WEBVTT 00:00:19.700 --> 00:00:23.240 人生は多くの疑問を我々に問いかけます 00:00:23.526 --> 00:00:27.353 おそらく 最も重要な質問の一つがこれです 00:00:27.800 --> 00:00:32.475 「困難を伴う思考や感情にどう対処するか」 00:00:34.200 --> 00:00:39.071 もしあなたが 恥ずかしさや不安を感じているとしたら 00:00:40.200 --> 00:00:42.428 まさに 人生が質問を問いかけているのです 00:00:43.750 --> 00:00:46.520 もし TEDxトークをするために ここに立っているのに 00:00:46.520 --> 00:00:48.810 マインドが落ち着かず何か話し続けていたら 00:00:50.200 --> 00:00:52.589 それに対してどうしますか? 00:00:55.100 --> 00:00:56.434 良い質問ですよ 00:00:56.434 --> 00:00:58.000 (笑) 00:00:59.300 --> 00:01:01.500 そしてその質問の答えとして 00:01:01.500 --> 00:01:03.294 人々が好むのは 00:01:03.400 --> 00:01:05.683 人生の軌跡について多く語ることであり 00:01:05.800 --> 00:01:07.690 それがどう進んでいくかということです 00:01:07.690 --> 00:01:09.170 ポジティブな方向である― 00:01:09.170 --> 00:01:13.240 繁栄、愛、自由、貢献へと向かうか 00:01:13.240 --> 00:01:19.500 それとも病気や絶望へと落ちていくのかです 00:01:19.700 --> 00:01:25.000 私が今日論じようとしていることは この問いに対する 素晴らしい答― 00:01:25.100 --> 00:01:27.200 あるいは 少なくともその種は 00:01:27.200 --> 00:01:29.032 みなさんの中にすでにあるということ 00:01:29.800 --> 00:01:31.812 しかしまた一方で 傲慢で 00:01:31.900 --> 00:01:35.400 ストーリーテリングや問題解決志向の 分析的や批判的なマインドが 00:01:35.400 --> 00:01:40.506 みなさんの頭の中にあって その答に気づかないまま 00:01:40.800 --> 00:01:43.400 間違った方向を選ばせようと 00:01:43.500 --> 00:01:46.399 常に誘惑しているのです 00:01:49.500 --> 00:01:51.150 私の名前はスティーブン・ヘイズです 00:01:51.150 --> 00:01:53.300 30年の間 00:01:53.300 --> 00:01:55.900 私とこの分野の研究者たちは 00:01:55.900 --> 00:01:58.700 心理学的プロセスの一部の過程に注目し 00:01:59.500 --> 00:02:01.800 これを「心理的柔軟性」と名づけて研究してきました 00:02:02.500 --> 00:02:05.300 これを「心理的柔軟性」と名づけて研究してきました 00:02:06.600 --> 00:02:10.502 それは先ほどの質問に対する答です 00:02:11.900 --> 00:02:14.800 1000例以上の研究において 00:02:14.800 --> 00:02:17.650 心理的柔軟性によって 不安、抑うつ、トラウマなどの 00:02:17.650 --> 00:02:20.403 メンタルヘルスの問題が生じる見込みが 予測できることが 00:02:20.403 --> 00:02:22.300 示されています 00:02:22.300 --> 00:02:24.582 このうち1つに当たるなら 00:02:24.600 --> 00:02:26.585 いずれ2つめも発症するかどうか とか 00:02:26.800 --> 00:02:28.718 疾患の重症度も予測できます 00:02:28.718 --> 00:02:29.980 どの程度 慢性化するかも 00:02:29.980 --> 00:02:31.240 しかし それだけでなく 00:02:31.240 --> 00:02:34.270 精神医学的な疾患以外にも 00:02:34.270 --> 00:02:36.900 多くの重要なことを予測します 00:02:36.900 --> 00:02:40.619 例えば どんな親になりたいでしょうか 00:02:41.336 --> 00:02:43.310 どんな種類の仕事に 就くでしょうか 00:02:43.310 --> 00:02:46.819 