WEBVTT 00:00:31.754 --> 00:00:34.055 短いお話を1つ 00:00:34.399 --> 00:00:35.903 (客) 「おい 植木屋」 00:00:35.903 --> 00:00:37.245 (植木屋) 「へい お越し」 00:00:37.264 --> 00:00:39.334 「お前んとこ どんな花でもあるか?」 00:00:39.368 --> 00:00:42.599 「へぇ うちはどんな花でも 木でもおまっせ」 00:00:42.615 --> 00:00:44.858 「ほんなら 物言う花てあるか?」 00:00:44.858 --> 00:00:46.182 「物言う花?」 00:00:46.182 --> 00:00:48.220 「こいつなぶりに来おったな」 00:00:48.220 --> 00:00:49.984 「へぇ おまっせ」 00:00:49.984 --> 00:00:51.153 「あるか?」 00:00:51.153 --> 00:00:52.396 「へい おます」 00:00:52.396 --> 00:00:55.261 「うちは花でも木でも皆 物言います 00:00:55.261 --> 00:00:58.352 なんなら名前なと尋ねてみなはれ 00:00:58.352 --> 00:00:59.901 返事しよるさかいに」 00:00:59.987 --> 00:01:01.393 「ホンマかいな?」 00:01:01.443 --> 00:01:06.511 「ほんならお前 名前なんちゅうねん?」 00:01:06.511 --> 00:01:07.881 「さくら」 00:01:07.881 --> 00:01:11.528 「ほんに こいつ もの言いよったがな 00:01:11.528 --> 00:01:13.865 ほしたら お前は?」 00:01:13.865 --> 00:01:15.522 「うめ」 00:01:15.522 --> 00:01:19.160 「なるほどな〜 お前は?」 00:01:19.160 --> 00:01:20.320 「ぼたん」 00:01:20.320 --> 00:01:23.020 「ほー 感心やな」 00:01:23.020 --> 00:01:25.466 「お前は?」 00:01:25.466 --> 00:01:27.566 「お前は?」 00:01:27.566 --> 00:01:29.903 「おい 植木屋 こいつ 物言いよらへんがな」 00:01:29.903 --> 00:01:33.965 「え?あー これ くちなしや」 00:01:33.965 --> 00:01:37.187 (拍手) 00:01:39.699 --> 00:01:43.232 突然の小噺でしたけれども 00:01:43.325 --> 00:01:47.014 これは私が68歳で 00:01:47.014 --> 00:01:49.703 落語を習い始めたときに 00:01:49.703 --> 00:01:54.392 一番初めに教えていただいた 小噺でございます 00:01:55.851 --> 00:02:01.191 なぜ68歳で落語を 習い始めたかと申しますと 00:02:01.191 --> 00:02:05.331 社会との繋がりがなくなることに 00:02:05.331 --> 00:02:08.791 不安を感じたからでございます 00:02:08.791 --> 00:02:12.811 それまで私は仕事を持っておりました 00:02:12.811 --> 00:02:18.329 毎日 人と接する生活をしておりました 00:02:18.479 --> 00:02:21.569 ところが 定年になりまして 00:02:21.629 --> 00:02:25.855 もう子供たちも独立しておりますし 00:02:25.855 --> 00:02:28.642 孫の手も離れて 00:02:28.642 --> 00:02:32.053 これから私は毎日家で 00:02:32.063 --> 00:02:36.173 独りで 誰とも喋らない暮らしが 00:02:36.173 --> 00:02:39.244 続くのかと思いました時に 00:02:39.244 --> 00:02:42.636 それが怖くなったのでございます 00:02:43.197 --> 00:02:46.998 なんとか世間との接点を持った 00:02:46.998 --> 00:02:50.073 暮らしが続けられないものか? 00:02:50.082 --> 00:02:53.756 そう考えたのが 00:02:53.756 --> 00:02:57.510 68歳でございました 00:02:59.160 --> 00:03:04.515 たまたま 神戸に落語教室がある というのを知りました 00:03:04.515 --> 00:03:06.994 落語なら私は若い頃から 00:03:06.994 --> 00:03:09.983 見に行くのが好きだったものですから 00:03:09.983 --> 00:03:12.761 いっぺんやってみようか?