1 00:00:00,000 --> 00:00:07,000 おはようございます。気分はいかがですか?素晴らしいですね、ここは 2 00:00:07,000 --> 00:00:11,000 すべてが驚嘆の連続です 3 00:00:11,000 --> 00:00:15,000 だからそろそろ帰ろうかと思って(笑) 4 00:00:15,000 --> 00:00:19,000 カンファレンスを通して、これまで私たちは 5 00:00:19,000 --> 00:00:23,000 3つのテーマを取り上げてきました 6 00:00:23,000 --> 00:00:25,000 どれも私が話したいことに関わっています 7 00:00:25,000 --> 00:00:29,000 1つ目は人間の創造性について 8 00:00:29,000 --> 00:00:32,000 ここにいるすべての人が持っている 9 00:00:32,000 --> 00:00:35,000 様々な形で表れる私たちの創造性と 10 00:00:35,000 --> 00:00:38,000 その幅の広さです。2つ目は 11 00:00:38,000 --> 00:00:41,000 創造性は未来に一体何が起こるのかを 12 00:00:41,000 --> 00:00:43,000 予測不可能にしてしまいます 13 00:00:43,000 --> 00:00:45,000 次に何が起こるかなんてさっぱりわからない 14 00:00:45,000 --> 00:00:48,000 私は教育に関心があります 15 00:00:48,000 --> 00:00:51,000 実際誰もが教育に関心があるんです 16 00:00:51,000 --> 00:00:53,000 あるでしょう?私はとっても興味がある 17 00:00:53,000 --> 00:00:56,000 例えばディナーパーティーの席で 18 00:00:56,000 --> 00:00:59,000 あなたが教育関係の仕事をしてると言ったとします 19 00:00:59,000 --> 00:01:06,000 まあ実のところ、教育関係で働いている人はあまりディナーパーティーに行ったりしません 20 00:01:06,000 --> 00:01:09,000 そんなに誘われませんよね 21 00:01:09,000 --> 00:01:14,000 まったく誘われない。どうしてでしょうね 22 00:01:14,000 --> 00:01:16,000 でも招待されて、誰かと話すとします 23 00:01:16,000 --> 00:01:18,000 「お仕事は?」と聞かれ 24 00:01:18,000 --> 00:01:20,000 「教育関連の仕事です」と答えると 25 00:01:20,000 --> 00:01:24,000 彼らの顔から血の気が引くんです。きっと心の中で 26 00:01:24,000 --> 00:01:30,000 「なんてこった!なんで私の隣に?せっかくのパーティーなのに!」なんて思ってる 27 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 でもあなたが彼らの受けた教育について聞いたら 28 00:01:32,000 --> 00:01:34,000 彼らは熱心に話し出すでしょう。教育というのは 29 00:01:34,000 --> 00:01:37,000 深い問題ですからね。そうでしょ? 30 00:01:37,000 --> 00:01:40,000 宗教やお金のことみたいに 31 00:01:40,000 --> 00:01:44,000 私は教育に非常に関心があります。私たちは皆 32 00:01:44,000 --> 00:01:46,000 教育に大きな関心があると思います 33 00:01:46,000 --> 00:01:49,000 恐らく教育というものが私たちを予測不能な未来へと 34 00:01:49,000 --> 00:01:52,000 運んで行くからでしょう 35 00:01:52,000 --> 00:01:55,000 今年小学校に入学する子供たちは 36 00:01:55,000 --> 00:02:01,000 2065年に定年を迎えますが、TEDに集まる 37 00:02:01,000 --> 00:02:04,000 あらゆる分野のエキスパートをもってしても 38 00:02:04,000 --> 00:02:06,000 5年先の世界ですらわかりません 39 00:02:06,000 --> 00:02:08,000 それでも私たちは 40 00:02:08,000 --> 00:02:11,000 未来に向かって彼らを教育していく立場にある 41 00:02:11,000 --> 00:02:13,000 予測不可能であることは大きなテーマです 42 00:02:13,000 --> 00:02:15,000 そして3つ目は 43 00:02:15,000 --> 00:02:20,000 我々みんなが納得していること 44 00:02:20,000 --> 00:02:23,000 つまり子供達が持っている潜在能力 45 00:02:23,000 --> 00:02:25,000 独創性です。夕べのシリーナは驚愕でしたね 46 00:02:25,000 --> 00:02:28,000 彼女を見ているだけで伝わってきたでしょう? 