なかれ

00:01:19.199 --> 00:01:21.144
自然由来ですから

00:01:21.144 --> 00:01:23.239
物質をいかに利用するか

00:01:23.239 --> 00:01:26.280
それが環境への影響を
左右するのです

00:01:26.280 --> 00:01:28.069
決断をする際には

00:01:28.069 --> 00:01:30.127
ある種 直感的な思考に

00:01:30.127 --> 00:01:31.702
頼る必要がでてきます

00:01:31.702 --> 00:01:34.032
この直感的な思考を

00:01:34.032 --> 00:01:36.627
環境の「民間信仰」と
呼びたいと思います

00:01:36.627 --> 00:01:39.384
それは心の中の小さな声かも
しれませんし

00:01:39.384 --> 00:01:41.656
腹の底からわき起こる
感覚かもしれません

00:01:41.656 --> 00:01:43.236
紙袋を選ぶとか

00:01:43.236 --> 00:01:44.784
燃費のよい自動車を
購入した際に

00:01:44.784 --> 00:01:47.899
正しいことをした
という感覚です

00:01:47.899 --> 00:01:50.858
環境の民間信仰は
とても大切です

00:01:50.858 --> 00:01:53.306
正しいことをしようと
しているのですから

00:01:53.306 --> 00:01:55.650
でも 実際にどうやって知る事が
できるのでしょう

00:01:55.650 --> 00:01:57.973
公私を問わず私たちの行動や
社会が

00:01:57.973 --> 00:02:01.314
自然環境に及ぼす影響を

00:02:01.314 --> 00:02:03.482
最終的に本当に減らしているかどうか

00:02:03.482 --> 00:02:06.187
どうやって知る事ができるのでしょう？

NOTE Paragraph

00:02:06.187 --> 00:02:08.030
この環境の民間信仰の問題は

00:02:08.030 --> 00:02:10.085
経験に左右されがちな事です

00:02:10.085 --> 00:02:11.816
誰かから聞いた事ですね

00:02:11.816 --> 00:02:14.456
科学的な観点に
基づいているとは限りません

00:02:14.456 --> 00:02:16.123
たいへん難しいのです 私たちは―

00:02:16.123 --> 00:02:18.143
複雑なシステムの中に生きていますから

00:02:18.143 --> 00:02:19.863
まず 私たちが
お互いに意思疎通し

00:02:19.863 --> 00:02:21.629
お互い関係し合う
人間のシステムがあります

00:02:21.629 --> 00:02:24.144
そして できた社会もシステムです

00:02:24.144 --> 00:02:28.037
さらに 産業システムがあります
経済全体のことです

00:02:28.037 --> 00:02:29.890
そして全てのシステムは

00:02:29.890 --> 00:02:31.415
最大のシステムかつ

00:02:31.415 --> 00:02:33.507
これから取り上げる
一番大切なシステムである

00:02:33.507 --> 00:02:35.163
エコシステム内で行われます

00:02:35.163 --> 00:02:37.025
お気づきのように
私たちの選択は

00:02:37.025 --> 00:02:38.458
個人的なものですが

00:02:38.458 --> 00:02:39.769
その一方でその選択は

00:02:39.769 --> 00:02:41.928
私たちの行った事が

00:02:41.928 --> 00:02:44.548
あなたが どんな立場にせよ

00:02:44.548 --> 00:02:47.599
全てのシステムに影響を及ぼします

00:02:47.599 --> 00:02:49.934
実際に持続可能性を
追求しようとすると

00:02:49.934 --> 00:02:51.873
見つけなくてはならない方法は

00:02:51.873 --> 00:02:55.021
これら複雑なシステムを連結し

00:02:55.021 --> 00:02:57.965
より良い選択が

00:02:57.965 --> 00:03:00.549
環境全体にプラスになることです

00:03:00.549 --> 00:03:02.197
そこで必要とされるのは少ない労力で

00:03:02.197 --> 00:03:04.273
大きな結果を出すことを学ぶことです

00:03:04.273 --> 00:03:06.164
人口は増加していますし

00:03:06.164 --> 00:03:07.998
皆さんケータイはお好きですよね

00:03:07.998 --> 00:03:10.113
この状況なら尚更です

00:03:10.113 --> 00:03:14.168
よって革新的な解決法を
見つける必要があります

NOTE Paragraph

