WEBVTT 00:00:01.008 --> 00:00:02.698 都市というものを考えるとき 00:00:02.698 --> 00:00:05.000 すぐ想起される物があります 00:00:05.000 --> 00:00:07.060 建物や道路 00:00:07.060 --> 00:00:09.956 高層ビルやタクシーの喧噪といったものです 00:00:09.956 --> 00:00:11.890 でも私が都市を考えるとき 00:00:11.890 --> 00:00:13.691 私は人々のことを想います 00:00:13.691 --> 00:00:17.161 都市は本来人々で成り立っています 00:00:17.161 --> 00:00:19.005 そして人々が行く場所 00:00:19.005 --> 00:00:20.520 出会う場所 00:00:20.520 --> 00:00:23.850 それらが都市が都市として機能する中心にあります 00:00:23.850 --> 00:00:27.030 ですから 街の中で建物よりも重要なのが 00:00:27.030 --> 00:00:30.038 その間に存在する公共空間なのです 00:00:30.038 --> 00:00:32.696 今日 都市の最も劇的な変化は 00:00:32.696 --> 00:00:34.373 これら公共空間で起こっています 00:00:34.373 --> 00:00:37.559 これら公共空間で起こっています NOTE Paragraph 00:00:37.559 --> 00:00:41.752 ですから私は活き活きと楽しい公共空間の存在は 00:00:41.752 --> 00:00:44.872 素晴らしい都市の計画に欠かせないと考えます 00:00:44.872 --> 00:00:48.292 公共の空間が街に息吹を吹き込むのです 00:00:48.292 --> 00:00:51.972 それで公共空間はどうあるべきなのでしょう? 00:00:51.972 --> 00:00:55.523 何が公共空間へ人々を惹き付け 00:00:55.523 --> 00:00:57.945 逆に何が人々を遠ざけてしまうのでしょう? 00:00:57.945 --> 00:01:00.625 逆に何が人々を遠ざけてしまうのでしょう? 00:01:00.625 --> 00:01:03.984 もし私がその質問に答えることができれば 00:01:03.984 --> 00:01:07.764 私の街へ大きな貢献が出来ると思いました 00:01:07.764 --> 00:01:09.918 実は私は少し変わっていて 00:01:09.918 --> 00:01:13.469 動物行動学者で 00:01:13.469 --> 00:01:17.046 そのスキルを動物の行動を 研究する為に使うのではなく 00:01:17.046 --> 00:01:19.980 都市に住む人々が公共空間をどのように使うのかを 00:01:19.980 --> 00:01:22.228 研究する為に使っています NOTE Paragraph 00:01:22.228 --> 00:01:25.549 最初に私が研究した空間の一つは 00:01:25.549 --> 00:01:28.954 パーレイ・パークと呼ばれる マンハッタンのミッドタウンに 00:01:28.954 --> 00:01:31.262 位置するごく小さな公園です 00:01:31.262 --> 00:01:35.387 この小さな空間はちょっとした話題になりました 00:01:35.387 --> 00:01:38.255 そしてニューヨーカー達にとても大きな 00:01:38.255 --> 00:01:39.471 影響を与えました 00:01:39.471 --> 00:01:43.555 そのことはとても印象に残りました 00:01:43.555 --> 00:01:46.052 私はこの公園を仕事を始めてすぐの頃 観察しました 00:01:46.052 --> 00:01:47.638 なぜならこれは私の義父が 00:01:47.638 --> 00:01:49.416 造った公園だったからです 00:01:49.416 --> 00:01:52.048 ですから私はパーレイ・パークのような場所が 00:01:52.048 --> 00:01:54.448 偶然に生まれたものではない事を知っていました 00:01:54.448 --> 00:01:57.000 観察してすぐさま この場所は 00:01:57.000 --> 00:01:58.456 途方も無い献身と 00:01:58.456 --> 00:02:01.514 ディテールへの細心の注意から 成り立っていると気付きました 00:02:01.514 --> 00:02:03.248 しかしこの空間が特別なものになり 00:02:03.248 --> 00:02:07.050 人々を集めたその秘密は一体なんだったのでしょう? 