47 00:02:28,000 --> 00:02:33,000 彼女の才能は例外的なようで実はそうではない 48 00:02:33,000 --> 00:02:36,000 子供はみな例外的な力を発揮できるからです 49 00:02:36,000 --> 00:02:39,000 子供は自分の中に才能を発見すると没頭します 50 00:02:39,000 --> 00:02:41,000 子供は誰もが 51 00:02:41,000 --> 00:02:43,000 比類ない才能を持っているんです 52 00:02:43,000 --> 00:02:45,000 私たちは無情にもそれを無駄にしてしまっている 53 00:02:45,000 --> 00:02:48,000 だから私は教育について話したい 54 00:02:48,000 --> 00:02:51,000 創造性のことも話していきます 55 00:02:51,000 --> 00:02:54,000 創造性は識字能力と同じくらい教育に必要です 56 00:02:54,000 --> 00:02:58,000 創造力と識字力を同等に扱うべきなんです 57 00:02:58,000 --> 00:03:06,000 (拍手)ありがとう。私が言いたかったのはそういうことです 58 00:03:06,000 --> 00:03:10,000 どうもありがとう(笑)まだ15分も余っていますね 59 00:03:10,000 --> 00:03:17,000 私が生まれたのは…いや、違うな 60 00:03:17,000 --> 00:03:21,000 最近聞いたお気に入りの話をしましょう 61 00:03:21,000 --> 00:03:25,000 絵の教室に通う6歳の少女が 62 00:03:25,000 --> 00:03:27,000 教室の後ろの方で絵を描いていました 63 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 少女はそれまで何にも集中したことがなかった 64 00:03:29,000 --> 00:03:33,000 でもその絵の教室では違ったんです 65 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 先生は興味を惹かれて少女に 66 00:03:35,000 --> 00:03:38,000 「何を描いているの?」と聞きました 67 00:03:38,000 --> 00:03:41,000 彼女は「神様の絵を描いてるの」と言ったんです 68 00:03:41,000 --> 00:03:44,000 「神様がどんな姿をしてるか誰も知らないのよ」と先生が言うと 69 00:03:44,000 --> 00:03:51,000 少女は「もうすぐわかるわ」と答えたんです 70 00:03:51,000 --> 00:03:52,000 (笑) 71 00:03:52,000 --> 00:03:57,000 私の息子がイギリスで4歳だった頃 72 00:03:57,000 --> 00:04:00,000 正直言うと、あの頃息子はどこにいたって4歳だったんですが 73 00:04:00,000 --> 00:04:06,000 そう!あの年息子はどこに行っても4歳でした 74 00:04:06,000 --> 00:04:08,000 息子はキリスト誕生の劇をやっていたんです 75 00:04:08,000 --> 00:04:11,000 どんなストーリーか覚えてますか? 76 00:04:11,000 --> 00:04:14,000 壮大なストーリーでメル・ギブソンが続編をやりましたね 77 00:04:14,000 --> 00:04:19,000 「キリスト誕生2」見たことあります? 78 00:04:19,000 --> 00:04:22,000 息子がヨゼフ役をやるというので興奮しました 79 00:04:22,000 --> 00:04:24,000 ヨゼフは重要な役の1つだと思っていましたから 80 00:04:24,000 --> 00:04:26,000 会場を「ジェームス・ロビンソンこそヨゼフだ!」と書いた 81 00:04:26,000 --> 00:04:29,000 Tシャツを着た友人でいっぱいにしました 82 00:04:29,000 --> 00:04:31,000 息子にセリフはなかったんですが 83 00:04:31,000 --> 00:04:34,000 3人の賢者が金とフランキンセンス(乳香)とミルラ(没薬)を 84 00:04:34,000 --> 00:04:36,000 持ってくる場面はわかりますよね 85 00:04:36,000 --> 00:04:38,000 これは本当に起こったことなんですよ 86 00:04:38,000 --> 00:04:40,000 恐らく順番通りやらなかったんだと思います 87 00:04:40,000 --> 00:04:42,000 後で息子に「あれでよかったの?」 88 00:04:42,000 --> 00:04:44,000 と訊いたら「何か間違ってた?」って言うんです 89 00:04:44,000 --> 00:04:46,000 だから多分順番を入れ替えたんだと思います 90 00:04:46,000 --> 00:04:47,000 とにかくその劇で 91 00:04:47,000 --> 00:04:49,000 頭にタオルをのせた4歳の男の子たちは 92 00:04:49,000 --> 00:04:52,000 贈り物の箱を置いて、最初の少年が 93 00:04:52,000 --> 00:04:54,000 「私は金を贈ります」と言い 94 00:04:54,000 --> 00:04:57,000 2番目の子は「私はミルラを贈ります」と言い 95 00:04:57,000 --> 00:05:11,000 3番目の子が「フランク セント ディス」って言ったんです! 