0:00:00.680,0:00:04.686 子育ての専門家になる予定なんて[br]なかったんですよ 0:00:04.706,0:00:08.490 実際 私は子育てそのものに[br]さほど興味はありません 0:00:09.080,0:00:13.016 ただ最近の子育てには[br]独特なやり方があって 0:00:13.040,0:00:16.216 それが子どもをダメにしたり 0:00:16.239,0:00:21.200 子どもの成長のチャンスを[br]妨げたりしているところがあります 0:00:21.200,0:00:23.310 最近の子育ての[br]ある独特なやり方が 0:00:23.310,0:00:24.986 邪魔になっているんです 0:00:24.986,0:00:26.536 私が思うに 0:00:26.560,0:00:28.616 私たちは長い時間をかけて 0:00:28.640,0:00:32.696 子どもの生活や教育やしつけに[br]あまり関わろうとしない親のことを 0:00:32.696,0:00:34.426 大いに問題にしてきました 0:00:34.426,0:00:35.780 それは正しいんです 0:00:36.000,0:00:38.170 ただ その対極にも 0:00:38.170,0:00:41.096 大きな害を生んでいる親がいて 0:00:41.120,0:00:44.056 子どもが成功する条件として 0:00:44.080,0:00:48.136 自分が何かにつけて子どもを保護し[br]予防線を張り 0:00:48.160,0:00:52.076 傍について すべてを把握し[br]絶えず細かく管理し 0:00:52.076,0:00:57.580 ごく一握りの大学や職業にたどり着けるよう[br]仕向けなければと感じています 0:00:58.760,0:01:01.190 このように育てた場合― 0:01:01.190,0:01:03.096 私も他人事じゃありません 0:01:03.120,0:01:06.036 なにしろ私自身[br]2人のティーンを育てていて 0:01:06.036,0:01:08.656 自分にも その傾向があるからです 0:01:08.680,0:01:12.830 彼らはチェック項目だらけの[br]子ども時代を送ることになるのです 0:01:13.150,0:01:15.896 チェック項目だらけの子ども時代とは[br]こんな感じです 0:01:15.920,0:01:18.816 子どもの環境は[br]安全で健全か 0:01:18.840,0:01:20.880 食料や水は足りているか 0:01:21.520,0:01:24.216 それから ちゃんとした学校に[br]確実に入ってほしいし 0:01:24.240,0:01:26.816 ちゃんとした学校で[br]ちゃんとしたクラスに入って 0:01:26.840,0:01:30.460 ちゃんとした学校の ちゃんとしたクラスで[br]ちゃんとした成績を取ってほしい 0:01:30.484,0:01:32.216 成績だけじゃなく[br]点数も気になるし 0:01:32.484,0:01:34.210 成績や点数だけじゃなく[br]表彰や受賞歴も 0:01:34.210,0:01:36.345 スポーツや他の活動も[br]リーダーシップも大事です 0:01:36.345,0:01:38.380 子どもに言います[br]「クラブに入るんじゃなく 0:01:38.380,0:01:41.370 部を立ち上げなさい[br]大学に評価されるから」 0:01:41.370,0:01:43.360 奉仕活動の項目にもチェック 0:01:43.360,0:01:46.136 思いやりがあることを[br]大学に示さなくちゃ 0:01:46.160,0:01:48.256 (笑) 0:01:48.280,0:01:52.940 そのすべてが望ましい[br]完璧さでなされること 0:01:52.940,0:01:55.856 我が子に完璧なレベルで[br]実行することを求めます 0:01:55.880,0:01:59.216 自分たちが求められたこともない[br]レベルです 0:01:59.240,0:02:01.416 多くを要求されるため 0:02:01.440,0:02:02.656 親は思うのです 0:02:02.680,0:02:06.626 これは親の私が[br]先生や校長やコーチや審判に 0:02:06.626,0:02:08.816 文句を言ってやらなくちゃ 0:02:08.816,0:02:11.416 我が子のために[br]コンシェルジュを務め 