00:02:07.050 --> 00:02:09.951 私は公園に座って注意深く観察しました 00:02:09.951 --> 00:02:11.843 まず目についたのは 00:02:11.843 --> 00:02:14.906 座り心地の良い 可動式の椅子です 00:02:14.906 --> 00:02:17.416 人々はそこに来て座る場所を見つけ 00:02:17.416 --> 00:02:20.810 それを動かして しばらくそこに座ります 00:02:20.810 --> 00:02:22.658 そして面白いことに 00:02:22.658 --> 00:02:25.633 人々が更に人々を惹き付けたのです 00:02:25.633 --> 00:02:28.410 おかしいようですが 私は周りに人が 00:02:28.410 --> 00:02:30.391 いた方がより平和に感じました 00:02:30.391 --> 00:02:32.281 それから公園には緑がありました 00:02:32.281 --> 00:02:36.042 このちょっとした公園はニューヨーカー達が渇望するもの 00:02:36.042 --> 00:02:38.580 安らぎと緑樹を提供していました 00:02:38.580 --> 00:02:40.268 でも私の疑問は 00:02:40.268 --> 00:02:43.330 何故 街の中にはもっと緑の木々や 00:02:43.330 --> 00:02:45.839 座れる場所が -- 人々が孤独を感じず 00:02:45.839 --> 00:02:48.319 また招かれざる侵入者と感じずに済むような場所が -- 00:02:48.319 --> 00:02:50.776 ないのかしら?ということでした 00:02:50.776 --> 00:02:53.008 残念な事に通常街は 00:02:53.008 --> 00:02:55.026 そういう風にデザインされていないのです NOTE Paragraph 00:02:55.026 --> 00:02:58.720 これはよくある風景です 00:02:58.720 --> 00:03:03.001 広場は何十年もこのようにして設計されて来ました 00:03:03.001 --> 00:03:06.131 スタイリッシュな飾り気の少ないデザインは 00:03:06.131 --> 00:03:09.951 現代建築によく見受けられるものです 00:03:09.951 --> 00:03:12.262 でも人々がこういう空間を避ける 00:03:12.262 --> 00:03:14.124 というのは自然なことです 00:03:14.124 --> 00:03:16.234 わびしい雰囲気だけでなく 00:03:16.234 --> 00:03:18.946 危険な感じがするのです 00:03:18.946 --> 00:03:22.223 どこに座ればよいというのでしょう 00:03:22.223 --> 00:03:24.769 ここで何をすれば? 00:03:24.769 --> 00:03:28.245 でも建築家たちはこのスタイルを愛します 00:03:28.245 --> 00:03:31.518 このスタイルは建築家達の創造の基本です 00:03:31.518 --> 00:03:33.451 その様式は彫刻の一つや二つ 00:03:33.451 --> 00:03:35.204 置けるかも知れませんが それまでです 00:03:35.204 --> 00:03:38.408 開発業者にはこの建築様式は理想的です 00:03:38.408 --> 00:03:40.995 水をやったり整備したりする必要のあるものはありません 00:03:40.995 --> 00:03:44.955 不審な人影を心配する必要もありません 00:03:44.955 --> 00:03:48.199 でももったいないと思いませんか? 00:03:48.199 --> 00:03:50.520 私にとってシティプランナーとなるということは 00:03:50.520 --> 00:03:53.192 私の住み愛した街を 00:03:53.192 --> 00:03:55.682 本当の意味で変えることが出来るということでした 00:03:55.682 --> 00:03:58.170 私が作りたいのは パーレイ・パークで感じた 00:03:58.170 --> 00:04:00.135 あんな気持ちになれる場所でした 00:04:00.135 --> 00:04:01.673 あんな気持ちになれる場所でした 00:04:01.673 --> 00:04:06.461 開発業者のこんな わびしい広場は ごめんでした 00:04:06.461 --> 00:04:07.876 でも数年を経るうち 00:04:07.876 --> 00:04:10.472 意味を持ち 心地良くて成功と言える 00:04:10.472 --> 00:04:13.060 公共空間を造ることの 00:04:13.060 --> 00:04:15.088 難しさを学びました 00:04:15.088 --> 00:04:16.665 義父から学んだように 00:04:16.665 --> 00:04:18.953 それは偶然には実現しません 00:04:18.953 --> 00:04:21.781 特にニューヨークのような街では 00:04:21.781 --> 00:04:25.060 そもそも公共空間を造る為に戦わなければならなく 00:04:25.060 --> 00:04:27.168 それが成功する為には 00:04:27.168 --> 00:04:29.190 誰かが細部に至るまで考え抜かなければ 00:04:29.190 --> 00:04:31.214 ならないのです NOTE Paragraph 00:04:31.214 --> 00:04:35.160 今 都市の空き地はチャンスだと言えます 00:04:35.160 --> 00:04:38.964 商業投資の機会でもありますが 