1 00:00:19,700 --> 00:00:23,240 人生は多くの疑問を我々に問いかけます 2 00:00:23,526 --> 00:00:27,353 おそらく 最も重要な質問の一つがこれです 3 00:00:27,800 --> 00:00:32,475 「困難を伴う思考や感情にどう対処するか」 4 00:00:34,200 --> 00:00:39,071 もしあなたが 恥ずかしさや不安を感じているとしたら 5 00:00:40,200 --> 00:00:42,428 まさに 人生が質問を問いかけているのです 6 00:00:43,750 --> 00:00:46,520 もし TEDxトークをするために ここに立っているのに 7 00:00:46,520 --> 00:00:48,810 マインドが落ち着かず何か話し続けていたら 8 00:00:50,200 --> 00:00:52,589 それに対してどうしますか? 9 00:00:55,100 --> 00:00:56,434 良い質問ですよ 10 00:00:56,434 --> 00:00:58,000 (笑) 11 00:00:59,300 --> 00:01:01,500 そしてその質問の答えとして 12 00:01:01,500 --> 00:01:03,294 人々が好むのは 13 00:01:03,400 --> 00:01:05,683 人生の軌跡について多く語ることであり 14 00:01:05,800 --> 00:01:07,690 それがどう進んでいくかということです 15 00:01:07,690 --> 00:01:09,170 ポジティブな方向である― 16 00:01:09,170 --> 00:01:13,240 繁栄、愛、自由、貢献へと向かうか 17 00:01:13,240 --> 00:01:19,500 それとも病気や絶望へと落ちていくのかです 18 00:01:19,700 --> 00:01:25,000 私が今日論じようとしていることは この問いに対する 素晴らしい答― 19 00:01:25,100 --> 00:01:27,200 あるいは 少なくともその種は 20 00:01:27,200 --> 00:01:29,032 みなさんの中にすでにあるということ 21 00:01:29,800 --> 00:01:31,812 しかしまた一方で 傲慢で 22 00:01:31,900 --> 00:01:35,400 ストーリーテリングや問題解決志向の 分析的や批判的なマインドが 23 00:01:35,400 --> 00:01:40,506 みなさんの頭の中にあって その答に気づかないまま 24 00:01:40,800 --> 00:01:43,400 間違った方向を選ばせようと 25 00:01:43,500 --> 00:01:46,399 常に誘惑しているのです 26 00:01:49,500 --> 00:01:51,150 私の名前はスティーブン・ヘイズです 27 00:01:51,150 --> 00:01:53,300 30年の間 28 00:01:53,300 --> 00:01:55,900 私とこの分野の研究者たちは 29 00:01:55,900 --> 00:01:58,700 心理学的プロセスの一部の過程に注目し 30 00:01:59,500 --> 00:02:01,800 これを「心理的柔軟性」と名づけて研究してきました 31 00:02:02,500 --> 00:02:05,300 これを「心理的柔軟性」と名づけて研究してきました 32 00:02:06,600 --> 00:02:10,502 それは先ほどの質問に対する答です 33 00:02:11,900 --> 00:02:14,800 1000例以上の研究において 34 00:02:14,800 --> 00:02:17,650 心理的柔軟性によって 不安、抑うつ、トラウマなどの 35 00:02:17,650 --> 00:02:20,403 メンタルヘルスの問題が生じる見込みが 予測できることが 36 00:02:20,403 --> 00:02:22,300 示されています 37 00:02:22,300 --> 00:02:24,582 このうち1つに当たるなら 38 00:02:24,600 --> 00:02:26,585 いずれ2つめも発症するかどうか とか 39 00:02:26,800 --> 00:02:28,718 疾患の重症度も予測できます 40 00:02:28,718 --> 00:02:29,980 どの程度 慢性化するかも 41 00:02:29,980 --> 00:02:31,240 しかし それだけでなく 42 00:02:31,240 --> 00:02:34,270 精神医学的な疾患以外にも 43 00:02:34,270 --> 00:02:36,900 多くの重要なことを予測します 44 00:02:36,900 --> 00:02:40,619 例えば どんな親になりたいでしょうか 45 00:02:41,336 --> 00:02:43,310 どんな種類の仕事に 就くでしょうか 46 00:02:43,310 --> 00:02:46,819 肉体的な病気に対して 生活習慣を変えられますか 47 00:02:46,906 --> 00:02:49,660 エクササイズプログラムを 継続できるでしょうか 48 00:02:49,700 --> 00:02:52,778 人間の精神が関わるあらゆる場面で 49 