1
00:00:01,793 --> 00:00:06,785
皆さん 昆虫を怖がります
死ぬよりも

2
00:00:06,809 --> 00:00:08,587
(笑)

3
00:00:08,611 --> 00:00:13,119
『ブック・オブ・リスト
ー世界なんでもランキング』の1973年版は

4
00:00:13,143 --> 00:00:20,143
ベストもワーストも面白ネタも載っている
ランキング本なんですが

5
00:00:20,167 --> 00:00:23,805
それによると
高い所と大勢の人前での演説だけが

6
00:00:23,829 --> 00:00:27,365
虫よりも
恐怖ランキングの上に来るそうです

7
00:00:27,884 --> 00:00:31,436
ここにクモも付け加えれば

8
00:00:31,460 --> 00:00:35,989
虫とクモの合計なら
一気に１位になったでしょう

9
00:00:36,736 --> 00:00:38,839
さて私はそういう人々とは違い

10
00:00:38,863 --> 00:00:41,009
本当に昆虫が好きです

11
00:00:41,033 --> 00:00:45,084
昆虫はとにかく面白くて 美しいし

12
00:00:45,108 --> 00:00:46,596
かわいいとすら思うときも

13
00:00:46,620 --> 00:00:48,087
(笑)

14
00:00:48,111 --> 00:00:49,479
私だけではありません

15
00:00:49,503 --> 00:00:53,209
チャールズ・ダーウィンから
E.O.ウィルソンまで

16
00:00:53,233 --> 00:00:56,245
何世紀もの間 偉大な科学者の中には

17
00:00:56,269 --> 00:01:01,550
地上で最小の生命への研究から
着想を得てきた人達がいます

18
00:01:02,661 --> 00:01:04,361
なぜでしょう？

19
00:01:04,385 --> 00:01:07,431
昆虫の何が私達を
惹きつけてやまないんでしょうか？

20
00:01:08,055 --> 00:01:12,654
もちろん その理由の一つに 圧倒的な
昆虫の数が挙げられるでしょう

21
00:01:12,678 --> 00:01:15,665
彼らの個体数は他のどんな動物よりも多く

22
00:01:15,689 --> 00:01:18,513
未だに種全体の数すらつかめていません

23
00:01:18,537 --> 00:01:21,254
絶えず新種が発見されていますしね

24
00:01:21,278 --> 00:01:24,903
少なくとも100万種
あるいは1,000万種かもしれません

25
00:01:25,221 --> 00:01:29,485
たとえば「今月の虫」カレンダーを作ったとしたら

26
00:01:29,509 --> 00:01:33,494
同じ種を使い回す事なく
８万年分ができるわけです

27
00:01:33,518 --> 00:01:36,418
(笑)

28
00:01:36,442 --> 00:01:38,130
思い知ったか パンダと子猫！

29
00:01:38,154 --> 00:01:40,482
(笑)

