WEBVTT 00:00:00.855 --> 00:00:03.798 YouTubeには ある種の体験を扱った — 00:00:03.798 --> 00:00:05.811 一群のビデオがあります 00:00:05.811 --> 00:00:08.388 ここにいる皆さんにも 同じような体験があるはずです 00:00:08.388 --> 00:00:10.401 そこに映っているのは 00:00:10.401 --> 00:00:11.964 他に人はいないと思って 00:00:11.964 --> 00:00:15.170 何らかの表現行為を している人物です 00:00:15.170 --> 00:00:17.677 絶唱していたり 踊り狂っていたり 00:00:17.677 --> 00:00:20.280 ちょっとした性的行動を していたり・・・ 00:00:20.280 --> 00:00:22.878 ところが実際は自分一人ではなく 00:00:22.878 --> 00:00:25.923 ひそかに見ている人間が いるのに気付き 00:00:25.923 --> 00:00:27.678 恐怖に打たれて 00:00:27.678 --> 00:00:29.578 それまでしていたことを 00:00:29.578 --> 00:00:31.468 はたと止める — というものです 00:00:31.468 --> 00:00:33.550 恥や屈辱を感じていることが 00:00:33.550 --> 00:00:35.833 表情に はっきり見て取れます 00:00:35.833 --> 00:00:37.565 こんな感情です 00:00:37.565 --> 00:00:39.298 「誰か見ていると知っていたら 00:00:39.298 --> 00:00:42.898 絶対こんなことは しなかったのに・・・」 00:00:42.898 --> 00:00:45.316 これが16か月に渡り 私が特に集中して 00:00:45.316 --> 00:00:47.363 取り組んできた活動の核心 — 00:00:47.363 --> 00:00:49.238 「なぜプライバシーが 00:00:49.238 --> 00:00:51.300 重要なのか」という問題です 00:00:51.300 --> 00:00:53.238 この問題が持ち上がった背景には 00:00:53.238 --> 00:00:56.360 エドワード・スノーデンの 暴露に端を発する — 00:00:56.360 --> 00:00:58.848 世界的な議論があります 00:00:58.848 --> 00:01:01.189 アメリカとその同盟国は 00:01:01.189 --> 00:01:03.211 世界中の誰も知らないうちに 00:01:03.211 --> 00:01:05.303 以前は 00:01:05.303 --> 00:01:08.104 自由化と民主化の かつてないツールとして 00:01:08.104 --> 00:01:11.420 歓迎されていたインターネットを 00:01:11.420 --> 00:01:13.189 かつてない程の 00:01:13.189 --> 00:01:17.283 無差別大量監視の場に 変えてきました 00:01:17.283 --> 00:01:19.240 この議論では こんな意見が 00:01:19.240 --> 00:01:20.726 よく聞かれます 00:01:20.726 --> 00:01:22.683 大量監視を快く思わない人々の 00:01:22.683 --> 00:01:24.737 間にさえ 広がっている意見です 00:01:24.737 --> 00:01:26.660 「この大規模な 00:01:26.660 --> 00:01:29.405 権利侵害から実害は生じない 00:01:29.405 --> 00:01:32.679 なぜなら 悪事を働いている人間だけが 00:01:32.679 --> 00:01:34.748 人目を避けたり 00:01:34.748 --> 00:01:37.459 プライバシーを気にする 動機があるからだ」 00:01:37.459 --> 00:01:40.240 この世界観が暗に根拠とする 考え方があります 00:01:40.240 --> 00:01:42.416 「世界には2種類の人間 ― 00:01:42.416 --> 00:01:44.452 善人と悪人がいる」 00:01:44.452 --> 00:01:47.420 悪人はテロ攻撃を画策し 暴力的な犯罪に 00:01:47.420 --> 00:01:48.918 関与しているからこそ 00:01:48.918 --> 00:01:52.070 自分の行為を隠し プライバシーにこだわる — 00:01:52.070 --> 00:01:54.127 動機があるというのです 00:01:54.127 --> 00:01:56.950 一方で善人とは 00:01:56.950 --> 00:01:58.603 仕事に行き 家に帰っては 00:01:58.603 --> 00:02:01.505 子育てをし テレビを見るような人々です 00:02:01.505 --> 00:02:04.261 インターネットを 爆破テロの計画ではなく 00:02:04.261 --> 00:02:06.736 ニュースを読んだり レシピを教え合ったり 00:02:06.736 --> 00:02:09.210 リトルリーグの 試合を組むのに使い 00:02:09.210 --> 00:02:11.528 悪事に手を染めることなどないので 00:02:11.528 --> 00:02:13.575 隠す事もなければ 00:02:13.575 --> 00:02:15.937 政府による監視を 00:02:15.937 --> 00:02:18.379 恐れる理由もないというのです 00:02:18.379 --> 00:02:20.189 でもこんなことを言う人々は 00:02:20.189 --> 00:02:22.968 極度の自己軽視に 00:02:22.968 --> 00:02:24.524 陥っているのです 00:02:24.524 --> 00:02:26.433 実際には こう言っているのも同然です 00:02:26.433 --> 00:02:28.626 「私は自分が 無害で 敵意のない 00:02:28.626 --> 00:02:31.472 誰の関心も引かない人間に なることに同意したので 00:02:31.472 --> 00:02:34.430 自分が何をしているか 政府に知られたところで 00:02:34.430 --> 00:02:37.779 恐れることは何もない」 00:02:37.779 --> 00:02:39.583 こういう考え方が 00:02:39.583 --> 00:02:41.652 最も純粋な形で 表れていると思うのが 00:02:41.652 --> 00:02:43.959 GoogleのCEOを長く務めた 00:02:43.959 --> 00:02:46.894 エリック・シュミットの 2009年のインタビューです 00:02:46.894 --> 00:02:49.436 世界中の何億もの人々に 00:02:49.436 --> 00:02:51.608 Googleがもたらしている 00:02:51.608 --> 00:02:54.217 様々なプライバシー問題について 質問されて 00:02:54.217 --> 00:02:56.208 彼はこう答えました 00:02:56.208 --> 00:02:57.884 「もし他人に知られたくない事を 00:02:57.884 --> 00:02:59.898 やっているんだとしたら 00:02:59.898 --> 00:03:03.903 そもそも そんなことは しない方が良いと思いますよ」 00:03:03.903 --> 00:03:05.888 この考え方に対しては 00:03:05.888 --> 00:03:08.233 言うべきことが 山ほどあります 00:03:08.233 --> 00:03:11.473 まずプライバシーは それほど重要ではないと 00:03:11.473 --> 00:03:13.588 主張している人も 00:03:13.588 --> 00:03:16.535 実際には そう考えてはいません 00:03:16.535 --> 00:03:18.357 その証拠に 00:03:18.357 --> 00:03:21.226 プライバシーは重要でないと 言っておきながら 00:03:21.226 --> 00:03:24.387 実際には自分自身の プライバシーを守るために 00:03:24.387 --> 00:03:27.154 あらゆる対策を 講じているのです 00:03:27.154 --> 00:03:28.972 メールとソーシャルメディアの 00:03:28.972 --> 00:03:30.742 アカウントにはパスワードをかけ 00:03:30.742 --> 00:03:32.621 自分の部屋やトイレの扉には 00:03:32.621 --> 00:03:33.970 カギをつけ 00:03:33.970 --> 00:03:36.670 プライベートな領域だと 考えるものや 00:03:36.670 --> 00:03:39.572 他人に知られたくないことに 00:03:39.572 --> 00:03:43.273 他人が触れることができないように あらゆる手を打っています 00:03:43.273 --> 00:03:46.333 エリック・シュミット自身 00:03:46.333 --> 00:03:48.942 オンラインマガジンCNETに 00:03:48.942 --> 00:03:50.877 自分のプライベートな情報を 00:03:50.877 --> 00:03:53.150 記事にされた時 00:03:53.150 --> 00:03:55.740 Google社員に対し 00:03:55.740 --> 00:03:57.773 CNETとの接触を禁じる 00:03:57.773 --> 00:03:59.854 指示を出しています 00:03:59.854 --> 00:04:02.970 しかも その情報は Google検索と 00:04:02.970 --> 00:04:06.311 その他のGoogle製品だけを使って 入手したものでした(笑) 00:04:06.311 --> 00:04:08.168 同様の矛盾は 00:04:08.168 --> 00:04:10.630 FacebookのCEO マーク・ザッカーバーグにも見られます 00:04:10.630 --> 00:04:14.160 彼は評判の悪い2010年の インタビューの中で 00:04:14.160 --> 00:04:16.559 プライバシーはもはや 00:04:16.559 --> 00:04:19.584 「社会的規範」ではないと 公言しています 00:04:19.584 --> 00:04:22.140 ところが昨年 ザッカーバーグは新婚の妻と 00:04:22.140 --> 00:04:24.445 パロアルトに 00:04:24.445 --> 00:04:28.320 自宅用の家に加えて 隣接する4軒を購入しました 00:04:28.320 --> 00:04:29.934 総額3千万ドルです 00:04:29.934 --> 00:04:33.466 自分達の私生活を 00:04:33.466 --> 00:04:35.592 他人に見られないよう 00:04:35.592 --> 00:04:39.191 私的空間を 確保するためです 00:04:39.191 --> 00:04:41.944 この16か月 私は世界中で この問題を議論してきましたが 00:04:41.944 --> 00:04:44.360 毎回こんな発言をする人がいます 00:04:44.360 --> 00:04:45.869 「私には隠すことなどないから 00:04:45.869 --> 00:04:47.478 プライバシーの侵害など 心配していない」 00:04:47.478 --> 00:04:49.178 その度に私は 同じことを言っています 00:04:49.178 --> 00:04:51.471 ペンを出しメールアドレスを 書いて言うのです 00:04:51.471 --> 00:04:53.113 「これが私のアドレスです 00:04:53.113 --> 00:04:54.812 あなたが家に帰ったら 00:04:54.812 --> 00:04:56.522 メールアカウントのパスワードを 00:04:56.522 --> 00:04:58.332 全部 私に送ってください 00:04:58.332 --> 00:05:00.886 あなた名義の きちんとした仕事用のだけでなく 00:05:00.886 --> 00:05:02.436 全部です 00:05:02.436 --> 00:05:04.497 あなたがオンラインで 