WEBVTT

00:00:00.651 --> 00:00:03.830
それは５月の土曜日の
午後のことでした

00:00:03.830 --> 00:00:06.344
明日は母の日だということに

00:00:06.344 --> 00:00:09.798
ふと気が付きました

00:00:09.798 --> 00:00:11.644
母にプレゼントを
何も用意していなくて

00:00:11.644 --> 00:00:13.045
プレゼントを

00:00:13.045 --> 00:00:15.382
何にしようか考えました

00:00:15.382 --> 00:00:17.226
そこでインタラクティブな—

00:00:17.226 --> 00:00:20.275
カードを作るのは
どうだろうかと思いました

00:00:20.275 --> 00:00:22.983
MITメディアラボの 
私のグループで作っている

00:00:22.983 --> 00:00:26.800
「Scratch」というソフトを
使ってです

00:00:26.800 --> 00:00:30.180
このソフトは 誰でも
インタラクティブな絵本や

00:00:30.180 --> 00:00:34.424
ゲームやアニメーションを簡単に作れ
それをみんなで—

00:00:34.424 --> 00:00:38.193
共有できるようにすることを
目標として開発しました

00:00:38.193 --> 00:00:42.061
だから母の日のカード作りが

00:00:42.061 --> 00:00:44.961
Scratchを役立てる
いい機会になると思いました

NOTE Paragraph

00:00:44.961 --> 00:00:47.137
自分のカードを作る前に

00:00:47.137 --> 00:00:49.122
ちょっとScratchの
ウェブサイトを

00:00:49.122 --> 00:00:50.695
見てみようと思いました

00:00:50.695 --> 00:00:54.053
数年に渡り 下は８歳からという
世界中の子供達が

00:00:54.053 --> 00:00:57.247
自分のプロジェクトを
ウェブで公開していました

00:00:57.247 --> 00:01:00.682
300万件のプロジェクトの中には

00:01:00.682 --> 00:01:04.067
母の日のカードも
あるかもしれないと思ったのです

00:01:04.067 --> 00:01:07.061
検索欄に

00:01:07.061 --> 00:01:08.606
「母の日」と打ち込んでみました

00:01:08.606 --> 00:01:11.609
うれしい驚きとともに
何十件もの

00:01:11.609 --> 00:01:14.313
母の日のカードプロジェクトが

00:01:14.313 --> 00:01:16.827
検索結果に現れました

00:01:16.827 --> 00:01:19.145
その多くは 私と同じような
先延ばし屋によって

00:01:19.145 --> 00:01:22.351
24時間以内に
作られたものでした

00:01:22.351 --> 00:01:25.473
そこで作品を
見てみる事にしました

00:01:25.473 --> 00:01:27.929
これは子猫と母猫が
出てきて

00:01:27.929 --> 00:01:34.800
母の日を祝う
という作品です

00:01:34.800 --> 00:01:37.331
その作者は思慮深く

00:01:37.331 --> 00:01:40.835
お母さんのために「リプレイ」ボタンを
用意していました

00:01:40.835 --> 00:01:43.219
もう１つの作品は
インタラクティブなもので

00:01:43.219 --> 00:01:46.417
「母の日おめでとう」の文字を
マウスでなぞると

00:01:46.417 --> 00:01:51.337
母の日にふさわしい言葉が現れる
仕掛けになっていました

00:01:51.337 --> 00:01:55.320
この作品では
作者がグーグル検索で

00:01:55.320 --> 00:01:57.979
母の日が近づいていることを

00:01:57.979 --> 00:02:01.096
どのように見つけたかが
語られていました

00:02:01.096 --> 00:02:05.239
そして母の日が
近いことがわかったとき

00:02:05.239 --> 00:02:07.717
作者は特別な母の日の
メッセージで

00:02:07.717 --> 00:02:11.344
どんなにお母さんのことが好きか
伝えていました

NOTE Paragraph

00:02:11.344 --> 00:02:13.569
これらの作品は本当に
素敵なものでした

00:02:13.569 --> 00:02:15.221
見ているうちに
これらの作品が

00:02:15.221 --> 00:02:19.062
本当に気に入ったので
自分の作品を作る代わりに

00:02:19.062 --> 00:02:23.816
母には これらの作品へのリンクを
10個ばかり 送ることにしました（笑）

00:02:23.816 --> 00:02:27.396