00:02:53,500 --> 00:02:57,481 心理的柔軟性は登場します 50 00:02:59,900 --> 00:03:03,473 この話の狙いは 51 00:03:04,273 --> 00:03:06,020 心理的柔軟性の科学について 52 00:03:06,020 --> 00:03:08,100 皆さんに概要を示すことです 53 00:03:08,100 --> 00:03:09,840 我々は 数百件の研究を通じて 54 00:03:09,840 --> 00:03:12,370 どうしたら「アクセプタンス&コミットメントセラピー」 55 00:03:12,381 --> 00:03:15,000 ― 略して ACT が 56 00:03:15,040 --> 00:03:16,900 これらのプロセスを変化させるか 学んできました 57 00:03:16,900 --> 00:03:18,750 我々は ACTだけではなく 58 00:03:18,750 --> 00:03:20,900 柔軟性をターゲットとした関連手法も含めて 59 00:03:20,900 --> 00:03:22,860 ここに変化を与えられることを示し 60 00:03:22,860 --> 00:03:24,250 そしてこの変化と共に 61 00:03:24,250 --> 00:03:25,940 人生の軌跡は 62 00:03:25,940 --> 00:03:28,406 ネガティブな方向から ポジティブな方向へ変わり 63 00:03:28,406 --> 00:03:32,092 先ほど述べた領域に限らずあらゆる領域で 成果が得られることを示しました 64 00:03:34,100 --> 00:03:36,200 では 心理的柔軟性の要素について 65 00:03:36,200 --> 00:03:40,536 見ていきましょう 66 00:03:42,500 --> 00:03:44,995 皆さんとともに私の人生を遡り 67 00:03:45,100 --> 00:03:47,800 34年前のあるひと時をご覧ください 68 00:03:48,800 --> 00:03:51,729 私が初めて力強く方向を変えた 69 00:03:51,860 --> 00:03:53,465 そのときその場になります 70 00:03:55,400 --> 00:03:57,200 数十年前― 71 00:03:57,700 --> 00:04:01,045 34年前の深夜2時のこと 72 00:04:01,200 --> 00:04:03,882 茶色と金のシャギーカーペットの上で 73 00:04:04,000 --> 00:04:07,418 私は ほとんどこんな姿勢になっていて 74 00:04:07,418 --> 00:04:10,257 私の精神もまた まさに同じような姿勢でした 75 00:04:11,200 --> 00:04:14,512 その2ー3年の間 76 00:04:15,400 --> 00:04:17,482 私はパニック障害の地獄へと 77 00:04:17,700 --> 00:04:20,499 螺旋を描くように落ち込んでいました 78 00:04:22,600 --> 00:04:24,900 そのきっかけは恐ろしい部門会議でした 79 00:04:24,900 --> 00:04:26,700 そこでは私は教授同士の戦いを 80 00:04:26,700 --> 00:04:28,875 見せつけられたのです 81 00:04:29,000 --> 00:04:31,300 野生の動物と 82 00:04:31,300 --> 00:04:33,600 教授達だけが行う戦いです 83 00:04:33,700 --> 00:04:36,300 (笑) 84 00:04:38,700 --> 00:04:42,239 私はやめてくださいと言いたかったのですが 85 00:04:43,600 --> 00:04:47,200 その代わり 私は最初のパニック発作を起こしました 86 00:04:47,200 --> 00:04:50,676 人々が 私に声をかけたときには 87 00:04:53,700 --> 00:04:56,400 私はもう声さえ 出せなくなっていました 88 00:04:57,100 --> 00:04:59,289 私はもう声さえ 出せなくなっていました 89 00:04:59,908 --> 00:05:02,520 公の場でパニック発作を起こした ショックと恐怖、困惑の中で 90 00:05:02,520 --> 00:05:05,770 公の場でパニック発作を起こした ショックと恐怖、困惑の中で 91 00:05:07,600 --> 00:05:09,900 私は論理的、合理的で賢明な、そして医学的な 手段を 92 00:05:09,900 --> 00:05:11,800 思いつく限り試しました 93 00:05:11,800 --> 00:05:13,577 思いつく限り試しました 94 00:05:14,600 --> 00:05:17,475 不安から逃げようとしました 95 00:05:17,900 --> 00:05:20,756 不安と戦おうとしました 96 00:05:21,400 --> 00:05:24,115 そして不安から隠れようとしました 97 00:05:24,600 --> 00:05:26,100 ドアのそばに座るようになり 98 00:05:26,100 --> 