00:05:04.497 --> 00:05:06.176 やっていることを探って 00:05:06.176 --> 00:05:08.738 好きなだけ読み 面白いものは公表したいんです 00:05:08.738 --> 00:05:10.538 何しろあなたが悪人じゃなく 00:05:10.538 --> 00:05:12.360 悪いことなどしていないなら 00:05:12.360 --> 00:05:15.340 隠すべき事など ないはずですよね」 00:05:15.340 --> 00:05:18.873 これに応じた人は 今まで一人もいません 00:05:18.873 --> 00:05:22.878 私は — (拍手) 00:05:22.878 --> 00:05:26.118 私はいつもそのメールアカウントを チェックしていますが 00:05:26.118 --> 00:05:29.323 誰も送ってきません 00:05:29.323 --> 00:05:31.110 それには理由があります 00:05:31.110 --> 00:05:33.151 私達は人間として 00:05:33.151 --> 00:05:35.105 たとえ言葉では 00:05:35.105 --> 00:05:37.546 プライバシーの重要性を 否定する人でさえ 00:05:37.546 --> 00:05:39.683 心の底ではプライバシーが 00:05:39.683 --> 00:05:41.877 重要だとわかっているからです 00:05:41.877 --> 00:05:44.704 確かに我々人間は 社会的な動物です 00:05:44.704 --> 00:05:46.853 自分の行動や 発言や考えを 00:05:46.853 --> 00:05:49.597 人に知って 欲しいという欲求があり 00:05:49.597 --> 00:05:53.867 だからこそ自発的にネットで 自分の情報を公開もするのです 00:05:53.867 --> 00:05:56.713 しかし 自由で満ち足りた 人間であるために 00:05:56.713 --> 00:05:59.294 同様に不可欠なのは 00:05:59.294 --> 00:06:01.431 他人の批判の目から 00:06:01.431 --> 00:06:05.459 逃れられる場所がある ということです 00:06:05.459 --> 00:06:07.466 そういう場所を求めるのには 00:06:07.466 --> 00:06:10.376 理由があり それは私達の誰にでも — 00:06:10.376 --> 00:06:13.704 テロリストや犯罪者だけでなく 私達の誰にでも — 00:06:13.704 --> 00:06:15.749 隠したいことがあるからです 00:06:15.749 --> 00:06:18.496 私達の行動や思考の中には 00:06:18.496 --> 00:06:21.197 医者や弁護士や 00:06:21.197 --> 00:06:24.952 精神分析医や伴侶や 親友には言えるけれど 00:06:24.952 --> 00:06:27.290 もし世間に知れたら 恥ずかしくてたまらない — 00:06:27.290 --> 00:06:29.250 そんなことは いくらでもあります 00:06:29.250 --> 00:06:31.452 私達は日々 — 00:06:31.452 --> 00:06:33.910 他の人に知られてもよい 00:06:33.910 --> 00:06:35.631 発言や考えや行動と 00:06:35.631 --> 00:06:37.621 誰にも知られたくない 00:06:37.621 --> 00:06:39.950 発言や考えや行動について 判断しています 00:06:39.950 --> 00:06:43.277 「プライバシーなど気にしない」と 00:06:43.277 --> 00:06:45.439 言葉では簡単に言えても 00:06:45.439 --> 00:06:50.416 行動を見ると 本当は そうではないことがわかります 00:06:50.416 --> 00:06:54.146 プライバシーが これほど例外なく 本能的に求められるのには 00:06:54.146 --> 00:06:55.890 理由があります 00:06:55.890 --> 00:06:57.777 それは呼吸とか水を飲むような 00:06:57.777 --> 00:07:00.491 単なる反射運動ではないのです 00:07:00.491 --> 00:07:02.931 その理由とは 00:07:02.931 --> 00:07:05.588 監視され 人に見られている かもしれない状況下では 00:07:05.588 --> 00:07:08.264 私達の行動は 劇的に変化してしまうからです 00:07:08.264 --> 00:07:11.297 誰かに見られている感じがすると 00:07:11.297 --> 00:07:13.105 私達がとりうる行動は 00:07:13.105 --> 00:07:15.260 著しく制限されてしまいます 00:07:15.260 --> 00:07:17.475 これは人間の本質に関わる事実で 00:07:17.475 --> 00:07:19.763 社会科学 文学 宗教など あらゆる分野で 00:07:19.763 --> 00:07:21.670 受け入れられていると 00:07:21.670 --> 00:07:23.898 言ってもいいでしょう 00:07:23.898 --> 00:07:26.680 数十の心理学上の研究でも 証明されています 00:07:26.680 --> 00:07:29.231 監視されるかも知れないと 00:07:29.231 --> 00:07:30.800 わかっている場合 — 00:07:30.800 --> 00:07:32.492 人間は大幅に 00:07:32.492 --> 00:07:35.974 迎合的で従順な行動を 取りがちなのです 00:07:35.974 --> 00:07:39.319 羞恥心は 人が避けたいものであり 00:07:39.319 --> 00:07:42.230 非常に強い動機として働きます 00:07:42.230 --> 00:07:43.729 だからこそ人間は 00:07:43.729 --> 00:07:45.968 誰かに見られている時は 00:07:45.968 --> 00:07:49.230 