WEBVTT 00:00:00.680 --> 00:00:04.686 子育ての専門家になる予定なんて なかったんですよ 00:00:04.706 --> 00:00:08.490 実際 私は子育てそのものに さほど興味はありません 00:00:09.080 --> 00:00:13.016 ただ最近の子育てには 独特なやり方があって 00:00:13.040 --> 00:00:16.216 それが子どもをダメにしたり 00:00:16.239 --> 00:00:21.200 子どもの成長のチャンスを 妨げたりしているところがあります 00:00:21.200 --> 00:00:23.310 最近の子育ての ある独特なやり方が 00:00:23.310 --> 00:00:24.986 邪魔になっているんです NOTE Paragraph 00:00:24.986 --> 00:00:26.536 私が思うに 00:00:26.560 --> 00:00:28.616 私たちは長い時間をかけて 00:00:28.640 --> 00:00:32.696 子どもの生活や教育やしつけに あまり関わろうとしない親のことを 00:00:32.696 --> 00:00:34.426 大いに問題にしてきました 00:00:34.426 --> 00:00:35.780 それは正しいんです 00:00:36.000 --> 00:00:38.170 ただ その対極にも 00:00:38.170 --> 00:00:41.096 大きな害を生んでいる親がいて 00:00:41.120 --> 00:00:44.056 子どもが成功する条件として 00:00:44.080 --> 00:00:48.136 自分が何かにつけて子どもを保護し 予防線を張り 00:00:48.160 --> 00:00:52.076 傍について すべてを把握し 絶えず細かく管理し 00:00:52.076 --> 00:00:57.580 ごく一握りの大学や職業にたどり着けるよう 仕向けなければと感じています NOTE Paragraph 00:00:58.760 --> 00:01:01.190 このように育てた場合― 00:01:01.190 --> 00:01:03.096 私も他人事じゃありません 00:01:03.120 --> 00:01:06.036 なにしろ私自身 2人のティーンを育てていて 00:01:06.036 --> 00:01:08.656 自分にも その傾向があるからです 00:01:08.680 --> 00:01:12.830 彼らはチェック項目だらけの 子ども時代を送ることになるのです NOTE Paragraph 00:01:13.150 --> 00:01:15.896 チェック項目だらけの子ども時代とは こんな感じです 00:01:15.920 --> 00:01:18.816 子どもの環境は 安全で健全か 00:01:18.840 --> 00:01:20.880 食料や水は足りているか 00:01:21.520 --> 00:01:24.216 それから ちゃんとした学校に 確実に入ってほしいし 00:01:24.240 --> 00:01:26.816 ちゃんとした学校で ちゃんとしたクラスに入って 00:01:26.840 --> 00:01:30.460 ちゃんとした学校の ちゃんとしたクラスで ちゃんとした成績を取ってほしい 00:01:30.484 --> 00:01:32.216 成績だけじゃなく 点数も気になるし 00:01:32.484 --> 00:01:34.210 成績や点数だけじゃなく 表彰や受賞歴も 00:01:34.210 --> 00:01:36.345 スポーツや他の活動も リーダーシップも大事です 00:01:36.345 --> 00:01:38.380 子どもに言います 「クラブに入るんじゃなく 00:01:38.380 --> 00:01:41.370 部を立ち上げなさい 大学に評価されるから」 00:01:41.370 --> 00:01:43.360 奉仕活動の項目にもチェック 00:01:43.360 --> 00:01:46.136 思いやりがあることを 大学に示さなくちゃ NOTE Paragraph 00:01:46.160 --> 00:01:48.256 (笑) NOTE Paragraph 00:01:48.280 --> 00:01:52.940 そのすべてが望ましい 完璧さでなされること 00:01:52.940 --> 00:01:55.856 我が子に完璧なレベルで 実行することを求めます 00:01:55.880 --> 00:01:59.216 自分たちが求められたこともない レベルです 00:01:59.240 --> 00:02:01.416 多くを要求されるため 00:02:01.440 --> 00:02:02.656 親は思うのです 00:02:02.680 --> 00:02:06.626 これは親の私が 先生や校長やコーチや審判に 00:02:06.626 --> 00:02:08.816 文句を言ってやらなくちゃ 00:02:08.816 --> 00:02:11.416 我が子のために コンシェルジュを務め 00:02:11.440 --> 00:02:13.090 お抱えトレーナーとなり 