00:04:38.964 --> 00:04:42.533 同時に市の公共の利益を実現する 00:04:42.533 --> 00:04:44.299 機会なのです 00:04:44.299 --> 00:04:47.814 これら二つのゴールは往々にして同じ方向を目指していないため 00:04:47.814 --> 00:04:50.423 そこに利益のせめぎ合いが生じます NOTE Paragraph 00:04:50.423 --> 00:04:53.075 私が最初に素晴らしい公共空間の 00:04:53.075 --> 00:04:56.237 創造の為に戦うことができたのは1980年代初期 00:04:56.237 --> 00:04:58.575 私がロウアー・マンハッタンのハドソン川沿いの 00:04:58.575 --> 00:05:01.887 バッテリー・パーク・シティという巨大な埋め立て地で 00:05:01.887 --> 00:05:04.500 プランナーのチームを率いていた時でした 00:05:04.500 --> 00:05:07.314 この砂埃舞う荒れ地は10年も不毛のまま 00:05:07.314 --> 00:05:08.764 横たわっていました 00:05:08.764 --> 00:05:11.408 そして私達は6ヶ月のうちに開発業者を見つけなければ 00:05:11.408 --> 00:05:13.536 そこは破産する予定だと告げられました 00:05:13.536 --> 00:05:15.537 そこで私達はラディカルな -- 00:05:15.537 --> 00:05:17.927 常識を外れたアイデアを打ち出したのです 00:05:17.927 --> 00:05:19.775 将来の開発を補うものとして 00:05:19.775 --> 00:05:22.283 公園を造るのではなく 00:05:22.283 --> 00:05:24.368 その公式を逆にしてしまい 00:05:24.368 --> 00:05:27.421 まず小さな しかしとてもハイクオリティな 00:05:27.421 --> 00:05:29.406 公共空間を造ってみて 00:05:29.406 --> 00:05:32.412 それがどのような効果を生み出すのかを見てみよう 00:05:32.412 --> 00:05:36.110 私達には2区画の敷地しかありませんでした 00:05:36.110 --> 00:05:39.570 後には1.6キロメートルに渡る遊歩道になったのですが 00:05:39.570 --> 00:05:42.537 それは完璧でなければなりませんでした 00:05:42.537 --> 00:05:45.533 私は実物大模型を作る事にこだわりました 00:05:45.533 --> 00:05:47.750 私は実物大模型を作る事にこだわりました 00:05:47.750 --> 00:05:51.684 木で実物大の手すりと防波堤を作り 00:05:51.684 --> 00:05:54.708 そしてまだ砂埃が舞う中 00:05:54.708 --> 00:05:57.906 ベンチに試しに座ってみると 00:05:57.906 --> 00:06:00.999 手すりが丁度目の高さに来て 00:06:00.999 --> 00:06:03.990 景色を遮ってしまい 私の水辺の体験は台無しに 00:06:03.990 --> 00:06:06.120 なってしまったのです NOTE Paragraph 00:06:06.120 --> 00:06:09.427 このようにディテールは実に大切なのです 00:06:09.427 --> 00:06:13.358 デザインはただ何かがどう見えるかだけではなく 00:06:13.358 --> 00:06:19.250 例えばあなたの身体があの空間にある 椅子に座りどう感じるか なのです 00:06:19.250 --> 00:06:22.390 私は良いデザインというものは常に 00:06:22.390 --> 00:06:25.815 個人の体験の上に成り立っている思うのです 00:06:25.815 --> 00:06:30.186 この写真では全てが完成しているように見えますね 00:06:30.186 --> 00:06:32.904 みかげ石の縁 照明 00:06:32.904 --> 00:06:34.792 ベンチの背もたれ 00:06:34.792 --> 00:06:36.486 植えられた木々 00:06:36.486 --> 00:06:39.089 様々な座る事の出来る場所 00:06:39.089 --> 00:06:42.271 それらは全て小さな戦いから得られ 人々がそこにいたいと思うような 00:06:42.271 --> 00:06:46.315 プロジェクトとして実を結びました NOTE Paragraph 00:06:46.315 --> 00:06:50.150 これは20年後に非常に貴重だったと判明しました 00:06:50.150 --> 00:06:52.158 マイケル・ブルームバーグ市長が私に 00:06:52.158 --> 00:06:53.740 彼の都市計画コミッショナー 00:06:53.740 --> 00:06:55.587 として全ニューヨーク市のデザインを 00:06:55.587 --> 00:06:57.658 一任した時です 00:06:57.658 --> 00:06:59.757 彼はその日私に 00:06:59.757 --> 00:07:01.853 ニューヨークの人口は現在の8百万人から 00:07:01.853 --> 00:07:04.910 将来9百万人への増加が見込まれていると言いました 00:07:04.910 --> 00:07:06.440 それで私に尋ねました 00:07:06.440 --> 00:07:08.283 「新たな百万人のニューヨーカーを 00:07:08.283 --> 00:07:10.999 君ならどこに住まわせるだろうか?」 