主体的な意志よりも 00:07:49.230 --> 00:07:51.242 他人からの期待や 00:07:51.242 --> 00:07:52.694 社会通念上の要求に 00:07:52.694 --> 00:07:57.128 従った決定をするのです 00:07:57.128 --> 00:07:59.995 この認識を最も上手く 実用的に利用したのが 00:07:59.995 --> 00:08:04.136 18世紀の哲学者 ジェレミー・ベンサムです 00:08:04.136 --> 00:08:06.487 彼は産業化時代が招いた 大きな問題を 00:08:06.487 --> 00:08:08.289 解決しようとしました 00:08:08.289 --> 00:08:10.647 この時代になると 施設の大規模化と 00:08:10.647 --> 00:08:12.644 中央集権化が進んだために 00:08:12.644 --> 00:08:14.472 個々の人間の監視や 00:08:14.472 --> 00:08:17.425 管理ができなくなりました 00:08:17.425 --> 00:08:19.306 そこでベンサムが 00:08:19.306 --> 00:08:21.509 考案した解決策は 00:08:21.509 --> 00:08:24.225 刑務所を想定した 建築デザイン — 00:08:24.225 --> 00:08:26.544 「パノプティコン」です 00:08:26.544 --> 00:08:28.904 その最大の特徴は 施設の中心に 00:08:28.904 --> 00:08:31.975 巨大なタワーを 建てる点にありました 00:08:31.975 --> 00:08:34.123 施設の管理者は そのタワーから 00:08:34.123 --> 00:08:36.808 どの収容者だろうと いつでも監視できます 00:08:36.808 --> 00:08:40.130 ただ常に全員を 監視することは不可能です 00:08:40.130 --> 00:08:42.184 このデザインの核心は 00:08:42.184 --> 00:08:43.980 収容された人間からは 00:08:43.980 --> 00:08:46.856 このタワーの中が 見えないことです 00:08:46.856 --> 00:08:48.528 だから監視の有無や 00:08:48.528 --> 00:08:50.700 いつ監視されているかは 絶対にわかりません 00:08:50.700 --> 00:08:54.283 そのことに気づいた ベンサムは興奮しました 00:08:54.283 --> 00:08:56.156 監視の有無がわからないなら 00:08:56.156 --> 00:08:59.184 収容された人間は 常に監視されていると 00:08:59.184 --> 00:09:00.869 仮定せざるを得なくなり 00:09:00.869 --> 00:09:02.747 それが服従と従順を強いる — 00:09:02.747 --> 00:09:06.425 究極の方法になるからです 00:09:06.425 --> 00:09:09.350 20世紀フランスの哲学者 ミシェル・フーコーは 00:09:09.350 --> 00:09:11.275 このモデルが刑務所だけでなく 00:09:11.275 --> 00:09:14.390 人の行動を管理しようとする あらゆる施設に 00:09:14.390 --> 00:09:16.340 適用できることに気づきました 00:09:16.340 --> 00:09:19.215 すなわち学校や病院 工場や職場です 00:09:19.215 --> 00:09:21.413 フーコーによれば ベンサムが発見した 00:09:21.413 --> 00:09:23.839 この考え方 この枠組みこそ 00:09:23.839 --> 00:09:27.168 現代の西欧社会における 00:09:27.168 --> 00:09:29.170 社会統制の重要な手段なのです 00:09:29.170 --> 00:09:30.944 西欧社会ではもはや あからさまな — 00:09:30.944 --> 00:09:32.851 恐怖政治の武器は 必要ありません 00:09:32.851 --> 00:09:35.247 反体制派の処罰や 投獄や殺害も不要なら 00:09:35.247 --> 00:09:38.561 法的に忠誠を強要する 必要もありません 00:09:38.561 --> 00:09:40.960 大量監視は 人の心の中に 00:09:40.960 --> 00:09:43.515 刑務所を作り出すからです 00:09:43.515 --> 00:09:45.358 これは社会規範や 00:09:45.358 --> 00:09:47.247 社会通念への 00:09:47.247 --> 00:09:50.296 服従を促す手段としては 00:09:50.296 --> 00:09:51.758 力で屈服させるやり方よりも 00:09:51.758 --> 00:09:53.320 ずっと目立ちにくい上に 00:09:53.320 --> 00:09:56.445 はるかに効果的なのです 00:09:56.445 --> 00:09:59.263 監視とプライバシーに関する 最も有名な文学作品は 00:09:59.263 --> 00:10:02.813 ジョージ・オーウェルの 『1984年』でしょう 00:10:02.813 --> 00:10:06.280 みんな学校で習うので 陳腐にすら感じられます 00:10:06.280 --> 00:10:08.349 実際 監視の議論で この小説を取り上げても 00:10:08.349 --> 00:10:10.598 現状には当てはまらないと 00:10:10.598 --> 00:10:12.900 簡単に片付けられてしまいます 00:10:12.900 --> 00:10:16.183 「『1984年』では 各家庭に監視装置があって 00:10:16.183 --> 00:10:18.348 どんな時でも 監視されていたけれど 00:10:18.348 --> 00:10:22.310 それは私達が直面する 監視国家とは全然違う」 00:10:22.310 --> 00:10:25.230 でもそれはオーウェルが 『1984年』で発した警告を 00:10:25.230 --> 00:10:27.931 根本的に誤解しています 