00:03:14.168 --> 00:03:17.363
ここでライフサイクル思考という
プロセスが登場します

00:03:17.366 --> 00:03:20.053
基本的に全ての物は

00:03:20.053 --> 00:03:22.564
ライフサイクルの各ステージをたどります

00:03:22.564 --> 00:03:24.426
この科学的なプロセスは

00:03:24.426 --> 00:03:26.150
ライフサイクルアセスメントと呼ばれ

00:03:26.150 --> 00:03:28.891
米国ではライフサイクルアナリシスと呼びますが

00:03:28.891 --> 00:03:32.438
これにより
システムの中でも技術的な分野で

00:03:32.438 --> 00:03:36.244
私たちがすることが
どのように自然環境に影響するか

00:03:36.244 --> 00:03:38.025
明確なイメージを得ることができます

00:03:38.025 --> 00:03:39.995
そのため私たちは

00:03:39.995 --> 00:03:42.198
原料の採掘まで遡り

00:03:42.198 --> 00:03:44.015
製造過程を観察し

00:03:44.015 --> 00:03:45.874
パッケージや流通を考察し

00:03:45.874 --> 00:03:47.524
さらにその使用と廃棄まで

00:03:47.524 --> 00:03:50.441
私たちが関わる

00:03:50.441 --> 00:03:51.960
ありとあらゆる段階で

00:03:51.960 --> 00:03:53.791
自然環境と関わる事を

00:03:53.791 --> 00:03:56.279
モニターすることが可能です

00:03:56.279 --> 00:04:00.009
いかにこの相互作用が
地上の生命を可能たらしめるシステムと

00:04:00.009 --> 00:04:01.924
サービスに影響を与えるか
モニターできます

00:04:01.924 --> 00:04:03.560
そのおかげで

00:04:03.560 --> 00:04:07.850
素晴らしい発見がありました

00:04:07.850 --> 00:04:09.563
伝説をいくつか看破したのです

NOTE Paragraph

00:04:09.563 --> 00:04:14.551
まず最初におなじみの
言葉から始めましょう

00:04:14.551 --> 00:04:16.284
マーケティングで多用され

00:04:16.284 --> 00:04:18.284
日常会話でも使われると思います

00:04:18.284 --> 00:04:20.217
持続可能性について語るとき

00:04:20.217 --> 00:04:22.663
生物分解性という言葉が使われます

00:04:22.663 --> 00:04:27.611
生物分解性は物質の特性で

00:04:27.611 --> 00:04:30.859
環境の利益の定義ではありません

00:04:30.859 --> 00:04:32.762
ご説明しましょう

00:04:32.762 --> 00:04:34.454
自然なものは

00:04:34.454 --> 00:04:36.415
例えば セルロース繊維でできています

00:04:36.415 --> 00:04:39.943
一切れのパンや生ゴミ

00:04:39.943 --> 00:04:42.231
紙一枚といったものです

00:04:42.231 --> 00:04:44.045
こういった自然なものが

00:04:44.045 --> 00:04:46.668
自然環境の中に置かれれば
通常は分解します

00:04:46.668 --> 00:04:48.532
蓄えられていた炭素分子は

00:04:48.532 --> 00:04:50.669
自然に放出され

00:04:50.669 --> 00:04:53.249
二酸化炭素として
大気にかえります

00:04:53.249 --> 00:04:55.223
しかし 原則的にという事であって

00:04:55.223 --> 00:04:56.588
多くの自然物質は
このように

00:04:56.588 --> 00:04:58.195
自然にかえるわけではありません

00:04:58.195 --> 00:05:01.606
私たちが出したゴミの
大部分は埋立地に行きます

00:05:01.609 --> 00:05:04.008
埋立地は全く異なる環境です

00:05:04.008 --> 00:05:06.451
埋立地では同じ炭素分子は

00:05:06.451 --> 00:05:07.969
別の方法で分解されます

00:05:07.969 --> 00:05:09.881
埋立地は嫌気性なので

00:05:09.881 --> 00:05:13.299
酸素はありません
ぎっしりと固められ熱を持ちます

00:05:13.299 --> 00:05:15.647
すると同じ分子なのに
メタンになります

00:05:15.647 --> 00:05:18.565
メタンは二酸化炭素の25倍もの

00:05:18.565 --> 00:05:21.418
温室ガスになり得ます