肉体的な病気に対して 生活習慣を変えられますか 00:02:46.906 --> 00:02:49.660 エクササイズプログラムを 継続できるでしょうか 00:02:49.700 --> 00:02:52.778 人間の精神が関わるあらゆる場面で 00:02:53.500 --> 00:02:57.481 心理的柔軟性は登場します 00:02:59.900 --> 00:03:03.473 この話の狙いは 00:03:04.273 --> 00:03:06.020 心理的柔軟性の科学について 00:03:06.020 --> 00:03:08.100 皆さんに概要を示すことです 00:03:08.100 --> 00:03:09.840 我々は 数百件の研究を通じて 00:03:09.840 --> 00:03:12.370 どうしたら「アクセプタンス&コミットメントセラピー」 00:03:12.381 --> 00:03:15.000 ― 略して ACT が 00:03:15.040 --> 00:03:16.900 これらのプロセスを変化させるか 学んできました 00:03:16.900 --> 00:03:18.750 我々は ACTだけではなく 00:03:18.750 --> 00:03:20.900 柔軟性をターゲットとした関連手法も含めて 00:03:20.900 --> 00:03:22.860 ここに変化を与えられることを示し 00:03:22.860 --> 00:03:24.250 そしてこの変化と共に 00:03:24.250 --> 00:03:25.940 人生の軌跡は 00:03:25.940 --> 00:03:28.406 ネガティブな方向から ポジティブな方向へ変わり 00:03:28.406 --> 00:03:32.092 先ほど述べた領域に限らずあらゆる領域で 成果が得られることを示しました 00:03:34.100 --> 00:03:36.200 では 心理的柔軟性の要素について 00:03:36.200 --> 00:03:40.536 見ていきましょう 00:03:42.500 --> 00:03:44.995 皆さんとともに私の人生を遡り 00:03:45.100 --> 00:03:47.800 34年前のあるひと時をご覧ください 00:03:48.800 --> 00:03:51.729 私が初めて力強く方向を変えた 00:03:51.860 --> 00:03:53.465 そのときその場になります 00:03:55.400 --> 00:03:57.200 数十年前― 00:03:57.700 --> 00:04:01.045 34年前の深夜2時のこと 00:04:01.200 --> 00:04:03.882 茶色と金のシャギーカーペットの上で 00:04:04.000 --> 00:04:07.418 私は ほとんどこんな姿勢になっていて 00:04:07.418 --> 00:04:10.257 私の精神もまた まさに同じような姿勢でした 00:04:11.200 --> 00:04:14.512 その2ー3年の間 00:04:15.400 --> 00:04:17.482 私はパニック障害の地獄へと 00:04:17.700 --> 00:04:20.499 螺旋を描くように落ち込んでいました 00:04:22.600 --> 00:04:24.900 そのきっかけは恐ろしい部門会議でした 00:04:24.900 --> 00:04:26.700 そこでは私は教授同士の戦いを 00:04:26.700 --> 00:04:28.875 見せつけられたのです 00:04:29.000 --> 00:04:31.300 野生の動物と 00:04:31.300 --> 00:04:33.600 教授達だけが行う戦いです 00:04:33.700 --> 00:04:36.300 (笑) 00:04:38.700 --> 00:04:42.239 私はやめてくださいと言いたかったのですが 00:04:43.600 --> 00:04:47.200 その代わり 私は最初のパニック発作を起こしました 00:04:47.200 --> 00:04:50.676 人々が 私に声をかけたときには 00:04:53.700 --> 00:04:56.400 私はもう声さえ 出せなくなっていました 00:04:57.100 --> 00:04:59.289 私はもう声さえ 出せなくなっていました 00:04:59.908 --> 00:05:02.520 公の場でパニック発作を起こした ショックと恐怖、困惑の中で 00:05:02.520 --> 00:05:05.770 公の場でパニック発作を起こした ショックと恐怖、困惑の中で 00:05:07.600 --> 00:05:09.900 私は論理的、合理的で賢明な、そして医学的な 手段を 00:05:09.900 --> 00:05:11.800 思いつく限り試しました 00:05:11.800 --> 00:05:13.577 思いつく限り試しました 00:05:14.600 --> 00:05:17.475 不安から逃げようとしました 00:05:17.900 --> 00:05:20.756 不安と戦おうとしました 00:05:21.400 --> 00:05:24.115 そして不安から隠れようとしました 00:05:24.600 --> 00:05:26.100 ドアのそばに座るようになり 00:05:26.100 --> 00:05:27.380 パニックの来襲に注意を払い 00:05:27.380 --> 00:05:28.910 正気への道筋を議論し 00:05:28.910 --> 00:05:30.370 安定薬を飲みました 00:05:30.370 --> 00:05:32.030 これら全てを進めると 00:05:32.030 --> 00:05:34.056 パニック発作は悪化し 00:05:34.100 --> 00:05:36.627 頻度が増して 強い発作になりました 00:05:38.300 --> 00:05:39.799 最初は仕事場で 00:05:40.200 --> 00:05:42.176 それから旅行中 00:05:42.550 --> 00:05:43.900 それからレストランで 00:05:43.900 --> 00:05:45.260 それから映画館で 00:05:45.260 --> 00:05:46.500 それからエレベーターで 00:05:46.500 --> 00:05:48.380 それから電話の最中に 00:05:48.900 --> 00:05:51.500 それから安全なはずの家で 00:05:51.900 --> 00:05:55.200 そしてしまいには 死んだように眠る深夜2時 00:05:55.900 --> 00:05:59.000 目覚めたときには 00:05:59.200 --> 00:06:01.500 すでにパニック発作の最中でした 00:06:03.500 --> 00:06:07.521 しかし この晩 茶色と金色のシャギーカーペットの上でのこと 00:06:09.193 --> 00:06:11.000 まさにその晩 00:06:11.000 --> 00:06:14.485 不安が波のように押し寄せ 00:06:16.000 --> 00:06:18.042 私の体の感覚は 00:06:18.100 --> 00:06:19.200 いつもと違っていました 00:06:19.200 --> 00:06:22.700 この夜はさらに強く恐怖を感じていましたが 00:06:22.700 --> 00:06:25.200 何となく満足をも感じていました 00:06:27.100 --> 00:06:30.000 パニックの発作ではなかったからです 00:06:31.300 --> 00:06:34.887 私は心臓発作で死にかけていました 00:06:36.700 --> 00:06:38.300 証拠はすべて揃っていました 00:06:38.300 --> 00:06:39.900 胸が重くなる感じがありました 00:06:39.900 --> 00:06:42.310 刺すような痛みが腕に降りてきました 00:06:42.310 --> 00:06:43.800 やたらと汗をかきました 00:06:43.800 --> 00:06:46.960 私の心臓は早くなり 乱暴に鼓動を刻みます 00:06:47.000 --> 00:06:49.700 そして私にこんな指図をしていた クモのような声が登場します 00:06:49.700 --> 00:06:51.800 ―「逃げるんだ」 00:06:51.800 --> 00:06:55.617 「戦うんだ」「不安から隠れるんだ」 00:06:55.617 --> 00:06:58.000 こんどの指示はこうです 00:06:58.000 --> 00:06:59.320 「電話をするんだ 00:06:59.320 --> 00:07:01.500 この状況じゃ運転はできない 00:07:02.000 --> 00:07:03.512 死にかけているんだぞ 00:07:03.700 --> 00:07:05.100 救急診療に電話しろ 00:07:05.100 --> 00:07:06.620 救急車を呼べ 00:07:06.620 --> 00:07:09.200 大変なことだ 電話をしろ」 00:07:11.200 --> 00:07:13.969 数分が経っても 00:07:14.500 --> 00:07:16.596 私は電話をかけませんでした 00:07:17.700 --> 00:07:19.800 そして私は自分が 体から離れて 00:07:19.800 --> 00:07:22.700 自分の体を後に残していくような 感覚を覚えました 00:07:24.180 --> 00:07:25.800 もし私が電話をかけたなら 