00:10:27.931 --> 00:10:29.582 彼が警告したのは 00:10:29.582 --> 00:10:31.190 全員が常時監視されるような 00:10:31.190 --> 00:10:33.354 監視国家ではありません 00:10:33.354 --> 00:10:35.407 いつ監視されてるかわからないと 00:10:35.407 --> 00:10:37.036 人々が感じている国家です 00:10:37.036 --> 00:10:40.110 語り手である ウィンストン・スミスが 00:10:40.110 --> 00:10:42.150 自分達の目前にある監視システムが 00:10:42.150 --> 00:10:43.548 どんなものか説明しています 00:10:43.548 --> 00:10:45.975 「どの時点で監視されているかは 00:10:45.975 --> 00:10:48.292 知りようがなかった」 00:10:48.292 --> 00:10:49.743 彼はさらに続けます 00:10:49.743 --> 00:10:51.454 「いずれにせよ彼らは好きな時に 00:10:51.454 --> 00:10:53.163 監視装置に接続できた 00:10:53.163 --> 00:10:55.742 発する音はすべて盗聴され 00:10:55.742 --> 00:10:57.995 暗闇の中でない限り 00:10:57.995 --> 00:11:00.490 すべての動きが 観察されているという前提で 00:11:00.490 --> 00:11:02.680 生きるしかなかったし 00:11:02.680 --> 00:11:05.419 実際そう生きていた 習慣は本能になっていた」 00:11:05.419 --> 00:11:08.765 ユダヤ教 キリスト教 イスラム教はどれも 00:11:08.765 --> 00:11:11.708 目に見えない 全知全能の神を前提としています 00:11:11.708 --> 00:11:13.451 神は全知全能なので 00:11:13.451 --> 00:11:15.347 人間のあらゆる行いを 常に見ていて 00:11:15.347 --> 00:11:18.120 人間には私的な時間など 一瞬たりともなく 00:11:18.120 --> 00:11:19.804 それが神の言葉への — 00:11:19.804 --> 00:11:22.794 服従を強制する 究極の手段となるのです 00:11:22.794 --> 00:11:26.198 共通点が無いように見える これらすべてが認め 00:11:26.198 --> 00:11:28.984 共通してたどり着いている 結論があります 00:11:28.984 --> 00:11:31.306 人々がいつでも 00:11:31.306 --> 00:11:33.613 監視されうる社会とは 00:11:33.613 --> 00:11:36.268 画一化と服従と隷属を 00:11:36.268 --> 00:11:38.510 生み出す社会なのです 00:11:38.510 --> 00:11:40.021 だから圧政者はみんな 00:11:40.021 --> 00:11:42.103 誰から見ても明らかな者であれ 00:11:42.103 --> 00:11:44.366 影に隠れた者であれ そんなシステムを欲します 00:11:44.366 --> 00:11:47.020 逆に これはさらに重要なことですが 00:11:47.020 --> 00:11:49.460 プライバシーの領域 すなわち 00:11:49.460 --> 00:11:52.470 他人が投げかける 批判の目から逃れて 00:11:52.470 --> 00:11:55.628 何かを思い 考え 交流し 00:11:55.628 --> 00:11:59.282 話すことができる場所へ 行ける時に 初めて 00:11:59.282 --> 00:12:02.825 創造や探究や反論は 00:12:02.825 --> 00:12:05.853 可能になるのです 00:12:05.853 --> 00:12:07.674 だからこそ 00:12:07.674 --> 00:12:10.250 私達が常時監視社会の 00:12:10.250 --> 00:12:12.413 存在を許すとしたら 00:12:12.413 --> 00:12:15.390 人間的な自由の本質が 大きく損なわれるのを 00:12:15.390 --> 00:12:18.341 認めることになります 00:12:18.341 --> 00:12:21.463 最後に述べたいことがあります 「悪事を働く人間だけに 00:12:21.463 --> 00:12:23.388 隠すべきことがあって 00:12:23.388 --> 00:12:27.270 プライバシーを気にする動機がある」 という見方についてです 00:12:27.270 --> 00:12:31.276 この見方を通して 2種類の極めて危険なメッセージ — 00:12:31.276 --> 00:12:33.304 2つの危険な考えが すり込まれます 00:12:33.304 --> 00:12:35.060 危険な考えの1つは 00:12:35.060 --> 00:12:37.180 プライバシーに関心を持ち 00:12:37.180 --> 00:12:39.236 プライバシーを 求める人間が 00:12:39.236 --> 00:12:43.311 必然的に「悪人」と 見なされてしまうということです 00:12:43.311 --> 00:12:45.443 こんな結論は 00:12:45.443 --> 00:12:47.971 何としてでも避けるべきです 00:12:47.971 --> 00:12:50.723 大きな理由の1つは 00:12:50.723 --> 00:12:53.100 一般に「悪事を働く人間」と言う場合 00:12:53.100 --> 00:12:55.937 テロ攻撃の計画や 暴力犯罪に関わるような人を 00:12:55.937 --> 00:12:57.978 指しますが 00:12:57.978 --> 00:13:00.518 これは権力を 行使する側の人々の言う 00:13:00.518 --> 00:13:02.970 「悪事」よりもずっと 00:13:02.970 --> 00:13:05.020 意味が狭いのです 00:13:05.020 --> 00:13:07.327 権力者にとっての「悪事」は 00:13:07.327 --> 00:13:10.398 権力行使の妨げになる行為を 00:13:10.398 --> 00:13:13.503 指すのが普通なのです 00:13:13.503 --> 00:13:15.453 この見方から生じる 00:13:15.453 --> 00:13:17.361 もう1つの危険な考えは 00:13:17.361 --> 00:13:20.140 はるかに狡猾なものです 00:13:20.140 --> 00:13:22.906 この見方を受け入れた人々は 00:13:22.906 --> 00:13:26.250 知らないうちに ある取引をしたことになります 00:13:26.250 --> 00:13:27.705 こんな取引です 00:13:27.705 --> 00:13:29.677 「もしあなたが 00:13:29.677 --> 00:13:31.779 政治権力を行使する側に対して 00:13:31.779 --> 00:13:33.949 危害や脅威を及ぼさないことを 00:13:33.949 --> 00:13:35.831 同意する場合に限って 00:13:35.831 --> 00:13:38.867 監視されるという危険から 00:13:38.867 --> 00:13:40.975 逃れることができる 00:13:40.975 --> 00:13:43.360 心配しなければならないのは 00:13:43.360 --> 00:13:44.841 反体制派や 00:13:44.841 --> 00:13:46.653 権力に反抗する人間だけである」 00:13:46.653 --> 00:13:50.060 こんな考えは何としても 避けなければならないはずです 00:13:50.060 --> 00:13:52.298 今は反対や抵抗をしようとは 00:13:52.298 --> 00:13:54.370 思わないかも知れません 00:13:54.370 --> 00:13:56.825 でも そうしたくなる時が 来るかも知れないのです 00:13:56.825 --> 00:13:58.499 たとえ そんな行為に関わらないと 00:13:58.499 --> 00:14:00.264 自分では決意している場合でも 00:14:00.264 --> 00:14:01.898 権力に進んで反抗し 00:14:01.898 --> 00:14:04.102 抗議する人々が いるということ — 00:14:04.102 --> 00:14:06.136 反体制派や ジャーナリストや 00:14:06.136 --> 00:14:07.670 活動家といった 様々な人間が 00:14:07.670 --> 00:14:09.758 存在するという事実は 00:14:09.758 --> 00:14:12.252 社会全体に 善をもたらしますし 00:14:12.252 --> 00:14:15.230 みんなそれは 維持したいと思うはずです 00:14:15.230 --> 00:14:17.324 同様に重要な点があります 00:14:17.324 --> 00:14:19.587 社会の自由度は 00:14:19.587 --> 00:14:21.737 善良で従順で服従する市民を 00:14:21.737 --> 00:14:24.200 その社会が どう扱うかではなく 00:14:24.200 --> 00:14:26.040 反体制派や 00:14:26.040 --> 00:14:29.155 権力に抵抗する人々を どう扱うかで決まるのです 00:14:29.155 --> 00:14:30.752 しかし何より重要な理由は 00:14:30.752 --> 00:14:33.153 大量監視システムが 00:14:33.153 --> 00:14:35.770 私達の自由を あらゆる面で抑圧することです 00:14:35.770 --> 00:14:37.571 大量監視は 00:14:37.571 --> 00:14:39.577 あらゆる行動上の選択肢を 00:14:39.577 --> 00:14:43.130 私達が気づかぬうちに 禁止してしまうのです 00:14:43.130 --> 00:14:45.612 著名な社会主義活動家である — 00:14:45.612 --> 00:14:48.105 ローザ・ルクセンブルクの言葉です 00:14:48.105 --> 00:14:51.461 「動かぬ者は鎖に繋がれていることに 気付かない」 00:14:51.461 --> 00:14:53.150 大量監視の足かせは 00:14:53.150 --> 00:14:56.239 見えないようにも 気づかれないようにもできます 00:14:56.239 --> 00:14:58.905 でも だからといって 00:14:58.905 --> 00:15:01.450 私達への束縛が 弱まる訳ではないのです 00:15:01.450 --> 00:15:03.058 ありがとうございました 00:15:03.058 --> 00:15:04.489 (拍手) 00:15:04.489 --> 00:15:05.996 ありがとう 00:15:05.996 --> 00:15:10.893 (拍手) 00:15:10.893 --> 00:15:13.280 ありがとう 00:15:13.280 --> 00:15:16.122 (拍手) 00:15:19.320 --> 00:15:21.612 (ブルーノ・ジュッサーニ) ありがとう グレン 00:15:21.612 --> 00:15:23.901 あなたの主張には 説得力がありますね 00:15:23.901 --> 00:15:25.466 ここで過去16か月間のことや 00:15:25.466 --> 00:15:28.817 エドワード・スノーデンについて 振り返りながら 00:15:28.817 --> 00:15:30.882 いくつか質問させてください 00:15:30.882 --> 00:15:33.370 1つ目はあなた自身についてです 00:15:33.370 --> 00:15:36.411 パートナーのデビッド・ミランダが ロンドンで拘束されたことや 00:15:36.411 --> 00:15:39.721 その他 様々な困難について 記事で読んでいますが 00:15:39.721 --> 00:15:41.805 個人として関与し 00:15:41.805 --> 