位の 00:03:12.761 --> 00:03:17.119 軽い気持ちで受講を決めました 00:03:17.119 --> 00:03:20.503 初めてお教室へ行ってみますと 00:03:20.503 --> 00:03:23.078 先輩の生徒さん方が 00:03:23.078 --> 00:03:27.368 師匠の前で もうプロの噺家さんのように 00:03:27.368 --> 00:03:30.388 落語を演じてらっしゃいます 00:03:30.388 --> 00:03:34.771 「わーすごいな 私もこんな風に なれるのかしら?」 00:03:34.771 --> 00:03:37.534 と思いました 00:03:37.964 --> 00:03:43.078 1年もしますと 発表会というのが 開かれるんですけれども 00:03:43.078 --> 00:03:46.325 私は生まれて初めて 00:03:47.462 --> 00:03:50.031 赤い毛氈の敷き詰められた 00:03:50.031 --> 00:03:52.592 高座というところに上がりまして 00:03:52.592 --> 00:03:56.134 覚えたての落語を披露いたしました 00:03:56.134 --> 00:04:00.950 すると 客席から笑い声がおきたんです 00:04:00.950 --> 00:04:03.541 わー 私みたいな落語にでも 00:04:03.541 --> 00:04:05.792 笑ってくださった 00:04:05.792 --> 00:04:09.467 もう この感激が忘れられずに 00:04:09.467 --> 00:04:14.020 それからは すっかり 落語にはまってしまいます 00:04:15.793 --> 00:04:18.968 そのうちに 生徒さん方で開いてらっしゃる 00:04:18.968 --> 00:04:21.636 素人落語会というのに 00:04:21.636 --> 00:04:24.584 私も出していただけるようになりました 00:04:24.584 --> 00:04:26.084 そうなりますと 00:04:26.084 --> 00:04:28.604 落語のネタを 増やさないといけません 00:04:28.604 --> 00:04:31.205 落語を覚えないといけません 00:04:31.205 --> 00:04:35.933 私は一生懸命落語を覚えました 00:04:36.933 --> 00:04:40.121 そのうちに 私自身にも 00:04:40.121 --> 00:04:44.139 出演依頼をいただけるようになりました 00:04:44.139 --> 00:04:48.328 地域の自治会とか 老人会から 00:04:48.328 --> 00:04:51.265 呼んでいただけるんです 00:04:51.445 --> 00:04:53.770 会場へ伺いますと 00:04:53.770 --> 00:04:56.945 お集まりいただいたお客様方が 00:04:56.945 --> 00:05:00.842 私の落語を聞いて とても喜んでくださるんです 00:05:00.842 --> 00:05:03.245 主催者の方も喜んでくださって 00:05:03.245 --> 00:05:08.038 また次の落語会の依頼をくださいます 00:05:08.488 --> 00:05:11.122 こういう人とのつながりが 00:05:11.122 --> 00:05:14.696 落語を始めるまでは感じたことのない 00:05:14.696 --> 00:05:18.661 生きがいとか やりがいを感じまして 00:05:18.661 --> 00:05:24.539 気がついたら6年が過ぎておりました 00:05:25.859 --> 00:05:29.015 この年の発表会では 00:05:29.015 --> 00:05:32.341 私は30分の大ネタで 00:05:32.341 --> 00:05:36.799 トリを取らせていただくまでに なっておりました 00:05:36.799 --> 00:05:39.443 聞きに来てくださったお友達は 00:05:39.443 --> 00:05:44.056 口を揃えて「すばらしかった 感心したと」 00:05:44.056 --> 00:05:47.876 お褒めの言葉をくださいます 00:05:48.006 --> 00:05:51.137 しかし私は このとき 00:05:51.137 --> 00:05:55.455 75歳も間近に迫っておりまして 00:05:55.455 --> 00:05:58.337 新しい落語のネタを覚えるにも 00:05:58.337 --> 00:06:02.069 もう四苦八苦の有様でございます 00:06:02.069 --> 00:06:05.426 また来年の発表会に 00:06:06.058 --> 00:06:09.328 このままで 新しいネタを 00:06:09.328 --> 00:06:11.748 今年 褒めていただけたような落語を 00:06:11.748 --> 00:06:14.169 できるのだろうか? 