母は実際 私の期待していた反応を
返してくれました

00:02:27.396 --> 00:02:28.781
母の返事は
こうです

00:02:28.781 --> 00:02:32.048
「子供達が母の日のカードを
お母さんに送れる

00:02:32.048 --> 00:02:36.160
ソフトを作った息子を持って
誇りに思います」

NOTE Paragraph

00:02:36.160 --> 00:02:39.960
母が喜んでくれて
私はうれしくなりました

00:02:39.960 --> 00:02:44.584
でも 私にとって さらに
うれしい理由がありました

00:02:44.584 --> 00:02:48.543
子供達が 私達の
望んでいた使い方で

00:02:48.543 --> 00:02:51.344
Scratchを使ってくれたのが
うれしかったんです

00:02:51.344 --> 00:02:54.155
例えば母の日のカードを
作ったように

00:02:54.155 --> 00:02:56.436
子供達は
新しい技術を

00:02:56.436 --> 00:02:59.748
上手に使いこなしています

00:02:59.748 --> 00:03:01.211
「上手」というのは—

00:03:01.211 --> 00:03:05.243
その技術で
自分を表現でき

00:03:05.243 --> 00:03:08.020
自分のアイディアを
表現できることだと思います

00:03:08.020 --> 00:03:10.674
ある言語が上手になる
ということは

00:03:10.674 --> 00:03:14.211
その言語で日記をつけたり
誰かに冗談を言ったり

00:03:14.211 --> 00:03:18.264
友達に手紙を書いたり
できるようになる ということです

00:03:18.264 --> 00:03:21.421
それは 新しい技術でも
同じことです

00:03:21.421 --> 00:03:25.603
インタラクティブな
母の日のカードを作ることで

00:03:25.603 --> 00:03:28.133
その新しい技術を
上手に使いこなせることを

00:03:28.133 --> 00:03:29.806
子供達は 
示していました

NOTE Paragraph

00:03:29.806 --> 00:03:32.571
この話を聞いて 皆さんは
そんなに驚かないかも知れません

00:03:32.571 --> 00:03:35.267
なぜなら 若い人たちは
技術を使いこなして

00:03:35.267 --> 00:03:38.667
いろいろなことができると
感じているからです

00:03:38.667 --> 00:03:43.128
我々はみんな 若い人が「デジタル世代」
と呼ばれていることを知っています

00:03:43.128 --> 00:03:46.925
私はこれに疑問を
感じています

00:03:46.925 --> 00:03:50.426
若い人たちを「デジタル世代」と
考えていいのかどうか

00:03:50.426 --> 00:03:52.979
若い人たちの
新しい技術の使い方に

00:03:52.979 --> 00:03:56.515
注意を払うなら

00:03:56.515 --> 00:04:00.038
よく見かけるのは
このような光景や

00:04:00.038 --> 00:04:02.232
このような場面です

00:04:02.232 --> 00:04:03.750
若い人たちが
ウェブを見たり

00:04:03.750 --> 00:04:07.066
チャットや メールや 
ゲームをすることに

00:04:07.066 --> 00:04:11.588
抵抗がないのは
疑いようがありません

00:04:11.588 --> 00:04:14.787
しかし それは技術を
上手に扱えることとは違います

NOTE Paragraph

00:04:14.787 --> 00:04:18.746
若い人たちは 新しい技術に対して
豊富な経験があり

00:04:18.746 --> 00:04:22.541
それらを操作することに
慣れています

00:04:22.541 --> 00:04:25.946
しかし新しい技術で
何かを作ったり

00:04:25.946 --> 00:04:28.918
自分を表現するとなると
それほどでもありません

00:04:28.918 --> 00:04:31.310
それはまるで新しい技術で
読むことはできても

00:04:31.310 --> 00:04:34.643
書くことはできない
ようなものです

NOTE Paragraph

00:04:34.643 --> 00:04:38.541
若い人たちが新しい技術を上手に使って
書けるようになることを

00:04:38.541 --> 00:04:41.070
どう助けられるかに
私は興味を持っています

00:04:41.070 --> 00:04:44.430
それには 彼ら自身が
コンピュータの

00:04:44.430 --> 00:04:48.942
プログラムを書けるようになる
必要があります

NOTE Paragraph

00:04:48.942 --> 00:04:51.654
