1 00:00:00,755 --> 00:00:02,886 お気付きになったこと ありませんか? 2 00:00:02,896 --> 00:00:06,536 プライベートの充実のために 変えたことについて語ってもらうと 3 00:00:06,560 --> 00:00:08,520 非常に熱が入っている人が多いですよね 4 00:00:09,015 --> 00:00:11,496 それがマラソンのトレーニングであっても 5 00:00:11,520 --> 00:00:12,776 昔の趣味の再開であっても 6 00:00:12,800 --> 00:00:14,656 新しいスキルの習得であっても 7 00:00:14,680 --> 00:00:17,660 多くの人にとって自己変革の取り組みは 8 00:00:17,660 --> 00:00:21,550 ポジティブな感情を強く刺激するからです 9 00:00:21,720 --> 00:00:24,176 自己変革は自信の源となり 10 00:00:24,200 --> 00:00:26,536 やる気が出て 爽快感すら生み出します 11 00:00:26,560 --> 00:00:30,270 自己啓発本のタイトルを見れば ご納得でしょう 12 00:00:30,270 --> 00:00:33,086 『内なる巨人を目覚めさせよ』 (邦題『一瞬で「自分の夢」を実現する法』) 13 00:00:33,086 --> 00:00:35,616 『今という力の活用法』 (『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』) 14 00:00:35,616 --> 00:00:38,056 極めつけはこれです 皆さんも頷けるはず 15 00:00:38,080 --> 00:00:40,456 『あなたはイケている 自身の偉大さを疑わず 16 00:00:40,456 --> 00:00:45,416 最高の人生を送る方法』ですよ? (『もっと「自分のため」に生きていい!』) 17 00:00:45,440 --> 00:00:46,640 (笑) 18 00:00:48,040 --> 00:00:50,560 自己変革のことになると 19 00:00:51,240 --> 00:00:54,800 私たちはワクワクせずにいられないのです 20 00:00:56,840 --> 00:01:00,016 しかし変革の中には 21 00:01:00,040 --> 00:01:03,120 全く別の感情を刺激するものもあります 22 00:01:04,080 --> 00:01:06,680 組織変革です 23 00:01:07,880 --> 00:01:09,456 普通の人なら 24 00:01:09,456 --> 00:01:13,616 「これから当社は組織改革を行う」と 言われたら 25 00:01:13,640 --> 00:01:15,370 「やばい...」と思うでしょう 26 00:01:15,426 --> 00:01:16,576 (笑) 27 00:01:16,600 --> 00:01:17,800 「リストラだ」と 28 00:01:18,800 --> 00:01:20,736 顔面は蒼白になり 29 00:01:20,760 --> 00:01:23,616 過熱状態になるほど 頭をフル回転させて 30 00:01:23,640 --> 00:01:27,080 逃げ隠れしようと必死になるでしょう 31 00:01:28,120 --> 00:01:29,656 実際 逃走は可能かもしれません 32 00:01:29,656 --> 00:01:31,190 でも隠れきることは不可能です 33 00:01:32,040 --> 00:01:35,016 なぜなら私たちの多くは 起きている時間の大半を 34 00:01:35,040 --> 00:01:36,770 組織の中で費やすからです 35 00:01:37,040 --> 00:01:40,136 グローバリゼーションや 36 00:01:40,160 --> 00:01:42,696 技術の進歩に伴う変化 37 00:01:42,720 --> 00:01:44,536 その他諸々の要因のために 38 00:01:44,560 --> 00:01:49,480 私たちの組織は適応を常に強いられています 39 00:01:50,360 --> 00:01:51,576 そんな現代を私は 40 00:01:51,600 --> 00:01:55,480 「常時進行中の変化の時代」と 名付けました 41 00:01:57,400 --> 00:01:59,656 このことを妻のニコラに話すと 42 00:01:59,680 --> 00:02:02,816 彼女はこう言いました 「常時進行中の変化? 43 00:02:02,840 --> 00:02:05,210 なんだか とっても疲れそうね」と 44 00:02:05,640 --> 00:02:07,936 皆さんも今まさに そう思われていませんか? 