WEBVTT 00:00:00.943 --> 00:00:03.786 すべてはこの2人から始まりました 00:00:03.939 --> 00:00:05.209 私の子供たちです 00:00:05.303 --> 00:00:07.555 オークランドの森へ ハイキングに出かけたときに 00:00:07.555 --> 00:00:11.340 娘が川に落ちている猫用の プラスチック製トイレを見つけ 00:00:11.453 --> 00:00:13.309 私を見て言いました 00:00:13.333 --> 00:00:15.387 「ねぇパパ? 00:00:15.887 --> 00:00:17.599 コレ ここにあるのは変だよね?」 NOTE Paragraph 00:00:17.599 --> 00:00:20.117 私はふと サマーキャンプでの光景が 頭に浮かびました 00:00:20.134 --> 00:00:21.482 参観日の朝 00:00:21.506 --> 00:00:24.273 心配性の親たちが門から なだれ込んでくる直前に 00:00:24.533 --> 00:00:25.692 リーダーが子供たちに 00:00:25.696 --> 00:00:28.895 「ひとり5個ゴミを拾うんだ! 急げ!」 と号令するのです 00:00:28.919 --> 00:00:31.959 200人の子供が5個ずつゴミを集めたら 00:00:31.983 --> 00:00:34.556 あっという間にきれいになります 00:00:34.580 --> 00:00:35.739 そこで私は考えたんです 00:00:35.763 --> 00:00:40.300 このクラウドソーシング型の清掃法を 世界規模で実施できないか?と 00:00:40.324 --> 00:00:43.275 そのひらめきから 生まれたのがLitteratiです NOTE Paragraph 00:00:43.299 --> 00:00:46.648 ビジョンはゴミのない世界の実現です 00:00:46.672 --> 00:00:48.180 どうやって始まったかというと 00:00:48.204 --> 00:00:51.940 まず インスタグラムで たばこの写真を撮りました 00:00:52.222 --> 00:00:54.089 それから別の写真を 00:00:54.113 --> 00:00:55.684 また別の 00:00:55.684 --> 00:00:56.831 さらに別の写真を撮り 00:00:56.831 --> 00:00:58.261 2つのことに気が付きました 00:00:58.261 --> 00:01:02.047 ひとつ目 ゴミは芸術作品となり 嫌悪感が薄れたこと 00:01:02.244 --> 00:01:03.009 そして2つ目 00:01:03.009 --> 00:01:05.398 写真がたった数日で50枚に達したことです 00:01:05.398 --> 00:01:07.479 撮影したゴミはすべて拾いましたから 00:01:07.479 --> 00:01:09.954 自分が地球のためにしたことの 00:01:09.978 --> 00:01:13.129 記録にもなっていることに気が付きました 00:01:13.153 --> 00:01:15.341 世の中から みなさんが目にしたり 00:01:15.365 --> 00:01:16.558 踏んだり 00:01:16.572 --> 00:01:18.680 鳥が誤食し得るゴミが 50個減ったのです NOTE Paragraph 00:01:18.769 --> 00:01:21.421 そこでこの活動の発信を始め 00:01:21.445 --> 00:01:24.361 参加者が増えていきました 00:01:24.831 --> 00:01:26.524 ある日 00:01:26.548 --> 00:01:29.076 この写真が中国から届きました 00:01:30.039 --> 00:01:31.310 そのときに気付いたのです 00:01:31.334 --> 00:01:34.720 Litteratiは ただ素敵な写真を 寄せ集めたものではなく 00:01:34.720 --> 00:01:38.503 データ収集の集団に 変貌してきていることに 00:01:38.869 --> 00:01:41.209 1枚1枚の写真の裏には物語があります 00:01:41.279 --> 00:01:43.472 だれが何を拾ったのか分かりますし 00:01:43.496 --> 00:01:45.507 ジオタグが場所を 00:01:45.531 --> 00:01:47.561 タイムスタンプが時を教えてくれます 00:01:48.006 --> 00:01:50.435 そこで私はグーグルマップを用い 00:01:50.459 --> 00:01:54.512 ゴミが拾われた場所のプロットを始めました 00:01:54.536 --> 00:01:58.454 そうしている間に参加者は増えつづけ 00:01:58.478 --> 00:02:00.557 データ数も膨らみました 00:02:00.806 --> 00:02:04.537 私の子供たちの学校はこのド真ん中にあります NOTE Paragraph 00:02:05.125 --> 00:02:06.336 ゴミは 00:02:06.360 --> 00:02:09.064 私たちの生活の風景に溶け込んできています 00:02:09.088 --> 00:02:11.187 でももし前面に引き出したとしたら? 