プログラムの書き方を
学ぶ重要性に

00:04:51.654 --> 00:04:54.958
気づく人たちが
増えてきています

00:04:54.958 --> 00:04:57.560
ここ数年 若い人が
プログラミングを学ぶのを

00:04:57.560 --> 00:05:00.452
サポートする新しい組織や
ウェブサイトが

00:05:00.452 --> 00:05:03.746
数多く出来ました

00:05:03.746 --> 00:05:07.337
ネット上には
Codecademy のようなサイトや

00:05:07.337 --> 00:05:09.708
CoderDojo のようなイベントや

00:05:09.708 --> 00:05:12.139
女の子向けのサイトの
Girls Who Code や

00:05:12.139 --> 00:05:13.833
Black Girls Code 
などがあります

00:05:13.833 --> 00:05:16.941
多くの人が行動を
始めたように見えます

00:05:16.941 --> 00:05:19.524
今年の始め

00:05:19.524 --> 00:05:20.889
新しい年が始まったときに

00:05:20.889 --> 00:05:23.549
ニューヨーク市長の
マイケル・ブルームバーグが

00:05:23.549 --> 00:05:25.809
2012年の新年の抱負として

00:05:25.809 --> 00:05:28.588
プログラミングを覚えると
述べていました

00:05:28.588 --> 00:05:31.756
数ヶ月後 エストニアでは

00:05:31.756 --> 00:05:35.412
小学一年生にプログラミングを
教えることに決めました

00:05:35.412 --> 00:05:38.204
このことがきっかけとなり
イギリスでも—

00:05:38.204 --> 00:05:42.513
子供達みんなにプログラミングを教えるべきか
という議論が起こりました

NOTE Paragraph

00:05:42.513 --> 00:05:45.356
このような話を聞くと
すべての人が—

00:05:45.356 --> 00:05:48.964
プログラミングを習うことに
違和感を覚える方もいるかも知れません

00:05:48.964 --> 00:05:52.114
多くの人は
プログラミングというものを

00:05:52.114 --> 00:05:55.690
非常に限られた世界の人だけが

00:05:55.690 --> 00:05:58.348
必要とすることと考え

00:05:58.348 --> 00:06:01.270
こんなプログラムを書くことを
想像しています

00:06:01.270 --> 00:06:03.436
プログラミングが
このようなものなら

00:06:03.436 --> 00:06:05.931
それができるのは
特別な数学の知恵をもち

00:06:05.931 --> 00:06:09.003
技術的な素養のある
限られた世界の人だけ—

00:06:09.003 --> 00:06:11.269
ということに
なるかもしれません

NOTE Paragraph

00:06:11.269 --> 00:06:13.769
しかし このようなものばかり
ではないんです

00:06:13.769 --> 00:06:17.748
Scratchでどのように
プログラミングできるかお見せしましょう

00:06:17.748 --> 00:06:22.027
Scratchでのプログラミングは
ブロックをはめ込むだけです

00:06:22.027 --> 00:06:23.942
この例では 
青いブロックを動かして

00:06:23.942 --> 00:06:25.711
こちらの塊に
はめ込むだけです

00:06:25.711 --> 00:06:28.469
これらの塊は
ゲームや物語の中の

00:06:28.469 --> 00:06:31.987
いろいろなキャラクターの動きを
コントロールしています

00:06:31.987 --> 00:06:34.288
この例では大きな魚を
コントロールしています

00:06:34.288 --> 00:06:37.739
プログラムが完成したら
「共有」と書かれたボタンを

00:06:37.739 --> 00:06:40.815
押すことで プロジェクトを
他の人たちと共有して

00:06:40.815 --> 00:06:42.638
みんながそのプロジェクトを
利用したり

00:06:42.638 --> 00:06:45.612
参加できるようになります

NOTE Paragraph

00:06:45.612 --> 00:06:48.934
もちろん 魚のゲームだけが
Scratchでできること—

00:06:48.934 --> 00:06:50.579
ではありません

00:06:50.579 --> 00:06:52.559
何百万というプロジェクトの中には

00:06:52.559 --> 00:06:55.383
アニメーションから

00:06:55.383 --> 00:06:57.799
学校の科学プロジェクト

00:06:57.799 --> 00:06:59.863