00:02:13.880 --> 00:02:15.696 秘書もやらなくちゃ NOTE Paragraph 00:02:15.720 --> 00:02:17.896 すると私たちは 大事な我が子と過ごす 00:02:17.920 --> 00:02:20.056 時間の多くをかけて 後押しし 00:02:20.080 --> 00:02:24.496 おだて 手引きし 手伝い 口を挟み 時にはガミガミ言ってでも 00:02:24.520 --> 00:02:27.376 子どもが失敗していないか 00:02:27.400 --> 00:02:29.896 道を狭めていないか 00:02:29.920 --> 00:02:32.416 将来を台無しにしていないか 00:02:32.440 --> 00:02:34.696 ほとんどの志願者が落とされる 00:02:34.720 --> 00:02:37.336 ほんの一握りの大学に 00:02:37.360 --> 00:02:40.810 望みどおり合格できるか 気にしてしまうのです NOTE Paragraph 00:02:42.680 --> 00:02:48.096 チェック項目だらけの子ども時代を 過ごす子どもの側はと言うと 00:02:48.120 --> 00:02:50.616 まず遊ぶ時間なんてありません 00:02:50.640 --> 00:02:52.546 午後は予定が詰まっています 00:02:52.546 --> 00:02:55.486 やることのすべてが 有益じゃなきゃいけませんから 00:02:55.486 --> 00:02:58.946 まるで 宿題、小テスト、活動の1つ1つが 00:02:58.946 --> 00:03:03.296 親の描いた我が子の将来を左右する 重大な局面かのようです 00:03:03.320 --> 00:03:06.256 だから家事のお手伝いは免除 00:03:06.280 --> 00:03:09.656 さらに チェック項目を片づけるためなら 00:03:09.680 --> 00:03:14.470 子どもが十分な睡眠を取れなくても 構わないとさえ思うのです 00:03:14.470 --> 00:03:18.566 チェック項目だらけの子ども時代では 親は子の幸せだけを願うと言いつつ 00:03:18.566 --> 00:03:20.776 学校から帰ってきた子どもに 00:03:20.776 --> 00:03:23.656 真っ先に尋ねるのは たいてい 00:03:23.680 --> 00:03:26.736 宿題と成績のことです 00:03:26.760 --> 00:03:28.776 子どもは親の顔色を見て 00:03:28.800 --> 00:03:31.230 親からの承認や 愛情や 00:03:31.230 --> 00:03:33.226 自分の真の価値をもたらすのは 00:03:33.226 --> 00:03:35.206 優秀な「A」の成績だと考えるのです 00:03:35.206 --> 00:03:37.456 そして親は子の横に付いて歩き 00:03:37.480 --> 00:03:42.176 おだて続けます ドッグショーのトレーナーみたいに NOTE Paragraph 00:03:42.200 --> 00:03:43.416 (笑) NOTE Paragraph 00:03:43.440 --> 00:03:48.736 少しでも高くジャンプし 少しでも遠くまで飛べるよう 00:03:48.760 --> 00:03:51.816 毎日毎日 言って聞かせるのです 00:03:51.840 --> 00:03:53.576 そして子どもは高校に入ると 00:03:53.600 --> 00:03:56.496 「どんな勉強が面白そうかな どんな活動をしようかな」 00:03:56.520 --> 00:03:57.776 とは考えず 00:03:57.800 --> 00:03:59.496 カウンセラーに こう言うのです 00:03:59.520 --> 00:04:03.096 「ちゃんとした大学に入るには 何をすればいいですか?」 00:04:03.120 --> 00:04:06.056 高校で成績がつき始めて 00:04:06.080 --> 00:04:07.500 「B」を取ったり 00:04:07.500 --> 00:04:10.176 あろうことか「C」を 取ったりしようものなら 00:04:10.176 --> 00:04:12.016 子どもは慌てて友人たちに メールします 00:04:12.040 --> 00:04:17.160 「こんな成績で ちゃんとした大学に 入れた人いる?」 