00:07:25.800 --> 00:07:28.100 どうなっていただろうと想像しました 00:07:29.150 --> 00:07:30.300 映画館で見る 00:07:30.300 --> 00:07:32.200 公開予定の映画の 予告編のように 00:07:32.200 --> 00:07:33.690 公開予定の映画の 予告編のように 00:07:33.700 --> 00:07:35.519 短い場面が連続します 00:07:36.950 --> 00:07:39.840 救急隊員たちが 階段を駆けのぼる音 00:07:39.840 --> 00:07:41.310 救急隊員たちが 階段を駆けのぼる音 00:07:41.310 --> 00:07:43.778 薄い扉を叩くこもった音 00:07:44.800 --> 00:07:46.839 救急車に乗せられ 00:07:47.100 --> 00:07:48.400 チューブやケーブルに繋がれ 00:07:48.400 --> 00:07:51.133 緊急救命室に入る時 00:07:51.133 --> 00:07:53.450 看護師の心配そうな顔が目に入りました 00:07:54.700 --> 00:07:57.100 そして 最後のシーン 00:07:57.100 --> 00:07:58.300 この映画予告編の 00:07:58.300 --> 00:08:00.160 最後の場面です 00:08:00.200 --> 00:08:01.600 そこでわたしは悟りました 00:08:01.600 --> 00:08:03.700 この映画がどのような映画であるか 00:08:05.770 --> 00:08:07.200 それを見て 口をついた言葉 00:08:07.200 --> 00:08:09.090 「神様 お願いだから やめて 00:08:09.100 --> 00:08:11.200 お願いです お願いです」 00:08:13.300 --> 00:08:14.910 なぜなら その最後のシーンでは 00:08:14.910 --> 00:08:17.340 緊急救命室の担架に寝ていると 00:08:17.340 --> 00:08:19.200 若い医者がやってくる来るのを 私のマインドが目にします 00:08:19.200 --> 00:08:20.800 若い医者がやってくる来るのが 私のマインドが目にします 00:08:20.800 --> 00:08:23.090 リラックスした感じで歩いてきて 00:08:25.760 --> 00:08:27.280 私の近くまで来ると 00:08:27.280 --> 00:08:29.560 彼は薄笑いを浮かべています 00:08:31.100 --> 00:08:32.881 私は何が起こるかを理解します 00:08:35.299 --> 00:08:36.918 彼は近づいて 言いました 00:08:37.000 --> 00:08:38.758 「ヘイズ先生 00:08:40.799 --> 00:08:43.000 先生は心臓発作じゃありません」 00:08:43.900 --> 00:08:45.700 そして薄笑いが広がります 00:08:47.300 --> 00:08:49.231 「パニック発作ですよ」 00:08:51.700 --> 00:08:54.362 その通りだと 私は分かっています 00:08:56.200 --> 00:08:59.891 これは他のレベルの地獄におちただけです 00:09:01.100 --> 00:09:03.156 そして 私は悲鳴をあげました 00:09:03.300 --> 00:09:07.508 息切れて 変な声でした 00:09:09.300 --> 00:09:11.105 ちょうどこんな感じで 00:09:12.900 --> 00:09:16.600 (悲鳴) 00:09:20.100 --> 00:09:22.600 そのどん底から立ち上がると 00:09:23.200 --> 00:09:24.700 もう一つの扉が開きました 00:09:27.760 --> 00:09:29.200 どのくらい後だったのか― 00:09:29.200 --> 00:09:31.439 おそらく数分程度でしょう 00:09:31.450 --> 00:09:32.760 めったに出てくることがない 00:09:32.760 --> 00:09:34.872 私自身の深いところの私の一部 00:09:35.000 --> 00:09:37.300 目のずっと奥の方にある私の一部 00:09:37.300 --> 00:09:39.411 もっとスピリチュアルな部分で 00:09:39.420 --> 00:09:41.950 人によっては 魂と呼ぶところから 00:09:41.950 --> 00:09:43.210 言葉が出てきました 00:09:43.210 --> 