0:00:19.853,0:00:23.119
昔 私は数学者になりたかったのですが

0:00:23.119,0:00:24.474
うまく行きませんでした

0:00:24.474,0:00:28.701
私は奇妙な空間や[br]平面について勉強していて

0:00:29.041,0:00:30.945
「高反射空間」という用語は

0:00:30.945,0:00:33.861
殆どの方にとっては[br]何の意味も持たないでしょうが

0:00:33.861,0:00:36.780
私が覚えている例は 球体で

0:00:36.780,0:00:40.811
その中を真っ直ぐ突っ切って[br]向こう側に辿り着く距離と

0:00:40.811,0:00:45.274
向こう側まで外側を辿った距離が[br]全く同じなのです

0:00:45.274,0:00:46.754
（笑）

0:00:46.754,0:00:49.767
これは明らかに不可能です[br]地球上ではこれは実現しません

0:00:50.605,0:00:52.964
でも数学ではこうした事は可能です

0:00:53.224,0:00:56.262
素晴らしいのは [br]一旦それを考え始め

0:00:56.262,0:00:59.250
昼も夜も延々と[br]考え続けると—

0:00:59.250,0:01:01.056
いずれその解が見つかることです

0:01:01.136,0:01:03.623
思考がこうした事を[br]可能にするのです

0:01:03.623,0:01:07.264
そしてそうした事柄が[br]実現する空間が見えると

0:01:07.924,0:01:12.114
それからは先は簡単です

0:01:12.784,0:01:17.095
現実世界にもそういうものが[br]あるかも知れません

0:01:17.205,0:01:21.503
せっかくですから[br]それを見つけてみましょうか

0:01:21.811,0:01:24.708
さて ユートピア的思想は[br]これに少し似ています

0:01:24.748,0:01:26.798
それが私が大いに気に入っている[br]理由かもしれません

0:01:26.928,0:01:33.017
ユートピア的思想は[br]私たちに現状から離れて

0:01:33.017,0:01:34.705
想像力に挑む新規性を持ち

0:01:34.935,0:01:39.498
「もし何々が可能だったら？」[br]と想像させ

0:01:39.661,0:01:42.056
それを試してみよう[br]と探索を促します

0:01:42.219,0:01:44.648
私自身考えもしませんでしたが

0:01:44.648,0:01:46.431
何年も何年も後に

0:01:46.431,0:01:50.115
数学の試行錯誤をした30年後

0:01:50.475,0:01:54.250
ビジョナリー思考や[br]ユートピア的ビジョン—

0:01:54.250,0:01:58.756
正にこうしたことを毎日[br]私は欧州委員会で扱っています

0:01:58.846,0:02:01.987
真新しいアイデアやラディカルな研究

0:02:01.987,0:02:04.727
あなたが椅子から転げ落ちるような[br]「驚きのファクター」

0:02:04.727,0:02:06.989
それが私の研究活動の[br]日々の糧となっています

0:02:06.989,0:02:09.509
いや 私の研究というより[br]私の欧州委員会での仕事のです

0:02:09.509,0:02:13.928
自分でもこれについて[br]研究しましたが それはまた別の話です

0:02:13.928,0:02:17.855
さて 欧州委員会で

0:02:17.855,0:02:21.454
FET（未来技術）プログラムが出来て

0:02:21.454,0:02:24.024
そこで働いて10〜12年になりますが

0:02:25.574,0:02:29.794
クレイジーなアイデアの研究企画書が

0:02:29.794,0:02:32.594
平均して１日に２〜３件届きます

0:02:33.054,0:02:39.354
10年間で そんな応募を[br]数千件は見て来ました

0:02:39.504,0:02:43.116
数千のクレイジーなアイデアなんて[br]想像できます？

0:02:43.235,0:02:46.270
全てがクレイジーという訳ではなく[br]同じように革新的だったり

0:02:46.270,0:02:48.190
現実的でもありませんが

0:02:48.190,0:02:51.987
「ワオ！」と驚いてしまうような[br]そんなアイデアたちです

0:02:52.257,0:02:55.266
個人の名前は出しませんが