00:05:27,380 パニックの来襲に注意を払い 99 00:05:27,380 --> 00:05:28,910 正気への道筋を議論し 100 00:05:28,910 --> 00:05:30,370 安定薬を飲みました 101 00:05:30,370 --> 00:05:32,030 これら全てを進めると 102 00:05:32,030 --> 00:05:34,056 パニック発作は悪化し 103 00:05:34,100 --> 00:05:36,627 頻度が増して 強い発作になりました 104 00:05:38,300 --> 00:05:39,799 最初は仕事場で 105 00:05:40,200 --> 00:05:42,176 それから旅行中 106 00:05:42,550 --> 00:05:43,900 それからレストランで 107 00:05:43,900 --> 00:05:45,260 それから映画館で 108 00:05:45,260 --> 00:05:46,500 それからエレベーターで 109 00:05:46,500 --> 00:05:48,380 それから電話の最中に 110 00:05:48,900 --> 00:05:51,500 それから安全なはずの家で 111 00:05:51,900 --> 00:05:55,200 そしてしまいには 死んだように眠る深夜2時 112 00:05:55,900 --> 00:05:59,000 目覚めたときには 113 00:05:59,200 --> 00:06:01,500 すでにパニック発作の最中でした 114 00:06:03,500 --> 00:06:07,521 しかし この晩 茶色と金色のシャギーカーペットの上でのこと 115 00:06:09,193 --> 00:06:11,000 まさにその晩 116 00:06:11,000 --> 00:06:14,485 不安が波のように押し寄せ 117 00:06:16,000 --> 00:06:18,042 私の体の感覚は 118 00:06:18,100 --> 00:06:19,200 いつもと違っていました 119 00:06:19,200 --> 00:06:22,700 この夜はさらに強く恐怖を感じていましたが 120 00:06:22,700 --> 00:06:25,200 何となく満足をも感じていました 121 00:06:27,100 --> 00:06:30,000 パニックの発作ではなかったからです 122 00:06:31,300 --> 00:06:34,887 私は心臓発作で死にかけていました 123 00:06:36,700 --> 00:06:38,300 証拠はすべて揃っていました 124 00:06:38,300 --> 00:06:39,900 胸が重くなる感じがありました 125 00:06:39,900 --> 00:06:42,310 刺すような痛みが腕に降りてきました 126 00:06:42,310 --> 00:06:43,800 やたらと汗をかきました 127 00:06:43,800 --> 00:06:46,960 私の心臓は早くなり 乱暴に鼓動を刻みます 128 00:06:47,000 --> 00:06:49,700 そして私にこんな指図をしていた クモのような声が登場します 129 00:06:49,700 --> 00:06:51,800 ―「逃げるんだ」 130 00:06:51,800 --> 00:06:55,617 「戦うんだ」「不安から隠れるんだ」 131 00:06:55,617 --> 00:06:58,000 こんどの指示はこうです 132 00:06:58,000 --> 00:06:59,320 「電話をするんだ 133 00:06:59,320 --> 00:07:01,500 この状況じゃ運転はできない 134 00:07:02,000 --> 00:07:03,512 死にかけているんだぞ 135 00:07:03,700 --> 00:07:05,100 救急診療に電話しろ 136 00:07:05,100 --> 00:07:06,620 救急車を呼べ 137 00:07:06,620 --> 00:07:09,200 大変なことだ 電話をしろ」 138 00:07:11,200 --> 00:07:13,969 数分が経っても 139 00:07:14,500 --> 00:07:16,596 私は電話をかけませんでした 140 00:07:17,700 --> 00:07:19,800 そして私は自分が 体から離れて 141 00:07:19,800 --> 00:07:22,700 自分の体を後に残していくような 感覚を覚えました 142 00:07:24,180 --> 00:07:25,800 もし私が電話をかけたなら 143 00:07:25,800 --> 00:07:28,100 どうなっていただろうと想像しました 144 00:07:29,150 --> 00:07:30,300 映画館で見る 145 00:07:30,300 --> 00:07:32,200 公開予定の映画の 予告編のように 146 00:07:32,200 --> 00:07:33,690 公開予定の映画の 予告編のように 147 00:07:33,700 --> 00:07:35,519 短い場面が連続します 148 00:07:36,950 --> 00:07:39,840 救急隊員たちが 階段を駆けのぼる音 149 00:07:39,840 --> 00:07:41,310 救急隊員たちが 階段を駆けのぼる音 150 00:07:41,310 --> 00:07:43,778 薄い扉を叩くこもった音 151 00:07:44,800 --> 00:07:46,839 救急車に乗せられ 152 00:07:47,100 --> 00:07:48,400 チューブやケーブルに繋がれ 153 00:07:48,400 --> 00:07:51,133 緊急救命室に入る時 154 00:07:51,133 --> 00:07:53,450 看護師の心配そうな顔が目に入りました 155 00:07:54,700 --> 00:07:57,100 そして 最後のシーン 156 00:07:57,100 --> 00:07:58,300 この映画予告編の 157 00:07:58,300 --> 00:08:00,160 最後の場面です 158 00:08:00,200 --> 00:08:01,600 そこでわたしは悟りました 159 00:08:01,600 --> 00:08:03,700 この映画がどのような映画であるか 160 00:08:05,770 --> 00:08:07,200 それを見て 口をついた言葉 161 00:08:07,200 --> 00:08:09,090 「神様 お願いだから やめて 162 00:08:09,100 --> 00:08:11,200 お願いです お願いです」 163 00:08:13,300 --> 00:08:14,910 なぜなら その最後のシーンでは 164 00:08:14,910 --> 00:08:17,340 緊急救命室の担架に寝ていると 165 00:08:17,340 --> 00:08:19,200 若い医者がやってくる来るのを 私のマインドが目にします 166 00:08:19,200 --> 00:08:20,800 若い医者がやってくる来るのが 私のマインドが目にします 167 00:08:20,800 --> 00:08:23,090 リラックスした感じで歩いてきて 168 00:08:25,760 --> 00:08:27,280 私の近くまで来ると 169 00:08:27,280 --> 00:08:29,560 彼は薄笑いを浮かべています 170 00:08:31,100 --> 00:08:32,881 私は何が起こるかを理解します 171 00:08:35,299 --> 00:08:36,918 彼は近づいて 言いました 172 00:08:37,000 --> 00:08:38,758 「ヘイズ先生 173 00:08:40,799 --> 00:08:43,000 先生は心臓発作じゃありません」 174 00:08:43,900 --> 00:08:45,700 そして薄笑いが広がります 175 00:08:47,300 --> 00:08:49,231 「パニック発作ですよ」 176 00:08:51,700 --> 00:08:54,362 その通りだと 私は分かっています 177 00:08:56,200 --> 00:08:59,891 これは他のレベルの地獄におちただけです 178 00:09:01,100 --> 00:09:03,156 そして 私は悲鳴をあげました 179 00:09:03,300 --> 00:09:07,508 息切れて 変な声でした 180 00:09:09,300 --> 00:09:11,105 ちょうどこんな感じで 181 00:09:12,900 --> 00:09:16,600 (悲鳴) 182 00:09:20,100 --> 00:09:22,600 そのどん底から立ち上がると 183 00:09:23,200 --> 00:09:24,700 もう一つの扉が開きました 184 00:09:27,760 --> 00:09:29,200 どのくらい後だったのか― 185 00:09:29,200 --> 00:09:31,439 おそらく数分程度でしょう 186 00:09:31,450 --> 00:09:32,760 めったに出てくることがない 187 00:09:32,760 --> 00:09:34,872 私自身の深いところの私の一部 188 00:09:35,000 --> 00:09:37,300 目のずっと奥の方にある私の一部 189 00:09:37,300 --> 00:09:39,411 もっとスピリチュアルな部分で 190 00:09:39,420 --> 00:09:41,950 人によっては 魂と呼ぶところから 191 00:09:41,950 --> 00:09:43,210 言葉が出てきました 192 00:09:43,210 --> 00:09:44,310 確実に 193 00:09:44,310 --> 00:09:45,750 誰に言うともなく 大きな声で 194 00:09:45,750 --> 00:09:47,300 午前の2時に 195 00:09:48,810 --> 00:09:49,865 私は言いました 196 00:09:50,600 --> 00:09:52,581 お前が誰かは知らないが 197 00:09:54,400 --> 00:09:57,700 お前は私を傷つけることができる 198 00:09:57,900 --> 00:09:59,800 お前は私を苦しませることができる 199 00:10:01,100 --> 00:10:04,123 しかし お前にはできないことを教えてやる 200 00:10:05,300 --> 00:10:10,499 お前は私を自分の経験から 目を背けさせることはできない 201 00:10:11,200 --> 00:10:12,779 それだけはできない 202 00:10:19,000 --> 00:10:22,601 当時ずっと若かった私の体は 立ち上がるとずきずき痛みました 203 00:10:26,400 --> 00:10:31,699 すっかり乾ききった涙の跡から 204 00:10:32,000 --> 00:10:34,400 とても長い時間が経ったことが わかりました 205 00:10:37,400 --> 00:10:40,600 でも私は立ち上がり 心の中で誓いました 206 00:10:42,600 --> 00:10:44,481 決してふたたび 207 00:10:45,617 --> 00:10:48,499 自分から目を背けまい 208 00:10:52,900 --> 00:10:55,754 どうやってその約束を守るのかは わかりませんでした 209 00:10:56,000 --> 00:10:57,991 本当のことを言えば 今でも学んでいる最中です 210 00:10:58,300 --> 00:11:02,201 どうしたら その約束が 211 00:11:02,500 --> 00:11:05,100 他の人の人生に影響するのか 見当もつきませんでした 212 00:11:06,000 --> 00:11:08,854 わたしは自分の目の前にあった― 213 00:11:08,854 --> 00:11:11,900 アクセプタンス&コミットメントセラピー ― ACTを通じてだけ 214 00:11:11,900 --> 00:11:13,555 それを学べるだろうと考えました 215 00:11:14,400 --> 00:11:16,000 でも この34年間で 216 00:11:16,000 --> 00:11:18,400 その約束を思い出さない日は 217 00:11:19,700 --> 00:11:22,600 1日もありませんでした 218 00:11:23,900 --> 00:11:27,100 そして このようにここに立つときに 219 00:11:27,100 --> 00:11:29,420 あなたが知ったこのACTという方法は 220 00:11:29,420 --> 00:11:31,780 賢明な立ち方なのです 221 00:11:31,900 --> 00:11:33,857 痛みや苦しみに対しても 222 00:11:34,020 --> 00:11:35,480 いろいろなこと出来事に対しても 223 00:11:35,580 --> 00:11:37,300 科学が何を示したのか この姿勢とは何か 224 00:11:37,300 --> 00:11:40,486 それを言葉で言うなら 225 00:11:40,800 --> 00:11:43,180 感情をオープンにすることです。 226 00:11:43,280 --> 00:11:45,430 私たちはそこにあるものを それがつらいものだとしても 227 00:11:45,430 --> 00:11:47,500 そのまま感じます 228 00:11:47,520 --> 00:11:49,530 自分の思考を観察することができます 229 00:11:49,530 --> 00:11:51,000 思考を通して見るだけではありません 230 00:11:51,000 --> 00:11:52,190 考えているときにも 231 00:11:52,190 --> 00:11:53,530 こう その思考以外は何も 232 00:11:53,530 --> 00:11:55,080 見えなくなるわけではありません 233 00:11:55,080 --> 00:11:57,044 それが思考である と気づくことができます 234 00:11:57,300 --> 00:11:59,300 自分の中のスピリチュアルな部分と つながり 235 00:11:59,300 --> 00:12:01,100 そこから注意を 236 00:12:01,100 --> 00:12:03,412 柔軟に、自在に、自分の意志で 237 00:12:03,500 --> 00:12:05,500 向けることができます 238 00:12:05,500 --> 00:12:08,400 注意を集中すべきものに向かえるのです 239 00:12:09,100 --> 00:12:11,500 そして あなたにとって 大事な方向を見ているとき 240 00:12:11,610 --> 00:12:13,000 そこへ進むことができるよう 241 00:12:13,000 --> 00:12:14,600 手や腕は自由になると 242 00:12:14,600 --> 00:12:16,900 感じたり 行動したり 243 00:12:16,900 --> 00:12:19,000 貢献したり 参加することができます 244 00:12:20,000 --> 00:12:22,700 それこそが心理的柔軟性です 245 00:12:25,600 --> 00:12:28,100 そしてそれが育つための種は何か 246 00:12:28,100 --> 00:12:30,200 それをひとことで言うなら 247 00:12:30,200 --> 00:12:34,670 ―この言葉になる理由は お分かりだと思いますが 248 