00:05:21.418 --> 00:05:24.171
古いレタスやその他―

00:05:24.171 --> 00:05:25.750
私たちが捨てた生物分解性の

00:05:25.750 --> 00:05:27.320
物質でできたものは

00:05:27.320 --> 00:05:29.055
埋め立てられると

00:05:29.055 --> 00:05:31.081
気候変動の一因となります

00:05:31.081 --> 00:05:32.473
ご存知のように今は

00:05:32.473 --> 00:05:34.177
実際にメタンを取り入れて

00:05:34.177 --> 00:05:35.615
発電する設備もあり

00:05:35.615 --> 00:05:38.406
化石燃料を不要に
することもできますが

00:05:38.406 --> 00:05:39.871
もっと賢くなれるはずです

00:05:39.871 --> 00:05:43.036
このタイプの既に起こっている事を

00:05:43.036 --> 00:05:45.340
いかに活用できるか
見極めた上で

00:05:45.340 --> 00:05:47.208
システムやサービスを
デザインし始めれば

00:05:47.208 --> 00:05:49.091
問題を減らせるはずです

00:05:49.091 --> 00:05:52.336
現在行っている事は
こんなことですよね

00:05:52.336 --> 00:05:54.895
「ビニール袋を禁止して
紙袋に切り替えよう

00:05:54.895 --> 00:05:56.822
環境に良いから」

00:05:56.822 --> 00:05:58.240
でも袋をゴミとして捨て

00:05:58.240 --> 00:05:59.703
地元の埋立地が

00:05:59.703 --> 00:06:02.124
通常の物だと

00:06:02.124 --> 00:06:07.030
ダブルネガティブと呼ばれる
状態になってしまいます

NOTE Paragraph

00:06:07.030 --> 00:06:10.194
私はプロダクトデザイナーで

00:06:10.194 --> 00:06:11.386
社会科学を勉強しました

00:06:11.386 --> 00:06:12.803
なので関心があります

00:06:12.803 --> 00:06:14.802
消費財やそれがどのように

00:06:14.802 --> 00:06:16.924
私たちに馴染んで

00:06:16.924 --> 00:06:18.162
生活に浸透していくか

00:06:18.162 --> 00:06:19.970
自然環境に影響をあたえるか
関心があります

00:06:19.970 --> 00:06:22.583
こんなのが連続犯です

00:06:22.583 --> 00:06:24.446
この部屋にいらっしゃる方は

00:06:24.446 --> 00:06:26.076
みな冷蔵庫を持っているでしょう

00:06:26.076 --> 00:06:27.708
アメリカは才能に恵まれていて

00:06:27.708 --> 00:06:29.717
冷蔵庫を大きくし続けてきました

00:06:29.717 --> 00:06:31.695
ここ数年間で冷蔵庫の

00:06:31.695 --> 00:06:33.543
標準的なサイズは

00:06:33.543 --> 00:06:35.172
平均30リットルほど拡大しました

00:06:35.172 --> 00:06:37.631
ここで問題となるのは
冷蔵庫があまりに大きいため

00:06:37.631 --> 00:06:39.825
食べられる量や
見つけられる量よりも

00:06:39.825 --> 00:06:41.816
買い過ぎてしまう事です

00:06:41.816 --> 00:06:43.442
冷蔵庫の奥に

00:06:43.442 --> 00:06:45.652
長い間忘れていた物があるでしょ？

00:06:45.652 --> 00:06:48.288
そうするとより多くの食物をムダにします

00:06:48.288 --> 00:06:51.633
こうした生ゴミは問題です

00:06:51.633 --> 00:06:54.995
実際 ここ米国では

00:06:54.995 --> 00:06:57.570
購入した食物の40パーセントが
ムダになります

00:06:57.570 --> 00:07:01.905
世界の生産量の
半分が捨てられます

00:07:01.905 --> 00:07:04.558
これは国連の最新統計です
半分もですよ

00:07:04.558 --> 00:07:09.095
クレージーです 一年間で13億トンの
食糧がムダになるのですから

00:07:09.095 --> 00:07:11.099
冷蔵庫に非があると思います

00:07:11.099 --> 00:07:12.627
とりわけ西側文明においてです

00:07:12.627 --> 00:07:14.477
実に簡単にムダに
できてしまうのですから

00:07:14.477 --> 00:07:16.869
本当はもっと複雑な事が起こっています

00:07:16.869 --> 00:07:18.807