45 00:02:07,960 --> 00:02:09,536 確かにそうかもしれません 46 00:02:09,560 --> 00:02:14,696 これまで通りのやり方で 組織変革に向き合い続けるなら 47 00:02:14,720 --> 00:02:16,600 なおのことです 48 00:02:16,920 --> 00:02:19,336 でも隠れることはできないのですから 49 00:02:19,360 --> 00:02:21,196 2つのことを整理しないといけません 50 00:02:21,220 --> 00:02:22,296 1つ目は 51 00:02:22,320 --> 00:02:25,056 なぜ変革は疲弊を伴うのかです 52 00:02:25,060 --> 00:02:27,500 そして2つ目は それをどう解決するかです 53 00:02:29,200 --> 00:02:30,416 でも その前に 54 00:02:30,440 --> 00:02:33,576 変化とは困難を伴うものであることを まず認識しましょう 55 00:02:33,600 --> 00:02:35,616 人が変化を嫌うのは自然なことです 56 00:02:35,640 --> 00:02:38,280 強制されたなら尚更そうです 57 00:02:39,200 --> 00:02:43,776 ただし 組織のやり方のせいで 変化が必要以上に 58 00:02:43,800 --> 00:02:47,180 受容し難く 消耗するものに なることがあるのも事実です 59 00:02:47,720 --> 00:02:48,936 例えば 60 00:02:48,960 --> 00:02:52,540 トップが行動を起こすタイミングの遅れです 61 00:02:53,040 --> 00:02:54,249 その結果 62 00:02:54,249 --> 00:02:58,189 緊急事態に陥ってから一気に始動するのです 63 00:02:58,320 --> 00:03:00,848 疲弊するのは当然でしょう 64 00:03:01,360 --> 00:03:04,456 あるいは緊急性から 65 00:03:04,480 --> 00:03:08,400 短期的な結果のみが重視され 66 00:03:09,320 --> 00:03:11,860 将来が見えなかったり 67 00:03:12,560 --> 00:03:16,280 その場しのぎの表面的な対策を取りながら 68 00:03:17,040 --> 00:03:21,136 また元の状態に戻れると期待して 69 00:03:21,160 --> 00:03:24,430 今の危機的状況だけを やり過ごそうとしたりします 70 00:03:25,600 --> 00:03:27,026 このような やり方は 71 00:03:27,026 --> 00:03:32,920 全国共通テストに向けて一部の学生が取る 勉強法と ある意味似ています 72 00:03:34,280 --> 00:03:37,736 点数を上げることを目的に 73 00:03:37,760 --> 00:03:40,730 教師は試験対策用の授業をすることになります 74 00:03:41,160 --> 00:03:42,656 効き目はあると言えばあって 75 00:03:42,656 --> 00:03:44,496 実際 点数は上がることが多いです 76 00:03:44,520 --> 00:03:48,296 しかし 教育の本来の目的には そぐわないものです 77 00:03:48,320 --> 00:03:52,750 長期的視点で成功を収める力を 学生に備えさせるべきなのですから 78 00:03:54,680 --> 00:03:57,200 さて このような課題がある中で 79 00:03:58,160 --> 00:03:59,976 どのように 80 00:04:00,000 --> 00:04:03,456 組織変革のやり方を変革させたら 81 00:04:03,480 --> 00:04:05,440 疲弊ではなく 82 00:04:06,200 --> 00:04:09,040 自信ややる気が生まれるでしょうか? 83 00:04:10,160 --> 00:04:15,176 ここで注力すべきは 5つの戦略的な必須事項です 84 00:04:15,200 --> 00:04:17,935 その全てに共通する特徴が1つあります 85 00:04:17,959 --> 00:04:20,240 人を第一に考える姿勢です 86 00:04:21,079 --> 00:04:23,736 この人を第一に考える 最初の必須事項は 87 00:04:23,760 --> 00:04:25,910 目的を共有し鼓舞することです 88 00:04:26,120 --> 00:04:29,816 たいていの変革は 財務的・経営的な目標が掲げられます 89 00:04:29,840 --> 00:04:34,096 それらも重要ですし リーダーなら やる気も沸くでしょう 90 00:04:34,120 --> 00:04:38,000 しかし組織に従属する側の 動機付けには あまりならないでしょう 91 00:04:38,480 --> 00:04:40,566 広くモチベーションを与えるには 92 00:04:40,566 --> 00:04:44,680 より強い目的意識に結びつけられた 変革でなければいけません 93 00:04:45,720 --> 00:04:47,390 レゴ社を例に挙げます 94 00:04:47,640 --> 00:04:51,880 レゴ・グループは今や世界的大企業ですが 95 00:04:52,520 --> 00:04:54,396 実は極めて有能なリーダーシップの下で 96 00:04:54,396 --> 00:04:57,230 何度も変革を成し遂げてきているのです 97 00:04:57,800 --> 00:05:01,016 変革ごとに具体的な目標が設定されましたが 98 00:05:01,040 --> 00:05:02,336 北極星のように 99 00:05:02,360 --> 00:05:04,176 全てを結び付け 道標となっていたのが 100 00:05:04,200 --> 00:05:07,100 こちらの レゴ社の掲げる大きな使命でした 101 00:05:07,480 --> 00:05:11,790 「ひらめきを与え 未来のビルダーを育もう」 102 00:05:12,360 --> 00:05:13,970 世界進出の動機は何だったか? 