0:02:55.306,0:02:58.858
それらが印象に残るのは[br]ある共通項です

0:02:58.904,0:03:05.498
それぞれの提案企画書から[br]立ち上がって来る共通の構想です

0:03:06.796,0:03:11.104
５百年前 誰もが知っている

0:03:12.024,0:03:13.484
「ユートピア」が書かれました

0:03:13.914,0:03:16.470
トマス・モアがこれを著した時代には

0:03:17.410,0:03:20.030
テクノロジーはあまり[br]存在していませんでしたが

0:03:20.080,0:03:24.420
この本を見て 今朝私が受け取ったものを[br]思い出しました　多分―

0:03:24.547,0:03:28.789
やっぱり

0:03:29.299,0:03:34.535
トマス・モアは私のプログラムへ[br]「ユートピア」を企画書として送って来ました

0:03:35.112,0:03:38.545
彼は研究資金を必要としています[br]我々は出資するでしょうか？

0:03:38.565,0:03:40.359
どれ 見てみましょう

0:03:41.249,0:03:43.141
いやいやこれは怪しいぞ

0:03:43.751,0:03:46.713
成果物も実施タイムラインも[br]書いていない

0:03:47.623,0:03:49.582
必要になる資源リストも[br]無いじゃないか

0:03:49.693,0:03:50.833
（笑）

0:03:50.833,0:03:54.011
３カ国間の—共同研究かな？

0:03:54.011,0:03:57.953
３番目の協力国の名前が[br]「ユートピア？」

0:03:57.953,0:04:01.346
データベースには見当たらないので[br]多分存在しないんだろう

0:04:01.346,0:04:03.633
これはインチキだ 本物なわけがない

0:04:03.633,0:04:06.710
こんな事に出資するなんて馬鹿げてる

0:04:07.268,0:04:09.485
もちろん これはシニカルな回答ですよ

0:04:09.485,0:04:12.831
こんなシニカルなやり方が[br]実際私たちの仕事のやり方かなのも

0:04:12.991,0:04:17.514
でももし質問が[br]「こういう事に資金を提供すべきか」或いは

0:04:17.724,0:04:19.476
「実際提供しているか？」だったら

0:04:19.476,0:04:21.682
そうしたら私は必ず[br]「イエス」と答えるでしょう

0:04:21.682,0:04:25.171
私たちのプロジェクトで[br]頻繁に行われる

0:04:25.171,0:04:27.914
こまごました技術的側面にこだわった[br]イノベーションより

0:04:27.914,0:04:31.181
もっとユートピア的思索に[br]注目すべきです

0:04:32.731,0:04:35.239
こうしたビジョンをもっと[br]発掘するというのが

0:04:35.239,0:04:37.989
私と同僚たちが

0:04:37.989,0:04:40.537
やっている仕事なんです

0:04:40.537,0:04:42.837
これは非常に重要です

0:04:42.837,0:04:46.657
こんにち 今まで以上に

0:04:46.657,0:04:50.454
私たちには社会の現状に[br]代わり得る可能性が必要です

0:04:50.664,0:04:53.726
それが無ければ 私たちには[br]ポピュリスト的選択をしがちで

0:04:53.726,0:04:56.764
ほんの少しの選択肢しか[br]想像が許されず

0:04:56.764,0:05:00.026
若者たちに新たな方向を開拓するように[br]刺激を与えることもできません

0:05:00.026,0:05:02.861
そういう訳でこれは非常に重要です

0:05:03.421,0:05:06.122
もちろんモアが[br]「ユートピア」を書いたとき

0:05:06.122,0:05:09.000
テクノロジー的なものは[br]まだありませんでしたから

0:05:09.000,0:05:11.953
彼はその時代に存在したものを[br]用いて表現しました

0:05:11.953,0:05:16.883
それらは法律や政府機関[br]社会的慣習などでした

0:05:16.883,0:05:20.001
そうして彼はユートピアを[br]そうした概念を用いて表現しました

0:05:20.401,0:05:24.287
こんにち 我々の世界には[br]量産技術があり

0:05:24.287,0:05:29.265
それが我々の社会を[br]ほぼ形造っていますから