30
00:01:40,506 --> 00:01:43,974
真面目な話 
昆虫は欠くべからざる存在です

31
00:01:43,998 --> 00:01:45,445
私達には昆虫が必要です

32
00:01:45,469 --> 00:01:48,869
私達が口にする食料のおよそ1/3は

33
00:01:48,893 --> 00:01:51,567
花粉を運ぶ昆虫のおかげで
手に入るのです

34
00:01:52,972 --> 00:01:56,199
科学者は昆虫を使って
あらゆる重要な発見—

35
00:01:56,223 --> 00:01:59,124
ヒトの神経系の構造から
遺伝子やDNAの働きまで

36
00:01:59,148 --> 00:02:01,296
解明してきました

37
00:02:02,388 --> 00:02:04,266
でも私が昆虫好きな一番の理由は

38
00:02:04,290 --> 00:02:07,071
昆虫から ヒトの行動を
学ぶことができるからです

39
00:02:07,539 --> 00:02:10,596
昆虫はヒトと似た行動をします

40
00:02:10,620 --> 00:02:14,159
出会い、連れ添い、ケンカし、別れます

41
00:02:14,509 --> 00:02:18,570
しかもそこには愛や恨みのような物さえあります

42
00:02:19,665 --> 00:02:24,876
しかしその行動の動機は 
ヒトの動機とは全く異なり

43
00:02:24,900 --> 00:02:27,474
その違いにこそひらめきがつまっています

44
00:02:28,234 --> 00:02:30,101
そのことが最も現れる領域は

45
00:02:30,125 --> 00:02:33,686
私達の最大の関心事の１つ
セックスです

46
00:02:34,142 --> 00:02:36,975
さて ある主張を
論じていこうと思います

47
00:02:36,999 --> 00:02:39,400
えっ と思われるかもしれませんが

48
00:02:40,749 --> 00:02:44,296
「昆虫のセックスのほうが 
人間のより面白い」

49
00:02:44,320 --> 00:02:46,107
(笑)

50
00:02:46,131 --> 00:02:49,270
そこに見られる途方も無い多様さは

51
00:02:49,294 --> 00:02:52,207
私達のオス・メスの定義に対する

52
00:02:52,231 --> 00:02:54,955
思い込みを揺さぶるものです

53
00:02:55,663 --> 00:02:57,314
もちろん 初めに断っておきますが

54
00:02:57,338 --> 00:03:00,295
生殖のためのセックスが
全く必要ない昆虫は多くいます

55
00:03:00,319 --> 00:03:04,749
雌のアブラムシは番(つがい)にならずに 
小さなクローンを作ることができます

56
00:03:05,441 --> 00:03:06,914
まさに処女懐胎！ほらそこにも

57
00:03:06,938 --> 00:03:08,226
あなたの育てたバラの繁みで

58
00:03:08,250 --> 00:03:11,446
(笑)

59
00:03:11,470 --> 00:03:13,011
昆虫のセックスと言えば

60
00:03:13,035 --> 00:03:16,292
昆虫は精子さえ 人間のより面白いです

61
00:03:16,316 --> 00:03:18,691
ショウジョウバエの中には

62
00:03:18,715 --> 00:03:22,192
精子がオスの体長よりも長い種がいます

63
00:03:22,216 --> 00:03:26,476
これが重要です 
なぜならオスは精子で競うからです

64
00:03:26,873 --> 00:03:31,060
カブトムシのツノのように
オスの昆虫は武器で競いますが

65
00:03:31,553 --> 00:03:35,797
番になった後も精子で競うんです

66
00:03:36,726 --> 00:03:41,852
トンボやイトトンボのオスは 
まるで十徳ナイフを全部広げたような

67
00:03:41,876 --> 00:03:43,969
ペニスを持っています

68
00:03:43,993 --> 00:03:45,863
(笑)

69
00:03:45,887 --> 00:03:50,033
彼らはこの恐るべき道具を
スコップのように使って

70
00:03:50,057 --> 00:03:54,794
メスの体内から 
前に交尾したオスの精子を取り除きます

71
00:03:54,818 --> 00:03:56,885
(笑)

72
00:03:56,909 --> 00:03:59,606
さて このことから我々が学べる事は？

73
00:03:59,630 --> 00:04:02,089
(笑)