ホームドラマのアニメ

00:06:59.863 --> 00:07:02.185
仮想的な組み立てキット

00:07:02.185 --> 00:07:04.898
古いテレビゲームの再現

00:07:04.898 --> 00:07:07.167
政治的な意見の投票

00:07:07.167 --> 00:07:09.807
三角法のチュートリアル

00:07:09.807 --> 00:07:12.727
インタラクティブな芸術作品

00:07:12.727 --> 00:07:15.511
そして母の日のカードがあります

NOTE Paragraph

00:07:15.511 --> 00:07:18.547
ここには人々が
自分自身を表現する

00:07:18.547 --> 00:07:22.007
本当に多くの
方法があり

00:07:22.007 --> 00:07:25.407
アイディアを実現し
世界中の人と共有することができます

00:07:25.407 --> 00:07:27.969
画面の中だけとは
限りません

00:07:27.969 --> 00:07:31.736
周りの実際の世界と
連携することもできます

00:07:31.736 --> 00:07:34.215
これは香港からの例です

00:07:34.215 --> 00:07:35.622
子供達が
作ったゲームで

00:07:35.622 --> 00:07:38.903
自分たちで
光センサを利用した

00:07:38.903 --> 00:07:41.795
インターフェース装置を
作りました

00:07:41.795 --> 00:07:43.738
この装置は
板の穴を検知し

00:07:43.738 --> 00:07:45.938
板のノコギリを
操作することで

00:07:45.938 --> 00:07:48.178
光センサが
板の穴を検知し

00:07:48.178 --> 00:07:51.134
画面の中の
ノコギリを動かし

00:07:51.134 --> 00:07:53.914
木を切り倒す
というものです

NOTE Paragraph

00:07:53.914 --> 00:07:56.023
これからも物理的な
実際の世界と

00:07:56.023 --> 00:07:59.079
仮想的な世界を
一緒にして

00:07:59.079 --> 00:08:02.007
結びつける新しい方法を
探っていくことになるでしょう

00:08:02.007 --> 00:08:04.240
これは数ヶ月後に
リリースを予定している

00:08:04.240 --> 00:08:07.863
新しいバージョンの
Scratchを使った例です

00:08:07.863 --> 00:08:09.913
ここでまた皆さんに
新しい可能性を

00:08:09.913 --> 00:08:11.609
示しています

00:08:11.609 --> 00:08:13.873
これがその例です

00:08:13.873 --> 00:08:17.947
ウェブカメラを使って

00:08:17.947 --> 00:08:22.803
手で風船を
割ることができます

00:08:22.803 --> 00:08:25.688
虫を動かすこともできます

00:08:25.688 --> 00:08:28.253
マイクロソフトの
「キネクト」に似ていて

00:08:28.253 --> 00:08:30.969
ジェスチャーで
世界を操作します

00:08:30.969 --> 00:08:33.213
しかし 出来合いの
ゲームで遊ぶ代わりに

00:08:33.213 --> 00:08:35.455
自分のゲームを
作ることができます

00:08:35.455 --> 00:08:36.838
そして他の人が
作ったゲームの

00:08:36.838 --> 00:08:39.478
中身を見ることで

00:08:39.478 --> 00:08:42.372
どうやってこれを実現しているか
知ることができます

00:08:42.372 --> 00:08:45.927
どのくらいの動きがあったかが判る
新しいブロックを使って

00:08:45.927 --> 00:08:49.048
動きが大きい場合に

00:08:49.048 --> 00:08:52.427
風船が割れるように
指示しています

NOTE Paragraph

00:08:52.427 --> 00:08:54.811
ここでカメラを使って
情報をScratchに

00:08:54.811 --> 00:08:57.316
取り込んだのと
同じような方法で

00:08:57.316 --> 00:09:00.323
マイクを使うこともできます

00:09:00.323 --> 00:09:04.307
これはマイクを使用した
プロジェクトの例です

00:09:04.307 --> 00:09:06.707
皆さん全員が声を使って

00:09:06.707 --> 00:09:08.953
ゲームに参加できます

NOTE Paragraph

00:09:08.953 --> 00:09:25.409
（虫の音）（叫び）（ガブッ）

00:09:25.409 --> 00:09:34.038
（笑）

00:09:34.038 --> 00:09:42.822