0:05:29.355,0:05:32.842
この現実を完全に取り入れ

0:05:32.842,0:05:36.027
モアが用いたツールを使いながらも

0:05:36.027,0:05:40.712
社会を形成する力としての[br]テクノロジーを考慮に入れて

0:05:40.712,0:05:45.833
全く新しいユートピア的な社会の[br]ビジョンを作らなければなりません

0:05:45.833,0:05:47.041
今までもそうなってきました

0:05:47.041,0:05:51.288
まず この民主主義は印刷技術[br]無くしては機能していません

0:05:51.288,0:05:55.479
高速コミュニケーション技術や[br]移動手段 そうしたものも必要です

0:05:55.479,0:05:58.627
そして技術が変化すると[br]社会も変化します

0:05:58.627,0:06:00.601
続いて政策が変化します

0:06:00.601,0:06:03.567
少なくとも今は 政策はいつも[br]状況に遅れを取り変化します

0:06:03.567,0:06:07.650
世界がどうなるだろうかと[br]予見する思考が欠けているからです

0:06:07.650,0:06:13.509
ゆえに ユートピアについて考えることは[br]建設的でプロアクティブな手法であり

0:06:13.509,0:06:16.256
私たちにとって非常に大切なのです

0:06:16.256,0:06:19.974
さて ユートピアとテクノロジーの[br]繋がりは何も新しいものではなく

0:06:19.974,0:06:22.103
数多くの例が存在します

0:06:23.013,0:06:27.174
私の関わっているプログラムでは[br]ここに焦点を当てています

0:06:27.174,0:06:30.608
これら技術に着想を得たユートピア的[br]ビジョンはディストピア的になりがちで

0:06:30.608,0:06:35.123
ジョージ・オーウェルの描く[br]「ビッグ・ブラザー」はよく知られた例です

0:06:35.123,0:06:38.142
トマス・モアも喜んで[br]彼のユートピア像にぴったりな

0:06:38.142,0:06:42.339
「ビッグ・ブラザー」的ビジョンを[br]取り入れたことでしょう

0:06:42.339,0:06:46.357
しかしそのようなビジョンは[br]彼の時代にはありませんでした

0:06:46.357,0:06:49.307
さてどういうことでしょう？

0:06:49.307,0:06:52.674
工業的機械の時代は[br]もうはるか過去のもので

0:06:52.674,0:06:56.862
私たちは今 より洗練された機械の中に[br]住んでいてその最高の例は

0:06:56.862,0:06:58.557
もちろん コンピューターです

0:06:59.017,0:07:02.523
私たちに送られて来る[br]多くのアイデアは

0:07:03.522,0:07:07.730
何通りかのバリエーションを持つ[br]ある前提を共有しています

0:07:07.730,0:07:09.278
これは非常に重要です

0:07:10.534,0:07:16.744
テレコム・イタリアの新聞広告に[br]「世界をリセットするボタン」が

0:07:16.744,0:07:19.483
ありますが

0:07:19.483,0:07:20.883
これを見て思ったんです

0:07:20.883,0:07:24.739
その広告の前提は [br]「世界はコンピューターみたいなものだ」と

0:07:24.739,0:07:29.584
ボタンを押してパソコンのように[br]リセットできるのだから

0:07:29.875,0:07:32.692
世界はコンピューターである[br]という考えは様々に表現されています

0:07:32.692,0:07:34.610
世界がコンピュータかどうかはともかく

0:07:34.610,0:07:37.256
世界をコンピュータと想定してみてください

0:07:37.286,0:07:41.840
コンピュータとしての世界を研究することも[br]刺激になることでしょう

0:07:42.630,0:07:45.669
更に洗練されているのが[br]コンピューターの中の世界です

0:07:45.669,0:07:48.665
数多くのプロジェクトや[br]研究テーマの企画書が

0:07:48.665,0:07:50.355
送られてきますが

0:07:50.355,0:07:53.840
科学で研究されている全ての分野には[br]コンピューターを利用する領域があり

0:07:53.840,0:07:57.438
計算生物学

0:07:57.438,0:08:01.182