NOTE Paragraph 00:04:17.959 --> 00:04:19.495 子どもたちは 00:04:19.519 --> 00:04:23.136 高校を出る頃には どんな状況かに関わらず 00:04:23.160 --> 00:04:24.830 みんな息切れしています 00:04:25.400 --> 00:04:26.616 傷つきやすく 00:04:26.640 --> 00:04:28.646 燃え尽きたようになっていて 00:04:28.646 --> 00:04:30.606 年より少し老けています 00:04:30.606 --> 00:04:34.416 大人たちにこう言ってほしかったと 思っています 00:04:34.440 --> 00:04:37.416 「もう十分だよ」 「子ども時代 よく頑張ったね」 00:04:37.440 --> 00:04:41.696 子どもたちは高い確率で不安症や うつを患い弱っています 00:04:41.720 --> 00:04:44.146 中には こういう疑問を持つ子もいます 00:04:44.146 --> 00:04:48.820 自分の人生に価値があったと 思える時なんて来るのだろうか NOTE Paragraph 00:04:49.800 --> 00:04:51.536 私たち親から見れば 00:04:51.560 --> 00:04:54.936 価値があるのは 間違いありませんよね 00:04:54.960 --> 00:04:56.176 でも子どもは親の態度から 00:04:56.200 --> 00:05:01.206 もし親の思い描く大学や職業の 狭き門をくぐれなかったら 00:05:01.206 --> 00:05:03.656 自分に未来はないと 思っているような 00:05:03.680 --> 00:05:05.350 印象を受けるのです NOTE Paragraph 00:05:05.920 --> 00:05:09.016 あるいは もしかしたら 親は怖れているだけかもしれません 00:05:09.040 --> 00:05:11.376 子の将来が 友人に自慢できたり 00:05:11.400 --> 00:05:15.440 車の後ろに貼って見せびらかしたり できるものにならないのではと 00:05:17.600 --> 00:05:18.816 お分かりですね NOTE Paragraph 00:05:18.840 --> 00:05:21.160 (拍手) NOTE Paragraph 00:05:24.920 --> 00:05:27.456 でも親として やってきたことを振り返れば 00:05:27.480 --> 00:05:29.510 きちんと振り返る勇気を持てば 00:05:29.510 --> 00:05:31.350 見えてくるはずです 00:05:31.350 --> 00:05:35.986 子どもは自分の価値が成績や 点数にあると思っていること 00:05:35.986 --> 00:05:40.136 そして発達段階の大切な子どもの 頭の中に住む私たちは 00:05:40.136 --> 00:05:43.970 まるで映画『マルコヴィッチの穴』を 地で行くように 00:05:43.970 --> 00:05:46.566 こんなメッセージを送っていることに 00:05:46.566 --> 00:05:51.456 「私がいなかったら 何ひとつ達成できやしないでしょ」 00:05:51.480 --> 00:05:54.136 私たち親は 過度に手助けし 00:05:54.160 --> 00:05:56.976 過度に保護し 過度に指示し 世話を焼くことで 00:05:56.976 --> 00:06:00.736 子どもが自己効力感を育むチャンスを 奪っているのです 00:06:00.760 --> 00:06:04.410 自己効力感は人間の精神の 根本をなす概念です 00:06:04.410 --> 00:06:07.466 親が褒めそやすたびに子どもが得る 自尊心なんかより 00:06:07.466 --> 00:06:09.140 ずっと大事なものです 00:06:09.140 --> 00:06:14.060 自己効力感は自らの行動が 結果につながったと感じられた時に 00:06:14.060 --> 00:06:16.536 育まれるもので― 00:06:16.560 --> 00:06:17.776 ですよね? NOTE Paragraph 00:06:17.800 --> 00:06:20.640 (拍手) NOTE Paragraph 00:06:21.600 --> 00:06:25.376 親が代わりにやった行動ではなく 00:06:25.400 --> 00:06:28.586 自らの行動が結果につながった時に 育まれます 00:06:28.586 --> 00:06:29.696 簡単に言えば 00:06:29.720 --> 00:06:35.056 子どもが自己効力感を持つのは 必須のことですが そのためには 00:06:35.080 --> 00:06:39.936 子どもは今よりずっと多く 考え、計画し、決断し 00:06:39.960 --> 00:06:43.536 実行し、望み、対処し、 試行錯誤し 00:06:43.560 --> 00:06:46.986 夢を抱き 人生経験を積まなくてはなりません 00:06:46.986 --> 00:06:48.930 すべて自力でです NOTE Paragraph 00:06:49.280 --> 00:06:51.776 さて 私の話は 00:06:51.800 --> 00:06:54.136 「子どもは皆 勤勉でやる気に満ち 00:06:54.160 --> 00:06:57.336 親が子の生活に 首を突っ込む必要はないから 00:06:57.360 --> 00:06:59.830 黙って放っておけ」と 聞こえました? 