00:15:45.161 リスクを冒すという点で 世界最大の国家と 00:15:45.161 --> 00:15:46.965 対峙するプレッシャーは 00:15:46.965 --> 00:15:49.910 大変なものだろうと思います 00:15:49.910 --> 00:15:52.345 この点について 少し話していただけますか 00:15:52.345 --> 00:15:54.000 (グレン・グリーンウォルド) 今 起きていることの1つは 00:15:54.000 --> 00:15:55.932 この件を通して 人々の間に勇気が 00:15:55.932 --> 00:15:57.644 広まっているということです 00:15:57.644 --> 00:16:01.107 私や一緒に活動している ジャーナリスト達は 00:16:01.107 --> 00:16:02.643 確かに危険を感じています 00:16:02.643 --> 00:16:05.365 アメリカは 世界で最も強大な国家ですし 00:16:05.365 --> 00:16:07.363 何千もの国家機密を 00:16:07.363 --> 00:16:09.285 勝手にネットで公開されたら 00:16:09.285 --> 00:16:11.796 快く思うわけがないでしょう 00:16:11.796 --> 00:16:15.265 でもスノーデンのような 普通の環境で育った29才の 00:16:15.265 --> 00:16:17.284 普通の人間が 00:16:17.284 --> 00:16:19.597 一生刑務所に入る危険や 00:16:19.597 --> 00:16:23.320 命の危険さえあるのを承知で 00:16:23.320 --> 00:16:25.540 信念に従い勇気を持って 行動するのを 00:16:25.540 --> 00:16:27.322 目の当たりにして 00:16:27.322 --> 00:16:29.297 私や他のジャーナリスト達 さらには 00:16:29.297 --> 00:16:31.120 世界中の人々が刺激を受けました 00:16:31.120 --> 00:16:32.808 その中には将来の告発者もいて 00:16:32.808 --> 00:16:36.323 同じように行動できると 気づいたはずです 00:16:36.323 --> 00:16:38.809 (ジュッサーニ) あなたとスノーデンの関係に 00:16:38.809 --> 00:16:41.990 関心があります あなたと彼は たくさん語り合い 00:16:41.990 --> 00:16:43.753 これからも そうしていくでしょうが 00:16:43.753 --> 00:16:46.389 著書の中で彼を 親しみを持って名前で呼ぶのではなく 00:16:46.389 --> 00:16:49.849 「スノーデン」と名字で 呼んでいるのはなぜですか? 00:16:49.849 --> 00:16:51.493 (グリーンウォルド)それはきっと 00:16:51.493 --> 00:16:54.824 心理学者が調べるべきでしょう (笑) 00:16:54.824 --> 00:16:58.413 自分でもわかりません ただ思い当たることはあります 00:16:58.413 --> 00:17:01.967 それは彼にとって 最も重要な目標であり 00:17:01.967 --> 00:17:04.303 最も重要な戦略としていたことに 関わります 00:17:04.303 --> 00:17:06.510 暴露の本質から 00:17:06.510 --> 00:17:09.200 目をそらす方法が いくつかありますが 00:17:09.200 --> 00:17:11.849 彼自身に焦点を当てる というはそのひとつです 00:17:11.849 --> 00:17:13.916 だから彼はメディアと 距離を置いたのです 00:17:13.916 --> 00:17:16.425 彼は自分の私生活が 報道の対象に 00:17:16.425 --> 00:17:18.105 ならないようにしてきました 00:17:18.105 --> 00:17:20.819 だから私は 彼を 「スノーデン」と呼ぶことで 00:17:20.819 --> 00:17:24.393 あくまで歴史上の重要な 立役者として扱い 00:17:24.393 --> 00:17:26.265 個人として扱うことで 暴露の本質から 00:17:26.265 --> 00:17:29.145 焦点がずれるのを 避けたのです 00:17:29.145 --> 00:17:30.602 (ジュッサーニ) 彼の暴露やあなたの分析 そして 00:17:30.602 --> 00:17:32.378 ジャーナリスト達の 記事によって 00:17:32.378 --> 00:17:35.378 議論はかなり盛り上がっています 00:17:35.378 --> 00:17:37.506 例えばブラジルを含む 多くの政府が 00:17:37.506 --> 00:17:40.110 インターネットのあり方などを 00:17:40.110 --> 00:17:42.964 少し作り変える事業や計画に 関心を示しています 00:17:42.964 --> 00:17:45.716 その意味では様々な事が 起きていると言えます 00:17:45.716 --> 00:17:47.986 ただ あなた自身にとって 00:17:47.986 --> 00:17:49.637 終局はどんなものに なるのでしょう? 00:17:49.637 --> 00:17:51.270 どの時点で 00:17:51.270 --> 00:17:54.462 「時計の針は進んだ」と 判断するのですか? 