00:09:44.310 確実に 00:09:44.310 --> 00:09:45.750 誰に言うともなく 大きな声で 00:09:45.750 --> 00:09:47.300 午前の2時に 00:09:48.810 --> 00:09:49.865 私は言いました 00:09:50.600 --> 00:09:52.581 お前が誰かは知らないが 00:09:54.400 --> 00:09:57.700 お前は私を傷つけることができる 00:09:57.900 --> 00:09:59.800 お前は私を苦しませることができる 00:10:01.100 --> 00:10:04.123 しかし お前にはできないことを教えてやる 00:10:05.300 --> 00:10:10.499 お前は私を自分の経験から 目を背けさせることはできない 00:10:11.200 --> 00:10:12.779 それだけはできない 00:10:19.000 --> 00:10:22.601 当時ずっと若かった私の体は 立ち上がるとずきずき痛みました 00:10:26.400 --> 00:10:31.699 すっかり乾ききった涙の跡から 00:10:32.000 --> 00:10:34.400 とても長い時間が経ったことが わかりました 00:10:37.400 --> 00:10:40.600 でも私は立ち上がり 心の中で誓いました 00:10:42.600 --> 00:10:44.481 決してふたたび 00:10:45.617 --> 00:10:48.499 自分から目を背けまい 00:10:52.900 --> 00:10:55.754 どうやってその約束を守るのかは わかりませんでした 00:10:56.000 --> 00:10:57.991 本当のことを言えば 今でも学んでいる最中です 00:10:58.300 --> 00:11:02.201 どうしたら その約束が 00:11:02.500 --> 00:11:05.100 他の人の人生に影響するのか 見当もつきませんでした 00:11:06.000 --> 00:11:08.854 わたしは自分の目の前にあった― 00:11:08.854 --> 00:11:11.900 アクセプタンス&コミットメントセラピー ― ACTを通じてだけ 00:11:11.900 --> 00:11:13.555 それを学べるだろうと考えました 00:11:14.400 --> 00:11:16.000 でも この34年間で 00:11:16.000 --> 00:11:18.400 その約束を思い出さない日は 00:11:19.700 --> 00:11:22.600 1日もありませんでした 00:11:23.900 --> 00:11:27.100 そして このようにここに立つときに 00:11:27.100 --> 00:11:29.420 あなたが知ったこのACTという方法は 00:11:29.420 --> 00:11:31.780 賢明な立ち方なのです 00:11:31.900 --> 00:11:33.857 痛みや苦しみに対しても 00:11:34.020 --> 00:11:35.480 いろいろなこと出来事に対しても 00:11:35.580 --> 00:11:37.300 科学が何を示したのか この姿勢とは何か 00:11:37.300 --> 00:11:40.486 それを言葉で言うなら 00:11:40.800 --> 00:11:43.180 感情をオープンにすることです。 00:11:43.280 --> 00:11:45.430 私たちはそこにあるものを それがつらいものだとしても 00:11:45.430 --> 00:11:47.500 そのまま感じます 00:11:47.520 --> 00:11:49.530 自分の思考を観察することができます 00:11:49.530 --> 00:11:51.000 思考を通して見るだけではありません 00:11:51.000 --> 00:11:52.190 考えているときにも 00:11:52.190 --> 00:11:53.530 こう その思考以外は何も 00:11:53.530 --> 00:11:55.080 見えなくなるわけではありません 00:11:55.080 --> 00:11:57.044 それが思考である と気づくことができます 00:11:57.300 --> 00:11:59.300 自分の中のスピリチュアルな部分と つながり 00:11:59.300 --> 00:12:01.100 そこから注意を 00:12:01.100 --> 00:12:03.412 柔軟に、自在に、自分の意志で 00:12:03.500 --> 00:12:05.500 向けることができます 00:12:05.500 --> 00:12:08.400 注意を集中すべきものに向かえるのです 00:12:09.100 --> 00:12:11.500 