00:07:00.040 --> 00:07:01.256 まさか! NOTE Paragraph 00:07:01.280 --> 00:07:02.496 (笑) NOTE Paragraph 00:07:02.520 --> 00:07:04.216 そんなこと言ってませんよ 00:07:04.240 --> 00:07:08.056 私が言っているのは 成績や点数や表彰や受賞歴を 00:07:08.056 --> 00:07:09.976 子ども時代の目的にし 00:07:10.000 --> 00:07:13.966 すべては一握りの大学に入り 限られた数の職業に就くという 00:07:13.966 --> 00:07:16.776 その望みを広げるため という考えは 00:07:16.800 --> 00:07:21.176 我が子の成功の定義として あまりにも狭いということです 00:07:21.200 --> 00:07:24.996 親の助けにより 子どもが 短期的に成功することはあるでしょう 00:07:24.996 --> 00:07:26.336 助け過ぎですが 00:07:26.336 --> 00:07:29.940 親が宿題を手伝えば 成績は上がるでしょうし 00:07:30.320 --> 00:07:34.580 親が助ければ 子ども時代に残せる 実績は増えるでしょう 00:07:35.120 --> 00:07:38.496 ただし そのすべては長期的な代償を伴い 00:07:38.520 --> 00:07:40.936 子どもの自意識が犠牲になるのです 00:07:40.936 --> 00:07:43.016 親は 我が子が受験したり 00:07:43.040 --> 00:07:44.856 入学したりするかもしれない 00:07:44.880 --> 00:07:48.096 特定の大学のことなど 心配していないで 00:07:48.120 --> 00:07:53.796 どこへ行っても成功できるような 習慣や考え方や技能や健康を 00:07:53.796 --> 00:07:57.976 我が子が備えているかを もっと心配すべきなのです 00:07:58.000 --> 00:07:59.216 私が言っているのは 00:07:59.240 --> 00:08:03.816 子どものために 親は成績や点数への執着を弱め 00:08:03.840 --> 00:08:06.626 成功の土台を作れるような 子ども時代に 00:08:06.626 --> 00:08:11.256 もっともっと興味を向ける 必要があるということです 00:08:11.280 --> 00:08:14.490 その元となるのは 愛情や 00:08:15.100 --> 00:08:16.456 家事です NOTE Paragraph 00:08:16.480 --> 00:08:18.656 (笑) NOTE Paragraph 00:08:18.680 --> 00:08:21.280 (拍手) NOTE Paragraph 00:08:23.240 --> 00:08:26.840 家事ですよ 家事 聞こえました? 00:08:27.920 --> 00:08:30.590 本当にそうなんです 理由を説明しましょう 00:08:31.080 --> 00:08:35.236 これまでで最も長い時間をかけて 人間の変化を追った研究は 00:08:35.236 --> 00:08:37.305 ハーバード大学の 「グラント・スタディ」です 00:08:37.305 --> 00:08:39.496 それによると 親の望みである 00:08:39.520 --> 00:08:42.096 人生における職業的な成功の源は 00:08:42.120 --> 00:08:45.896 子どものうちにやった 家事であることが分かりました 00:08:45.920 --> 00:08:48.166 始めるのは早ければ 早いほど良いです 00:08:48.166 --> 00:08:50.336 腕まくりして手伝おうという マインドセットが 00:08:50.360 --> 00:08:52.736 こう語りかけるんです 「イヤな仕事だけど 00:08:52.760 --> 00:08:54.976 誰かがやんなきゃ 私がやろうかな」 00:08:55.000 --> 00:08:56.436 聞こえてくるんです 00:08:56.436 --> 00:08:59.336 「全体の向上のために 自分が頑張ろう」 00:08:59.360 --> 00:09:02.416 それが職場での出世に つながるわけです 00:09:02.440 --> 00:09:05.336 心当たりがあるでしょう よく分かりますよね NOTE Paragraph 00:09:05.360 --> 00:09:08.176 (拍手) NOTE Paragraph 00:09:08.200 --> 00:09:11.776 誰もが知っています なのに チェック項目だらけの子ども時代では 00:09:11.800 --> 00:09:15.576 子どもが家事を手伝うのを 免除していますから 00:09:15.600 --> 00:09:18.096 成人した若者として 職場に行っても 00:09:18.120 --> 00:09:20.336 チェック項目を待っている というわけです 00:09:20.360 --> 00:09:21.816 そんなもの ないのにです 00:09:21.840 --> 00:09:25.136 より重大なのは やろうという気持ちや勘の欠如です 00:09:25.160 --> 00:09:27.376 腕まくりして自ら手伝いに行き 00:09:27.400 --> 00:09:30.976 周りを見回して 「どうすれば仲間の役に立てるかな?」 