NOTE Paragraph 00:07:10.999 --> 00:07:13.644 私は何と言えば良いかわかりませんでした 00:07:13.644 --> 00:07:16.683 皆さんもご存知の通り ニューヨークは 00:07:16.683 --> 00:07:19.381 移民の積極的な受け入れを推奨しています 00:07:19.381 --> 00:07:22.301 ですから私達にはこの人口増加の見通しは 嬉しいニュースです 00:07:22.301 --> 00:07:25.180 でも正直なところ 一体この 00:07:25.180 --> 00:07:28.574 水に囲まれ 縁まで建築開発され尽くした街の 00:07:28.574 --> 00:07:31.374 一体どこに人口を増加させたら良いというのでしょう? 00:07:31.374 --> 00:07:32.976 それ程多くのニューヨーカー達は 00:07:32.976 --> 00:07:35.274 どこに住むことになるのでしょうか? 00:07:35.274 --> 00:07:37.087 これ以上広がる事ができなければ 00:07:37.087 --> 00:07:38.901 多分それは良い事でしょうけれど 00:07:38.901 --> 00:07:41.720 新しい住宅をどこに造れば良いのでしょう? 00:07:41.720 --> 00:07:43.353 それから車は? 00:07:43.353 --> 00:07:47.465 私達の街はこれ以上車を増やせません NOTE Paragraph 00:07:47.465 --> 00:07:50.299 ではどうすれば良いのでしょうか? 00:07:50.299 --> 00:07:54.276 もし広がる事が出来なければ 上へ伸びることです 00:07:54.276 --> 00:07:55.310 そして 00:07:55.310 --> 00:07:57.092 車を持たなくても良い所に 00:07:57.092 --> 00:07:59.101 伸びていかなければ 00:07:59.101 --> 00:08:01.964 つまりそれは私達の素晴らしい財産 00:08:01.964 --> 00:08:04.416 交通機関を活用するということです 00:08:04.416 --> 00:08:05.989 でもこれについて私達は今までどう 00:08:05.989 --> 00:08:08.225 最大限活用できるか考えた事がありませんでした 00:08:08.225 --> 00:08:11.438 答えはこうだったのです 00:08:11.438 --> 00:08:15.069 もし私達が 00:08:15.069 --> 00:08:17.363 新規開発地を交通機関の周りに集める事ができれば 00:08:17.363 --> 00:08:20.990 私達はこの人口増加を吸収できると 00:08:20.990 --> 00:08:22.264 考えました 00:08:22.264 --> 00:08:24.822 そしてこれがプランです 00:08:24.822 --> 00:08:26.470 私達がすべきことはこうでした 00:08:26.470 --> 00:08:29.318 用途規制を見直し 00:08:29.318 --> 00:08:32.669 -- 用途規制は都市計画立案の 法的ツールなのです -- 00:08:32.669 --> 00:08:35.980 市内全域で見直し 00:08:35.980 --> 00:08:38.125 新規開発が可能な場所を定める一方で 00:08:38.125 --> 00:08:40.316 新規開発が可能な場所を定める一方で 00:08:40.316 --> 00:08:42.030 自動車を前提とする 00:08:42.030 --> 00:08:44.192 郊外スタイルの地域での開発を禁止するのです 00:08:44.192 --> 00:08:47.924 ええ これは信じられない程野心的なアイデアでした 00:08:47.924 --> 00:08:50.500 野心的というのはコミュニティが 00:08:50.500 --> 00:08:54.115 これらのプランに同意する事が必要だったからです NOTE Paragraph 00:08:54.115 --> 00:08:57.134 それでどうやって私はこれをやり遂げたのでしょう? 