計算経済、計算何々[br]「計算」のつくあらゆる学術分野です

0:08:01.412,0:08:04.721
これらはコンピューターの持つ能力を[br]最大限利用するわけです

0:08:04.721,0:08:09.767
しかし最も根源的には[br]世界はコンピューターだと定義することです

0:08:09.887,0:08:13.601
真の意味で機械ではなく [br]コンピューターだということです

0:08:13.601,0:08:16.224
その違いはコンピューターは[br]プログラムできるということです

0:08:16.224,0:08:20.005
つまりプログラム可能な[br]汎用機械ということです

0:08:20.005,0:08:23.931
この考えによると世界は[br]プログラム可能だという事になります

0:08:23.931,0:08:26.771
この世界はプログラムできるのです

0:08:26.771,0:08:30.253
ゆえに 私たちはどのように[br]未来を創造できるかを理解できます

0:08:30.253,0:08:35.914
コンピューターであるこの世界が[br]算出するのは未来でしか無いのですから

0:08:35.914,0:08:38.431
チクタクと—[br]世界は未来を算出しています

0:08:38.431,0:08:41.779
それをプログラムできれば[br]未来が向かう方向を左右できます

0:08:41.779,0:08:45.543
これが私たちのプログラムの[br]根底に流れるビジョンです

0:08:45.543,0:08:51.517
部分的な成果はしばしば明示されますが[br]全体像が明確に表現されることは稀です

0:08:51.517,0:08:53.947
しかしそれを把握することは重要です

0:08:54.477,0:08:57.345
それから NBIC（ナノ、バイオ、情報[br]認知科学技術）の集約です

0:08:57.345,0:09:01.195
アメリカで15年以上前に[br]生まれたテーマですが

0:09:01.195,0:09:04.967
未だにシリコンバレーの多くが[br]このようなアイデアに奮闘しています

0:09:05.157,0:09:08.536
物事の基礎を構成する[br]最も原始的なアイデアの種類で

0:09:08.536,0:09:12.556
ニューロンや材料、思考、などなど

0:09:12.986,0:09:16.377
正しく発展させれば他のものに[br]互換できるようなものです

0:09:16.467,0:09:20.479
例えば ヒトのニューロンを[br]コンピューターチップに置き換え

0:09:20.479,0:09:24.522
それが全く同じ機能を備えていれば[br]違いは分かりません

0:09:24.522,0:09:28.267
ビット、原子、ニューロン[br]遺伝子の互換性は

0:09:28.267,0:09:31.170
その頭文字をとりBANGと呼ばれ

0:09:32.760,0:09:34.643
その基礎となる考えです

0:09:34.763,0:09:37.775
多くのプロジェクトが[br]この実現を試みています

0:09:37.775,0:09:41.538
それは多くの人々が[br]医療目的で目指している

0:09:41.538,0:09:45.697
人体の修復に限らず

0:09:45.697,0:09:49.234
人間の増補 つまり人の能力を[br]増強・補完させるという目的も含まれます

0:09:49.234,0:09:52.909
これはそんなプロジェクトの一例ですが

0:09:52.909,0:09:56.532
義肢に感覚機能を持たせ[br]双方向リンクで繋げた

0:09:56.532,0:10:01.057
世界で初の例です

0:10:01.673,0:10:04.540
これよりももっとクレイジーな[br]最近の例はこうしたものです

0:10:04.540,0:10:07.602
ハイパー・インタラクション、繋がった脳[br]脳の書き込みと読み出し

0:10:07.962,0:10:10.107
私たちが最近目にするプロジェクトの多くは

0:10:10.107,0:10:13.354
脳から情報を取り出すことを[br]考え始めていて

0:10:13.754,0:10:16.724
それは技術的にも[br]容易になりつつありますが

0:10:16.724,0:10:18.489
その情報の解釈は難しいままで

0:10:18.489,0:10:20.697
情報を脳に書き込む [br]というのも難しいままです

0:10:20.747,0:10:22.531
そうしたものの背後にあるビジョンは

0:10:22.531,0:10:26.789
例えばセンサーやワイヤーも無く[br]直接脳同士が会話するようなもの

