挙手をお願いしたいのですが フェイスブックで 友達解除したことがある人いますか? その人が 何か不快な発言を 政治や 宗教や 子育てや 食品についてしたという理由でです (笑) 話したくなくて 避けている人が 少なくとも1人いる という人は? (笑) かつては 礼儀正しく 会話するためには 『マイ・フェア・レディ』の ヒギンズ教授の言葉に従って 天気や健康の話をしていれば 良かったんですが 最近では 気候変動とか 反予防接種とかあって — (笑) 安全な話題では なくなりました 私たちが住む世界では どんな会話も 論争に発展する恐れがあり 政治家は互いに話ができず 本当に些細な問題にさえ 激して賛成 反対の議論をする人がいます 普通じゃありません ピュー研究所が1万人の アメリカ人成人を対象に調査したところ 現在では 歴史上 かつてないほどに 人々が二極化し 対立していることが わかりました みんな妥協しようとせず 聞く耳を持たないのです そして私たちは どこに住み 誰と結婚し 誰と友達になるかを 既に信じていることに 基づいて決めています これもまた 聞く耳を持たないということです 会話には 話すことと聞くことの バランスが必要ですが 私たちはどこかで そのバランスを失ってしまいました 技術の発展も一因です 携帯電話は 今も 手にしているか 手の届くところに あることでしょう ピュー研究所によると 10代の若者の3分の1は 日に100件以上メッセージを送っています 恐らく その人たちのほとんどは 面と向かって話すよりも メッセすることの方が 多いことでしょう 雑誌『アトランティック』に ポール・バーンウェルという 高校教師が書いた面白い記事があります 彼は生徒に コミュニケーションの課題を出しました メモを使わず 特定の題目について 話す方法を教えたかったのです 彼はこう書いています 「私は気が付いた—」 (笑) 「会話の能力というのは 教師が教えそこねている 最も見過ごされたスキルだと 生徒たちは 毎日何時間も画面を通して アイデアや他の人に接しているが 対人スキルを磨く機会は ほとんど持っていない 変な聞こえるかもしれないが 我々は自問せねばならないだろう 21世紀における スキルの中で 理路整然と自信を持って会話する能力より 大切なものがあるだろうかと」 私は話すことを 仕事にしています ノーベル賞受賞者 トラック運転手 億万長者 幼稚園の先生 国家元首 配管工 好きな人とも 好きではない人とも話します 個人的には まったく意見が 合わない人とも話します それでも その人たちと 素晴らしい会話ができます これからの10分間で 話す方法と 聞く方法を お教えします 会話の秘訣については いろいろ聞いたことがあるでしょう 相手の目を見るとか 前もって興味のある話題について 考えておくとか 注意して聞いていること示すよう 相手を見つめ 相槌を打ち 微笑むとか 相手の言葉を 繰り返したり 要約して言うとか — そういうのは 全て忘れてください 役に立ちませんから (笑) 注意して聞いている風に見せる方法を 学ぶ必要はありません 実際に注意して 聞いているのであれば (笑) (拍手) 私はプロのインタビュアー としてのスキルを そのまま普段の生活でも 使っています 皆さんにインタビューの技術を お教えしますが それは 会話が上手くなるためにも 役立ちます 互いの時間を 無駄にせず 退屈せず 相手を傷つけない 会話の方法を 学んでください みんな素晴らしい会話を したことはあって どの様なものか 知っています 話に引き込まれ 鼓舞された 相手と本当の 繋がりができた すっかり理解してもらえたと 別れ際に感じるような会話です 会話のほとんどが そのようなものであっていけない 理由はありません 会話の10の基本ルールを 一緒に見ていきましょう そのうちの1つでも マスターすれば よりよい会話を 楽しめるようになります その1「“ながら”をしない」 携帯電話やタブレットや 車の鍵なんかを もてあそぶのをやめる というだけでなく 身も心も そこにいる ということです その瞬間に いるようにするのです 上司との口論のことなんて 考えないでください 夕食は何にしようかなんて 考えないでください もし 会話から 抜けたいなら どうぞ抜けてください でも 半分だけ参加というのは やめてください その2「一方的に話さないこと」 もし 自分の意見を 反応や 議論や 反論や 成長の機会なしに 主張したいのだったら ブログを書けばいい (笑) 独断的に話す人を 私の番組に出さない理由は つまらないからです もし保守派なら オバマや フードスタンプや 中絶が嫌い リベラル派なら 大銀行や 石油会社や ディック・チェイニーが嫌いでしょう 言うことが 分かりきっています そんな風になりなくは ないでしょう 何か学ぶものがあるはずという姿勢で 会話に臨む必要があります 有名なセラピスト M・スコット・ペック は 「本当に聞くためには 自分を脇に置く必要がある」と言っています これは 時に自分の意見は脇に置いておく 必要があるということです 「受け入れられていると 感じることで 話し手は 無防備だと感じなくなり 心の奥まった所まで 聞き手に見せるように なるのです」 繰り返します 学ぶ姿勢で臨みましょう ビル・ナイ曰く「出会う人の誰もが 自分の知らない何かを知っている」 私ならこう言います 「誰でも何かの専門家」 その3「自由回答の質問をすること」 ジャーナリストを見習いましょう いつ/どこで/誰が/何を/なぜ/どのように で始まる質問をするんです 複雑な質問をしても 簡単な答えが返ってくるだけです もし「怖かったの?」