0:02:11.440,0:02:13.090 お抱えトレーナーとなり 0:02:13.880,0:02:15.696 秘書もやらなくちゃ 0:02:15.720,0:02:17.896 すると私たちは[br]大事な我が子と過ごす 0:02:17.920,0:02:20.056 時間の多くをかけて[br]後押しし 0:02:20.080,0:02:24.496 おだて 手引きし 手伝い 口を挟み[br]時にはガミガミ言ってでも 0:02:24.520,0:02:27.376 子どもが失敗していないか 0:02:27.400,0:02:29.896 道を狭めていないか 0:02:29.920,0:02:32.416 将来を台無しにしていないか 0:02:32.440,0:02:34.696 ほとんどの志願者が落とされる 0:02:34.720,0:02:37.336 ほんの一握りの大学に 0:02:37.360,0:02:40.810 望みどおり合格できるか[br]気にしてしまうのです 0:02:42.680,0:02:48.096 チェック項目だらけの子ども時代を[br]過ごす子どもの側はと言うと 0:02:48.120,0:02:50.616 まず遊ぶ時間なんてありません 0:02:50.640,0:02:52.546 午後は予定が詰まっています 0:02:52.546,0:02:55.486 やることのすべてが[br]有益じゃなきゃいけませんから 0:02:55.486,0:02:58.946 まるで[br]宿題、小テスト、活動の1つ1つが 0:02:58.946,0:03:03.296 親の描いた我が子の将来を左右する[br]重大な局面かのようです 0:03:03.320,0:03:06.256 だから家事のお手伝いは免除 0:03:06.280,0:03:09.656 さらに[br]チェック項目を片づけるためなら 0:03:09.680,0:03:14.470 子どもが十分な睡眠を取れなくても[br]構わないとさえ思うのです 0:03:14.470,0:03:18.566 チェック項目だらけの子ども時代では[br]親は子の幸せだけを願うと言いつつ 0:03:18.566,0:03:20.776 学校から帰ってきた子どもに 0:03:20.776,0:03:23.656 真っ先に尋ねるのは[br]たいてい 0:03:23.680,0:03:26.736 宿題と成績のことです 0:03:26.760,0:03:28.776 子どもは親の顔色を見て 0:03:28.800,0:03:31.230 親からの承認や 愛情や 0:03:31.230,0:03:33.226 自分の真の価値をもたらすのは 0:03:33.226,0:03:35.206 優秀な「A」の成績だと考えるのです 0:03:35.206,0:03:37.456 そして親は子の横に付いて歩き 0:03:37.480,0:03:42.176 おだて続けます[br]ドッグショーのトレーナーみたいに 0:03:42.200,0:03:43.416 (笑) 0:03:43.440,0:03:48.736 少しでも高くジャンプし[br]少しでも遠くまで飛べるよう 0:03:48.760,0:03:51.816 毎日毎日 言って聞かせるのです 0:03:51.840,0:03:53.576 そして子どもは高校に入ると 0:03:53.600,0:03:56.496 「どんな勉強が面白そうかな[br]どんな活動をしようかな」 0:03:56.520,0:03:57.776 とは考えず 0:03:57.800,0:03:59.496 カウンセラーに こう言うのです 0:03:59.520,0:04:03.096 「ちゃんとした大学に入るには[br]何をすればいいですか?」 0:04:03.120,0:04:06.056 高校で成績がつき始めて 0:04:06.080,0:04:07.500 「B」を取ったり 0:04:07.500,0:04:10.176 あろうことか「C」を[br]取ったりしようものなら 0:04:10.176,0:04:12.016 子どもは慌てて友人たちに[br]メールします 0:04:12.040,0:04:17.160 「こんな成績で ちゃんとした大学に[br]入れた人いる?」 