96 00:05:11,000 --> 00:05:13,000 子供たちはいちかばちかやってみるんですね 97 00:05:13,000 --> 00:05:16,000 何も知らなくても子供はただやってみます 98 00:05:16,000 --> 00:05:19,000 そうでしょ?間違えることを怖がらない 99 00:05:19,000 --> 00:05:24,000 間違えを犯すことと創造的であることは 100 00:05:24,000 --> 00:05:25,000 同じではありませんが 101 00:05:25,000 --> 00:05:28,000 間違えることを恐れていたら 102 00:05:28,000 --> 00:05:31,000 決して独創的なものなど思いつかない 103 00:05:31,000 --> 00:05:34,000 間違えることを許されずに育った 104 00:05:34,000 --> 00:05:36,000 子供は本来の才能を失ってしまう 105 00:05:36,000 --> 00:05:39,000 間違えることを恐れるんです 106 00:05:39,000 --> 00:05:41,000 会社はこうやって経営されてますね 107 00:05:41,000 --> 00:05:44,000 過ちを犯すことを非難する 108 00:05:44,000 --> 00:05:47,000 私たちが作った国家教育システムでは 109 00:05:47,000 --> 00:05:50,000 失敗は最悪だと教えます 110 00:05:50,000 --> 00:05:53,000 教育が人間本来の創造性を殺してしまっている 111 00:05:53,000 --> 00:05:56,000 ピカソはかつてこう言いました 112 00:05:56,000 --> 00:05:59,000 「子供はみな生まれながらのアーティストだ」 113 00:05:59,000 --> 00:06:03,000 問題は成長しながらどうやってアーティストたり続けるか 114 00:06:03,000 --> 00:06:05,000 我々は創造性を育てるどころか見失い 115 00:06:05,000 --> 00:06:08,000 創造性の欠落した教育を受けている 116 00:06:08,000 --> 00:06:10,000 一体どうしてなのでしょうか? 117 00:06:10,000 --> 00:06:14,000 私は5年前までストラットフォードオンエーボンに住んでいました 118 00:06:14,000 --> 00:06:16,000 ストラットフォードからロサンジェルスに引っ越したんです 119 00:06:16,000 --> 00:06:20,000 どんなにスムーズな変化だったか想像できますよね! 120 00:06:20,000 --> 00:06:22,000 ちゃんと言うと 121 00:06:22,000 --> 00:06:24,000 スニッターフィールドという所に住んでいました 122 00:06:24,000 --> 00:06:26,000 ストラットフォードの郊外で 123 00:06:26,000 --> 00:06:31,000 シェークスピアの父親の出生地です。驚きませんか? 124 00:06:31,000 --> 00:06:33,000 シェークスピアに父親がいたなんて考えたことなかったでしょ? 125 00:06:33,000 --> 00:06:35,000 あります? 126 00:06:35,000 --> 00:06:37,000 シェークスピアも子供だったなんて 127 00:06:37,000 --> 00:06:40,000 7歳のシェークスピアなんて考えてもみなかった 128 00:06:40,000 --> 00:06:42,000 でも彼にも7歳の頃があって 129 00:06:42,000 --> 00:06:51,000 誰かの英語の授業を受けてたんです。なんてうっとおしいんでしょう! 130 00:06:51,000 --> 00:07:05,000 「もっと努力しなさい」 131 00:07:05,000 --> 00:07:08,000 「寝なさい!今すぐです!」ってシェークスピアに言うんですよ 132 00:07:08,000 --> 00:07:10,000 ウィリアム・シェークスピアに言うんです「鉛筆を置きなさい!」 133 00:07:10,000 --> 00:07:18,000 「そんな話し方するんじゃありません。みんな混乱するんですから」 134 00:07:18,000 --> 00:07:23,000 (笑) 135 00:07:23,000 --> 00:07:26,000 まあとにかく、私たちはストラットフォードからロスに引っ越しました 136 00:07:26,000 --> 00:07:30,000 実はこのことで言いたいことがあります 137 00:07:30,000 --> 00:07:33,000 息子はロスは好きでしたが引っ越しはイヤだった 138 00:07:33,000 --> 00:07:36,000 私の子供は息子が21、娘が16になります 139 00:07:36,000 --> 00:07:38,000 イギリスにいるサラという恋人が彼のすべて 140 00:07:38,000 --> 00:07:43,000 だから息子はロスに来たくなかったんです 141 00:07:43,000 --> 00:07:45,000 知り合って1ヶ月でした 142 00:07:45,000 --> 00:07:48,000 でもすでに4回目の記念日を迎えていました 143 00:07:48,000 --> 00:07:52,000 16歳には時間がたっぷりありますからね 144 00:07:52,000 --> 00:07:54,000 息子は不機嫌極まりなく 145 00:07:54,000 --> 00:07:56,000 「サラみたいな子は他にいない!」