WEBVTT 00:00:00.760 --> 00:00:03.640 これは先週の私を表しています 00:00:04.680 --> 00:00:06.376 何をしたのか 00:00:06.400 --> 00:00:08.216 誰といたのか 00:00:08.240 --> 00:00:11.360 起きている間 感じた 主な感情… 00:00:12.080 --> 00:00:14.576 最近亡くなった父のことを考えた時の 00:00:14.600 --> 00:00:16.376 感情なのか 00:00:16.400 --> 00:00:20.456 それとも不安や心配を避けようと 思っただけなのか 00:00:20.480 --> 00:00:22.416 「こだわりが強い」と言われると 00:00:22.440 --> 00:00:24.296 その通りかもしれません 00:00:24.320 --> 00:00:26.576 でも明らかに このように視覚化すると 00:00:26.600 --> 00:00:29.896 他のやり方よりも ずっとよく 私のことがわかります 00:00:29.920 --> 00:00:32.896 ただ こちらの図の方が 馴染みがあるでしょうし 00:00:32.920 --> 00:00:35.736 実際スマホに こういうアプリを 入れている人もいるでしょう 00:00:35.760 --> 00:00:37.976 歩数を記録した棒グラフ 00:00:38.000 --> 00:00:40.376 睡眠の質を表す円グラフ 00:00:40.400 --> 00:00:42.120 朝のジョギングの経路です NOTE Paragraph 00:00:43.280 --> 00:00:45.576 私は仕事で データを扱っています 00:00:45.600 --> 00:00:48.096 データを視覚的にデザインする 会社を経営していて 00:00:48.120 --> 00:00:51.456 視覚的表現を通して 情報をわかりやすくする方法の 00:00:51.480 --> 00:00:53.576 設計や開発をしています 00:00:53.600 --> 00:00:56.616 長年この仕事に携わってきて わかったことは 00:00:56.640 --> 00:01:00.856 データと その可能性を 本当の意味で理解するには 00:01:00.880 --> 00:01:03.976 データのことは忘れて その向こう側に目を向けなければ 00:01:04.000 --> 00:01:05.760 ならない場合があるということです 00:01:06.440 --> 00:01:10.016 データとは常に 現実を表すための 手段に過ぎませんから 00:01:10.040 --> 00:01:12.896 データは常に 何かを 表す入れ物として使われますが 00:01:12.920 --> 00:01:15.096 決して本物にはなりません NOTE Paragraph 00:01:15.120 --> 00:01:17.056 ここで少しの間 一歩引いたところから 00:01:17.080 --> 00:01:19.560 私自身が初めて それに気づいた時の話をしましょう 00:01:20.280 --> 00:01:23.616 1994年 13歳の時です 00:01:23.640 --> 00:01:25.576 ティーンだった私は イタリアに住んでいました 00:01:25.600 --> 00:01:28.216 若かったので政治に関心は ありませんでしたが 00:01:28.240 --> 00:01:30.736 シルヴィオ・ベルルスコーニという 実業家が 00:01:30.760 --> 00:01:33.320 中道右派として大統領選に 出馬したことは知っていました 00:01:34.120 --> 00:01:36.136 私の家族は かなりリベラルな 地域に住んでいて 00:01:36.160 --> 00:01:39.456 父は民主党の政治家でした 00:01:39.480 --> 00:01:43.816 ベルルスコーニが選ばれるとは 誰も思っていなかったのを覚えています 00:01:43.840 --> 00:01:45.600 あってはならないことでした 00:01:46.560 --> 00:01:47.776 でも そうなってしまったのです 00:01:47.800 --> 00:01:50.336 その時の気持ちを鮮明に思い出せます 00:01:50.360 --> 00:01:52.216 まさに寝耳に水でした 00:01:52.240 --> 00:01:57.280 彼に投票する人など この町には 一人もいないと 父は断言していましたから NOTE Paragraph 00:01:58.720 --> 00:02:00.216 この時が 00:02:00.240 --> 00:02:04.800 自分が見ていたデータが 現実を完全に歪めていた最初の例でした 00:02:05.280 --> 00:02:08.576 実際は私のデータ・サンプルが とても少なく 偏っていて 00:02:08.600 --> 00:02:12.336 多分そのせいで 世間知らずで 外の世界に目を向ける機会が 