単純化したくはありません

NOTE Paragraph

00:07:18.807 --> 00:07:21.757
でも冷蔵庫は深刻な原因で

00:07:21.757 --> 00:07:23.615
もう一つ問題なのは

00:07:23.615 --> 00:07:25.577
野菜室です

00:07:25.577 --> 00:07:27.078
野菜室ってありますよね？

00:07:27.078 --> 00:07:29.013
あのレタスを入れておく
引き出しですよ？

00:07:29.013 --> 00:07:30.933
レタスをここにいれておくと

00:07:30.933 --> 00:07:32.729
水っぽくなりませんか？

00:07:32.729 --> 00:07:34.139
ね？
レタスは水っぽいでしょ？

00:07:34.139 --> 00:07:36.139
英国ではこれが問題なのです

00:07:36.139 --> 00:07:37.837
数年前 政府報告書で指摘された

00:07:37.837 --> 00:07:40.857
英国で２番目に多い生ゴミは

00:07:40.857 --> 00:07:43.274
水っぽくなったレタスです

00:07:43.274 --> 00:07:45.692
おかげで「水っぽいレタスレポート」
と呼ばれています

00:07:45.692 --> 00:07:47.905
いいですか？大問題なんですよ

00:07:47.905 --> 00:07:50.015
気の毒なレタスは捨てられて

00:07:50.015 --> 00:07:51.887
左へ右へ中央へと
実は野菜室では

00:07:51.887 --> 00:07:54.646
食品をパリッと保てないからです

00:07:54.646 --> 00:07:56.855
もっと気密性が高くないとダメです

00:07:56.855 --> 00:07:58.985
本当は例えば
真空状態でなくては

00:07:58.985 --> 00:08:01.710
自然に起こる退化は防げません

00:08:01.710 --> 00:08:03.662
これはただの引き出しで

00:08:03.662 --> 00:08:05.370
多少気密性が高いぐらいです

00:08:05.370 --> 00:08:07.457
確かに私はこだわり過ぎです

00:08:07.457 --> 00:08:10.182
こういった機能を持った冷蔵庫を

00:08:10.182 --> 00:08:11.700
私に見せてはダメですよ

00:08:11.700 --> 00:08:13.619
とにかくこれは大問題です

00:08:13.619 --> 00:08:16.578
このようにレタスを
システムから失った場合

00:08:16.578 --> 00:08:20.114
今説明したような 生ゴミとなる
最終段階だけでなく

00:08:20.114 --> 00:08:22.770
レタスを育てる過程を
忘れてはなりません

00:08:22.770 --> 00:08:26.041
レタスのライフサイクルが
及ぼす影響は天文学的です

00:08:26.041 --> 00:08:27.459
まず 畑となる土地を切り開き

00:08:27.459 --> 00:08:29.616
そこに種を植え、リン

00:08:29.616 --> 00:08:31.740
肥料、栄養、水、日光といったものが必要です

00:08:31.740 --> 00:08:33.828
レタスが成長するのに
利用された全ての物が

00:08:33.828 --> 00:08:35.540
システムから
失われてしまうのです

00:08:35.540 --> 00:08:38.151
その環境への影響は
遥かに大きく

00:08:38.151 --> 00:08:41.835
冷蔵庫から失われる
エネルギーの比ではありません

00:08:41.835 --> 00:08:45.100
ですから深刻な環境問題に
対処するには

00:08:45.100 --> 00:08:48.281
こうしたもののデザインを
より良くしなくてはなりません

00:08:48.281 --> 00:08:49.932
野菜室と冷蔵庫の
サイズから始めませんか

00:08:49.932 --> 00:08:51.684
ここにいる
冷蔵庫デザイナーの方

00:08:51.684 --> 00:08:53.177
ぜひご検討ください

NOTE Paragraph

00:08:53.177 --> 00:08:56.275
問題は 例えば―

00:08:56.275 --> 00:08:58.925
実際にデザインを見直す事を
想像してみて下さい

00:08:58.925 --> 00:09:02.532
私は冷蔵庫を近代化の
象徴として見てきましたが

00:09:02.532 --> 00:09:04.630
デザインは1950年代から

00:09:04.630 --> 00:09:07.301
さほど変わっていません

00:09:07.301 --> 00:09:10.526
多少は変化がありますが
基本的に大きな箱で―

00:09:10.526 --> 00:09:12.448
冷たくて物を蓄えておくものです

00:09:12.448 --> 00:09:14.268
実際にデザインの仕方を見直すとすると