103 00:05:14,160 --> 00:05:16,576 それは売上の増大ではなく 104 00:05:16,600 --> 00:05:21,240 レゴを知らない何百万人の子供たちに ブロック遊びを体験してもらうことでした 105 00:05:21,960 --> 00:05:23,530 投資や革新の動機は? 106 00:05:23,960 --> 00:05:25,818 新製品の開発ではありません 107 00:05:26,360 --> 00:05:28,656 遊びを通して学ぶ楽しさを 108 00:05:28,680 --> 00:05:32,200 より多くの子供たちに 体感してもらうことでした 109 00:05:33,440 --> 00:05:34,976 当然ながら 110 00:05:35,000 --> 00:05:40,550 このような強い目的意識があると レゴ社の人たちも やる気が高まるのです 111 00:05:42,120 --> 00:05:45,056 人第一の第2の必須事項は 112 00:05:45,080 --> 00:05:47,230 全面的に取り組むことです 113 00:05:48,080 --> 00:05:49,776 あまりにも多くの変革が 114 00:05:49,800 --> 00:05:53,536 単なる人員削減策で終わっています 115 00:05:53,560 --> 00:05:57,040 つまり変革という名を借りたリストラです 116 00:05:57,960 --> 00:06:00,126 絶え間ない競争に晒されているのですから 117 00:06:00,140 --> 00:06:03,976 苦渋の選択を下し 118 00:06:04,000 --> 00:06:06,856 組織縮小することもあるでしょう 119 00:06:06,880 --> 00:06:11,020 マラソンに出るために 時に減量が必要なことと同じです 120 00:06:12,000 --> 00:06:13,216 でも減量だけでは 121 00:06:13,240 --> 00:06:16,080 ゴールテープを1番に切ることはできません 122 00:06:16,560 --> 00:06:17,760 勝利を掴むには 123 00:06:18,160 --> 00:06:20,220 全面的に行わなければいけないのです 124 00:06:20,880 --> 00:06:23,920 全面的にね 125 00:06:25,160 --> 00:06:27,320 つまり経費削減だけでなく 126 00:06:27,640 --> 00:06:30,176 中期で勝利を収めるための 127 00:06:30,200 --> 00:06:32,896 戦略も必要です 128 00:06:32,920 --> 00:06:34,896 成長促進のための戦略も 129 00:06:34,920 --> 00:06:38,976 企業の運営法を根本的に 変えるような行動もです 130 00:06:39,000 --> 00:06:40,536 そして極めて重要なのが 131 00:06:40,560 --> 00:06:44,940 リーダーシップや才能を 育てるための投資です 132 00:06:46,680 --> 00:06:50,456 人第一の第3の必須事項は 133 00:06:50,480 --> 00:06:53,756 社員が 変革の間やその後も 上手くやっていけるよう 134 00:06:53,756 --> 00:06:58,040 必要なものを提供することです 135 00:07:00,280 --> 00:07:03,900 ここ数年で 私はトライアスロンの大会に 何度か出場しました 136 00:07:04,280 --> 00:07:06,456 正直に言うと あまり強くないんです 137 00:07:06,480 --> 00:07:10,496 でも1つ特技があります 138 00:07:10,520 --> 00:07:14,200 自分の自転車を瞬時に発見できるんです 139 00:07:14,640 --> 00:07:16,536 (笑) 140 00:07:16,560 --> 00:07:18,376 何せ私が水泳を終える頃には 141 00:07:18,400 --> 00:07:21,006 ほぼ自転車は残ってませんからね 142 00:07:21,006 --> 00:07:22,760 (笑) 143 00:07:24,160 --> 00:07:27,310 真のトライアスロン選手は 144 00:07:27,310 --> 00:07:29,976 水泳・自転車・長距離走の種目には 145 00:07:30,000 --> 00:07:32,496 それぞれ異なる能力と 146 00:07:32,520 --> 00:07:33,736 異なる道具と 147 00:07:33,760 --> 00:07:36,416 異なる技能と技術が必要だと知っています 148 00:07:36,440 --> 00:07:38,896 同様に 組織変革においても 149 00:07:38,920 --> 00:07:41,776 各過程で必要になる技能や道具を 150 00:07:41,800 --> 00:07:45,010 社員たちに提供することを忘れてはいけません 151 00:07:46,160 --> 00:07:47,376 クロノスという 152 00:07:47,400 --> 00:07:49,376 ソフトウェアの世界的企業は 153 00:07:49,400 --> 00:07:53,910 製品としてのソフトウェア開発から脱却し 154 00:07:53,910 --> 00:07:56,026 サービスとしてのソフトウェア開発へ 155 00:07:56,040 --> 00:07:59,300 移行する必要性に気付きました 156 00:07:59,800 --> 00:08:03,016 そこで社員が その変革について来られるように 157 00:08:03,040 --> 00:08:05,736 まず投資し導入したのが 新しいツールで 158 00:08:05,760 --> 00:08:10,816 社員が 新サービスに搭載した 各機能の使用率や 159 00:08:10,840 --> 00:08:13,960 顧客満足度を追跡できる ようにしました 160 00:08:14,280 --> 00:08:17,976 また技能開発に対する投資も行いました 161 00:08:18,000 --> 00:08:20,046 社員が顧客サービス上の問題を 162 00:08:20,046 --> 00:08:22,760 その場で解決できるようにするためです 163 00:08:22,960 --> 00:08:24,626 そして重要なのは 164 00:08:24,626 --> 00:08:27,576 社内での連携強化を行ったことです 165 00:08:27,600 --> 00:08:31,640 将来 一貫して円滑な顧客体験を 提供できるようにです 166 00:08:32,679 --> 00:08:34,256 このような投資のおかげで 167 00:08:34,280 --> 00:08:37,480 クロノスの社員は 変革に押し潰されることなく 168 00:08:37,510 --> 00:08:40,209 与えられた新たな役割に 169 00:08:40,209 --> 00:08:43,000 やる気と自信を感じていました 170 00:08:44,200 --> 00:08:46,416 常時進行中の変化の時代は 171 00:08:46,440 --> 00:08:47,936 変化の絶え間ない連続です 172 00:08:47,960 --> 00:08:49,896 したがって 第4の必須事項は 173 00:08:49,920 --> 00:08:53,720 学び続ける文化を根付かせることです 174 00:08:54,800 --> 00:08:57,816 2014年2月に マイクロソフトのCEOになった 175 00:08:57,840 --> 00:08:59,776 サティア・ナデラは 176 00:08:59,800 --> 00:09:02,696 意欲的な変革の旅に乗り出しました 177 00:09:02,720 --> 00:09:06,920 モバイル、クラウド第一の世界で 闘う力をつけるためです 178 00:09:07,640 --> 00:09:09,936 変革対象は 戦略や 179 00:09:09,960 --> 00:09:11,176 組織や 180 00:09:11,200 --> 00:09:13,530 非常に重要なことに 企業文化にも及びました 181 00:09:14,280 --> 00:09:18,600 当時は 各部門が独立して動き 互いに競争するような文化でした 182 00:09:19,320 --> 00:09:21,750 学びに適した環境とは言えないものです 183 00:09:22,480 --> 00:09:24,650 ナデラはこれに立ち向かったのです 184 00:09:25,560 --> 00:09:28,976 溌剌とした学びの文化を築くという 185 00:09:29,000 --> 00:09:31,720 ビジョンを掲げて リーダーシップを発揮し 186 00:09:32,240 --> 00:09:35,116 己がその場で 最も優秀な人間であるべきという 187 00:09:35,116 --> 00:09:37,976 当時 はびこっていた考え方を捨て 188 00:09:38,000 --> 00:09:40,206 学ぶ姿勢へと変えさせました 189 00:09:40,206 --> 00:09:45,320 つまり よく聞き 学び 同僚の長所を引き出すべきとしたのです 190 00:09:46,720 --> 00:09:47,976 すると そう時を経ずして 191 00:09:48,000 --> 00:09:51,120 マイクロソフト社員は 企業文化の変化を実感し始めました 192 00:09:52,080 --> 00:09:56,000 マイクロソフトが 人を第一に 据えたという明らかな証拠です 193 00:09:56,560 --> 00:10:00,430 最後の5番目の必須事項は リーダーたちに向けたものです 194 00:10:01,200 --> 00:10:02,856 変革において 195 00:10:02,880 --> 00:10:04,900 リーダーに必要なのはビジョンと 196 00:10:05,160 --> 00:10:08,180 中間目標を含む明確なロードマップです 197 00:10:08,600 --> 00:10:13,056 さらに結果に対して社員に 責任を負わせる必要があります 198 00:10:13,080 --> 00:10:15,373 つまり 指針を示すとともに 199 00:10:16,240 --> 00:10:19,376 社員の心を掴むために 