00:08:57.134 --> 00:09:00.042 意見を聞く事からです 私は聞く事を始めました 00:09:00.042 --> 00:09:03.396 実際に信頼を築くだけでも 00:09:03.396 --> 00:09:05.214 数千時間の聞き取りを行いました 00:09:05.214 --> 00:09:07.303 コミュニティはあなたがその 00:09:07.303 --> 00:09:09.455 地域を理解しているか分かるものです 00:09:09.455 --> 00:09:12.551 彼らの目を騙す事はできません 00:09:12.551 --> 00:09:15.257 だから私は歩いて聞き取りを始めました 00:09:15.257 --> 00:09:17.577 もうどれ位の地区をまわったでしょうか 00:09:17.577 --> 00:09:20.986 うだるような夏 凍える冬 00:09:20.986 --> 00:09:22.816 一年更にまた一年 00:09:22.816 --> 00:09:24.904 ただそれぞれの地区のDNAを理解し 00:09:24.904 --> 00:09:26.931 それぞれの路地がどんな感じかを掴むため 00:09:26.931 --> 00:09:29.506 そのために歩き回りました 00:09:29.506 --> 00:09:33.001 私はびっくりするほどギークな用途規制の エキスパートになっていました 00:09:33.001 --> 00:09:35.070 コミュニティの懸念を用途規制で 00:09:35.070 --> 00:09:37.132 解決するのです 00:09:37.132 --> 00:09:39.704 少しずつ 地区から地区へ 00:09:39.704 --> 00:09:41.139 区画から区画へ 00:09:41.139 --> 00:09:43.012 建物の高さの制限を設け直し 00:09:43.012 --> 00:09:44.744 新規開発が 00:09:44.744 --> 00:09:48.361 予想しやすく交通網の近くで起こり易いように仕組みました 00:09:48.361 --> 00:09:50.142 12年をかけて 00:09:50.142 --> 00:09:52.611 用途規制を再編成し 00:09:52.611 --> 00:09:55.180 124の地区 00:09:55.180 --> 00:09:57.959 市の40パーセント 00:09:57.959 --> 00:10:02.498 12,500ブロックが区画整理されました 00:10:02.498 --> 00:10:05.735 ニューヨークの振興開発地域の90パーセントは 00:10:05.735 --> 00:10:08.383 地下鉄から徒歩10分圏内にあります 00:10:08.383 --> 00:10:11.033 言い換えればこれら新しいビルに住む人々には 00:10:11.033 --> 00:10:12.909 車を持つ必要がありません NOTE Paragraph 00:10:12.909 --> 00:10:17.002 用途規制の再編は大変で 00:10:17.002 --> 00:10:20.040 気力を必要とするものでしたが 00:10:20.040 --> 00:10:22.590 それは私の使命だったわけではありません 00:10:22.590 --> 00:10:26.081 用途規制を見たり感じることはできません 00:10:26.081 --> 00:10:28.169 私の使命は常に 00:10:28.169 --> 00:10:30.093 素晴らしい公共空間を造ることでした 00:10:30.093 --> 00:10:33.985 ですから大きな開発をうながす指定をした地区では 00:10:33.985 --> 00:10:36.176 人々の生活を良くするような空間を 00:10:36.176 --> 00:10:38.870 作ろうと決めていました 00:10:38.870 --> 00:10:40.956 この写真のように 00:10:40.956 --> 00:10:43.380 放置され荒廃した 3 キロのウォーターフロントは 00:10:43.380 --> 00:10:45.147 ブルックリンのグリーンポイント とウイリアムズバーグ 00:10:45.147 --> 00:10:46.929 地域にありました 00:10:46.929 --> 00:10:50.489 そこへ行く事も利用することも出来ませんでした 00:10:50.489 --> 00:10:52.983 この地域は広大だったので 00:10:52.983 --> 00:10:56.005 私は壮大な公園をこのウォーターフロントに 00:10:56.005 --> 00:10:59.030 建設する責任を感じ 00:10:59.030 --> 00:11:01.770 莫大な時間をこれらの計画の 00:11:01.770 --> 00:11:04.875 隅々にまでかけました 00:11:04.875 --> 00:11:06.940 そこには木々が植わった小道が 00:11:06.940 --> 00:11:09.479 高台から水辺まで伸びて 00:11:09.479 --> 00:11:11.890 木や植え込みの緑で満ち 00:11:11.890 --> 00:11:16.078 もちろんたくさんの座る場所があるようにしたかったのです 00:11:16.078 --> 00:11:19.448 正直どんな風になるか見当もつきませんでした 00:11:19.448 --> 00:11:21.073 後は信じるのみでした 00:11:21.073 --> 00:11:24.036 でも私は今まで勉強したり学んだ事の全てを 00:11:24.036 --> 00:11:25.770 この計画に注ぎ込んだのです NOTE Paragraph 00:11:25.770 --> 00:11:27.430 そしてそれは完成し 00:11:27.430 --> 