0:04:17.959,0:04:19.495 子どもたちは 0:04:19.519,0:04:23.136 高校を出る頃には[br]どんな状況かに関わらず 0:04:23.160,0:04:24.830 みんな息切れしています 0:04:25.400,0:04:26.616 傷つきやすく 0:04:26.640,0:04:28.646 燃え尽きたようになっていて 0:04:28.646,0:04:30.606 年より少し老けています 0:04:30.606,0:04:34.416 大人たちにこう言ってほしかったと[br]思っています 0:04:34.440,0:04:37.416 「もう十分だよ」[br]「子ども時代 よく頑張ったね」 0:04:37.440,0:04:41.696 子どもたちは高い確率で不安症や[br]うつを患い弱っています 0:04:41.720,0:04:44.146 中には こういう疑問を持つ子もいます 0:04:44.146,0:04:48.820 自分の人生に価値があったと[br]思える時なんて来るのだろうか 0:04:49.800,0:04:51.536 私たち親から見れば 0:04:51.560,0:04:54.936 価値があるのは[br]間違いありませんよね 0:04:54.960,0:04:56.176 でも子どもは親の態度から 0:04:56.200,0:05:01.206 もし親の思い描く大学や職業の[br]狭き門をくぐれなかったら 0:05:01.206,0:05:03.656 自分に未来はないと[br]思っているような 0:05:03.680,0:05:05.350 印象を受けるのです 0:05:05.920,0:05:09.016 あるいは もしかしたら[br]親は怖れているだけかもしれません 0:05:09.040,0:05:11.376 子の将来が[br]友人に自慢できたり 0:05:11.400,0:05:15.440 車の後ろに貼って見せびらかしたり[br]できるものにならないのではと 0:05:17.600,0:05:18.816 お分かりですね 0:05:18.840,0:05:21.160 (拍手) 0:05:24.920,0:05:27.456 でも親として[br]やってきたことを振り返れば 0:05:27.480,0:05:29.510 きちんと振り返る勇気を持てば 0:05:29.510,0:05:31.350 見えてくるはずです 0:05:31.350,0:05:35.986 子どもは自分の価値が成績や[br]点数にあると思っていること 0:05:35.986,0:05:40.136 そして発達段階の大切な子どもの[br]頭の中に住む私たちは 0:05:40.136,0:05:43.970 まるで映画『マルコヴィッチの穴』を[br]地で行くように 0:05:43.970,0:05:46.566 こんなメッセージを送っていることに 0:05:46.566,0:05:51.456 「私がいなかったら[br]何ひとつ達成できやしないでしょ」 0:05:51.480,0:05:54.136 私たち親は[br]過度に手助けし 0:05:54.160,0:05:56.976 過度に保護し 過度に指示し[br]世話を焼くことで 0:05:56.976,0:06:00.736 子どもが自己効力感を育むチャンスを[br]奪っているのです 0:06:00.760,0:06:04.410 自己効力感は人間の精神の[br]根本をなす概念です 0:06:04.410,0:06:07.466 親が褒めそやすたびに子どもが得る[br]自尊心なんかより 0:06:07.466,0:06:09.140 ずっと大事なものです 0:06:09.140,0:06:14.060 自己効力感は自らの行動が[br]結果につながったと感じられた時に 0:06:14.060,0:06:16.536 育まれるもので― 0:06:16.560,0:06:17.776 ですよね? 0:06:17.800,0:06:20.640 (拍手) 0:06:21.600,0:06:25.376 親が代わりにやった行動ではなく 0:06:25.400,0:06:28.586 自らの行動が結果につながった時に[br]育まれます 0:06:28.586,0:06:29.696 簡単に言えば 0:06:29.720,0:06:35.056 子どもが自己効力感を持つのは[br]必須のことですが そのためには 0:06:35.080,0:06:39.936 子どもは今よりずっと多く[br]考え、計画し、決断し 0:06:39.960,0:06:43.536 実行し、望み、対処し、[br]試行錯誤し 0:06:43.560,0:06:46.986 夢を抱き[br]人生経験を積まなくてはなりません 0:06:46.986,0:06:48.930 すべて自力でです 0:06:49.280,0:06:51.776 さて 私の話は 0:06:51.800,0:06:54.136 「子どもは皆 勤勉でやる気に満ち 0:06:54.160,0:06:57.336 親が子の生活に[br]首を突っ込む必要はないから 0:06:57.360,0:06:59.830 黙って放っておけ」と[br]聞こえました? 