と言っていました 146 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 でも私たちはそれを聞いて喜んでいました 147 00:07:58,000 --> 00:08:10,000 イギリスを離れた1番の理由がサラだったんですから 148 00:08:10,000 --> 00:08:13,000 (笑) 149 00:08:13,000 --> 00:08:16,000 世界中を渡り歩いていると 150 00:08:16,000 --> 00:08:18,000 1つ驚愕することがあります 151 00:08:18,000 --> 00:08:22,000 地球上どこの教育制度も科目の優劣がある 152 00:08:22,000 --> 00:08:24,000 すべてです。どこに行こうと大差ない 153 00:08:24,000 --> 00:08:26,000 他の制度があるだろうって思うでしょ?でも、ない 154 00:08:26,000 --> 00:08:29,000 みんな同じ。数学と語学がトップで 155 00:08:29,000 --> 00:08:31,000 次が人文系。一番評価されてないのは芸術系 156 00:08:31,000 --> 00:08:33,000 地球上どっこにいっても! 157 00:08:33,000 --> 00:08:36,000 そして大概どの教育制度でも 158 00:08:36,000 --> 00:08:38,000 芸術科目の中でまた順位があります 159 00:08:38,000 --> 00:08:40,000 美術と音楽は演劇やダンスより上です 160 00:08:40,000 --> 00:08:43,000 数学みたいにダンスを毎日教える 161 00:08:43,000 --> 00:08:45,000 教育制度はありません 162 00:08:45,000 --> 00:08:48,000 どうしてでしょうか? 163 00:08:48,000 --> 00:08:50,000 私はダンスは非常に重要だと考えています 164 00:08:50,000 --> 00:08:53,000 数学もダンスも同じくらい大事です 165 00:08:53,000 --> 00:08:56,000 子供というのは1日中でも踊っています。みんなそうです 166 00:08:56,000 --> 00:08:59,000 私たちはみんな体を持ってますよね。あれ、ミーティングに行きそびれたかな? 167 00:08:59,000 --> 00:09:03,000 私たちは子供が成長するにつれて 168 00:09:03,000 --> 00:09:05,000 腰から上へとだんだんと教育し 169 00:09:05,000 --> 00:09:08,000 最後は頭にフォーカスする 170 00:09:08,000 --> 00:09:10,000 それも脳の片側だけ 171 00:09:10,000 --> 00:09:14,000 もしエイリアンが教育現場にやってきたら 172 00:09:14,000 --> 00:09:17,000 「公教育って何のためにあるの?」と不思議に思うでしょう 173 00:09:17,000 --> 00:09:19,000 現在の教育がもたらす結果を見たら 174 00:09:19,000 --> 00:09:21,000 誰が本当に恩恵を受けて 175 00:09:21,000 --> 00:09:23,000 誰がやる事をやっていて 176 00:09:23,000 --> 00:09:26,000 誰が一番おいしいところを持っていく勝者か考えたら 177 00:09:26,000 --> 00:09:29,000 公教育の目的は 178 00:09:29,000 --> 00:09:30,000 世界中において 179 00:09:30,000 --> 00:09:34,000 大学教授を生み出すことだと言わざるを得ないでしょう 180 00:09:34,000 --> 00:09:36,000 彼らが世の中のトップにいる 181 00:09:37,000 --> 00:09:40,000 私も昔そうだった。すごいでしょ 182 00:09:40,000 --> 00:09:44,000 大学教授は好きですから。でもね、みなさん 183 00:09:44,000 --> 00:09:48,000 大学教授だけが人間の最高峰ではないんです 184 00:09:48,000 --> 00:09:50,000 大学教授は単に1つの生き方に過ぎない 185 00:09:50,000 --> 00:09:52,000 彼らはとても好奇心旺盛ですけどね 186 00:09:52,000 --> 00:09:54,000 大学教授に対する愛情から言ってるんですよ 187 00:09:54,000 --> 00:09:57,000 教授というのはとっても興味深い生き物だ 188 00:09:57,000 --> 00:10:00,000 大概、教授というのは頭の中で生きてる 189 00:10:00,000 --> 00:10:02,000 それも頭の片方に偏ってる 190 00:10:02,000 --> 00:10:06,000 言葉通り、なんだか現実離れしてる人たちです 191 00:10:06,000 --> 00:10:08,000 彼らは自分たちの体を 192 00:10:08,000 --> 00:10:17,000 頭を運ぶための乗り物としか見ていませんよね? 