74
00:04:05,333 --> 00:04:10,343
いいですか この話は我々が昆虫を真似るとか

75
00:04:10,367 --> 00:04:13,891
我々が見習うべき何かがある
ということではありません

76
00:04:13,915 --> 00:04:17,241
この話も多分 そういうものではないですね？

77
00:04:17,265 --> 00:04:20,839
それと 昆虫界の性的カニバリズムの大流行
の話はしましたっけ？

78
00:04:20,863 --> 00:04:23,191
そういうことじゃありません

79
00:04:23,215 --> 00:04:24,952
でも昆虫たちの行動は

80
00:04:24,976 --> 00:04:30,965
人間が性別ごとに割り当てた役割を
ことごとく破るんです

81
00:04:31,319 --> 00:04:36,848
50年代のホームコメディめいた男女のあり方を
自然界がそっくり表していると

82
00:04:36,872 --> 00:04:38,827
私達が思い込んでいるフシがあります

83
00:04:38,851 --> 00:04:42,004
オスはいつも支配的で攻撃的であり

84
00:04:42,028 --> 00:04:43,770
メスはいつも受け身でシャイだと

85
00:04:43,794 --> 00:04:45,744
でもそれは偏った見方です

86
00:04:46,606 --> 00:04:48,668
例えば キリギリスは

87
00:04:48,692 --> 00:04:51,534
コオロギやバッタの仲間ですが

88
00:04:51,558 --> 00:04:55,035
オスはつがいの相手選びにやけに慎重で

89
00:04:55,059 --> 00:04:58,284
なぜなら交尾では精子のみならず

90
00:04:58,308 --> 00:05:02,774
メスに婚姻ギフトと
呼ばれるものも渡すからです

91
00:05:02,798 --> 00:05:06,475
この写真では２匹の
キリギリスが写っていますね

92
00:05:06,499 --> 00:05:08,819
両方とも向かって左がオスです

93
00:05:08,843 --> 00:05:12,423
剣のように突起しているのが
メスの産卵管です

94
00:05:13,126 --> 00:05:15,653
白い泡が精子

95
00:05:15,677 --> 00:05:19,063
そして緑の泡が婚姻ギフトで

96
00:05:19,087 --> 00:05:22,453
オスはこれを
自分自身の身体から生産します

97
00:05:22,477 --> 00:05:24,655
この婚礼ギフトは非常に高くつきます

98
00:05:24,679 --> 00:05:27,387
重さにして
体重の1/3になることもあります

99
00:05:27,985 --> 00:05:30,519
ここで一旦考えてみましょう

100
00:05:30,543 --> 00:05:34,706
もし人間の男がセックスのたびに

101
00:05:34,730 --> 00:05:40,777
20〜30kgの何かを
生産しなきゃならないとしたら

102
00:05:40,801 --> 00:05:44,408
(笑)

103
00:05:44,432 --> 00:05:47,671
今ほど頻繁には出来なくなりますね

104
00:05:47,695 --> 00:05:49,192
(笑)