00:09:14.268 --> 00:09:17.013
問題を見つけ出し
それによって

00:09:17.013 --> 00:09:20.950
革新的でエレガントな

00:09:20.950 --> 00:09:24.303
問題解決のデザインを
開発できます

00:09:24.303 --> 00:09:26.528
これがデザイン主導のシステム変化です

00:09:26.528 --> 00:09:30.238
デザインでシステムの

00:09:30.238 --> 00:09:33.003
持続可能性を高めます

00:09:33.003 --> 00:09:35.097
40パーセントの生ゴミは大問題です

00:09:35.097 --> 00:09:39.162
冷蔵庫の設計でそれを
半減できるとしたらどうでしょう

NOTE Paragraph

00:09:39.162 --> 00:09:41.513
他に私が注目しているのは

00:09:41.513 --> 00:09:42.766
電気ケトルです

00:09:42.766 --> 00:09:44.159
気づいたのですが

00:09:44.159 --> 00:09:47.410
この国では電気ケトルを使いませんね？

00:09:47.410 --> 00:09:49.498
英国では重要なんです

00:09:49.498 --> 00:09:51.731
97パーセントの英国家庭が

00:09:51.731 --> 00:09:54.663
電気ケトルを所持しています

00:09:54.663 --> 00:09:56.270
大人気なんです

00:09:56.270 --> 00:09:59.070
デザイン会社や

00:09:59.070 --> 00:10:01.322
デザイナーと仕事をする際に

00:10:01.322 --> 00:10:02.561
エコなケトルを開発するとなると

00:10:02.561 --> 00:10:04.479
皆２つの事を尋ねてきます

00:10:04.479 --> 00:10:07.523
「レイラ　技術的にどう改良するんだ？」

00:10:07.523 --> 00:10:10.811
明らかにエネルギーが問題と
なりますからね

00:10:10.811 --> 00:10:13.876
「どうすればエコ製品になるか？

00:10:13.876 --> 00:10:16.786
どうすれば環境に良い素材で

00:10:16.786 --> 00:10:18.608
製造できるか？」

00:10:18.608 --> 00:10:20.411
いかがですか？

00:10:20.411 --> 00:10:23.210
理にかなっていますよね？

00:10:23.210 --> 00:10:25.769
でも「これは別問題です」と
私は答えるでしょう

00:10:25.769 --> 00:10:27.927
実は使い方に問題があるんです

00:10:27.927 --> 00:10:30.602
この製品をどう使うかです

00:10:30.602 --> 00:10:32.437
65パーセントの英国人が

00:10:32.437 --> 00:10:34.781
たった一杯のお茶を入れる際に

00:10:34.781 --> 00:10:37.367
ケトルに水を入れすぎると認めています

00:10:37.367 --> 00:10:40.110
この余分なお湯を沸かす時に

00:10:40.110 --> 00:10:44.078
浪費されるエネルギーは
計算上では

00:10:44.078 --> 00:10:47.116
一日に余分なお湯を

00:10:47.116 --> 00:10:48.659
ケトルで沸かすエネルギーは

00:10:48.659 --> 00:10:51.301
英国中の街灯を

00:10:51.301 --> 00:10:53.924
一晩中照らすのに等しいそうです

NOTE Paragraph

00:10:53.924 --> 00:10:56.042
でも本当なんです

00:10:56.042 --> 00:10:57.956
製品―人間の失敗と呼びます

00:10:57.956 --> 00:11:00.702
こいつらが 製品―システムの失敗を
招きます

00:11:00.702 --> 00:11:03.612
あまりに身近すぎて
気づかないでしょう

00:11:03.612 --> 00:11:06.825
しかしこの男性は気づいています
サイモンです

00:11:06.825 --> 00:11:10.132
サイモンは英国の国営電力会社で
働いています

00:11:10.132 --> 00:11:12.274
仕事は電気量の監視で

00:11:12.274 --> 00:11:14.713
システムに必要な電力全てを

00:11:14.713 --> 00:11:16.126
賄えるかどうかを確認しています

00:11:16.126 --> 00:11:18.054
おかげで電気は各家庭に届きます

00:11:18.054 --> 00:11:20.158
同時にテレビもモニターしています

00:11:20.158 --> 00:11:22.131
その理由は

00:11:22.131 --> 00:11:23.949
大人気のTVショーが終わる時に