193 00:10:17,000 --> 00:10:24,000 体は教授を会議に連れてくための乗り物です 194 00:10:24,000 --> 00:10:27,000 もし本当の幽体離脱体験の証拠が欲しければ 195 00:10:27,000 --> 00:10:30,000 教授の重鎮が集まるような 196 00:10:30,000 --> 00:10:32,000 数日間の学会に行ってみるといい 197 00:10:32,000 --> 00:10:35,000 最終日の夜にはディスコに行って 198 00:10:35,000 --> 00:10:39,000 ビートなんか無視してめちゃくちゃに体をくねらせながら 199 00:10:39,000 --> 00:10:43,000 「早く家に帰って今夜のことを論文に書こう」 200 00:10:43,000 --> 00:10:47,000 なんて考えてるいい年した男女を見れますから 201 00:10:47,000 --> 00:10:53,000 今の教育制度は学者を育てるために作られています 202 00:10:53,000 --> 00:10:56,000 そこには理由があるんです 203 00:10:56,000 --> 00:10:58,000 制度全体が作り上げられた19世紀以前に 204 00:10:58,000 --> 00:11:00,000 世界中どこにも公教育なんてなく 205 00:11:00,000 --> 00:11:03,000 教育制度は産業主義社会のニーズから 206 00:11:03,000 --> 00:11:04,000 生まれました 207 00:11:04,000 --> 00:11:07,000 科目の優劣は2つのことから決められました 208 00:11:07,000 --> 00:11:11,000 1つは働くために有用な科目が最優先ということ 209 00:11:11,000 --> 00:11:13,000 私たちが小学生の頃習ったことや好きなこと 210 00:11:13,000 --> 00:11:15,000 砂場遊びとか仕事に使えないことは 211 00:11:15,000 --> 00:11:17,000 おそらく敬遠されたでしょう 212 00:11:17,000 --> 00:11:20,000 砂遊びでは会社で雇ってもらえませんから 213 00:11:20,000 --> 00:11:22,000 音楽なんてダメだ!音楽家になるわけじゃないんだから 214 00:11:22,000 --> 00:11:24,000 アートなんてするな。アーティストになんてならないんだから 215 00:11:25,000 --> 00:11:29,000 心優しいアドバイス。でもまったくもって間違っています 216 00:11:29,000 --> 00:11:30,000 世界は今、変革の時にある 217 00:11:30,000 --> 00:11:33,000 2つ目は学力。学校の成績だけが 218 00:11:33,000 --> 00:11:34,000 いまや知性だと思われている 219 00:11:34,000 --> 00:11:37,000 大学側のイメージだけで教育制度を作ったからです 220 00:11:37,000 --> 00:11:39,000 世界中に広がる今の学校教育が 221 00:11:39,000 --> 00:11:41,000 大学に入るために敷かれた 222 00:11:41,000 --> 00:11:43,000 長い道のりなんです 223 00:11:43,000 --> 00:11:46,000 その結果、無数の天才的で創造性溢れる 224 00:11:46,000 --> 00:11:48,000 人たちが「自分は才能がない」と感じています 225 00:11:48,000 --> 00:11:50,000 学校は彼らの才能を評価しないどころか 226 00:11:50,000 --> 00:11:54,000 ダメだと烙印を押してしまうから 227 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 しかし、そんなことをしている余裕はない 228 00:11:56,000 --> 00:11:58,000 これから30年間、ユネスコによると 229 00:11:58,000 --> 00:12:01,000 歴史始まって以来の多くの人間が世界中で 230 00:12:01,000 --> 00:12:03,000 こういった教育を受けて社会に出て行くんです 231 00:12:03,000 --> 00:12:05,000 今よりもっと大勢の人がです。