105
00:05:49,216 --> 00:05:51,617
まさに キリギリスにも同じことが言えます

106
00:05:52,343 --> 00:05:54,255
つまりキリギリスのオスは

107
00:05:54,279 --> 00:05:58,087
婚姻ギフトを贈る相手を

108
00:05:58,111 --> 00:06:01,191
かなり慎重に選ぶということなんです

109
00:06:01,215 --> 00:06:03,141
さてこのギフトは栄養豊富で

110
00:06:03,165 --> 00:06:05,859
メスは交尾の最中からその後も
これを食べ続けます

111
00:06:05,883 --> 00:06:08,240
つまり婚姻ギフトが大きいほど
オスに有利で

112
00:06:08,264 --> 00:06:10,440
なぜならオスは精子を

113
00:06:10,464 --> 00:06:12,912
メスの体内に注入する時間が稼げますからね

114
00:06:13,521 --> 00:06:17,895
でもこれはつまりオスが交尾に
とても受け身だということを意味します

115
00:06:17,895 --> 00:06:21,420
一方メスは この栄養豊富な婚姻ギフトを

116
00:06:21,444 --> 00:06:25,760
出来るだけ多くとろうと
交尾に極めて積極的です

117
00:06:25,784 --> 00:06:29,579
だからこれは典型的な
性別による役割分担ではありません

118
00:06:30,974 --> 00:06:32,685
より視野を広げてみるとさらに

119
00:06:32,709 --> 00:06:37,773
多くの昆虫の生活において
実はオスは そこまで重要ではありません

120
00:06:37,797 --> 00:06:42,226
ハチ、スズメバチ、アリなどの
社会的昆虫の中には

121
00:06:42,250 --> 00:06:44,845
私達が日頃目にする個体

122
00:06:44,869 --> 00:06:47,314
砂糖壺の周りを行き来するアリや

123
00:06:47,338 --> 00:06:50,347
花から花へ飛び回ってるミツバチ

124
00:06:50,371 --> 00:06:52,670
これらは全てメスです

125
00:06:53,300 --> 00:06:57,876
この発想に至るまでには 
実に何千年もの月日がかかりました

126
00:06:57,900 --> 00:07:02,998
古代ギリシャ人はすでに
働きバチよりも大きな「ドローン」という

127
00:07:03,022 --> 00:07:05,073
階級の存在に気づいていたのですが

128
00:07:05,097 --> 00:07:07,667
「ドローン」の怠け癖には
納得いかなかったようです

129
00:07:07,691 --> 00:07:10,746
なぜなら「ドローン」は
交尾の時期が来るまで

130
00:07:10,770 --> 00:07:12,295
ただ巣の周りをうろうろして

131
00:07:12,319 --> 00:07:13,538
何もしないからです

132
00:07:13,562 --> 00:07:15,581
交尾の時期以外は
巣の周りをうろうろするだけで

133
00:07:15,605 --> 00:07:18,344
蜜や花粉の収集に参加しないので

134
00:07:18,368 --> 00:07:20,652
ギリシャ人たちは「ドローン」が
オスだと分からなかったのです

135
00:07:20,676 --> 00:07:25,243
また 混乱の一因には
働きバチの刺す能力を知っていたため

136
00:07:25,267 --> 00:07:28,124
刺すような武器を
携えているのがメスだなんて

137
00:07:28,148 --> 00:07:31,395
信じ難かったこともあります

138
00:07:31,705 --> 00:07:34,715
アリストテレスもまた
この議論に加担しようと試みました

139
00:07:34,739 --> 00:07:39,327
「オーケイ 刺す個体はオスだよな」
とした途端

140
00:07:39,351 --> 00:07:41,817
彼は困りました
なぜならその考えで行くと

141
00:07:41,841 --> 00:07:44,570
オスがコロニーの中で
子育てをしていた事になり

142
00:07:44,594 --> 00:07:49,002
彼はそれは完全にあり得ない
と考えたようでした

143
00:07:49,026 --> 00:07:52,075
多分 ハチは雌雄同体なのだと

144
00:07:52,099 --> 00:07:53,250
結論したのです

145
00:07:53,274 --> 00:07:55,843
そういう動物はいますから
これはありえるんです

146
00:07:55,867 --> 00:07:58,120
でも結局彼も
真実を見出すことはなかった

147
00:07:58,744 --> 00:08:02,530
現代においても 
例えば私の学生たちですら

148
00:08:02,554 --> 00:08:07,245
目にする全ての動物を
昆虫も含めてオスと呼ぶんです

149
00:08:07,585 --> 00:08:11,121
例えば 巨大な顎を使って
コロニーを守る

150
00:08:11,145 --> 00:08:14,078
獰猛な兵隊アリは 皆メスなんだと

151
00:08:14,102 --> 00:08:17,204
学生に説明しても

152
00:08:17,228 --> 00:08:19,562
今ひとつ信じてくれない

153
00:08:19,586 --> 00:08:20,731
(笑)