00:09:31.000 --> 00:09:35.640 「上司の望みの数手先を打つには?」と 考えることができないのです NOTE Paragraph 00:09:36.280 --> 00:09:40.220 ハーバード・グラント・スタディによる 大変重要な発見の2つめは 00:09:40.920 --> 00:09:42.920 人生における幸福の源は 00:09:43.720 --> 00:09:45.576 愛情だということです 00:09:45.600 --> 00:09:47.456 仕事への愛じゃありません 00:09:47.480 --> 00:09:49.680 人間に対する愛です 00:09:50.400 --> 00:09:53.840 配偶者やパートナー 友人や家族への愛です 00:09:54.600 --> 00:09:58.296 子どものうちに 愛することを教える必要があります 00:09:58.320 --> 00:10:01.296 まず自分を愛せなければ 他者を愛することはできません 00:10:01.320 --> 00:10:05.696 そして親が無償の愛を注がなければ 子は自分を愛せるようになりません NOTE Paragraph 00:10:05.696 --> 00:10:08.130 (拍手) NOTE Paragraph 00:10:09.600 --> 00:10:11.070 そうなんです 00:10:12.240 --> 00:10:14.016 ですから 00:10:14.040 --> 00:10:16.296 成績や点数に執着するのではなく 00:10:16.320 --> 00:10:19.216 大切な我が子が学校から帰ってきたり 00:10:19.240 --> 00:10:20.736 自分が仕事から帰宅した時 00:10:20.760 --> 00:10:23.536 電子機器は閉じましょう 携帯は脇へやって 00:10:23.560 --> 00:10:24.936 子どもの目を見て 00:10:24.960 --> 00:10:28.136 数時間ぶりに我が子に会えた喜びが 00:10:28.160 --> 00:10:31.296 私たちの顔に表れているところを 子どもに見せるのです 00:10:31.320 --> 00:10:33.256 それから 必ずこう言います 00:10:33.280 --> 00:10:34.870 「どんな1日だった? 00:10:35.840 --> 00:10:38.656 今日 よかったことは何?」 00:10:38.680 --> 00:10:42.416 うちの娘のようにティーンともなると 「ランチ」と答えます 00:10:42.440 --> 00:10:44.390 こっちが聞きたいのは数学のテストで 00:10:44.390 --> 00:10:46.136 ランチはどうでもよくても 00:10:46.136 --> 00:10:48.976 やはりランチに興味を示さなくては いけません 00:10:49.000 --> 00:10:52.176 こう言うんですよ 「今日のランチは何がよかった?」 00:10:52.200 --> 00:10:55.576 子どもが親にとって大切なのは 人間としてであって 00:10:55.600 --> 00:10:58.800 成績評価は関係ないと 子どもに分からせるのです NOTE Paragraph 00:10:59.640 --> 00:11:03.056 さて皆さん こうお考えでしょう 「家事や愛情は大いに結構だが 00:11:03.056 --> 00:11:04.416 ちょっと待ってくれよ 00:11:04.416 --> 00:11:09.236 大学が求めているのは 高得点や最高の成績 表彰や受賞歴じゃないか」 00:11:09.236 --> 00:11:11.950 私の答えは「まぁ確かに」 00:11:13.080 --> 00:11:18.976 最高級ブランドの大学が 子どもたちに求めるのはそれです 00:11:19.000 --> 00:11:20.790 でも 朗報があります 00:11:21.160 --> 00:11:26.256 大学ランキング商法が 私たちに 信じさせようとする情報とは裏腹に NOTE Paragraph 00:11:26.280 --> 00:11:28.640 (拍手) NOTE Paragraph 00:11:31.780 --> 00:11:34.640 人生において成功と幸せをつかむために 00:11:34.640 --> 00:11:36.996 最高級のブランド大学へ行く 必要はないんです 00:11:36.996 --> 00:11:39.576 