それと 232 00:12:05,000 --> 00:12:07,000 今まで話し合ってきたこと全部の組み合わせです 233 00:12:07,000 --> 00:12:10,000 テクノロジーとその進歩が労働環境や 234 00:12:10,000 --> 00:12:12,000 人口の増大に大きな影響を与えます 235 00:12:12,000 --> 00:12:15,000 突然、大学の学位がまるで意味をなさなくなった 236 00:12:15,000 --> 00:12:19,000 私が学生の頃は大学を卒業していれば仕事が見つかりました 237 00:12:19,000 --> 00:12:22,000 仕事がない人っていうのは自らそれを選んだ人でした 238 00:12:22,000 --> 00:12:25,000 正直、私は仕事なんてしたくなかった 239 00:12:25,000 --> 00:12:30,000 でも現在、大学を卒業した子供達は 240 00:12:30,000 --> 00:12:31,000 ビデオゲームをするために家へ帰るんです 241 00:12:31,000 --> 00:12:34,000 今や学士ではなく修士、時には博士号が 242 00:12:34,000 --> 00:12:37,000 必要になってきたからです 243 00:12:37,000 --> 00:12:39,000 大学教育のインフレが起こっているんです 244 00:12:39,000 --> 00:12:41,000 根底から教育制度が変わりつつあります 245 00:12:41,000 --> 00:12:43,000 抜本的に知性の意味を考え直す 246 00:12:43,000 --> 00:12:44,000 必要がある 247 00:12:44,000 --> 00:12:46,000 知性について3つのことがわかっています 248 00:12:46,000 --> 00:12:49,000 1つは多様であること。我々はこの世界を 249 00:12:49,000 --> 00:12:51,000 あらゆる視点から捉えます。視覚的だったり 250 00:12:51,000 --> 00:12:54,000 聴覚からであったり、感触からであったり 251 00:12:54,000 --> 00:12:57,000 抽象的な捉え方もしますし、動きながらだったり 252 00:12:57,000 --> 00:12:59,000 次に、知性とはダイナミックです 253 00:12:59,000 --> 00:13:02,000 人間の脳の働きを考えてみましょう 254 00:13:02,000 --> 00:13:05,000 昨日のプレゼンテーションからわかったように 255 00:13:05,000 --> 00:13:07,000 知性とは素晴らしくインタラクティブです 256 00:13:07,000 --> 00:13:10,000 脳はいくつもの部分に区切られているわけではありません 257 00:13:10,000 --> 00:13:13,000 創造性とは、独創的で価値あるアイディアを 258 00:13:13,000 --> 00:13:15,000 構築するプロセスのことだと思います 259 00:13:15,000 --> 00:13:18,000 創造力は様々な分野や価値観の 260 00:13:18,000 --> 00:13:21,000 相互作用によって生まれます 261 00:13:21,000 --> 00:13:23,000 ところで、脳には 262 00:13:23,000 --> 00:13:26,000 右脳と左脳に繋がる複数の神経を束ねる軸があります 263 00:13:26,000 --> 00:13:28,000 脳梁と呼ばれる部分で女性の方が太いんです 264 00:13:28,000 --> 00:13:30,000 昨日のヘレンの話もそうでしたが 265 00:13:30,000 --> 00:13:34,000 女性の方がマルチタスクなのはこのせいかもしれないですね 266 00:13:34,000 --> 00:13:36,000 ここにいる女性方もそうでしょ? 267 00:13:36,000 --> 00:13:39,000 多くの研究結果がありますが個人的な経験からもわかります 268 00:13:39,000 --> 00:13:41,000 もし妻が家で食事の支度をしていたら 269 00:13:41,000 --> 00:13:45,000 実際そんなにやってくれないんですけどね、ありがたいことに 270 00:13:45,000 --> 00:13:48,000 妻は他に得意なことがありますから! 271 00:13:48,000 --> 00:13:50,000 でもまあ、料理をしていたとしましょう 272 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 彼女は同時に電話で誰かと話したりします 273 00:13:52,000 --> 00:13:55,000 子供と話したり、天井の色を塗り替えたり 274 00:13:55,000 --> 00:13:58,000 心臓を開けて手術をしたりね 275 00:13:58,000 --> 00:14:01,000 私が料理をする時はドアを閉め、子供たちはどこかに行き 276 00:14:01,000 --> 00:14:04,000 電話などしません。妻が途中で入って来たらイラっとします 277 00:14:04,000 --> 00:14:17,000 「テリー、卵を焼こうとしてるんだからちょっと放っておいてくれよ」って言います 278 00:14:17,000 --> 00:14:19,000 みなさんも古い哲学の問いを知ってるでしょう 279 00:14:19,000 --> 00:14:22,000 「森で1本の木が倒れ、誰もその音を聞かなかったら」 280 00:14:22,000 --> 00:14:25,000 「それは本当に起こったことなのか?」 281 00:14:25,000 --> 00:14:28,000 最近面白いTシャツを見ました「男が森の中で」 282 00:14:28,000 --> 00:14:31,000 「好き放題言うのを聞いていた女性はいなかった」 283 00:14:31,000 --> 00:14:40,000 「彼はそれでも間違ってるのか?」