00:11:23.949 --> 00:11:27.987
英国特有の現象がおこるからです

00:11:27.987 --> 00:11:30.225
CMの時間になると

00:11:30.225 --> 00:11:32.062
サイモンは大急ぎで

00:11:32.062 --> 00:11:35.118
フランスの原発電力を
買わなくてはなりません

00:11:35.118 --> 00:11:38.007
つまり皆が一斉にケトルに

00:11:38.007 --> 00:11:40.072
スイッチを入れるからです

00:11:40.072 --> 00:11:42.318
（笑）

00:11:42.318 --> 00:11:48.303
150万のケトルです
甚大な問題になります

00:11:48.303 --> 00:11:51.872
ケトルをデザインするとしたら

00:11:51.872 --> 00:11:54.612
このシステム不良を
解決することになります

00:11:54.612 --> 00:11:57.277
巨大な負荷が

00:11:57.277 --> 00:11:58.668
システムにかかりますから

00:11:58.668 --> 00:12:02.104
今の製品はこんなことを考えていないのです

00:12:02.104 --> 00:12:03.967
ケトルがあるところ
必ず起こりうる問題なのですが

00:12:03.967 --> 00:12:06.635
市販されているケトルを

00:12:06.635 --> 00:12:08.657
いくつも調べると

00:12:08.657 --> 00:12:10.423
どれだけ水を入れるべきかを

00:12:10.423 --> 00:12:11.980
示す最低水位の目印は

00:12:11.980 --> 00:12:14.899
2 カップから 5.5 カップの間に刻まれています

00:12:14.899 --> 00:12:18.332
お茶を一杯作るだけなのに

00:12:18.332 --> 00:12:20.617
こちらのタイプのケトルは

00:12:20.617 --> 00:12:23.153
実は内部が２つに分かれていて

00:12:23.155 --> 00:12:25.340
一方は湯沸しで
もう片方は水差しタンクです

00:12:25.340 --> 00:12:27.665
ユーザはこのボタンを押すだけで

00:12:27.665 --> 00:12:29.233
お湯を沸かせます

00:12:29.233 --> 00:12:30.999
みなが怠け者でも

00:12:30.999 --> 00:12:32.841
必要な分だけを入れられます

00:12:32.841 --> 00:12:35.165
これは行動の変化を促す製品です

00:12:35.165 --> 00:12:37.277
つまり 目前の問題を解決する

00:12:37.277 --> 00:12:41.136
製品、システムなのです

NOTE Paragraph

00:12:41.136 --> 00:12:43.786
さてテクノロジーの分野へ移りましょう

00:12:43.786 --> 00:12:45.847
大変人気のある製品ですね

00:12:45.847 --> 00:12:47.815
しかし 現状のように

00:12:47.815 --> 00:12:50.401
デザイン 購入 使用そして廃棄を
続けていると

00:12:50.401 --> 00:12:52.313
デザイン 購入 使用そして廃棄を
続けていると

00:12:52.313 --> 00:12:54.562
天文学的な量になります

00:12:54.562 --> 00:12:56.396
現在世界には

00:12:56.396 --> 00:12:57.806
70億人が住んでいます

00:12:57.806 --> 00:12:59.993
昨年の時点で
60億件のケータイ契約が

00:12:59.993 --> 00:13:03.659
結ばれています

00:13:03.659 --> 00:13:07.181
毎年15億のケータイが

00:13:07.181 --> 00:13:08.434
生産され

00:13:08.434 --> 00:13:10.505
企業によっては その生産率は

00:13:10.505 --> 00:13:12.855
人間の出生率より高いそうです

00:13:12.855 --> 00:13:15.985
米国では 昨年１億5200万のケータイが
廃棄されました

00:13:15.985 --> 00:13:17.869
リサイクルされたのは
わずか11パーセントです

00:13:17.869 --> 00:13:21.227
私はオーストラリア出身で
2200万の人口です―笑わないで―

00:13:21.227 --> 00:13:24.300
2200万の電話機が

00:13:24.300 --> 00:13:26.907
引き出しに眠っているそうです

00:13:26.907 --> 00:13:30.628
この解決方法を
見つける必要があります

00:13:30.628 --> 00:13:33.525
これは非常に複雑だからです

00:13:33.525 --> 00:13:36.831
ケータイ内部に大量に
閉じ込めてあるからです