00:02:12.360 --> 00:02:14.960 足りなかったのだろうと 思っていました NOTE Paragraph 00:02:16.080 --> 00:02:19.856 時は移って 2016年11月8日 00:02:19.880 --> 00:02:21.080 アメリカ合衆国 00:02:21.960 --> 00:02:23.256 インターネットの世論調査も 00:02:23.280 --> 00:02:24.656 統計モデルも 00:02:24.680 --> 00:02:29.496 あらゆる専門家も 大統領選の 予想では一致していました 00:02:29.520 --> 00:02:32.136 今回は 私たちには十分情報があり 00:02:32.160 --> 00:02:36.256 小さな世界の外に目を向ける機会も はるかに多い そう思っていました 00:02:36.280 --> 00:02:37.600 でも 明らかに違っていたのです 00:02:38.040 --> 00:02:40.136 この感覚には覚えがありました 00:02:40.160 --> 00:02:41.640 私には経験がありました 00:02:42.360 --> 00:02:45.216 今度は データが私たちを裏切ったと 言ってもいいでしょう 00:02:45.240 --> 00:02:47.096 それも ものの見事にです 00:02:47.120 --> 00:02:48.816 私たちはデータを信頼していましたが 00:02:48.840 --> 00:02:50.256 実際に起こったことは 00:02:50.280 --> 00:02:52.976 最も権威のある新聞でさえ 00:02:53.000 --> 00:02:57.696 パーセントを示す2つの数字に すべてをまとめようと腐心し 00:02:57.720 --> 00:02:59.696 インパクトのある見出しを書いて 00:02:59.720 --> 00:03:01.776 誰もがその2つの数字だけに 注目するように 00:03:01.800 --> 00:03:03.000 仕向けたのです 00:03:03.560 --> 00:03:05.616 メッセージを単純化して その必然的な結果である 00:03:05.640 --> 00:03:09.056 美しい赤と青の地図を 描くことに力を入れたせいで 00:03:09.080 --> 00:03:10.960 私たちは重要な点を見失いました 00:03:11.440 --> 00:03:13.576 なぜか私たちは この2つの数字の裏に 00:03:13.600 --> 00:03:15.960 人間の物語があることを 忘れてしまっていたのです NOTE Paragraph 00:03:17.240 --> 00:03:18.816 その後 状況は違いましたが 00:03:18.840 --> 00:03:20.496 よく似た切り口で 00:03:20.520 --> 00:03:24.416 この女性が私のチームに ユニークな難問を出してきました 00:03:24.440 --> 00:03:26.816 彼女は大量のデータを持ってきましたが 00:03:26.840 --> 00:03:31.256 最終的に 考えつく限り最も人間的な ストーリーを伝えようとしていました 00:03:31.280 --> 00:03:32.976 彼女の名はサマンサ・クリストフォレッティ 00:03:33.000 --> 00:03:35.576 初のイタリア人女性宇宙飛行士で 00:03:35.600 --> 00:03:38.096 彼女が連絡してきたのは 00:03:38.120 --> 00:03:42.016 国際宇宙ステーション(ISS)での 半年間の滞在に飛び立つ前のことでした 00:03:42.040 --> 00:03:44.256 彼女は こう言いました 「私は宇宙に行くけれど 00:03:44.280 --> 00:03:47.376 ミッションのデータを使って 意味のあることをして 00:03:47.400 --> 00:03:48.640 人々に訴えたいの」 00:03:49.600 --> 00:03:52.136 ISSのミッションでは 00:03:52.160 --> 00:03:54.256 思いつく限りあらゆることに関する 00:03:54.280 --> 00:03:56.656 何テラバイトにも及ぶ データが集まります 00:03:56.680 --> 00:03:58.176 地球の周回軌道データ 00:03:58.200 --> 00:04:00.296 ISSの速度と位置 00:04:00.320 --> 00:04:04.000 備え付けのセンサーからライブで送られる 何千ものデータ 00:04:04.840 --> 00:04:07.736 私たちが思いつく あらゆる 信頼性の高いデータがありました 00:04:07.760 --> 00:04:10.176 ちょうど選挙前の 専門家たちと同じでした 00:04:10.200 --> 00:04:13.176 ただ そんな数字の どこが重要なのでしょう? 