00:11:30.717 素晴らしい成功となりました 00:11:30.717 --> 00:11:32.802 市のあらゆる場所から人々が 00:11:32.802 --> 00:11:34.459 これらの公園を訪れました 00:11:34.459 --> 00:11:37.879 公園はそこに住む人々の生活を変えましたが 00:11:37.879 --> 00:11:40.374 ニューヨーカーの市に対するイメージを 00:11:40.374 --> 00:11:42.150 まったく変えてしまったのです 00:11:42.150 --> 00:11:43.729 私はよくそこに行きこの小さな 00:11:43.729 --> 00:11:45.245 フェリーに乗込む人々を眺めます 00:11:45.245 --> 00:11:47.223 今ではいくつかの区間を繋いでいますが 00:11:47.223 --> 00:11:48.710 何故か分からないけれど 00:11:48.710 --> 00:11:50.282 昔からあったかのように人々が 00:11:50.282 --> 00:11:52.429 それを使っている様子を見ると 00:11:52.429 --> 00:11:54.611 すっかり心を打たれてしまうのです NOTE Paragraph 00:11:54.611 --> 00:11:57.884 これはロウアーマンハッタンの新しい公園です 00:11:57.884 --> 00:12:00.641 ロウアーマンハッタンの水際は9/11以前は完全に無茶苦茶でした 00:12:00.641 --> 00:12:03.574 ロウアーマンハッタンの水際は9/11以前は完全に無茶苦茶でした 00:12:03.574 --> 00:12:05.489 ウォールストリートは陸封地でした 00:12:05.489 --> 00:12:08.075 この水辺に近寄る事すら出来なかったからです 00:12:08.075 --> 00:12:11.909 9/11のあと 市はほとんどの統制を失っていました 00:12:11.909 --> 00:12:13.454 でも私は 00:12:13.454 --> 00:12:15.599 ロウアーマンハッタン開発会社に出向き 00:12:15.599 --> 00:12:18.560 この3キロの荒廃した水辺を再生するための 00:12:18.560 --> 00:12:20.356 資金が得られればそれはきっと 00:12:20.356 --> 00:12:22.207 ロウアーマンハッタンの再建へ大きな 00:12:22.207 --> 00:12:24.668 影響を与える事が出来ると思ったのです 00:12:24.668 --> 00:12:25.848 それで実行しました 00:12:25.848 --> 00:12:29.239 ロウアーマンハッタンはついに周囲三面のすべてを 00:12:29.239 --> 00:12:31.353 公共のウォーターフロントに出来たのです NOTE Paragraph 00:12:31.353 --> 00:12:33.737 私はこの公園が本当に好きです 00:12:33.737 --> 00:12:35.962 手すりは高く設置され 00:12:35.962 --> 00:12:38.506 バースツールが海沿いに置けるようになりました 00:12:38.506 --> 00:12:40.618 水が本当に近く感じて 00:12:40.618 --> 00:12:42.346 ほとんど水の上にいるようです 00:12:42.346 --> 00:12:44.215 手すりは幅広くたいらで 00:12:44.215 --> 00:12:45.631 ランチやノートパソコンを 00:12:45.631 --> 00:12:47.513 置く事ができます 00:12:47.513 --> 00:12:49.493 私はそこへ人々が訪れ 00:12:49.493 --> 00:12:51.353 景色を見てこう言う時が好きです 00:12:51.353 --> 00:12:55.380 「わあ ブルックリンがこんなに近く見える!」 NOTE Paragraph 00:12:55.380 --> 00:12:57.732 では何が秘密なのでしょう? 00:12:57.732 --> 00:12:59.541 どうやってただの公園を 00:12:59.541 --> 00:13:02.707 人々の憩いの場へ変える事が出来るのでしょう? 00:13:02.707 --> 00:13:05.550 それはあなた次第なのです 00:13:05.550 --> 00:13:08.915 都市計画者としてではなく人間として 00:13:08.915 --> 00:13:12.315 デザインの専門性ではなく 00:13:12.315 --> 00:13:15.830 人間性を活用するのです 00:13:15.830 --> 00:13:19.156 あなたはそこに行きたいでしょうか? 00:13:19.156 --> 00:13:21.139 そこに居たいと思うでしょうか? 00:13:21.139 --> 00:13:23.277 そこは見通しが良いでしょうか? 00:13:23.277 --> 00:13:25.529 他に人はいるでしょうか? 00:13:25.529 --> 00:13:28.176 緑があってフレンドリーな空間に見えるでしょうか? 