00:06:14.169 --> 00:06:17.123 お教室に通っておりましても 00:06:17.123 --> 00:06:23.371 技術の向上もままならないのでは ないかと考えまして 00:06:23.371 --> 00:06:28.082 そこで落語教室をやめたのでございます 00:06:29.062 --> 00:06:31.954 ところがその翌年 00:06:31.954 --> 00:06:36.070 2013年の3月に 神戸で 00:06:36.790 --> 00:06:40.559 「素人女性落語家コンテスト」 00:06:40.559 --> 00:06:44.038 というのが開かれました 00:06:44.038 --> 00:06:48.097 いっぺん 力試しがしてみたい 00:06:48.097 --> 00:06:51.690 私は応募いたしました 00:06:52.232 --> 00:06:59.222 予選44人の中の7人に 選んでいただけたのです 00:06:59.293 --> 00:07:01.923 もう これだけで 嬉しくて 00:07:01.923 --> 00:07:05.026 お友達に言い回りました 00:07:06.046 --> 00:07:10.170 本戦までは1週間です 00:07:10.170 --> 00:07:16.018 7人のうちで3人が受賞となります 00:07:16.018 --> 00:07:19.773 なんとかこの3人に入りたい 00:07:20.984 --> 00:07:23.572 私はもう 1週間の間 00:07:23.572 --> 00:07:26.081 自分のネタを一生懸命に 00:07:26.081 --> 00:07:28.964 何度も練習いたしまして 00:07:28.964 --> 00:07:32.547 本番に臨みました 00:07:33.557 --> 00:07:35.910 審査の結果は 00:07:35.910 --> 00:07:40.343 3位には入っておりません 00:07:40.343 --> 00:07:42.514 2位にも無理でした 00:07:42.514 --> 00:07:46.474 「あーやっぱりだめだったか」と 00:07:46.474 --> 00:07:49.507 もう諦めかけた その時 00:07:49.507 --> 00:07:52.628 「1位は 丸々亭おはぎさん」 00:07:52.628 --> 00:07:54.992 という声が聞こえてきたんです 00:07:54.992 --> 00:07:57.657 もう 私は気が遠くなるような 00:07:57.657 --> 00:08:00.940 指の先まで冷たくなるような感覚で 00:08:00.940 --> 00:08:04.356 賞状を受け取っておりました 00:08:04.356 --> 00:08:07.254 全応募者の中で 00:08:07.254 --> 00:08:10.162 私が最高齢でしたので 00:08:10.162 --> 00:08:11.927 審査員の先生方も 00:08:11.927 --> 00:08:16.246 おまけで1位を くださったのだと思います 00:08:17.866 --> 00:08:23.276 このコンテストの結果が新聞に載ります 00:08:23.276 --> 00:08:27.065 テレビが私のことを紹介してくれます 00:08:27.065 --> 00:08:29.315 それをご覧になった方が 00:08:29.315 --> 00:08:34.525 私に出演依頼をくださいます 00:08:35.025 --> 00:08:37.249 東京のテレビ局までが 00:08:37.249 --> 00:08:40.013 私のことを取材してくれまして 00:08:40.013 --> 00:08:44.487 全国放送で流してくれました 00:08:44.487 --> 00:08:48.116 その上 今日はこのステージに 00:08:48.116 --> 00:08:51.175 立たせていただくという機会まで 00:08:51.175 --> 00:08:54.604 与えていただきました 00:08:54.604 --> 00:09:00.235 このどこにでもいる普通のおばあさんが 00:09:00.235 --> 00:09:05.255 1年前まではもう 想像することもできなかったような 00:09:05.255 --> 00:09:09.328 素晴らしい体験を させていただいております 00:09:09.328 --> 00:09:16.679 もう こんな嬉しい ありがたいことはございません 00:09:16.679 --> 00:09:22.269 しかし 私はあと10日もしない間に 00:09:22.269 --> 00:09:27.082 76歳を迎えてしまいます 00:09:27.082 --> 00:09:30.484 68歳から落語を始めた 00:09:30.484 --> 00:09:33.544 この8年間は 00:09:33.544 --> 00:09:37.509 30代40代の8年間とは全然違います 