って書いてあったんです 284 00:14:40,000 --> 00:14:42,000 3つ目に知性とは比類ないものです 285 00:14:43,000 --> 00:14:45,000 今『エピファニー』という新しい本を執筆中です 286 00:14:45,000 --> 00:14:47,000 いかに人間は自分の才能とめぐり会うか 287 00:14:47,000 --> 00:14:49,000 その過程について色々な人に 288 00:14:49,000 --> 00:14:51,000 インタビューしました 289 00:14:51,000 --> 00:14:54,000 この本を書くきっかけを与えてくれたのは 290 00:14:54,000 --> 00:14:56,000 恐らく皆さんが知らないある女性です 291 00:14:56,000 --> 00:14:58,000 ジリアン・リンといいます 292 00:14:58,000 --> 00:15:00,000 何人か知っているみたいですね。彼女は振り付け師です 293 00:15:00,000 --> 00:15:02,000 彼女の作品は誰もが知っています 294 00:15:02,000 --> 00:15:04,000 「キャッツ」や「オペラ座の怪人」です 295 00:15:04,000 --> 00:15:08,000 彼女は素晴らしい。私は昔、英国ロイヤルバレーの役員でした 296 00:15:08,000 --> 00:15:10,000 見ればわかるでしょ! 297 00:15:10,000 --> 00:15:12,000 ジリアンとランチをした時尋ねたんです 298 00:15:12,000 --> 00:15:14,000 「どうやってダンサーになったの?」 299 00:15:14,000 --> 00:15:16,000 彼女の答えは興味深かった。ジリアンは小学生の頃 300 00:15:16,000 --> 00:15:19,000 まったくもって絶望的でした。1930年代のことです 301 00:15:19,000 --> 00:15:21,000 学校は彼女の両親に 302 00:15:21,000 --> 00:15:23,000 ジリアンには学習障害があると伝えたんです 303 00:15:23,000 --> 00:15:25,000 集中力がなくいつもそわそわしていた 304 00:15:25,000 --> 00:15:29,000 今だったらADHDと言われているんでしょうが1930年代は 305 00:15:29,000 --> 00:15:32,000 ADHDなんて概念はありませんでしたから 306 00:15:32,000 --> 00:15:35,000 そう判断することはできなかったですよね 307 00:15:35,000 --> 00:15:39,000 当時の人はADHDなんて知る由もなかった 308 00:15:39,000 --> 00:15:43,000 とにかくジリアンは専門家に相談に行きました 309 00:15:43,000 --> 00:15:46,000 重厚な壁に囲まれた部屋で 310 00:15:46,000 --> 00:15:49,000 部屋の隅にある椅子に座るよう言われ 311 00:15:49,000 --> 00:15:51,000 20分も何もせずに座っている横で 312 00:15:51,000 --> 00:15:53,000 専門家は母親に向かって 313 00:15:53,000 --> 00:15:57,000 ジリアンの学校での問題について話していたそうです 314 00:15:57,000 --> 00:15:59,000 ジリアンはいつも遅れて宿題を出したり 315 00:15:59,000 --> 00:16:01,000 他の生徒の学習に支障をきたすと 316 00:16:01,000 --> 00:16:04,000 最終的に医者がジリアンの所に来て言いました 317 00:16:04,000 --> 00:16:06,000 「ジリアン」 318 00:16:06,000 --> 00:16:08,000 「君のお母さんの話をいろいろ聞いて」 319 00:16:08,000 --> 00:16:10,000 「お母さんと2人で少しお話がしたいんだ」 320 00:16:10,000 --> 00:16:13,000 「少しここで待ってて」 321 00:16:13,000 --> 00:16:15,000 ジリアンを1人残し 322 00:16:15,000 --> 00:16:17,000 医者と母親は部屋を出て行きました 323 00:16:17,000 --> 00:16:19,000 その際に医者はラジオのスイッチを入れました 324 00:16:19,000 --> 00:16:21,000 そして部屋の外で母親に 325 00:16:21,000 --> 00:16:24,000 「ここでジリアンを見ていて下さい」と伝えました 326 00:16:24,000 --> 00:16:28,000 するとジリアンは元気そうに、音楽に合わせて動き始めました 327 00:16:28,000 --> 00:16:30,000 母親と医者はそんなジリアンを見守りました 328 00:16:30,000 --> 00:16:33,000 そして医者は母親に言ったんです 329 00:16:33,000 --> 00:16:37,000 「お母さん、ジリアンは病気なんかじゃありません。ダンサーですよ」 330 00:16:37,000 --> 00:16:39,000 「ダンススクールに通わせてあげなさい」 331 00:16:39,000 --> 00:16:41,000 私はその後を尋ねると 332 00:16:41,000 --> 00:16:44,000 「行かせてくれたわ。