00:13:36.831 --> 00:13:40.594
金です！
実は古いケータイから金を取り出す方が

00:13:40.594 --> 00:13:44.211
鉱石を精製するよりも

00:13:44.211 --> 00:13:47.439
安上がりだということは
ご存知でしたか？

00:13:47.439 --> 00:13:49.829
貴重な複合物質が豊富に

00:13:49.829 --> 00:13:51.430
ケータイに含まれています

00:13:51.430 --> 00:13:53.888
ですから分解を促す
必要があります

00:13:53.888 --> 00:13:56.052
そうしないとこんな事が起こります

00:13:56.052 --> 00:13:57.726
こちらはガーナのコミュニティです

00:13:57.726 --> 00:13:59.984
電子廃棄物 つまり電子機器の廃棄物ですが

00:13:59.984 --> 00:14:01.960
その取引量は５千万トンに上ると

00:14:01.960 --> 00:14:04.992
国連によって報告されました

00:14:04.992 --> 00:14:06.306
こうやって金や

00:14:06.306 --> 00:14:07.840
その他の価値ある物質を取り出します

00:14:07.840 --> 00:14:09.778
ここでは空き地で

00:14:09.778 --> 00:14:11.809
電子廃棄物が燃やされています

00:14:11.809 --> 00:14:14.944
世界中でこのような光景が
みられます

00:14:14.944 --> 00:14:17.491
これはデザイナーとして

00:14:17.491 --> 00:14:19.320
ビジネスや消費者としての
選択の結果です

00:14:19.320 --> 00:14:21.790
誰も波及効果を考慮しないので

00:14:21.790 --> 00:14:23.403
こういった極端な事が起こり

00:14:23.403 --> 00:14:25.705
人々の生活になってしまうのです

00:14:25.705 --> 00:14:30.153
もっと賢く システムに基づいた方法を
見つけなくては

00:14:30.153 --> 00:14:33.069
世界中で持続可能性を
追求するならば

00:14:33.069 --> 00:14:36.845
革新的な解決法を
見つけなくてはなりません

NOTE Paragraph

00:14:36.845 --> 00:14:40.818
ケータイを買うときは

00:14:40.818 --> 00:14:42.508
ちなみに古いケータイは―

00:14:42.508 --> 00:14:44.883
平均15から18か月で

00:14:44.883 --> 00:14:46.987
新しいものに買い替えられます―

00:14:46.987 --> 00:14:49.972
その場しのぎにも見える

00:14:49.972 --> 00:14:52.210
ケータイの買い替えを今後も
続けるならば

00:14:52.210 --> 00:14:54.259
この流れを閉じ
循環させる必要があります

00:14:54.259 --> 00:14:56.170
こうしたケータイはこの部屋にもあり

00:14:56.170 --> 00:14:57.999
製造される方もいらっしゃるでしょうが

00:14:57.999 --> 00:15:00.677
クローズド・ループシステム―製品システムサービスに

00:15:00.677 --> 00:15:02.245
目を向けられているでしょう

00:15:02.245 --> 00:15:04.507
それにより市場のニーズがあるか

00:15:04.507 --> 00:15:06.324
その要求が行過ぎないように
することができると思います

00:15:06.324 --> 00:15:09.377
この問題を解決する
製品をデザインし

00:15:09.377 --> 00:15:11.716
分解しやすいデザインや
軽量化といった

00:15:11.716 --> 00:15:14.082
テスラ・モーターズで

00:15:14.082 --> 00:15:16.941
実際に行われているような戦略です

00:15:16.941 --> 00:15:19.053
こういったアプローチは
難しいものではありません

00:15:19.053 --> 00:15:20.911
しかし システムを理解して

00:15:20.911 --> 00:15:24.442
現実的で市場主導の

00:15:24.442 --> 00:15:26.425
消費者の要求する代案を探す事こそ

00:15:26.425 --> 00:15:28.976
持続可能性の計画を

00:15:28.976 --> 00:15:30.783
大いに変えていく出発点です

00:15:30.783 --> 00:15:32.654
こう申し上げるのは
心苦しいですが

00:15:32.654 --> 00:15:35.457
消費こそ最大の問題だからです

00:15:35.457 --> 00:15:40.719
デザインこそ 最善の解決策の一つです

NOTE Paragraph

00:15:40.719 --> 00:15:42.903