00:13:28.176 --> 00:13:31.414 あなたの為の座る場所があるでしょうか? NOTE Paragraph 00:13:31.414 --> 00:13:34.443 いまやニューヨーク市の至る所に 00:13:34.443 --> 00:13:35.947 あなたが座ることのできる 00:13:35.947 --> 00:13:37.801 場所があります 00:13:37.801 --> 00:13:40.323 以前駐車場だったところには 00:13:40.323 --> 00:13:42.616 ポップアップ・カフェがあり 00:13:42.616 --> 00:13:44.594 ブロードウェイの交通であったところには 00:13:44.594 --> 00:13:46.558 テーブルや椅子があります 00:13:46.558 --> 00:13:50.112 12年前は歩道上にカフェを作ることは禁止されていましたが 00:13:50.112 --> 00:13:52.085 今やどこにでもあります 00:13:52.085 --> 00:13:55.080 でもこうした空間を公共利用の為に使うのは簡単では 00:13:55.080 --> 00:13:56.219 ありませんでした 00:13:56.219 --> 00:13:58.881 そしてそのようにしておくことはもっと大変なのです NOTE Paragraph 00:13:58.881 --> 00:14:00.570 ですからこのお話をしましょう 00:14:00.570 --> 00:14:04.850 ハイラインと呼ばれるある特別な公園について 00:14:04.850 --> 00:14:06.904 ハイラインは高架鉄道だったのです 00:14:06.904 --> 00:14:13.535 (拍手) 00:14:13.535 --> 00:14:15.811 ハイラインはマンハッタンのウエストサイド 00:14:15.811 --> 00:14:17.623 三つの地区を走る高架鉄道でした 00:14:17.623 --> 00:14:19.493 三つの地区を走る高架鉄道でした 00:14:19.493 --> 00:14:21.238 その路線が廃止された後 00:14:21.238 --> 00:14:23.394 そこは自然と緑の風景と化し 00:14:23.394 --> 00:14:26.001 空中庭園のようになりました 00:14:26.001 --> 00:14:28.150 初めてそこを見た時 00:14:28.150 --> 00:14:30.796 あの古い高架橋を登った時 心から 00:14:30.796 --> 00:14:33.612 私はこの場所と恋に落ちました あたかも誰かと恋に落ちるように 00:14:33.612 --> 00:14:34.839 私はこの場所と恋に落ちました あたかも誰かと恋に落ちるように 00:14:34.839 --> 00:14:36.960 そして私はこの職に就くと 00:14:36.960 --> 00:14:39.036 ハイラインの最初の2セクションを 00:14:39.036 --> 00:14:42.408 取り壊しから守ることが 00:14:42.408 --> 00:14:45.080 最優先で最重要のプロジェクトになりました 00:14:45.080 --> 00:14:48.348 私が 一日でもハイラインのことを忘れたら 00:14:48.348 --> 00:14:51.951 たちまち取り壊されてしまったことでしょう 00:14:51.951 --> 00:14:53.940 ハイラインは 00:14:53.940 --> 00:14:56.400 今は広く知られ 00:14:56.400 --> 00:14:58.219 記録的な人気を博していますが 00:14:58.219 --> 00:15:02.123 市で最も論争の的となった公共空間でした 00:15:02.123 --> 00:15:04.998 あなたの目には美しい公園と映っても 00:15:04.998 --> 00:15:07.445 皆にそう見えているとは限りません 00:15:07.445 --> 00:15:10.082 商業的利益は常に公共空間の前に 00:15:10.082 --> 00:15:13.299 立ちはだかるというのは真実です 00:15:13.299 --> 00:15:15.123 こう思われるかも知れませんね 00:15:15.123 --> 00:15:16.693 「400万人もの人々が世界中から 00:15:16.693 --> 00:15:19.124 ハイラインを訪れる 00:15:19.124 --> 00:15:20.771 とても素晴らしいことだ」と 00:15:20.771 --> 00:15:25.387 開発業者は一つの事にしか目を向けません 集客です 00:15:25.387 --> 00:15:28.112 「この植木を取り去ってしまって 00:15:28.112 --> 00:15:30.120 ハイライン添いに店を造らないか?」 00:15:30.120 --> 00:15:31.617 「素晴らしいと思いませんか 00:15:31.617 --> 00:15:34.152 それで市がもっと潤うことになるなんて?」 