00:02:11.211 --> 00:02:14.123 もし道に落ちているゴミや 00:02:14.147 --> 00:02:15.500 歩道のゴミ 00:02:15.500 --> 00:02:17.518 校庭のゴミの正体を正確に把握できたら? 00:02:17.518 --> 00:02:20.829 そのようなデータは どう役立てられるでしょう? NOTE Paragraph 00:02:21.189 --> 00:02:22.387 それをお見せしましょう 00:02:22.411 --> 00:02:24.186 まずは都市の話です 00:02:24.418 --> 00:02:29.057 サンフランシスコはゴミに占める たばこの割合を調査しようとしていました 00:02:29.081 --> 00:02:30.243 なぜかというと 00:02:30.267 --> 00:02:31.676 課税するためです 00:02:32.073 --> 00:02:34.208 そこで調査員が派遣され 00:02:34.232 --> 00:02:35.593 クリップボードと鉛筆を持ち 00:02:35.617 --> 00:02:37.680 足で情報が収集されました 00:02:37.704 --> 00:02:41.175 その結果 たばこの売上全体に対して 20%の税が課せられました 00:02:41.787 --> 00:02:43.940 ところが訴訟を起こされてしまったのです 00:02:43.964 --> 00:02:45.400 たばこ業界は強力ですからね 00:02:45.400 --> 00:02:48.380 クリップボードと鉛筆で集めたデータなんて 00:02:48.404 --> 00:02:51.155 正確性も実証性も欠くという主張でした 00:02:51.454 --> 00:02:55.068 そこで私たちの技術の力を借りたいと 市から電話がありました 00:02:55.068 --> 00:02:57.585 その技術が単に私の インスタグラムのアカウントだという 00:02:57.592 --> 00:02:59.189 認識が先方にあったかは不明ですが NOTE Paragraph 00:02:59.193 --> 00:02:59.742 (笑) NOTE Paragraph 00:02:59.766 --> 00:03:01.282 でも「いいですよ」と答えました NOTE Paragraph 00:03:01.282 --> 00:03:02.072 (笑) NOTE Paragraph 00:03:02.096 --> 00:03:06.004 「たばこがパーラメントなのか ポール・モールなのかも分かりますし 00:03:06.028 --> 00:03:09.453 すべての写真にはジオタグと タイムスタンプが付きますから 00:03:09.477 --> 00:03:11.428 証拠にもなりますよ」と 00:03:11.839 --> 00:03:15.059 4日後 5,000個のゴミが拾われた後に 00:03:15.083 --> 00:03:20.021 私たちのデータは反対弁論にだけでなく 税率を倍増するために使用されました 00:03:20.035 --> 00:03:22.862 結果 サンフランシスコ市が 清掃事業に費やせる経常歳入が 00:03:22.862 --> 00:03:26.687 新たに400万ドル生み出されたのです NOTE Paragraph 00:03:28.001 --> 00:03:30.236 この出来事から2つのことを学びました 00:03:30.260 --> 00:03:32.814 まず インスタグラムは不向きだということ NOTE Paragraph 00:03:32.838 --> 00:03:33.869 (笑) NOTE Paragraph 00:03:33.893 --> 00:03:35.396 ですからアプリを作成しました NOTE Paragraph 00:03:35.420 --> 00:03:37.053 そして もう1つは 00:03:37.077 --> 00:03:40.694 世界各地の街には それぞれ独自の特徴があり 00:03:40.718 --> 00:03:44.554 その特徴が問題の原因と 00:03:44.578 --> 00:03:47.099 解決策に導いてくれるということです 00:03:47.646 --> 00:03:50.324 ゴミに占めるたばこの割合を調べるだけで 00:03:50.328 --> 00:03:52.511 収入源が生み出されるなら 00:03:52.535 --> 00:03:54.631 コーヒーの紙コップや 00:03:54.655 --> 00:03:56.361 空き缶や 00:03:56.385 --> 00:03:58.149 ペットボトルでも可能なのでは? 