こういった製品は
身の回りにあふれています

00:15:42.903 --> 00:15:45.571
新たな解決法を見出すことで

00:15:45.571 --> 00:15:47.166
実際に革新を始められ

00:15:47.166 --> 00:15:48.559
これを初めて革新と呼べるのです

00:15:48.559 --> 00:15:51.044
皆さんは大変革新的な方だと
確信しています

00:15:51.044 --> 00:15:53.398
しかし持続可能性を

00:15:53.398 --> 00:15:56.085
パラメーターや基準として利用すれば

00:15:56.085 --> 00:16:00.302
システムを基盤とした解決法の推進となると

00:16:00.302 --> 00:16:03.207
私が今しがた取り上げた製品は

00:16:03.207 --> 00:16:06.598
こうした重大な問題に関与しているのです

00:16:06.598 --> 00:16:08.753
私たちの送っている生活全般を

00:16:08.753 --> 00:16:10.375
見ていかなくてはなりません

NOTE Paragraph

00:16:10.375 --> 00:16:12.090
紙かプラスチックか―

00:16:12.090 --> 00:16:14.854
明らかに再利用可能な方が
有益ですが―

00:16:14.854 --> 00:16:18.325
実は紙の方がマズイのです

00:16:18.325 --> 00:16:20.371
紙が良くないのは

00:16:20.371 --> 00:16:22.475
4から10倍プラスチックより重いからです

00:16:22.475 --> 00:16:24.842
ライフサイクルの観点で
比較する際には

00:16:24.842 --> 00:16:27.532
１キロあたりで比較します

00:16:27.532 --> 00:16:29.178
この場合紙ははるかに良いのですが

00:16:29.178 --> 00:16:31.718
プラスチックと紙の機能は食品を運ぶことで

00:16:31.718 --> 00:16:35.333
キロ単位の原料が
必要なわけではありません

00:16:35.333 --> 00:16:37.302
するとプラスチックの方が少量ですみ

00:16:37.302 --> 00:16:38.995
紙だとはるかに大量に必要です

00:16:38.995 --> 00:16:41.953
どんな機能を果たすかで環境への影響も決まります

00:16:41.953 --> 00:16:44.786
デザイナーはエコ素材とは何かを
聞いてきますが

00:16:44.786 --> 00:16:47.810
絶対に避けるべき物質は少なく

00:16:47.831 --> 00:16:49.730
エコであるかは物質の
使い方に左右されます

00:16:49.730 --> 00:16:52.749
そしてつまるところ経済において デザインや
生産や―

00:16:52.749 --> 00:16:55.089
購入する事は全て機能性のためだからです

00:16:55.089 --> 00:16:57.206
私たちは何かが欲しいから
購入します

00:16:57.206 --> 00:17:00.362
物事を突き詰め

00:17:00.362 --> 00:17:04.361
賢く エレガントで 洗練された
解決法をもたらすことで

00:17:04.361 --> 00:17:07.158
システム全体を考慮し

00:17:07.158 --> 00:17:10.253
あらゆるものの全段階

00:17:10.253 --> 00:17:13.089
製品がその役目を終えるまでの

00:17:13.089 --> 00:17:15.891
革新的な解決法を見つける事が
できるのです

NOTE Paragraph

00:17:15.891 --> 00:17:17.961
最後に一点簡単に
お話ししたいと思います

00:17:17.961 --> 00:17:21.818
同僚のシニアデザイナーから
聞いた話です

00:17:21.818 --> 00:17:24.916
「なぜ持続可能性を追求しないのですか？
よくご存じなのに」

00:17:24.916 --> 00:17:28.928
私が尋ねたところ
彼は顧客に提案したら

00:17:28.928 --> 00:17:30.869
こう言われたと打ち明けました

00:17:30.869 --> 00:17:32.634
「コストは下がる―

00:17:32.634 --> 00:17:34.252
売上も伸びるでしょう

00:17:34.252 --> 00:17:38.725
でも当社は先陣はきれません
犠牲が大きすぎる」

NOTE Paragraph

00:17:38.725 --> 00:17:40.942
ここにはパイオニアが
集っているはずです

00:17:40.942 --> 00:17:43.996
問題を解決する多くの
パイオニアがいる事を望みます

NOTE Paragraph

00:17:44.027 --> 00:17:45.434
ありがとうございました

NOTE Paragraph

00:17:45.434 --> 00:17:50.210
（拍手）