（拍手）

NOTE Paragraph

00:09:42.822 --> 00:09:45.427
子供達はこのようなプロジェクトを
作りながら

00:09:45.427 --> 00:09:47.692
プログラミングを
覚えていきますが

00:09:47.692 --> 00:09:51.626
さらに重要なのは
プログラムを書くことで学ぶということです

00:09:51.626 --> 00:09:53.915
プログラミングを学ぶことで

00:09:53.915 --> 00:09:57.235
他のいろいろなことを
学ぶことができるのです

00:09:57.235 --> 00:10:00.107
いろいろな新しい学習への
道が開けます

00:10:00.107 --> 00:10:04.491
読み書きとの類似性で
また説明したいと思います

00:10:04.491 --> 00:10:07.431
読み書きを学ぶことで
他の多くのことを

00:10:07.431 --> 00:10:10.491
学ぶ可能性が開けます

00:10:10.491 --> 00:10:14.251
読む事ができるようになると
読むことで学べるようになります

00:10:14.251 --> 00:10:16.439
同様に プログラミングが
できるようになると

00:10:16.439 --> 00:10:18.986
プログラミングすることで
学べるようになります

00:10:18.986 --> 00:10:21.540
学ぶことの中には
当然のこともあります

00:10:21.540 --> 00:10:24.038
コンピューターが
どのように動くかとか—

00:10:24.038 --> 00:10:26.356
しかしそれは
始まりに過ぎません

00:10:26.356 --> 00:10:28.951
プログラミングを学ぶことで
他のいろいろなことを

00:10:28.951 --> 00:10:31.196
学ぶ機会が開けます

NOTE Paragraph

00:10:31.196 --> 00:10:33.542
例を示します

00:10:33.542 --> 00:10:35.812
これは別のプロジェクトです

00:10:35.812 --> 00:10:38.080
コンピューター教室を
訪れたときに

00:10:38.080 --> 00:10:40.222
このプロジェクトを
見かけました

00:10:40.222 --> 00:10:43.242
私達が立ち上げに協力した
放課後のラーニングセンターで

00:10:43.242 --> 00:10:46.004
低所得層の若者に
新しい技術を使って

00:10:46.004 --> 00:10:50.083
自分をクリエイティブに
表現する方法を教えています

00:10:50.083 --> 00:10:52.878
数年前に そのコンピューター教室に
行ったとき

00:10:52.878 --> 00:10:56.603
これと似たゲームを
Scratchで作っている

00:10:56.603 --> 00:10:59.499
13才の少年がいました

00:10:59.499 --> 00:11:02.422
自分の作ったゲームが気に入っていて
誇りに思っていました

00:11:02.422 --> 00:11:05.387
しかし したいことが
もう少しありました

00:11:05.387 --> 00:11:07.691
得点が表示される
ようにしたかったのです

00:11:07.691 --> 00:11:10.767
これは大きな魚が
小さな魚を食べるゲームで

00:11:10.767 --> 00:11:13.694
彼は得点をつけて
大きな魚が

00:11:13.694 --> 00:11:17.072
小さな魚を食べる度に

00:11:17.072 --> 00:11:19.611
得点が上がるようにしたいと
思っていました

00:11:19.611 --> 00:11:22.123
でも どのようにすればいいのか
分かりませんでした

00:11:22.123 --> 00:11:24.388
そこで彼に 
Scratchでは

00:11:24.388 --> 00:11:27.965
変数というものが
使えることを教えました

00:11:27.965 --> 00:11:32.092
ここでは変数の名前を
「得点」としましょう

00:11:32.092 --> 00:11:34.923
すると新しいブロックが
できます

00:11:34.923 --> 00:11:39.589
また得点を表示する
小さな表示板もできます

00:11:39.589 --> 00:11:44.841
「得点の更新」をクリックする度に
得点が加算されます

00:11:44.841 --> 00:11:47.366
これを コンピューター教室の
その子に見せました

00:11:47.366 --> 00:11:50.067
彼をビクターとしておきましょう
ビクターは—

00:11:50.067 --> 00:11:52.869
このブロックで
得点が加算できることが判ると

00:11:52.869 --> 00:11:54.685
どうすればいいかを
理解しました

00:11:54.685 --> 00:11:56.999
彼はブロックを選んで

00:11:56.999 --> 00:12:00.043