00:03:58.501 --> 00:04:01.702 サンフランシスコの特徴を把握できるなら オークランドだって 00:04:01.726 --> 00:04:03.422 アムステルダムだって 00:04:03.446 --> 00:04:07.226 自分の家のすぐ近くだって可能なはずです 00:04:07.408 --> 00:04:08.642 企業はどうでしょう? 00:04:08.666 --> 00:04:11.627 環境的および経済的利益のために 00:04:11.627 --> 00:04:14.803 このデータをどう利用できるでしょうか? NOTE Paragraph 00:04:15.646 --> 00:04:19.228 オークランドの中心街に ゴミであふれている一角があります 00:04:19.325 --> 00:04:23.429 そこにLitteratiのユーザーが集い. 1,500個のゴミを拾いました 00:04:23.812 --> 00:04:25.152 そこから明らかになったのは 00:04:25.176 --> 00:04:28.836 ゴミはある有名な タコス店の物ばかりだったこと 00:04:29.738 --> 00:04:33.735 その大半は店の辛口ソースの小袋で 00:04:34.438 --> 00:04:38.384 しかもほとんどが未開封のままでした 00:04:39.965 --> 00:04:42.680 問題と解決策ですが 00:04:42.704 --> 00:04:46.665 例えばソースは欲しい人だけに渡すとか 00:04:46.689 --> 00:04:48.698 店内に大容器で設置するとか 00:04:48.722 --> 00:04:51.344 よりエコな包装に変えるとか 00:04:51.378 --> 00:04:54.267 企業は環境への悪影響を 00:04:54.291 --> 00:04:56.297 どのようにして経済的原動力に変え 00:04:56.321 --> 00:04:58.849 業界のヒーローになるかを 考えなければなりません NOTE Paragraph 00:04:59.292 --> 00:05:01.494 でも真に変化を望むのであれば 00:05:01.518 --> 00:05:04.392 子供たちから始めることが一番効果的です 00:05:04.416 --> 00:05:07.819 ある学校では5年生の子供たちが校庭で 00:05:07.843 --> 00:05:09.691 1,247個のゴミを拾い 00:05:09.715 --> 00:05:12.247 一番多いゴミは 00:05:12.271 --> 00:05:15.755 学食にあるストローの袋 であることを突きとめました 00:05:15.947 --> 00:05:18.476 そこで子供たちは校長を訪ね 00:05:18.500 --> 00:05:20.420 「どうしてストローが必要なの?」と問い 00:05:21.166 --> 00:05:22.921 その結果 ストローは廃止されました 00:05:22.945 --> 00:05:26.283 子供たちは 一人一人の行いには意味があること 00:05:26.283 --> 00:05:29.461 協力すればもっと大きな力に なることも学びました NOTE Paragraph 00:05:29.503 --> 00:05:33.515 このコミュニティは 学生であろうと科学者であろうと 00:05:33.539 --> 00:05:36.674 ホノルルに住んでいようと ハノイに住んでいようと 00:05:36.698 --> 00:05:39.579 関係なく だれもが参加できるものです 00:05:39.974 --> 00:05:44.653 北カルフォルニアの森に連れて行った 2人の幼い子供たちがきっかけの活動が 00:05:44.677 --> 00:05:47.491 今や世界中に広まっています 00:05:47.938 --> 00:05:49.911 その道のりはどう歩んできたかって? 00:05:50.067 --> 00:05:52.245 1つずつ 1つずつです NOTE Paragraph 00:05:52.498 --> 00:05:53.933 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:05:53.933 --> 00:05:57.365 (拍手)