00:09:38.642 --> 00:09:42.196 体力や頭脳の衰えは 00:09:42.196 --> 00:09:45.148 目に見えて速くなっております 00:09:47.333 --> 00:09:51.005 しかし 私はこの先も 00:09:51.005 --> 00:09:54.136 落語をやめようとは思いません 00:09:55.792 --> 00:09:58.710 いくら歳を重ねても 00:10:00.708 --> 00:10:04.832 人やお客様を喜ばせる力 00:10:05.432 --> 00:10:09.116 お客様に喜んでもらおうと思う力 00:10:09.116 --> 00:10:11.525 パワーというものは 00:10:11.525 --> 00:10:15.364 衰えるものではないからです 00:10:15.364 --> 00:10:18.692 人を喜ばせる力は 00:10:18.692 --> 00:10:22.952 人との交流が楽しければ 00:10:22.952 --> 00:10:26.727 そこから自然に湧いてくるものです 00:10:26.727 --> 00:10:30.770 そもそも世間との交流を続けたい 00:10:30.770 --> 00:10:36.835 という気持ちから私は 落語を習い始めました 00:10:37.685 --> 00:10:41.228 落語を習い始めまして 00:10:41.228 --> 00:10:46.377 老人会などで落語をすることも 楽しかった 00:10:46.377 --> 00:10:51.212 落語教室へ通うことも楽しかった 00:10:51.212 --> 00:10:56.548 人との交流が楽しかったのです 00:10:56.548 --> 00:10:59.840 老人会などでの交流が 00:10:59.840 --> 00:11:03.712 私の落語を磨いてくれました 00:11:03.712 --> 00:11:07.773 力を与えてくれました 00:11:07.773 --> 00:11:13.516 1つの交流が新しい交流を生み 00:11:13.516 --> 00:11:18.494 新たな可能性を生んでくれました 00:11:19.504 --> 00:11:22.313 落語クイーンになれたのも 00:11:22.313 --> 00:11:25.270 今ここに立てているのも 00:11:25.270 --> 00:11:30.017 誰かとの交流がきっかけになったのは 00:11:30.017 --> 00:11:33.597 間違いございません 00:11:33.597 --> 00:11:35.978 大切なのは 00:11:35.978 --> 00:11:39.349 交流の場へ自分から 00:11:39.349 --> 00:11:43.000 足を踏み入れることです 00:11:43.560 --> 00:11:47.353 人との交流が 00:11:47.353 --> 00:11:50.425 考えることのできないほど 00:11:50.425 --> 00:11:55.505 大きな可能性を 育んでくれるものと信じて 00:11:55.505 --> 00:11:58.115 私は これからも 00:11:58.115 --> 00:12:03.076 落語を続けていこうと 思っております 00:12:04.106 --> 00:12:06.309 それではここで 00:12:06.309 --> 00:12:12.253 会場の皆様と 楽しく交流をいたしましょう 00:12:12.823 --> 00:12:18.071 こちらに 小噺がでてまいりました 00:12:18.481 --> 00:12:21.948 「かなづち」という 小噺ですけれども 00:12:21.948 --> 00:12:24.749 これを私が今から 読ませていただきますので 00:12:24.749 --> 00:12:26.944 一度聞いていてください 00:12:28.498 --> 00:12:31.448 「おとなりへ行って 金槌借りてきなはれ 00:12:31.448 --> 00:12:33.525 この釘うってしまうさかいに」 00:12:33.525 --> 00:12:36.135 「行ってきたけど 貸してくれしまへんねん」 00:12:36.135 --> 00:12:38.219 「なんで貸さんねん?」 