それをプログラムの中の—

00:12:00.043 --> 00:12:04.236
大きな魚が小さな魚を食べる
部分に置きました

00:12:04.236 --> 00:12:09.259
すると 大きな魚が
小さな魚を食べる度に

00:12:09.259 --> 00:12:15.254
得点が加算され
得点が１点づつ増えていきます

00:12:15.254 --> 00:12:16.951
それは実際
正しく動いていました

00:12:16.951 --> 00:12:19.205
彼は興奮して

00:12:19.205 --> 00:12:20.884
私の手を握ると

00:12:20.884 --> 00:12:23.433
「ありがとう ありがとう」
と言いました

00:12:23.433 --> 00:12:25.502
その時 思ったのは

00:12:25.502 --> 00:12:28.544
先生が変数を教えて
生徒に感謝されることなんて

00:12:28.544 --> 00:12:31.947
どのくらいあるのだろうか
ということでした（笑）

00:12:31.947 --> 00:12:34.428
授業では ほとんど
そのようなことは起きません

00:12:34.428 --> 00:12:37.387
それは授業で生徒達が
変数を習うときに

00:12:37.387 --> 00:12:39.895
なぜ変数を習うのかを
知らないからです

00:12:39.895 --> 00:12:42.766
それは彼らが自分で使う
ものではないのです

00:12:42.766 --> 00:12:44.928
Scratchでこのような
アイディアを習うときは

00:12:44.928 --> 00:12:49.031
意味やモチベーションのある方法で
学ぶことができます

00:12:49.031 --> 00:12:52.021
なぜ変数を学ぶ必要があるかを
理解することができます

00:12:52.021 --> 00:12:54.063
子供達は より深く
より良く

00:12:54.063 --> 00:12:55.478
理解します

00:12:55.478 --> 00:12:58.519
ビクターは学校で既に変数を
習っていたと思いますが

00:12:58.519 --> 00:13:00.707
彼は変数に注意を
払っていませんでした

00:13:00.707 --> 00:13:02.990
今や彼には
変数を学ぶ理由がありました

00:13:02.990 --> 00:13:06.064
プログラミングを通して学び
学ぶためにプログラミングすることで

00:13:06.064 --> 00:13:10.948
意味のある文脈で学ぶことができます
それは物事を学ぶ最上の方法です

NOTE Paragraph

00:13:10.948 --> 00:13:14.403
ビクターのような子供達が
このようなプロジェクトを作ることで

00:13:14.403 --> 00:13:17.187
彼らは変数といった
重要な概念を学んでいます

00:13:17.187 --> 00:13:19.315
しかしそれは
始まりに過ぎません

00:13:19.315 --> 00:13:23.165
ビクターがこのプロジェクトに取り組み
スクリプトを作っていたとき

00:13:23.165 --> 00:13:26.417
彼はデザインのプロセスも
学んでいました

00:13:26.417 --> 00:13:29.036
ぼんやりした
アイディアのから始めて

00:13:29.036 --> 00:13:31.942
ご覧いただいたように
それを本格的な

00:13:31.942 --> 00:13:34.449
実際に機能する
プロジェクトにする方法です

00:13:34.449 --> 00:13:38.489
彼はデザインの核となる
いろいろな概念を学んでいたのです

00:13:38.489 --> 00:13:41.731
新しいアイディアを
どうやって試すかとか

00:13:41.731 --> 00:13:46.436
複雑なアイディアを 
単純な部分へと分割する方法や

00:13:46.436 --> 00:13:49.426
他の人と
どう協力していくかとか

00:13:49.426 --> 00:13:52.877
期待したように動かないときに
どうバグを見つけて直すかとか

00:13:52.877 --> 00:13:55.931
物事がうまくいかない状況で

00:13:55.931 --> 00:13:59.336
いかに粘り強く方向性をもって
前に進んでいくかなど

00:13:59.336 --> 00:14:01.109
これはプログラミングに限らず

00:14:01.109 --> 00:14:03.977
重要なスキルです

00:14:03.977 --> 00:14:06.804
いろいろな活動において
重要なものです

NOTE Paragraph

00:14:06.804 --> 00:14:09.972
ビクターは
大人になったときに

00:14:09.972 --> 00:14:12.896
プログラマーやコンピューター科学者に
なるのでしょうか？

00:14:12.896 --> 00:14:14.708
ならない可能性の方が
高いと思います