成功し幸せになった人には 地元の公立校を出た人も 00:11:39.600 --> 00:11:41.370 無名の小さな大学や 00:11:41.370 --> 00:11:43.456 コミュニティ・カレッジ出身の人も 00:11:43.480 --> 00:11:46.216 大学へ行ったけれど 退学になった人もいます NOTE Paragraph 00:11:46.240 --> 00:11:49.040 (拍手) NOTE Paragraph 00:11:53.240 --> 00:11:56.216 その証拠は この会場にも 私たちの社会にもあり 00:11:56.240 --> 00:11:57.936 それが真実であることを示しています 00:11:57.960 --> 00:11:59.656 私たちが視野を広げ 00:11:59.680 --> 00:12:01.936 より多くの大学に目を向けようとし 00:12:01.960 --> 00:12:05.496 自分のエゴを捨てたなら 00:12:05.520 --> 00:12:09.176 私たちはこの真実を受け入れ 気づくことになるでしょう 00:12:09.200 --> 00:12:11.756 我が子が有名ブランド大学に 行かなくても 00:12:11.756 --> 00:12:14.970 この世の終わりには まずならないと 00:12:15.840 --> 00:12:17.386 さらにもっと大切なのは 00:12:17.386 --> 00:12:22.336 あの非道なチェック項目に 従わずに子ども時代を過ごしたなら 00:12:22.360 --> 00:12:24.496 子どもは大学に進むとき 00:12:24.520 --> 00:12:26.456 それがどこの大学であれ 00:12:26.480 --> 00:12:29.576 自らの意思で行き先を選ぶのです 00:12:29.600 --> 00:12:32.056 自らの熱意に支えられ 00:12:32.080 --> 00:12:35.520 行った先でうまくやる力を 備えているのです NOTE Paragraph 00:12:37.360 --> 00:12:39.160 ひとつ白状させてください 00:12:39.580 --> 00:12:43.106 私は2人の子持ちだと言いましたね ソーヤーとエイブリーです 00:12:43.106 --> 00:12:44.576 2人ともティーンエイジャーです 00:12:44.600 --> 00:12:46.456 かつての私の 00:12:46.480 --> 00:12:49.096 ソーヤーとエイブリーに対する感覚は 00:12:49.120 --> 00:12:51.226 盆栽を育てるようなものでした NOTE Paragraph 00:12:51.226 --> 00:12:53.256 (笑) NOTE Paragraph 00:12:53.280 --> 00:12:56.216 2人を入念に剪定して 00:12:56.240 --> 00:13:00.136 人間として完璧な形に仕上げようと していました 00:13:00.160 --> 00:13:03.656 あわよくば 超一流の大学にも入れるくらい 00:13:03.680 --> 00:13:06.490 完璧に作り上げようとしていたんです 00:13:07.040 --> 00:13:11.320 でも気づきました 何千もの他人のお子さんと接し— NOTE Paragraph 00:13:11.640 --> 00:13:13.360 (笑) NOTE Paragraph 00:13:14.480 --> 00:13:17.260 そして自分の子育てをする中で 00:13:18.200 --> 00:13:20.880 うちの子たちは盆栽じゃない 00:13:21.800 --> 00:13:24.090 子どもは野の花なんだって 00:13:24.310 --> 00:13:27.406 ナニ属ナニ種かも わからない 野生です NOTE Paragraph 00:13:27.406 --> 00:13:29.136 (笑) NOTE Paragraph 00:13:29.160 --> 00:13:32.576 私の役目は栄養たっぷりの環境を与え 00:13:32.600 --> 00:13:35.236 家事を通じて子どもを強くすることと 00:13:35.236 --> 00:13:39.296 他者を愛し 愛を受け止められる子になるよう 子どもを愛することです 00:13:39.320 --> 00:13:42.416 大学や専攻や職業は 00:13:42.440 --> 00:13:44.136 本人たち次第です 00:13:44.160 --> 00:13:49.816 私の役目は 自分が仕向けたとおりの 子どもを育てることではなく 00:13:49.840 --> 00:13:54.990 子どもが自ら輝いていくのを サポートすることです NOTE Paragraph 00:13:55.400 --> 00:13:56.616 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:13:56.640 --> 00:14:03.070 (拍手)