00:12:38.219 --> 00:12:41.730 「金槌で何すんねん言うさかい 釘打ちますねん言うたら 00:12:41.730 --> 00:12:44.413 「釘と金槌とがすれて ちびる言うて 00:12:44.413 --> 00:12:46.526 貸してくれしまへん」 00:12:46.526 --> 00:12:49.883 「なんとけちな奴がおるなあ 世の中には 00:12:49.959 --> 00:12:52.436 なんぼほど ちびるねんそんなもん 00:12:52.436 --> 00:12:54.450 借るな借るな 00:12:54.450 --> 00:12:56.526 そんな けちな奴から 借らいでもええ 00:12:56.526 --> 00:12:58.819 うちのん出して使い」 00:12:58.819 --> 00:12:59.930 (笑) 00:12:59.930 --> 00:13:03.055 こういう小噺で ございますけれども 00:13:03.055 --> 00:13:05.490 これを会場の皆様 00:13:05.490 --> 00:13:08.578 いままで黙って 座っていらしゃいましたので 00:13:08.578 --> 00:13:10.444 ちょっと声を出すのも 00:13:10.444 --> 00:13:12.766 楽しいかと思いますので 00:13:12.766 --> 00:13:14.030 ご一緒に 00:13:14.030 --> 00:13:16.982 かなづちは退けまして 「おとなりへ」から 00:13:16.982 --> 00:13:19.617 声を揃えて 読んでいただきましょう 00:13:19.617 --> 00:13:21.711 では まいります さん はい 00:13:21.711 --> 00:13:23.837 おとなりへ行って 00:13:23.837 --> 00:13:27.313 金槌借りてきなはれ 00:13:27.313 --> 00:13:31.572 この釘をうってしまうさかい 00:13:31.572 --> 00:13:35.208 行ってきたけど 貸してくれまへん 00:13:35.208 --> 00:13:37.338 なんで 貸さんねん 00:13:37.338 --> 00:13:40.747 金槌で何すんねん言うさかい 00:13:40.747 --> 00:13:44.444 釘打ちますねん言うたら 00:13:44.444 --> 00:13:48.205 釘と金槌とが擦れて ちびる言うて 00:13:48.205 --> 00:13:50.711 貸してくれしまへん 00:13:50.711 --> 00:13:54.984 なんとけちな奴がおるなぁ 世の中には 00:13:54.984 --> 00:13:58.147 なんぼほどちびるねん そんなもん 00:13:58.147 --> 00:14:00.880 借るな借るな 00:14:00.880 --> 00:14:05.495 そんなけちな奴から 借らいでもええ 00:14:05.495 --> 00:14:07.812 うちのん出して使え 00:14:08.647 --> 00:14:11.295 (拍手) ありがとうございます 00:14:11.295 --> 00:14:14.273 それでは それではね 00:14:14.273 --> 00:14:16.433 どのへんなのかな? ここからか 00:14:16.433 --> 00:14:20.229 こっちから この通路側からこっちの人は 00:14:20.229 --> 00:14:23.231 黒地に白で書いてあるところを 00:14:23.231 --> 00:14:28.708 この通路からこっちの方は 白地に黒で書いてあるところを 00:14:28.708 --> 00:14:31.647 大きな声で 両方負けずに 00:14:31.647 --> 00:14:33.783 読んでいただきたいと思います 00:14:33.783 --> 00:14:35.781 では こちらから行きます 00:14:35.781 --> 00:14:38.151 「おとなりへ」からですよ さん はい 00:14:38.151 --> 00:14:42.625 おとなりへ行って金槌を 借りてきなはれ 00:14:42.625 --> 00:14:46.357 この釘をうってしまうさかい 00:14:46.357 --> 00:14:49.972 行ってきたけど 貸してくれしまへん 00:14:49.972 --> 00:14:53.137 なんで貸さんねん? 00:14:53.137 --> 00:14:56.110 金槌で何すんねん言うさかい 00:14:56.110 --> 00:14:59.022 釘打ちますねん言うたら 00:14:59.022 --> 00:15:03.086 釘と金槌とが擦れて ちびる言うて 00:15:03.086 --> 00:15:04.988 貸してくれしまへん 00:15:04.988 --> 00:15:08.089 なんとけちな奴がおるなあ 00:15:08.089 --> 00:15:09.778 世の中には 00:15:09.778 --> 00:15:13.091 なんぼほどちびるねん そんなもん 00:15:13.091 --> 00:15:15.253 借るな借るな 00:15:15.253 --> 00:15:19.578 そんなけちな奴から 借らいでもええ 00:15:19.578 --> 00:15:22.543 うちのん出して使え 00:15:22.543 --> 00:15:27.158 ありがとうございました (拍手) 00:15:27.163 --> 00:15:30.761 それでは これで 私の話は終わらせていただきます 00:15:30.761 --> 00:15:33.077 ありがとうございました