00:17:54.462 --> 00:17:56.740 (グリーンウォルド) ジャーナリストという立場では 00:17:56.740 --> 00:17:59.183 ゲームの終わりはとても単純です 00:17:59.183 --> 00:18:01.195 伝える価値がある全ての文書 — 00:18:01.195 --> 00:18:02.841 公開すべき全ての文書が 00:18:02.841 --> 00:18:04.321 確実に公開されるようにし 00:18:04.321 --> 00:18:06.358 隠されるべきでない機密が 00:18:06.358 --> 00:18:07.833 全て公になることです 00:18:07.833 --> 00:18:09.680 私には それが報道の本質ですし 00:18:09.680 --> 00:18:11.207 専念してきたことですから 00:18:11.207 --> 00:18:13.681 大量監視を嫌悪する人間として 00:18:13.681 --> 00:18:15.868 先ほど話した理由を含む たくさんの理由から 00:18:15.868 --> 00:18:18.394 この活動は終わらないと 私は考えています 00:18:18.394 --> 00:18:20.571 それは世界中の政府が 00:18:20.571 --> 00:18:23.190 全国民を傍受や監視の対象に できないようにするまでは 00:18:23.190 --> 00:18:24.676 終わりません 00:18:24.676 --> 00:18:27.265 そのようなことは 対象となった人物が 00:18:27.265 --> 00:18:28.987 実際に悪事を働いていることを 00:18:28.987 --> 00:18:31.578 裁判所なり何なりに 証明できる場合に限るべきです 00:18:31.578 --> 00:18:34.813 これがプライバシーを生き返らせる 唯一の方法だと思います 00:18:34.813 --> 00:18:37.159 (ジュッサーニ)以前TEDで見た通り 00:18:37.159 --> 00:18:39.927 スノーデンは自分自身について 00:18:39.927 --> 00:18:42.207 民主主義の価値観と原理を 守る立場だと 00:18:42.207 --> 00:18:43.920 明確に述べています 00:18:43.920 --> 00:18:46.948 その反面 彼の動機が それだけとは 00:18:46.948 --> 00:18:49.350 思わない人もたくさんいます 00:18:49.350 --> 00:18:50.828 お金は絡んでいないとか 00:18:50.828 --> 00:18:52.449 中国やロシアには 00:18:52.449 --> 00:18:54.360 機密情報は少しも 売っていないとは 00:18:54.360 --> 00:18:56.189 信じられないというのです 00:18:56.189 --> 00:18:58.733 現在 両国とも アメリカの親友とは 00:18:58.733 --> 00:19:00.902 言い難いですから 00:19:00.902 --> 00:19:02.608 ここにいる方の中にも 00:19:02.608 --> 00:19:04.878 同じ疑問を 抱いている人が多いはずです 00:19:04.878 --> 00:19:06.761 スノーデンには 私達がまだ見ていない 00:19:06.761 --> 00:19:09.373 側面を持っている 可能性はあると思いますか? 00:19:09.373 --> 00:19:12.554 (グリーンウォルド)いいえ それは馬鹿げていると思います 00:19:12.554 --> 00:19:14.968 (笑)仮にあなたが — 00:19:14.968 --> 00:19:17.430 いや あえて批判的な事を 仰っているのはわかりますが 00:19:17.430 --> 00:19:20.641 仮にあなたが他の国に機密を 00:19:20.641 --> 00:19:22.547 売るとしましょう 00:19:22.547 --> 00:19:24.264 スノーデンなら やれただろうし 00:19:24.264 --> 00:19:25.910 大金持ちにもなれたでしょう 00:19:25.910 --> 00:19:27.891 でも その機密を ジャーナリストに渡して 00:19:27.891 --> 00:19:30.635 公開させるなんて 絶対にしなかったはずです 00:19:30.635 --> 00:19:32.661 機密に価値が無くなるからです 00:19:32.661 --> 00:19:34.309 金儲けをしようとする人間なら 00:19:34.309 --> 00:19:36.279 密かに政府に売ります 00:19:36.279 --> 00:19:38.100 ひとつ重要な点を 指摘しておきましょう 00:19:38.100 --> 00:19:40.338 そういった非難の出所は 00:19:40.338 --> 00:19:42.170 アメリカ政府関係者や 00:19:42.170 --> 00:19:44.190 様々な政府を支持する — 00:19:44.190 --> 00:19:45.788 メディア関係者なのです 00:19:45.788 --> 00:19:48.936 そして他人に対して この手の非難をする人間 — 00:19:48.936 --> 00:19:50.541 「奴は主義主張があって 00:19:50.541 --> 00:19:52.206 こんなことをしたんじゃない — 00:19:52.206 --> 00:19:54.448 何かよこしまな 理由があるはずだ」 00:19:54.448 --> 00:19:56.555 そんな事を言う人間は 非難する相手ではなく 00:19:56.555 --> 00:19:58.381 自分自身のことを 言っているのです 00:19:58.381 --> 00:20:02.766 なぜなら — (拍手) 00:20:02.766 --> 00:20:05.286 そういう批判をする人間の 00:20:05.286 --> 00:20:07.190 行動には 00:20:07.190 --> 00:20:09.112 不純な動機しかありません 00:20:09.112 --> 00:20:10.744 だからこそ彼らは 他の誰もが 00:20:10.744 --> 00:20:13.376 自分達と同じように 「卑劣」という名の病に 00:20:13.376 --> 00:20:15.378 蝕まれていると思い込むのです 00:20:15.378 --> 00:20:17.249 でもそれは憶測に過ぎません 00:20:17.249 --> 00:20:18.876 (拍手) 00:20:18.876 --> 00:20:21.360 (ジュッサーニ)ありがとう グレン (グリーンウォルド)どうもありがとう 00:20:21.360 --> 00:20:23.692 (ジュッサーニ) グレン・グリーンウォルドでした 00:20:23.692 --> 00:20:24.806 (拍手)