どんなに楽しかったか言葉じゃ表せない!」 333 00:16:44,000 --> 00:16:46,000 「ダンススクールには私みたいな子ばかりいた」 334 00:16:46,000 --> 00:16:49,000 「みんなじっとしてられないの」 335 00:16:49,000 --> 00:16:52,000 「考えるのにまず体を使わなくちゃいけない」 336 00:16:52,000 --> 00:16:54,000 彼女はバレーやタップやジャズダンスを習いました 337 00:16:54,000 --> 00:16:56,000 モダンやコンテンポラリーダンスもやりました 338 00:16:56,000 --> 00:16:59,000 ジリアンはやがてロイヤルバレー学校の 339 00:16:59,000 --> 00:17:01,000 オーディションに受かってソリストになり 340 00:17:01,000 --> 00:17:03,000 見事なキャリアを築きました 341 00:17:03,000 --> 00:17:05,000 それからロイヤルバレーを卒業して 342 00:17:05,000 --> 00:17:08,000 ジリアン・リン・ダンスカンパニーを設立しました 343 00:17:08,000 --> 00:17:11,000 その後アンドリュー・ロイド・ウィーバーと出会い 344 00:17:11,000 --> 00:17:13,000 ジリアンは歴史上もっとも偉大なミュージカルを手がけます 345 00:17:13,000 --> 00:17:18,000 何百万人もの人に感動と喜びを与え 346 00:17:18,000 --> 00:17:21,000 経済的にも大成功しました 347 00:17:21,000 --> 00:17:25,000 あの医者じゃなければ彼女を薬漬けにして 348 00:17:25,000 --> 00:17:27,000 おとなしくするように言っていたかもしれません 349 00:17:27,000 --> 00:17:30,000 さて、私はこんなことを考えています 350 00:17:30,000 --> 00:17:32,000 アル・ゴアがレイチェル・カーソンに感銘を受けて 351 00:17:32,000 --> 00:17:35,000 エコロジーと革命についての話をしましたね 352 00:17:35,000 --> 00:17:39,000 私は、我々の未来への唯一の希望は 353 00:17:39,000 --> 00:17:42,000 人類生態学という新しい概念を取り入れることだと思います 354 00:17:42,000 --> 00:17:46,000 人類生態学とは、人間は豊かな可能性を持っているという 355 00:17:46,000 --> 00:17:48,000 新しい考え方を築き上げる学問です 356 00:17:48,000 --> 00:17:52,000 これまでの教育は、地表を削いで石炭を直接取り出すように 357 00:17:52,000 --> 00:17:54,000 私たちから特定の物だけを発掘してきました 358 00:17:54,000 --> 00:17:57,000 でも将来それはもう役立ちません 359 00:17:57,000 --> 00:18:00,000 私たちは次世代の人間を教育するための 360 00:18:00,000 --> 00:18:02,000 根本的な理念を再考しなければならない 361 00:18:02,000 --> 00:18:06,000 ジョナス・サークの素晴らしい引用があります 362 00:18:06,000 --> 00:18:09,000 「仮にすべての昆虫が地球から消え去ったら」 363 00:18:09,000 --> 00:18:12,000 「その後50年の間にあらゆる生きものが消滅するだろう」 364 00:18:12,000 --> 00:18:15,000 「もし地球上から人類が消え去ったら」 365 00:18:15,000 --> 00:18:19,000 「50年後にはあらゆる生命が豊かに栄えるだろう」 366 00:18:19,000 --> 00:18:21,000 その通りだと思います 367 00:18:21,000 --> 00:18:24,000 TEDが称賛するのは人間の持つイマジネーションという宝物です 368 00:18:24,000 --> 00:18:28,000 いかにこの天賦を賢く活用するか考えなくてはなりません 369 00:18:28,000 --> 00:18:31,000 想定されたシナリオを回避するために 370 00:18:31,000 --> 00:18:34,000 私たちに残された唯一の方法は 371 00:18:35,000 --> 00:18:38,000 人間の限りない創造性が 372 00:18:38,000 --> 00:18:40,000 私たちの生を豊かにすることを知り 373 00:18:40,000 --> 00:18:43,000 子供たちが未来の希望であると認識することです 374 00:18:43,000 --> 00:18:46,000 子供をあるがままに育てなくてはいけません 375 00:18:46,000 --> 00:18:49,000 私たちが未来を見ることはないかもしれませんが 376 00:18:49,000 --> 00:18:52,000 子供は未来を生きていくのです。私たちの役割は 377 00:18:52,000 --> 00:18:54,000 子供たちが未来を創る支えとなることです。どうもありがとう