1 2 3 4 5 6 7 8 9 そして0 たった10個の記号で どんな有理数でも表現できます でもどうして これらの記号なのでしょう? 10個なのは どうして? それに なぜこれらの数字を並べて 別の数字を表現するのでしょう? 有史以来 数字は 日常的な現実として存在してきました 初期の人類は 群れの中の動物や 部族の構成員を 体の部位を使ったり 印を刻むことで 数えていたと思われます しかし生活が複雑になるにつれ 数えるものも増えていき これらの方法では 十分でなくなりました 人類の進化に伴い 様々な文明で より大きい数を 記録する方法が考案されました これらの記数法には ギリシャ数字 ヘブライ数字 エジプト数字などがあり これらは印の延長に過ぎず 表現する数が大きくなると 新しい記号が追加されました 各記号を必要な回数だけ繰り返し これらを全て足していきました ローマ数字には さらなる工夫が加わりました 大きい数よりも 1少ない数を表す場合 1追加するのではなく 1引くことで表したのです しかし この新しい工夫をもってしても 大きい数を表現するのは大変でした より使いやすく エレガントな方法は 位取り記数法と 呼ばれるものにありました それまでの記数法では多くの記号を 繰り返し書く必要があり さらに大きな数を表すために 新しい記号が必要になりました 位取り記数法では 同じ記号を繰り返し使用でき 数字の位置に基づいて 異なる値を割り当てられるのです 位取り記数法を独自に発展させた 文明はいくつかあり バビロニア文明 古代中国文明 そしてアステカ文明などがあります 8世紀までに インドの数学者が 位取り記数法を完成させ その後 数百年の間に アラブの商人 学者 征服者などが ヨーロッパにもたらしました これは10を底とした 十進法と呼ばれ 10個の記号だけで あらゆる数字を表せるものでした 記号の位置によって異なる 10の累乗を表し 右から始まって 左に行くほど大きくなります 例えば 「316」という数字は 6 x (10の0乗)に 1 x (10の1乗)を加算し 3 x (10の2乗)を加算したものです この記数法がもたらした 重要な進歩は― それはマヤ文明でも 独自に登場したもの― 「0」の発明でした 古い位取り記数法には この記号がなかったため 代わりに空白を用いていました そのため 63と603や 12と120を 見分けにくかったのです 「0」を値であると同時に 空白の代わりとしても理解することで 確実で一貫性のある記数が 可能になりました もちろん どんな10個の記号を使っても 0から9までを 表すことはできます 長い間 記号は地域ごとに 異なっていました ほとんどの学者は 現在用いられている数字は アラブ帝国であった 北アフリカのマグレブ地域で 発展したものだとしています インド・アラビア数字として 知られているものは 15世紀までに 日常生活では ローマ数字にとって代わり 世界で最も一般的に用いられる 記数法になりました では数ある記数法の中でも インド・アラビア数字が 十進法なのはなぜでしょう? 一般的な答えは とてもシンプルなものです アステカ文明で二十進法が 用いられた理由とも共通しています しかし 他の数を底とすることも可能です バビロニア数字では六十進法が 用いられていました 多くの人々は12を底とした 十二進法が 使いやすいと思うでしょう 12もまた 60と同じように 様々な因数 2や 3 4 6で割ることができるので 分数で表すには ずっと適しています 実は どちらも 日常生活で使われています 角度や時間の表現や ダースやグロスなどの 慣用的な単位にも見られます そして もちろん二進法は 全てのデジタル機器で用いられ プログラマーはよりコンパクトな記数法に 八進法や十六進法も用いています 今度 大きな数字を表す時には ほんの少しの数字に込められた 数の値の大きさを考えてみてください 他にも表し方があるかどうか 考えてみてくださいね