00:15:34.152 --> 00:15:36.644 いいえ 素晴らしいとは思いません 00:15:36.644 --> 00:15:39.943 それはショッピングモールです 公園ではなく 00:15:39.943 --> 00:15:47.322 (拍手) 00:15:47.322 --> 00:15:48.830 それは市の財源が増える 00:15:48.830 --> 00:15:51.040 ということかも知れません 00:15:51.040 --> 00:15:55.089 でも市はもっと長期的視野を持って 00:15:55.089 --> 00:15:58.025 公共の利益という視野を持つべきです 00:15:58.025 --> 00:16:01.740 最近では最後のセクション 00:16:01.740 --> 00:16:03.356 三番目のハイラインのセクション 00:16:03.356 --> 00:16:04.926 最後のハイラインのセクションが 00:16:04.926 --> 00:16:07.728 開発業者の利益と競合してしまいました 00:16:07.728 --> 00:16:10.028 市の主要な開発業者が 00:16:10.028 --> 00:16:12.710 1.6平方キロメートル以上の建造物を 00:16:12.710 --> 00:16:15.010 ハドソン・ヤードに建てていたところでした 00:16:15.010 --> 00:16:16.971 彼らは私の所へ来てこう提案しました 00:16:16.971 --> 00:16:19.530 三番目 最後のハイラインのセクションを 00:16:19.530 --> 00:16:22.260 「一時的に解体する」というのです 00:16:22.260 --> 00:16:24.723 多分ハイラインは彼らの 00:16:24.723 --> 00:16:27.610 丘にきらめく高層ビル群のある市のイメージには 00:16:27.610 --> 00:16:29.073 合わなかったのかも知れません 00:16:29.073 --> 00:16:31.797 それがただ邪魔だったのかも知れません 00:16:31.797 --> 00:16:34.285 とにかく9ヶ月間の 00:16:34.285 --> 00:16:36.759 絶え間ない日々の交渉で 00:16:36.759 --> 00:16:38.772 取り壊しを禁止する合意書にサインを 00:16:38.772 --> 00:16:40.796 得る事が出来ました 00:16:40.796 --> 00:16:44.605 それはたった2年前のことでした NOTE Paragraph 00:16:44.605 --> 00:16:47.063 公共空間がどれほど人気があって 00:16:47.063 --> 00:16:49.899 成功していても 00:16:49.899 --> 00:16:52.315 それは当たり前だと思われるべきではありません 00:16:52.315 --> 00:16:54.896 公共空間はいつも -- 00:16:54.896 --> 00:16:58.608 公共空間には油断の無い守り手が必要です 00:16:58.608 --> 00:17:02.308 そのスペースを公共利用の為に勝ち得る為だけでなく 00:17:02.308 --> 00:17:05.839 そこを使う人々の為にデザインし 00:17:05.839 --> 00:17:07.870 そこが皆の為であり続ける為に 00:17:07.870 --> 00:17:09.840 維持し 00:17:09.840 --> 00:17:12.253 侵略されたり荒らされたり 見捨てられ荒廃したり 00:17:12.253 --> 00:17:14.890 気付かれないままでいないように守るのです 00:17:14.890 --> 00:17:16.534 一つ私が 00:17:16.534 --> 00:17:19.686 私が都市計画立案者としての人生を通して学んだことは 00:17:19.686 --> 00:17:23.446 公共空間にはパワーがあり それは 00:17:23.446 --> 00:17:26.515 ただそこに集う人々だけではなく 00:17:26.515 --> 00:17:28.469 公共空間があると想う事で 00:17:28.469 --> 00:17:30.588 多くの人が市を大切に想うことから 00:17:30.588 --> 00:17:33.820 生まれているのだということです 00:17:33.820 --> 00:17:37.292 公共空間はあなたの街の住み方や 00:17:37.292 --> 00:17:39.462 街への感じ方を変えることができます 00:17:39.462 --> 00:17:42.750 あなたがどの街を選ぶとしても 00:17:42.750 --> 00:17:45.521 公共空間はその街にあなたが住まう 00:17:45.521 --> 00:17:48.642 大きな理由の一つなのです NOTE Paragraph 00:17:48.642 --> 00:17:51.107 私は良い街というのはとても素敵なパーティーの 00:17:51.107 --> 00:17:53.728 ようなものだと信じているのです 00:17:53.728 --> 00:17:57.633 人は楽しいから そこに集まるのですから NOTE Paragraph 00:17:57.633 --> 00:17:59.576 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:17:59.576 --> 00:18:05.529 (拍手) 00:18:05.529 --> 00:18:10.159 ありがとうございました