200 00:10:19,400 --> 00:10:22,230 皆を巻き込まなければならないのです 201 00:10:22,680 --> 00:10:26,830 人第一の実現には 巻き込み型のリーダーシップが不可欠です 202 00:10:27,920 --> 00:10:30,110 私はサンフランシスコの沿岸部に 住んでいますが 203 00:10:30,680 --> 00:10:31,750 現在 204 00:10:31,750 --> 00:10:34,400 我がバスケットボール・チームが リーグでトップなんです 205 00:10:34,960 --> 00:10:37,616 2015年のチャンピオンシップで優勝し 206 00:10:37,640 --> 00:10:39,880 今年も優勝が期待されています 207 00:10:40,600 --> 00:10:42,656 強さの理由は色々あり 208 00:10:42,680 --> 00:10:44,740 優秀な選手の在籍もその1つですが 209 00:10:45,120 --> 00:10:46,896 決定的な理由として挙げられるのが 210 00:10:46,920 --> 00:10:52,360 ヘッドコーチのスティーブ・カーが 巻き込み型のリーダーであることです 211 00:10:53,360 --> 00:10:55,976 彼がウォリアーズに来た2014年 212 00:10:56,000 --> 00:10:58,680 チームは大きな変革を望んでいました 213 00:10:59,480 --> 00:11:03,960 1975年以来 NBAファイナル優勝から 遠ざかっていたからです 214 00:11:05,640 --> 00:11:08,816 カーは明確なビジョンを持って着任し 215 00:11:08,840 --> 00:11:11,240 すぐに変革に着手しました 216 00:11:12,480 --> 00:11:13,816 まず始めに 217 00:11:13,840 --> 00:11:17,936 選手とスタッフに声をかけ 引き込みました 218 00:11:17,960 --> 00:11:22,240 自由に議論できる環境を作り 提案を募りました 219 00:11:23,360 --> 00:11:25,056 シーズン中に彼は よく尋ねました 220 00:11:25,080 --> 00:11:27,870 「私が見落としていることを教えてくれ」 221 00:11:28,000 --> 00:11:33,760 2015年ファイナル第4戦に 彼の姿勢がよく分かる出来事がありました 222 00:11:34,600 --> 00:11:36,960 1勝2敗の成績で臨んでいたこの試合で 223 00:11:37,880 --> 00:11:42,040 カーは先発オーダーを変える という決断をしました 224 00:11:42,600 --> 00:11:46,000 大胆としか言えない行動です 225 00:11:47,360 --> 00:11:50,740 結果 ウォリアーズは勝利し その後 チャンピオンにも輝きました 226 00:11:50,960 --> 00:11:52,396 この勝利の鍵となったのは 227 00:11:52,396 --> 00:11:55,920 カーのその決断であったと 広く評価されています 228 00:11:57,440 --> 00:12:01,520 興味深いのは 実は発案者は カーではなかった というところです 229 00:12:02,560 --> 00:12:06,730 カーの28歳のアシスタント ニック・ユーレンの案だったのです 230 00:12:07,160 --> 00:12:09,336 カーのリーダーシップの取り方のおかげで 231 00:12:09,360 --> 00:12:12,200 ユーレンは臆せずに提案できたのです 232 00:12:13,240 --> 00:12:15,566 そしてカーはそれに耳を傾けただけでなく 233 00:12:15,566 --> 00:12:16,920 それを採用し 234 00:12:17,520 --> 00:12:19,176 さらに勝利後に 235 00:12:19,200 --> 00:12:21,550 手柄をすべてユーレンに譲りました 236 00:12:22,520 --> 00:12:28,040 全ての行動は カーの 全員参加型リーダーシップによるものです 237 00:12:29,280 --> 00:12:31,936 常時進行中の変化の時代において 238 00:12:31,960 --> 00:12:35,640 組織は絶え間なく変化していきます 239 00:12:37,200 --> 00:12:40,440 しかし それにより疲弊する必要はありません 240 00:12:42,080 --> 00:12:44,256 私たちは自らのために 241 00:12:44,280 --> 00:12:46,256 組織のために 242 00:12:46,280 --> 00:12:48,290 ひいては社会のために 243 00:12:49,000 --> 00:12:52,840 変革への向き合い方を 大胆に変革するべきなのです 244 00:12:53,920 --> 00:12:55,576 そのためには 245 00:12:55,632 --> 00:12:59,132 まず 人を第一に考えることから始めましょう 246 00:12:59,850 --> 00:13:01,570 ありがとうございました 247 00:13:01,570 --> 00:13:02,759 (拍手)