そして あなたにとって 大事な方向を見ているとき 00:12:11.610 --> 00:12:13.000 そこへ進むことができるよう 00:12:13.000 --> 00:12:14.600 手や腕は自由になると 00:12:14.600 --> 00:12:16.900 感じたり 行動したり 00:12:16.900 --> 00:12:19.000 貢献したり 参加することができます 00:12:20.000 --> 00:12:22.700 それこそが心理的柔軟性です 00:12:25.600 --> 00:12:28.100 そしてそれが育つための種は何か 00:12:28.100 --> 00:12:30.200 それをひとことで言うなら 00:12:30.200 --> 00:12:34.670 ―この言葉になる理由は お分かりだと思いますが 00:12:34.670 --> 00:12:37.600 ひとことで言えば「愛」です 00:12:38.500 --> 00:12:40.100 自分に対して 00:12:40.100 --> 00:12:43.467 思いやりと親切で愛情に満ちた態度で 向き合うとき 00:12:44.518 --> 00:12:48.400 人生が開かれ 00:12:48.400 --> 00:12:50.410 あなたは自分の人生の意味や目的 00:12:50.500 --> 00:12:52.900 あるいは他の人の人生に対して 00:12:52.900 --> 00:12:54.579 愛や関与や美や貢献をもたらす― 00:12:55.100 --> 00:12:56.800 方向に向かうことができるでしょう 00:12:58.900 --> 00:13:01.469 私は当初 00:13:01.500 --> 00:13:03.500 苦しみと痛みに向かう中心が 00:13:05.100 --> 00:13:07.321 人生の意味や目的の中心とも 00:13:07.400 --> 00:13:09.850 繋がったものだとは 気づいていませんでした 00:13:09.850 --> 00:13:11.190 わかっていませんでしたが 00:13:11.210 --> 00:13:13.800 クライアントにそれを見出し 00:13:13.800 --> 00:13:16.000 ACTを始めるにつれて 00:13:16.000 --> 00:13:18.100 自分の人生の中にそれが見えてきました 00:13:19.500 --> 00:13:21.300 そのたった数年後 00:13:21.300 --> 00:13:23.297 それはとても力強く私にもたらされました 00:13:24.340 --> 00:13:27.843 その頃までに私はACTに関する いくつかの無作為試験を終え 00:13:28.580 --> 00:13:30.300 トレーニングを始めたばかりでした 00:13:30.300 --> 00:13:33.615 あちこち回り 臨床家の小さな集まりに参加しては 00:13:33.690 --> 00:13:35.743 私たちがする治療を教えていました 00:13:36.800 --> 00:13:38.551 ワークショップを開いていたとき 00:13:38.600 --> 00:13:40.600 不安の波がきましたが 00:13:40.600 --> 00:13:42.523 それはまったく正常なことです 00:13:43.100 --> 00:13:45.229 今でも講演の間は 00:13:45.400 --> 00:13:46.697 不安になります 00:13:48.100 --> 00:13:50.200 それでいいのです 私はそれを受け入れます 00:13:50.500 --> 00:13:52.500 ほら 来なさい あわてていません 00:13:54.400 --> 00:13:56.000 でもそのとき別の波がきました 00:13:56.000 --> 00:13:58.318 私は急に泣きそうになりました 00:13:58.318 --> 00:14:01.360 集まった臨床家たちの前で 00:14:02.203 --> 00:14:04.989 涙が抑えられなくなりそうでした 00:14:06.000 --> 00:14:07.469 「これは何だ?」と思いました 00:14:07.800 --> 00:14:10.324 その瞬間をやり過ごし ワークショップを終えました 00:14:11.260 --> 00:14:13.735 次のワークショップまで そのことは忘れていましたが 00:14:13.800 --> 00:14:15.830 まさしく同じことが起こりました 00:14:15.990 --> 00:14:20.372 このときには 冷静な心で 幼いころのマインドに気づきました 00:14:21.200 --> 00:14:22.180 私は自問しました 00:14:22.180 --> 00:14:23.750 ワークショップは続けながらです 00:14:23.800 --> 00:14:25.245 「何歳なんだい?」