と聞けば 質問の中の最も 印象的な言葉に反応し この場合「怖かった」で 答えは「はい」か「いいえ」です 「怒っていたの?」 「ええ とても怒っていました」 相手に説明させましょうよ 知っているのは向こうなんだから こんな質問をするんです 「どんな様子だった?」 「どう感じたの?」 そうすれば 相手は立ち止まって 考えなければならなくなり そして ずっと興味深い答えが 返ってくるでしょう その4「流れにまかせること」 頭に浮かんだ考えは 出て行かせなければ なりません よく こんなインタビューを 聞いたことがあるでしょう ゲストが何分も話した後に 司会者のする質問が 全然無関係だったり 前に答えていることだ というような 司会者は2分前に聞くことを 止めてしまったのでしょう 何か巧みな質問を思いついて これは絶対言わなきゃいけないと 心に決めたのです 私たちも全く同じことを しています 誰かと座って 話をしている時に 俳優のヒュー・ジャックマンに 喫茶店で出くわしたことを思い出すのです (笑) そして聞くことをやめて その俳優と喫茶店の話を 差し挟めるタイミングを 待つのです 話やアイデアは 頭に浮かんできますが ただ浮かんでは消えるに まかせましょう その5「もし知らなければ 知らないと言いましょう」 ラジオに出演する人は 特にNPRの場合 話したことは記録に残ると 分かっているので 自分が何かの専門家だとか 何かを確かに知っていると言うときには よほど注意します 皆さんもそうして下さい 注意しすぎるくらいでいいです 話を 安っぽくしては いけません その6「相手の体験を自分のと 同一視してはいけません」 相手が 家族を亡くした と話しているときに 自分が家族を亡くした話を 持ち出さないことです 相手が会社でのトラブルについて 話している時に 自分の仕事が どんなに嫌か 言い出さないことです 相手と自分の経験は 全く違うものです 全ての経験は 個別のものなんです さらに重要なのは 自分の話を しているのではないということです その機会に あなたがどれほど 素晴らしいか どれほど困っているか 示そうとする必要はありません スティーヴン・ホーキングは IQを聞かれてこう答えたそうです 「さあね IQ自慢なんて 負け犬のすることだよ」 (笑) 会話は 自己宣伝する 機会ではありません [21世紀における会話] 「今日の調子はどう?」 「ブログ見てよ!」 その7 「同じことを 何度も言わないこと」 恩着せがましく うんざりしますが みんな やりがちです 特に 職場での会話や 子供たちとの会話で 自分の主張が 正しいことを示そうと 言葉を変えて 繰り返すのです それはしないで下さい その8「細かいことには こだわらない」 率直に言って 相手は 細かいことを気にしていません 年号や 氏名や 日付のような詳細です 皆さん 思い出そうと 苦労しているかもしれませんが 相手は興味がありません 相手に興味があるのは あなたなんです あなたがどんな人で どんな共通点があるのか だから 詳細は忘れましょう 必要ありません その9 これは最後ではありませんが 最も重要なことです 「聞くこと」 この点を言った偉人が どれほど 沢山いたか分からないほどですが 聞くことは 誰もが伸ばせる 最も重要なスキルなんです ブッダの言葉です 少し言い換えていますが 「口が開いている時には 何も学ばない」 無口で有名な大統領カルビン・クーリッジ曰く 「聞いたことでクビになった者はいない」 (笑) 何故 お互いに聞こうと しないのでしょうか 1つには 聞くより むしろ 話したいというのがあります 話している時は 自分に主導権があり 興味が無いことを 聞く必要がありません 注目の的になれ 自分のアイデンティティを 強化できます しかし 他にも理由があります 注意をそらされるためです 普通の人の話す速さは 1分間に225語です しかし 私たちは1分間に 500語まで聞き取れます 私たちの意識は 余力の275語を 埋めようとするのです 相手に注意を 向けておくのには 確かに努力と エネルギーが必要ですが それができなければ 会話をしていることにはなりません 2人が同じ場所にいて 無関係な言葉を 叫び合っているだけです (笑) お互いに聞かなくては いけません 作家のスティーブン・コヴィーが 見事に言い表しています 「多くの人は 理解しようと聞くのではなく 回答しようと聞いている」 ルールが もう1つあります その10は「簡潔に」 [私の妹曰く「良い会話は ミニスカートのようなもの 興味を引けるくらいに短く ただし肝心な ところをカバーできるだけ長くすること」] (拍手) (笑) ここまで述べてきたことはすべて 1つのことに要約できます 「相手に興味を持つこと」 私は非常に有名な 祖父の元に育ちました 私の家で お決まりの ことだったんですが 祖父母と話しに いろんな人がやってきて お客様が帰った後に 母が来て 「あの人誰だか知っている?」 と聞くのです 彼女 準ミス・アメリカになったのよ あの人 サクラメント市長よ 彼女はピュリッツァー賞受賞者 彼はロシア・バレエのダンサー それで私は 誰でも何か隠れた すごいものを持っているものだと 信じるようになりました このことが 私を良い司会者に しているのだと思います できる限り口を閉じ 心を開いて 感心させられるのを 期待しています これまで それでがっかりしたことは 一度もありません みなさんも同じことを してください 出かけていって 人と話し 耳を傾けること そして何より大切なのは 感心させられるのを期待することです ご静聴 ありがとうございました (拍手)