154
00:08:20,755 --> 00:08:25,955
確かに 映画 『アンツ』や
『ビー・ムービー』では大抵

155
00:08:25,979 --> 00:08:31,834
社会的昆虫の主役は
オスとして描かれます

156
00:08:32,869 --> 00:08:34,229
でもまあ大したことない

157
00:08:34,229 --> 00:08:36,136
映画は作り話です

158
00:08:36,136 --> 00:08:37,980
話す動物まで出てくるのに

159
00:08:38,004 --> 00:08:41,683
ジェリー・サインフェルドっぽくって 
何が悪いの？

160
00:08:41,707 --> 00:08:43,871
私はそうは思いません

161
00:08:43,895 --> 00:08:46,760
この問題はもっと
根深い問題の一部であり

162
00:08:46,784 --> 00:08:50,913
医学や健康やその他の
私達の生活の側面に

163
00:08:50,937 --> 00:08:53,571
影響を及ぼす問題です

164
00:08:53,595 --> 00:08:57,088
ご存知のように科学者は
モデルシステムと呼ばれる手法により

165
00:08:57,112 --> 00:09:00,473
ラットやショウジョウバエ等の生物を

166
00:09:00,497 --> 00:09:05,051
ヒトを含む全ての動物の
代役として実験に使います

167
00:09:05,075 --> 00:09:08,019
これは
ヒトに起こることは

168
00:09:08,043 --> 00:09:10,454
ラットにも起こるという
発想です

169
00:09:10,478 --> 00:09:13,458
この発想は概して正しいですが

170
00:09:13,482 --> 00:09:17,243
このモデルシステムの発想が
度を越してしまうこともあります

171
00:09:17,924 --> 00:09:20,193
私が思うに
科学者がやってきたことは

172
00:09:20,217 --> 00:09:25,668
実験で 全ての種でオスを
モデルケースに使うことでした

173
00:09:25,692 --> 00:09:26,915
それが普通

174
00:09:26,939 --> 00:09:29,486
そうあるべきだと

175
00:09:29,510 --> 00:09:32,559
そしてメスは例外

176
00:09:32,583 --> 00:09:36,310
つまり特殊な事例として 基礎的知見ができた後にしか扱わない

177
00:09:37,802 --> 00:09:40,485
昆虫に話を戻すと

178
00:09:40,509 --> 00:09:41,857
思うにそれが意味するのは

179
00:09:41,881 --> 00:09:44,700
人間には目の前のものを
あるがままには見られないという事

180
00:09:44,724 --> 00:09:51,160
なぜなら世界の舞台のほとんどが
オスで占められていて

181
00:09:51,184 --> 00:09:55,036
メスには目立たない脇役しか回ってこない
という思い込みがあるからです

182
00:09:55,626 --> 00:10:01,065
でもそう思い込んだ途端 私たちは
自然のあり方の多くを見落とすことになります

183
00:10:01,588 --> 00:10:08,587
また そうするうちに 人間を含めた
自然や生物が持ち得る多様性の有様を

184
00:10:08,611 --> 00:10:10,001
見落とすことになります

185
00:10:10,025 --> 00:10:15,100
このため 多くの医学研究で
男性をモデルとして使ってきて

186
00:10:15,124 --> 00:10:17,189
その結果を男女両方に適用しようとすると

187
00:10:17,213 --> 00:10:21,610
うまくいかないことに気づくのです

188
00:10:22,760 --> 00:10:25,287
私が虫を好きな最後の理由は

189
00:10:25,311 --> 00:10:28,572
多くの人々にとってもビックリする事ですが

190
00:10:28,596 --> 00:10:30,363
彼らの脳がわずかで 小さく

191
00:10:30,387 --> 00:10:33,780
私達が思っている以上に 
認知能力はとても低いことです

192
00:10:34,398 --> 00:10:39,074
彼らの振る舞いは複雑ですが 
彼らに複雑な脳はありません

193
00:10:39,860 --> 00:10:45,037
だから私達は 昆虫を単に
小さな人間として考えてはいけない

194
00:10:45,061 --> 00:10:48,606
なぜなら昆虫と人間のやり方は違うからです

195
00:10:48,630 --> 00:10:52,730
その擬人化しにくさこそ 
私が昆虫を好きな理由です

196
00:10:52,730 --> 00:10:55,730
彼らを見て 小さな人間みたいに
とらえようとしても

197
00:10:56,301 --> 00:10:58,439
外骨格をまとって 脚が６本あってはね

198
00:10:58,927 --> 00:11:00,188
(笑)

199
00:11:00,212 --> 00:11:03,757
そうではなく 彼ら独自のあり方を 
受け入れる必要があります

200
00:11:03,781 --> 00:11:08,914
何が普通で何が自然なのか
昆虫は問いかけてくれるからです

201
00:11:09,527 --> 00:11:14,160
さて 人々は架空の物語を書き 
パラレル・ワールドについて語ります

202
00:11:14,184 --> 00:11:17,482
超自然的な事物に思索を巡らせて

203
00:11:17,506 --> 00:11:20,939
私達の間を死者の魂が歩いているかも
などと考えたりします

204
00:11:22,537 --> 00:11:25,733
異世界に対して憧れるのは

205
00:11:25,757 --> 00:11:31,911
超常現象の世界に関わりたいからだ
と言われています

206
00:11:32,376 --> 00:11:34,665
でも私は思うんです

207
00:11:34,689 --> 00:11:36,858
死者に会う能力なんて
必要でしょうか？

208
00:11:36,882 --> 00:11:38,560
生きた昆虫がそばにいるのに？

209
00:11:39,262 --> 00:11:40,424
ありがとうございました

210
00:11:40,448 --> 00:11:42,901
（拍手）