00:04:13.200 --> 00:04:15.936 データ自体に 人々は 関心を持ちません 00:04:15.960 --> 00:04:17.815 数字は論点にならないからです 00:04:17.839 --> 00:04:19.800 数字は常に ある目的に至る手段です 00:04:20.839 --> 00:04:22.616 私たちが語るべきストーリーとは 00:04:22.640 --> 00:04:25.136 頭上の宇宙空間を飛ぶ小さな箱の中に 00:04:25.160 --> 00:04:27.416 一人の人間がいること 00:04:27.440 --> 00:04:31.536 そして夜空が澄んでいれば 実際に肉眼でも見えるということでした 00:04:31.560 --> 00:04:34.656 そこで私たちは サマンサと 地上から見上げるすべての人々を 00:04:34.680 --> 00:04:38.736 結ぶためにデータを 使うことにしたのです 00:04:38.760 --> 00:04:41.936 私たちは『Friends in Space(宇宙の友達)』の デザインと開発を手がけました 00:04:41.960 --> 00:04:46.616 これはウェブ・アプリケーションで 自分がいる場所から 00:04:46.640 --> 00:04:47.896 サマンサや その時オンラインにいる 00:04:47.920 --> 00:04:51.456 世界中の人々 全員に 「ハロー」と言うための 00:04:51.480 --> 00:04:53.000 仕組みでした 00:04:53.640 --> 00:04:57.096 そして みんなの「ハロー」は サマンサが上空を飛び 00:04:57.120 --> 00:04:59.136 ISSからTwitterで 00:04:59.160 --> 00:05:02.536 毎日 実際に返事をするたびに 00:05:02.560 --> 00:05:04.240 地図上に印として残ります NOTE Paragraph 00:05:04.880 --> 00:05:09.856 これにより人々はミッションのデータを まったく別の視点から見ることになります 00:05:09.880 --> 00:05:14.576 すべてが急に テクノロジーから 人間性や好奇心に関するものへと 00:05:14.600 --> 00:05:16.256 変化したのです 00:05:16.280 --> 00:05:18.616 つまりデータは経験に力を与えますが 00:05:18.640 --> 00:05:21.040 人間の物語が その原動力に なったのです 00:05:22.840 --> 00:05:26.176 数千人のユーザーの とても前向きな反応を見て 00:05:26.200 --> 00:05:28.136 私はとても大切な教訓を得ました 00:05:28.160 --> 00:05:31.016 データを扱うということは 00:05:31.040 --> 00:05:33.776 抽象的なものや数えられないものを 00:05:33.800 --> 00:05:37.816 可視化し 感じられるものにし 私たちの暮らしや行動に 00:05:37.840 --> 00:05:40.136 直接 結びつける方法を デザインすることであり 00:05:40.160 --> 00:05:42.016 その過程で私たちが 00:05:42.040 --> 00:05:45.936 数字やそれに関わるテクノロジーに こだわってしまうと そういうものは 00:05:45.960 --> 00:05:47.240 見えにくくなるのです 00:05:48.600 --> 00:05:53.496 一方 データと その物語を 結ぶためにできることがたくさんあります 00:05:53.520 --> 00:05:56.176 テクノロジーを全部 取り払えるのです NOTE Paragraph 00:05:56.200 --> 00:05:58.456 数年前 もう一人の女性に 出会いました 00:05:58.480 --> 00:05:59.856 ステファニー・ポサヴェクです 00:05:59.880 --> 00:06:05.696 ロンドンを拠点とするデザイナーで 私と同様 データへの情熱とこだわりがあります 00:06:05.720 --> 00:06:07.056 私たちは見知らぬ同士でしたが 00:06:07.080 --> 00:06:10.336 すごく先進的な実験を することにしました 00:06:10.360 --> 00:06:12.896 言葉を使わず データだけで 00:06:12.920 --> 00:06:14.256 やりとりを始めたのです 00:06:14.280 --> 00:06:18.896 また データを共有する時は 一切テクノロジーを使わないことにしました 00:06:18.920 --> 00:06:21.816 実は私たちにとって 唯一の伝達手段は 00:06:21.840 --> 00:06:24.696 昔ながらの郵便局を通じたものでした 00:06:24.720 --> 00:06:27.176 書籍『Dear Data』のために 1年間に渡って毎週 00:06:27.200 --> 00:06:30.656 お互いを知るために 個人データを利用しました 00:06:30.680 --> 00:06:34.336 ほぼ毎週 共有したのは 平凡な日常に関する個人データです 00:06:34.360 --> 00:06:35.576 自分の感情や 00:06:35.600 --> 00:06:37.456 パートナーとのやりとり 00:06:37.480 --> 00:06:40.640 褒められたことや 周囲の音です 00:06:41.480 --> 00:06:45.016 次に その個人情報を 00:06:45.040 --> 00:06:47.536 ハガキ大の紙に手描きして 00:06:47.560 --> 00:06:50.496 毎週 ロンドンから 私の住むニューヨークへ 00:06:50.520 --> 00:06:51.776 そして ニューヨークから 00:06:51.800 --> 00:06:54.000 彼女の住むロンドンへと 送り合いました 00:06:54.480 --> 00:06:58.176 ハガキの表には データを描いたもの 00:06:58.200 --> 00:06:59.496 そして裏面には 00:06:59.520 --> 00:07:01.949 当然 相手の住所と 00:07:01.973 --> 00:07:04.613 図を解釈するための 説明を書きました 00:07:05.640 --> 00:07:07.656 このプロジェクトを始めて 最初の1週間は 00:07:07.680 --> 00:07:10.736 ごく淡々とした感情を交えないトピックを 選んでいました 00:07:10.760 --> 00:07:13.960 1週間に何度 時間を確認すると思いますか? 00:07:14.720 --> 00:07:16.656 これは私のカードの表側ですが 00:07:16.680 --> 00:07:18.656 小さな印一つ一つが 00:07:18.680 --> 00:07:22.096 私が時間を確認した場面を全部 表しているのがわかるでしょう 00:07:22.120 --> 00:07:25.496 印は日ごと 時間ごとに 順番に並んでいます 00:07:25.520 --> 00:07:27.560 何も複雑なところはありません 00:07:28.200 --> 00:07:29.776 一方 説明の中には 00:07:29.800 --> 00:07:33.256 それぞれの瞬間にまつわる 細かいエピソードを どう含めたかを書きました 00:07:33.280 --> 00:07:37.856 マークの種類が示しているのは なぜ時間を確認していたのか 00:07:37.880 --> 00:07:39.096 私が何をしていたか 00:07:39.120 --> 00:07:40.816 退屈していたか お腹が空いていたか 00:07:40.840 --> 00:07:42.056 遅刻しそうだったか 00:07:42.080 --> 00:07:45.296 意識して時間を確認したのか ただ何となく時計を見たのか 00:07:45.320 --> 00:07:47.576 そして ここで核心になるのは 00:07:47.600 --> 00:07:51.296 自分のデータを集めることで 私の日常や人となりの細部を 00:07:51.320 --> 00:07:53.256 表現することなのです 00:07:53.280 --> 00:07:57.976 データをレンズやフィルターとして 使うことで 例えば 00:07:58.000 --> 00:08:00.176 私につきまとう 遅刻への不安が 明らかになります 00:08:00.200 --> 00:08:02.400 たとえ私が絶対 時間を守るとしてもです NOTE Paragraph 00:08:04.200 --> 00:08:08.296 ステファニーと私は1年間かけて 手書きでデータを集め続け 00:08:08.320 --> 00:08:12.816 今のところはコンピュータでは 捉えられない 00:08:12.840 --> 00:08:14.376 ニュアンスに焦点を当て 00:08:14.400 --> 00:08:17.896 データを使って 自分たちの活動だけでなく 00:08:17.920 --> 00:08:19.856 心の中や使っている言葉を調べました 00:08:19.880 --> 00:08:21.296 例えば 第3週には 00:08:21.320 --> 00:08:25.136 自分が言ったり 言われたりした 「ありがとう」をたどったところ 00:08:25.160 --> 00:08:29.816 私が知らない人にばかり 「ありがとう」と言うことがわかりました 00:08:29.840 --> 00:08:34.176 ウェイトレスやウェイターには 言わずにいられないのに 00:08:34.200 --> 00:08:37.360 身近な人には 明らかに あまり言っていません NOTE Paragraph 00:08:39.000 --> 00:08:40.256 1年に渡って 00:08:40.280 --> 00:08:44.776 こういった行為に 意識的に目を向け 回数を数えることが 00:08:44.800 --> 00:08:46.096 儀式のようになりました 00:08:46.120 --> 