0:07:00.040,0:07:01.256 まさか! 0:07:01.280,0:07:02.496 (笑) 0:07:02.520,0:07:04.216 そんなこと言ってませんよ 0:07:04.240,0:07:08.056 私が言っているのは[br]成績や点数や表彰や受賞歴を 0:07:08.056,0:07:09.976 子ども時代の目的にし 0:07:10.000,0:07:13.966 すべては一握りの大学に入り[br]限られた数の職業に就くという 0:07:13.966,0:07:16.776 その望みを広げるため[br]という考えは 0:07:16.800,0:07:21.176 我が子の成功の定義として[br]あまりにも狭いということです 0:07:21.200,0:07:24.996 親の助けにより 子どもが[br]短期的に成功することはあるでしょう 0:07:24.996,0:07:26.336 助け過ぎですが 0:07:26.336,0:07:29.940 親が宿題を手伝えば[br]成績は上がるでしょうし 0:07:30.320,0:07:34.580 親が助ければ 子ども時代に残せる[br]実績は増えるでしょう 0:07:35.120,0:07:38.496 ただし[br]そのすべては長期的な代償を伴い 0:07:38.520,0:07:40.936 子どもの自意識が犠牲になるのです 0:07:40.936,0:07:43.016 親は[br]我が子が受験したり 0:07:43.040,0:07:44.856 入学したりするかもしれない 0:07:44.880,0:07:48.096 特定の大学のことなど[br]心配していないで 0:07:48.120,0:07:53.796 どこへ行っても成功できるような[br]習慣や考え方や技能や健康を 0:07:53.796,0:07:57.976 我が子が備えているかを[br]もっと心配すべきなのです 0:07:58.000,0:07:59.216 私が言っているのは 0:07:59.240,0:08:03.816 子どものために[br]親は成績や点数への執着を弱め 0:08:03.840,0:08:06.626 成功の土台を作れるような[br]子ども時代に 0:08:06.626,0:08:11.256 もっともっと興味を向ける[br]必要があるということです 0:08:11.280,0:08:14.490 その元となるのは[br]愛情や 0:08:15.100,0:08:16.456 家事です 0:08:16.480,0:08:18.656 (笑) 0:08:18.680,0:08:21.280 (拍手) 0:08:23.240,0:08:26.840 家事ですよ 家事[br]聞こえました? 0:08:27.920,0:08:30.590 本当にそうなんです[br]理由を説明しましょう 0:08:31.080,0:08:35.236 これまでで最も長い時間をかけて[br]人間の変化を追った研究は 0:08:35.236,0:08:37.305 ハーバード大学の[br]「グラント・スタディ」です 0:08:37.305,0:08:39.496 それによると[br]親の望みである 0:08:39.520,0:08:42.096 人生における職業的な成功の源は 0:08:42.120,0:08:45.896 子どものうちにやった[br]家事であることが分かりました 0:08:45.920,0:08:48.166 始めるのは早ければ[br]早いほど良いです 0:08:48.166,0:08:50.336 腕まくりして手伝おうという[br]マインドセットが 0:08:50.360,0:08:52.736 こう語りかけるんです[br]「イヤな仕事だけど 0:08:52.760,0:08:54.976 誰かがやんなきゃ[br]私がやろうかな」 0:08:55.000,0:08:56.436 聞こえてくるんです 0:08:56.436,0:08:59.336 「全体の向上のために[br]自分が頑張ろう」 0:08:59.360,0:09:02.416 それが職場での出世に[br]つながるわけです 0:09:02.440,0:09:05.336 心当たりがあるでしょう[br]よく分かりますよね 0:09:05.360,0:09:08.176 (拍手) 0:09:08.200,0:09:11.776 誰もが知っています なのに[br]チェック項目だらけの子ども時代では 