00:14:14.708 --> 00:14:16.496
しかし彼が何をすることに
なろうとも

00:14:16.496 --> 00:14:20.200
ここで学んだデザインのスキルは
利用することができます

00:14:20.200 --> 00:14:22.784
販売責任者になろうとも

00:14:22.784 --> 00:14:25.904
機械工や コミュニティーの
まとめ役になろうとも

00:14:25.904 --> 00:14:28.360
このようなアイディアは
誰にでも役に立つものです

00:14:28.360 --> 00:14:32.282
言語との比較で
考えてみましょう

00:14:32.282 --> 00:14:36.638
自由に読み書きが
できるようになることは

00:14:36.638 --> 00:14:39.079
プロの物書きに
なるためにだけに

00:14:39.079 --> 00:14:41.039
必要なことではありません

00:14:41.039 --> 00:14:43.736
プロの物書きになる人は
非常に少ないと思います

00:14:43.736 --> 00:14:47.304
けれども読み書きのスキルは
全ての人の役に立つものです

00:14:47.304 --> 00:14:49.399
これはプログラミングも同じです

00:14:49.399 --> 00:14:51.621
多くの人は大人になって

00:14:51.621 --> 00:14:54.840
コンピュータ科学者やプログラマーに
なるわけではありません

00:14:54.840 --> 00:14:57.178
しかし創造的に考えるスキル

00:14:57.178 --> 00:14:59.692
系統的な推論
協力して働くこと

00:14:59.692 --> 00:15:02.402
Scratchでプログラムを書くことで学ぶ
このようスキルは

00:15:02.402 --> 00:15:07.224
どのような仕事に就こうとも
役立てることができるのです

NOTE Paragraph

00:15:07.224 --> 00:15:09.600
これは仕事に限ったもの
でもありません

00:15:09.600 --> 00:15:12.320
プログラミングは生活の中で
自分のアイディアや感情を

00:15:12.320 --> 00:15:15.496
表現するときにも使えます

00:15:15.496 --> 00:15:18.169
最後に もう１つ
例を挙げさせてください

00:15:18.169 --> 00:15:21.296
この作品は 私が
母の日のカードを

00:15:21.296 --> 00:15:25.764
母に送った後に
作られたものです

00:15:25.764 --> 00:15:28.865
母はScratchを
学んでみたいと思ったのです

00:15:28.865 --> 00:15:31.896
それで私の誕生日のための
プロジェクトを作り

00:15:31.896 --> 00:15:35.472
私にScratchのバースデーカードを
送ってくれました

00:15:35.472 --> 00:15:39.328
この作品はデザイン賞を
取るようなものではありません

00:15:39.328 --> 00:15:42.303
83才の母が
プログラマーや

00:15:42.303 --> 00:15:46.540
コンピュータ科学者になろうと
学んでいるわけではないのも明らかでしょう

00:15:46.540 --> 00:15:49.512
しかしこの作品を通じて

00:15:49.512 --> 00:15:52.178
母は気にかける人との
つながりを深め

00:15:52.178 --> 00:15:54.986
新しいことを学び続けることが
できました

00:15:54.986 --> 00:15:57.418
創造性を発揮し

00:15:57.418 --> 00:16:00.593
自分を表現する新しい方法を
見つけることができました

NOTE Paragraph

00:16:00.593 --> 00:16:04.804
見渡してみると

00:16:04.804 --> 00:16:07.368
マイケル・ブルームバーグは
プログラミングを学び始め

00:16:07.368 --> 00:16:10.018
エストニアの子供達も
プログラミングを学んでおり

00:16:10.018 --> 00:16:12.218
私の母でさえ
プログラミングを覚えました

00:16:12.218 --> 00:16:13.990
みなさんも そろそろ
プログラミングを—

00:16:13.990 --> 00:16:15.902
覚えていい時期だと
思いませんか？

00:16:15.902 --> 00:16:18.095
興味をもたれたら

00:16:18.095 --> 00:16:20.531
Scratchのウェブサイトを
覗いてみてください

00:16:20.531 --> 00:16:22.556
scratch.mit.eduです

00:16:22.556 --> 00:16:24.378
そしてプログラミングを
試してみてください

NOTE Paragraph

00:16:24.378 --> 00:16:28.496
ありがとうございました（拍手）