00:08:48.176 この儀式は 私たちを実際に変えました 00:08:48.200 --> 00:08:50.896 自分に統制が とれるようになりましたし 00:08:50.920 --> 00:08:54.040 自分の行動や周囲の環境に よく気づくようになりました 00:08:54.680 --> 00:08:57.656 1年に渡ってステファニーと私は データの交換日記を通して 00:08:57.680 --> 00:08:59.696 とても深い部分でつながっていましたが 00:08:59.720 --> 00:09:04.016 続けられたのは数字の中に とても個人的な背景を加えることで 00:09:04.040 --> 00:09:08.016 自分自身を数字に込めていたからです 00:09:08.040 --> 00:09:10.496 それが 数字を真に意味あるもの 00:09:10.520 --> 00:09:12.720 自分を表すものにする唯一の方法でした NOTE Paragraph 00:09:14.480 --> 00:09:17.576 私はみなさんに 個人のデータを描いてみてはとか 00:09:17.600 --> 00:09:20.456 海の向こうに文通相手を見つけるべきと 言うつもりはありません 00:09:20.480 --> 00:09:23.056 ただ みなさんがデータを— 00:09:23.080 --> 00:09:24.536 あらゆる形のデータを 00:09:24.560 --> 00:09:26.336 対話の終わりではなく始まりとして 00:09:26.360 --> 00:09:27.560 捉えて欲しいのです 00:09:28.080 --> 00:09:31.256 データだけで解決策が 見えてくることはないからです 00:09:31.280 --> 00:09:33.976 だからこそ私たちは データに失望するのです 00:09:34.000 --> 00:09:37.376 データに十分な背景を 込められなかったせいで 00:09:37.400 --> 00:09:38.856 現実の繊細で 複雑で 00:09:38.880 --> 00:09:42.080 緻密な面を表せなかったからです 00:09:42.960 --> 00:09:45.416 私たちは この2つの数字を見続け 00:09:45.440 --> 00:09:46.936 それにこだわり 00:09:46.960 --> 00:09:49.456 まるで この世界が 2つの数字や競争へと 00:09:49.480 --> 00:09:51.816 単純化できると 自分を偽りました 00:09:51.840 --> 00:09:53.096 でも一方で本物の物語— 00:09:53.120 --> 00:09:54.576 本当に重要な物語は 00:09:54.600 --> 00:09:56.016 ここにはありません NOTE Paragraph 00:09:56.040 --> 00:10:00.456 モデルやアルゴリズムだけを通して 物語を見ていると見逃してしまうものを 00:10:00.480 --> 00:10:03.000 私は「データ人文主義」と呼んでいます 00:10:03.560 --> 00:10:05.576 ルネサンスの人文主義では 00:10:05.600 --> 00:10:07.216 ヨーロッパの知識人たちが 00:10:07.240 --> 00:10:12.160 神ではなく人間性を 世界観の中心に据えました 00:10:12.800 --> 00:10:15.016 私はデータの世界でも 同じことが 00:10:15.040 --> 00:10:16.816 起こるべきだと考えています 00:10:16.840 --> 00:10:19.816 今 データは 明らかに 神のように扱われています 00:10:19.840 --> 00:10:23.120 現在と未来の 絶対確実な真理の守護神のようにです NOTE Paragraph 00:10:23.840 --> 00:10:26.736 今日みなさんに お話しした 経験から学んだのは 00:10:26.760 --> 00:10:31.776 データが人間性を正しく表し 00:10:31.800 --> 00:10:35.216 これ以上 人を惑わせないようにするには 00:10:35.240 --> 00:10:38.936 共感や不完全さや人間の性質を データ収集や 00:10:38.960 --> 00:10:40.536 処理、分析、提示の方法に 00:10:40.560 --> 00:10:44.280 取り込んでデザインする 必要があるということです 00:10:45.280 --> 00:10:48.256 そして究極的には 将来 00:10:48.280 --> 00:10:51.616 効率を高めるためだけに データを使うのではなく 00:10:51.640 --> 00:10:54.440 誰もが 人間性を高めるために データを使うようになるでしょう NOTE Paragraph 00:10:54.880 --> 00:10:56.096 ありがとう NOTE Paragraph 00:10:56.120 --> 00:11:00.561 (拍手)