0:09:11.800,0:09:15.576 子どもが家事を手伝うのを[br]免除していますから 0:09:15.600,0:09:18.096 成人した若者として[br]職場に行っても 0:09:18.120,0:09:20.336 チェック項目を待っている[br]というわけです 0:09:20.360,0:09:21.816 そんなもの ないのにです 0:09:21.840,0:09:25.136 より重大なのは[br]やろうという気持ちや勘の欠如です 0:09:25.160,0:09:27.376 腕まくりして自ら手伝いに行き 0:09:27.400,0:09:30.976 周りを見回して[br]「どうすれば仲間の役に立てるかな?」 0:09:31.000,0:09:35.640 「上司の望みの数手先を打つには?」と[br]考えることができないのです 0:09:36.280,0:09:40.220 ハーバード・グラント・スタディによる[br]大変重要な発見の2つめは 0:09:40.920,0:09:42.920 人生における幸福の源は 0:09:43.720,0:09:45.576 愛情だということです 0:09:45.600,0:09:47.456 仕事への愛じゃありません 0:09:47.480,0:09:49.680 人間に対する愛です 0:09:50.400,0:09:53.840 配偶者やパートナー[br]友人や家族への愛です 0:09:54.600,0:09:58.296 子どものうちに[br]愛することを教える必要があります 0:09:58.320,0:10:01.296 まず自分を愛せなければ[br]他者を愛することはできません 0:10:01.320,0:10:05.696 そして親が無償の愛を注がなければ[br]子は自分を愛せるようになりません 0:10:05.696,0:10:08.130 (拍手) 0:10:09.600,0:10:11.070 そうなんです 0:10:12.240,0:10:14.016 ですから 0:10:14.040,0:10:16.296 成績や点数に執着するのではなく 0:10:16.320,0:10:19.216 大切な我が子が学校から帰ってきたり 0:10:19.240,0:10:20.736 自分が仕事から帰宅した時 0:10:20.760,0:10:23.536 電子機器は閉じましょう[br]携帯は脇へやって 0:10:23.560,0:10:24.936 子どもの目を見て 0:10:24.960,0:10:28.136 数時間ぶりに我が子に会えた喜びが 0:10:28.160,0:10:31.296 私たちの顔に表れているところを[br]子どもに見せるのです 0:10:31.320,0:10:33.256 それから 必ずこう言います 0:10:33.280,0:10:34.870 「どんな1日だった? 0:10:35.840,0:10:38.656 今日 よかったことは何?」 0:10:38.680,0:10:42.416 うちの娘のようにティーンともなると[br]「ランチ」と答えます 0:10:42.440,0:10:44.390 こっちが聞きたいのは数学のテストで 0:10:44.390,0:10:46.136 ランチはどうでもよくても 0:10:46.136,0:10:48.976 やはりランチに興味を示さなくては[br]いけません 0:10:49.000,0:10:52.176 こう言うんですよ[br]「今日のランチは何がよかった?」 0:10:52.200,0:10:55.576 子どもが親にとって大切なのは[br]人間としてであって 0:10:55.600,0:10:58.800 成績評価は関係ないと[br]子どもに分からせるのです 0:10:59.640,0:11:03.056 さて皆さん こうお考えでしょう[br]「家事や愛情は大いに結構だが 0:11:03.056,0:11:04.416 ちょっと待ってくれよ 0:11:04.416,0:11:09.236 大学が求めているのは[br]高得点や最高の成績 表彰や受賞歴じゃないか」 0:11:09.236,0:11:11.950 私の答えは「まぁ確かに」 0:11:13.080,0:11:18.976 最高級ブランドの大学が[br]子どもたちに求めるのはそれです 0:11:19.000,0:11:20.790 でも 朗報があります 0:11:21.160,0:11:26.256 大学ランキング商法が 私たちに[br]信じさせようとする情報とは裏腹に 0:11:26.280,0:11:28.640 (拍手) 0:11:31.780,0:11:34.640 