0:10:26.789,0:10:30.115
言葉など何も必要とせず[br]ケーブルを使うか 無線かもしれませんが

0:10:30.115,0:10:32.176
私の思考が直接[br]あなたの頭に伝わるのです

0:10:32.176,0:10:35.830
そうすれば 私はここに立って喋る必要が無く[br]皆さんは私が言いたいことがもう分かっています

0:10:35.830,0:10:39.246
何故なら—シュッ—私たちの脳同士が[br]コミュニケートするからです

0:10:40.064,0:10:42.913
このプロジェクトでは[br]確固とした成果が生まれ

0:10:42.913,0:10:46.248
権威ある学術誌に掲載されました

0:10:46.248,0:10:51.753
こうした研究成果では[br]科学、技術、概念実証の共進化が起こります

0:10:51.753,0:10:55.580
非常に単純な方法での実証によって

0:10:55.580,0:10:58.770
非常に一般的な意味で[br]実現可能なのだと証明するのです

0:10:58.770,0:11:03.523
それが我々のプロジェクト幾つかの[br]野心的なビジョンです

0:11:03.523,0:11:08.058
人工生命 プロジェクト[br]BIONは終了しましたが

0:11:08.058,0:11:11.011
人工カタツムリを造ろうとしました

0:11:11.011,0:11:15.784
「カタツムリのようなもの」 ではなくて

0:11:15.840,0:11:19.149
ポリマーなどから成り立ち

0:11:19.149,0:11:23.082
カタツムリのように動き[br]生きている存在です

0:11:23.082,0:11:25.773
カタツムリが作れれば[br]おそらく他のものも作れるでしょう

0:11:25.773,0:11:27.267
そしてその先が続きます

0:11:27.267,0:11:28.940
人工生命という考えでは

0:11:28.940,0:11:32.220
比較的最近[br]確固とした結果が出ました

0:11:32.220,0:11:35.448
小細胞などにおいて新たな技術が[br]出てきましたが

0:11:35.448,0:11:40.504
それらを複雑なデバイスや[br]複雑な生物系で扱うのは

0:11:40.504,0:11:43.561
かなり最近の最新技術です

0:11:44.134,0:11:48.395
それから発展させたものに[br]こうしたラベルを与えてみました

0:11:48.395,0:11:53.196
「ハイブリッド・ネイチャー」、「Gaia++」[br]それに 植物から着想を得たもの

0:11:53.256,0:11:55.726
これらは植物のように[br]振る舞うロボットです

0:11:55.726,0:11:58.776
誰が植物がロボットになると[br]考えたりするでしょう？

0:11:59.186,0:12:04.649
でもこれらは実際に稼働していて[br]進む方向や水を見つけたりします

0:12:04.649,0:12:09.757
そして実は 植物に着想を得て[br]アイデアを発展させた―

0:12:09.757,0:12:12.772
プロジェクトが数多く[br]それもバラバラに存在していました

0:12:12.772,0:12:17.253
突如我々のプロジェクトとして[br]植物生物学が浮かび上がりました

0:12:17.253,0:12:18.606
かつて見たこともないものです

0:12:18.856,0:12:21.608
このように 世界では色々なことが起こり

0:12:21.608,0:12:24.542
ある日突然こうしたビジョンが[br]結晶化し実現します

0:12:25.162,0:12:28.324
それから私が[br]「偶然の事故」と呼ぶものですが

0:12:28.324,0:12:32.388
ビジョンが消えたり融合したり[br]あらゆることが起きます

0:12:32.388,0:12:36.117
詳細まで解説しませんが[br]想像できますよね

0:12:36.117,0:12:40.071
例えばコンピューターが[br]目に見えなくなっていくというビジョンは

0:12:40.071,0:12:44.816
20年以上昔に生まれ [br]色々なかたちに派生して行きました

0:12:44.816,0:12:47.989
今はモノのインターネット(IoT)[br]と呼ばれるものへ進化し

0:12:47.989,0:12:53.581
ヒネリや改良が加わり[br]統合され、分解され— 進化しています

0:12:54.131,0:12:57.395
これ自体に大いに価値がある[br]大変興味深い事です