と 00:14:25.400 --> 00:14:28.200 「8から9歳」という答えが 返ってきました 00:14:29.300 --> 00:14:31.710 そして 思い出すことのなかった― 00:14:31.800 --> 00:14:35.220 ある記憶がよみがえりました 00:14:35.220 --> 00:14:37.792 私が8歳か9歳のときの記憶です 00:14:38.500 --> 00:14:41.020 ワークショップの最中には 時間はありませんでしたが 00:14:41.020 --> 00:14:42.800 その晩 ホテルで記憶を辿りました 00:14:45.000 --> 00:14:47.094 私はベッドの陰で 00:14:47.635 --> 00:14:50.700 両親が別の部屋で喧嘩をしている声を 聞いています 00:14:52.500 --> 00:14:57.016 また お父さんが酔っ払って 夜遅くに帰ってきたのでした 00:14:59.300 --> 00:15:02.264 お母さんはお父さんを激しく 責めていました 00:15:02.900 --> 00:15:06.603 家庭のわずかなお金なのに 酒代に浪費されていると 00:15:06.800 --> 00:15:10.014 夫として父として 務めを果たしていないとも 00:15:10.900 --> 00:15:11.900 お父さんが言います 00:15:11.900 --> 00:15:15.900 「だまれ!黙らないとどうなるか知らないぞ」 00:15:16.100 --> 00:15:18.307 お父さんは 拳を握り締めているはずです 00:15:19.100 --> 00:15:21.523 そして ものすごい音と 00:15:22.000 --> 00:15:23.738 お母さんの悲鳴が聞こえます 00:15:26.000 --> 00:15:27.600 後になってわかりましたが 00:15:27.600 --> 00:15:29.100 コーヒーテーブルが リビングルームを横切って飛んだのです 00:15:29.100 --> 00:15:30.700 コーヒーテーブルが リビングルームを横切って飛んだのです 00:15:32.160 --> 00:15:33.463 そして私は考えます 00:15:33.600 --> 00:15:35.458 けがしてないかな? 00:15:35.900 --> 00:15:37.526 お父さんはお母さんを殴ったのかな? 00:15:38.400 --> 00:15:40.200 そして 私の小さな男の子のマインドから 00:15:40.200 --> 00:15:42.900 こんな言葉が出てきました 00:15:44.100 --> 00:15:46.488 「何かしないと!」 00:15:49.500 --> 00:15:53.140 でも自分ができることは 何もないことに気づきます 00:15:53.140 --> 00:15:54.800 安心もできません 00:15:56.100 --> 00:15:58.000 ただ後ずさって 00:15:58.000 --> 00:16:00.272 小さくなって泣きました 00:16:03.900 --> 00:16:05.233 わかりますか? 00:16:06.420 --> 00:16:09.540 私は座って 年老いた荒々しい人たちの 喧嘩をみていたのです 00:16:09.540 --> 00:16:11.744 大学の心理学部のなかで 00:16:12.500 --> 00:16:14.449 本当に怖かったですし 00:16:15.400 --> 00:16:17.397 不安でした 00:16:17.500 --> 00:16:21.316 私が本当にしたかったことは ただ泣くことでした 00:16:22.500 --> 00:16:24.513 心理学部で ですよ? 00:16:24.600 --> 00:16:27.800 (笑) 00:16:28.700 --> 00:16:29.863 正気でしょうか? 