人生において成功と幸せをつかむために 0:11:34.640,0:11:36.996 最高級のブランド大学へ行く[br]必要はないんです 0:11:36.996,0:11:39.576 成功し幸せになった人には[br]地元の公立校を出た人も 0:11:39.600,0:11:41.370 無名の小さな大学や 0:11:41.370,0:11:43.456 コミュニティ・カレッジ出身の人も 0:11:43.480,0:11:46.216 大学へ行ったけれど[br]退学になった人もいます 0:11:46.240,0:11:49.040 (拍手) 0:11:53.240,0:11:56.216 その証拠は この会場にも[br]私たちの社会にもあり 0:11:56.240,0:11:57.936 それが真実であることを示しています 0:11:57.960,0:11:59.656 私たちが視野を広げ 0:11:59.680,0:12:01.936 より多くの大学に目を向けようとし 0:12:01.960,0:12:05.496 自分のエゴを捨てたなら 0:12:05.520,0:12:09.176 私たちはこの真実を受け入れ[br]気づくことになるでしょう 0:12:09.200,0:12:11.756 我が子が有名ブランド大学に[br]行かなくても 0:12:11.756,0:12:14.970 この世の終わりには[br]まずならないと 0:12:15.840,0:12:17.386 さらにもっと大切なのは 0:12:17.386,0:12:22.336 あの非道なチェック項目に[br]従わずに子ども時代を過ごしたなら 0:12:22.360,0:12:24.496 子どもは大学に進むとき 0:12:24.520,0:12:26.456 それがどこの大学であれ 0:12:26.480,0:12:29.576 自らの意思で行き先を選ぶのです 0:12:29.600,0:12:32.056 自らの熱意に支えられ 0:12:32.080,0:12:35.520 行った先でうまくやる力を[br]備えているのです 0:12:37.360,0:12:39.160 ひとつ白状させてください 0:12:39.580,0:12:43.106 私は2人の子持ちだと言いましたね[br]ソーヤーとエイブリーです 0:12:43.106,0:12:44.576 2人ともティーンエイジャーです 0:12:44.600,0:12:46.456 かつての私の 0:12:46.480,0:12:49.096 ソーヤーとエイブリーに対する感覚は 0:12:49.120,0:12:51.226 盆栽を育てるようなものでした 0:12:51.226,0:12:53.256 (笑) 0:12:53.280,0:12:56.216 2人を入念に剪定して 0:12:56.240,0:13:00.136 人間として完璧な形に仕上げようと[br]していました 0:13:00.160,0:13:03.656 あわよくば[br]超一流の大学にも入れるくらい 0:13:03.680,0:13:06.490 完璧に作り上げようとしていたんです 0:13:07.040,0:13:11.320 でも気づきました[br]何千もの他人のお子さんと接し— 0:13:11.640,0:13:13.360 (笑) 0:13:14.480,0:13:17.260 そして自分の子育てをする中で 0:13:18.200,0:13:20.880 うちの子たちは盆栽じゃない 0:13:21.800,0:13:24.090 子どもは野の花なんだって 0:13:24.310,0:13:27.406 ナニ属ナニ種かも わからない[br]野生です 0:13:27.406,0:13:29.136 (笑) 0:13:29.160,0:13:32.576 私の役目は栄養たっぷりの環境を与え 0:13:32.600,0:13:35.236 家事を通じて子どもを強くすることと 0:13:35.236,0:13:39.296 他者を愛し 愛を受け止められる子になるよう[br]子どもを愛することです 0:13:39.320,0:13:42.416 大学や専攻や職業は 0:13:42.440,0:13:44.136 本人たち次第です 0:13:44.160,0:13:49.816 私の役目は 自分が仕向けたとおりの[br]子どもを育てることではなく 0:13:49.840,0:13:54.990 子どもが自ら輝いていくのを[br]サポートすることです 0:13:55.400,0:13:56.616 ありがとうございました 0:13:56.640,0:14:03.070 (拍手)