0:12:57.395,0:13:03.026
こうしたビジョンを起想し、言語化し[br]分類し、表現する言葉を創造する—

0:13:03.026,0:13:05.400
これらは大切なことです

0:13:05.400,0:13:10.517
そうしなければビジョンについて[br]ただ語ろうにも

0:13:10.987,0:13:12.856
それらを表現する言葉もないからです

0:13:12.856,0:13:16.739
モアも彼のビジョンを説明するために[br]英語に存在しない言葉の数々を

0:13:16.739,0:13:19.517
発明しなければなりませんでしたから

0:13:19.517,0:13:23.177
これは挑戦的な革新性を持つ[br]非常に興味深い作品でした

0:13:23.177,0:13:27.445
学際的であること—こうしたビジョンに[br]単一の学問から生じたものはありません

0:13:27.445,0:13:31.406
学際的な協同研究の黄金時代の始まりは[br]これからだと思うのです

0:13:31.636,0:13:35.682
学際領域で「収穫を待っている果実」は[br]もうありません

0:13:35.682,0:13:38.386
小さなインスピレーションや[br]新たな生物学の結果がチラホラ

0:13:38.386,0:13:41.976
しかしこれから本当に深いコラボレーションが[br]起ころうとしています

0:13:41.976,0:13:45.570
これらのビジョンは動的で [br]変化し 応用されるものです

0:13:45.570,0:13:48.471
そして 最も重要なのは[br]刷新的な意味を持つということだと思います

0:13:48.471,0:13:52.012
これはヨーロッパの我々が学ぶべき事です

0:13:52.012,0:13:55.988
グーグルのような企業を考えてみると[br]核となる技術があり

0:13:56.281,0:13:59.313
それが至る所に応用されています

0:13:59.313,0:14:01.305
私は「刷新的イノベーション」[br]と呼びますが

0:14:01.305,0:14:04.884
思いつきがあちこちに応用されて[br]ある日偶然車ができた訳ではなくて

0:14:04.884,0:14:06.895
—「ええっグーグルが自動車だって？」

0:14:06.895,0:14:08.813
考えてみたら当然の成り行きです

0:14:08.813,0:14:10.895
何故興味を持つのか？[br]何故彼らがやるのか？

0:14:10.895,0:14:13.396
彼らはあらゆる研究に投資をしますが

0:14:13.396,0:14:15.913
核となるテクノロジーがあります

0:14:15.913,0:14:21.270
謂わば私自身のユートピアは[br]これに着想を得ました

0:14:21.270,0:14:25.996
私や欧州委員会の同僚たちなどが[br]取り組んでいるように

0:14:25.996,0:14:29.483
ユートピア的ビジョンを持って[br]研究を進めるというのが

0:14:29.483,0:14:30.543
私自身のユートピアです

0:14:30.543,0:14:34.784
何故ならこうしたことを通じて[br]パズルのピースを繋げることで

0:14:34.784,0:14:38.329
数百あるいは数千のアイデアが生まれ

0:14:38.329,0:14:41.276
可能性をこんにちの為に[br]結晶化できるからです

0:14:41.486,0:14:46.524
そして 今はか細い[br]パイプラインでしかないイノベーション―

0:14:46.524,0:14:50.503
例えば製品化へ繋がるような[br]研究成果が少しだけ生み出される仕組みを

0:14:50.503,0:14:55.299
もっと幅広い こんにち既に[br]未来の社会を形作りつつある

0:14:55.299,0:14:59.202
こうしたビジョンで代替することが[br]できるのです

0:14:59.202,0:15:02.886
こうしたビジョンで代替することが[br]できるのです

0:15:02.886,0:15:06.925
これらがまさに[br]未来を創造するツールです

0:15:06.925,0:15:09.292
それは私自身の夢でもあり

0:15:09.292,0:15:13.119
それで私は今の仕事を[br]続けているのです

0:15:13.119,0:15:16.023
ありがとうございました[br]この辺りで終わります そろそろ

0:15:16.023,0:15:19.009
トマス・モアに返事をして[br]彼の考えを聞かないといけないので

0:15:19.009,0:15:22.238
（拍手）