00:16:32.500 --> 00:16:34.600 でも私は幼い私に近づくことはできず 00:16:35.500 --> 00:16:37.300 彼を治療することもできませんでした 00:16:39.400 --> 00:16:42.234 彼こそが 私が心理士である理由でしたが 00:16:43.400 --> 00:16:45.812 私は それすら知りませんでした 00:16:47.000 --> 00:16:51.000 私は忙殺されました 00:16:51.000 --> 00:16:53.150 論文や 職務経歴書や 補助金や 業績や 00:16:53.150 --> 00:16:55.131 あれやこれや 00:16:57.000 --> 00:17:00.738 しかし 私がここに来た理由は 彼が私に言ったからです 00:17:01.800 --> 00:17:03.544 「何かしなさい」と 00:17:05.098 --> 00:17:07.900 そしてそれに対して私から彼に向かっては 00:17:08.700 --> 00:17:12.000 かがみこんでこんなふうに言ったも同然です 00:17:12.500 --> 00:17:15.300 「静かにしろ 出ていけ 黙れ」 00:17:17.200 --> 00:17:21.200 私が走り 戦い 隠れたとき 00:17:22.000 --> 00:17:24.300 不親切で 愛もありませんでした 00:17:24.900 --> 00:17:29.261 誰に? 私と 私の人生の目的とさえつながる― 00:17:29.862 --> 00:17:34.257 私の一部に対してです 00:17:35.800 --> 00:17:38.700 なぜならば 私たちは 自分が気にしていることで傷つき 00:17:39.600 --> 00:17:42.100 自分が傷つくことを気にしているのです 00:17:42.700 --> 00:17:45.100 これらの2つの中心、この2つのいずれと 00:17:45.100 --> 00:17:48.300 「向き合う」かということは 同じことです 00:17:49.000 --> 00:17:50.700 あなたが自分自身とともにあるならば 00:17:50.700 --> 00:17:52.570 たとえ困難なときでも 00:17:52.700 --> 00:17:54.947 自分のために 愛のある行いをしています 00:17:55.100 --> 00:17:57.500 それゆえに あえてリスクをとって 00:17:57.500 --> 00:18:00.595 何かと向き合うことができ 00:18:01.600 --> 00:18:03.300 愛や美しさや 00:18:03.300 --> 00:18:05.200 コミュニケーションや貢献を 00:18:05.200 --> 00:18:08.159 世界にもたらすことができます 00:18:08.500 --> 00:18:12.249 そういうことがわかったので 私は新たな約束をしました 00:18:13.100 --> 00:18:17.324 もう決して 君のことも 我々の目的についての 00:18:19.100 --> 00:18:23.528 君のメッセージも ないがしろにしない 00:18:24.510 --> 00:18:27.409 君にワークショップを受けろとか 00:18:27.800 --> 00:18:29.900 TEDxトークをやれと言うつもりはない 00:18:30.150 --> 00:18:32.330 (笑) 00:18:33.000 --> 00:18:35.900 ただ君に ここに一緒にいて欲しい 00:18:37.000 --> 00:18:38.868 君がいると心が和らぐから 00:18:39.500 --> 00:18:45.700 君は 私の人生がこれに関わることの 意味を与えてくれる 00:18:46.900 --> 00:18:49.300 だから 私からみなさんへのメッセージは 00:18:51.050 --> 00:18:54.686 心理学的柔軟性の科学を見てください 00:18:54.700 --> 00:18:58.543 皆さんが既に知っていることを この方法はどう説明するのか見てください 00:19:00.000 --> 00:19:02.600 つまり困難なときにも 00:19:02.600 --> 00:19:04.658 自分を愛することは 00:19:04.800 --> 00:19:07.446 世界へ愛をもたらすことに役立ち 00:19:07.500 --> 00:19:11.537 それも皆さんが望むやり方で もたらせるのだということをです 00:19:13.600 --> 00:19:15.540 これは大事なことです 00:19:16.600 --> 00:19:17.951 皆さんも知っていて 00:19:18.300 --> 00:19:20.753 皆さんの中で泣いている 小さな8歳の子供も知っています 00:19:22.900 --> 00:19:24.537 私たちは皆知っているのです 00:19:26.600 --> 00:19:28.500 なぜならば愛はすべてではなく 00:19:29.900 --> 00:19:31.569 ただ唯一のものだからです 00:19:33.011 --> 00:19:33.851 ありがとうございました お役に立てたでしょうか 00:19:33.851 --> 00:19:35.381 ありがとうございました お役に立てたでしょうか