00:12:34,670 --> 00:12:37,600 ひとことで言えば「愛」です 249 00:12:38,500 --> 00:12:40,100 自分に対して 250 00:12:40,100 --> 00:12:43,467 思いやりと親切で愛情に満ちた態度で 向き合うとき 251 00:12:44,518 --> 00:12:48,400 人生が開かれ 252 00:12:48,400 --> 00:12:50,410 あなたは自分の人生の意味や目的 253 00:12:50,500 --> 00:12:52,900 あるいは他の人の人生に対して 254 00:12:52,900 --> 00:12:54,579 愛や関与や美や貢献をもたらす― 255 00:12:55,100 --> 00:12:56,800 方向に向かうことができるでしょう 256 00:12:58,900 --> 00:13:01,469 私は当初 257 00:13:01,500 --> 00:13:03,500 苦しみと痛みに向かう中心が 258 00:13:05,100 --> 00:13:07,321 人生の意味や目的の中心とも 259 00:13:07,400 --> 00:13:09,850 繋がったものだとは 気づいていませんでした 260 00:13:09,850 --> 00:13:11,190 わかっていませんでしたが 261 00:13:11,210 --> 00:13:13,800 クライアントにそれを見出し 262 00:13:13,800 --> 00:13:16,000 ACTを始めるにつれて 263 00:13:16,000 --> 00:13:18,100 自分の人生の中にそれが見えてきました 264 00:13:19,500 --> 00:13:21,300 そのたった数年後 265 00:13:21,300 --> 00:13:23,297 それはとても力強く私にもたらされました 266 00:13:24,340 --> 00:13:27,843 その頃までに私はACTに関する いくつかの無作為試験を終え 267 00:13:28,580 --> 00:13:30,300 トレーニングを始めたばかりでした 268 00:13:30,300 --> 00:13:33,615 あちこち回り 臨床家の小さな集まりに参加しては 269 00:13:33,690 --> 00:13:35,743 私たちがする治療を教えていました 270 00:13:36,800 --> 00:13:38,551 ワークショップを開いていたとき 271 00:13:38,600 --> 00:13:40,600 不安の波がきましたが 272 00:13:40,600 --> 00:13:42,523 それはまったく正常なことです 273 00:13:43,100 --> 00:13:45,229 今でも講演の間は 274 00:13:45,400 --> 00:13:46,697 不安になります 275 00:13:48,100 --> 00:13:50,200 それでいいのです 私はそれを受け入れます 276 00:13:50,500 --> 00:13:52,500 ほら 来なさい あわてていません 277 00:13:54,400 --> 00:13:56,000 でもそのとき別の波がきました 278 00:13:56,000 --> 00:13:58,318 私は急に泣きそうになりました 279 00:13:58,318 --> 00:14:01,360 集まった臨床家たちの前で 280 00:14:02,203 --> 00:14:04,989 涙が抑えられなくなりそうでした 281 00:14:06,000 --> 00:14:07,469 「これは何だ?」と思いました 282 00:14:07,800 --> 00:14:10,324 その瞬間をやり過ごし ワークショップを終えました 283 00:14:11,260 --> 00:14:13,735 次のワークショップまで そのことは忘れていましたが 284 00:14:13,800 --> 00:14:15,830 まさしく同じことが起こりました 285 00:14:15,990 --> 00:14:20,372 このときには 冷静な心で 幼いころのマインドに気づきました 286 00:14:21,200 --> 00:14:22,180 私は自問しました 287 00:14:22,180 --> 00:14:23,750 ワークショップは続けながらです 288 00:14:23,800 --> 00:14:25,245 「何歳なんだい?」と 289 00:14:25,400 --> 00:14:28,200 「8から9歳」という答えが 返ってきました 290 00:14:29,300 --> 00:14:31,710 そして 思い出すことのなかった― 291 00:14:31,800 --> 00:14:35,220 ある記憶がよみがえりました 292 00:14:35,220 --> 00:14:37,792 私が8歳か9歳のときの記憶です 293 00:14:38,500 --> 00:14:41,020 ワークショップの最中には 時間はありませんでしたが 294 00:14:41,020 --> 00:14:42,800 その晩 ホテルで記憶を辿りました 295 00:14:45,000 --> 00:14:47,094 私はベッドの陰で 296 00:14:47,635 --> 00:14:50,700 両親が別の部屋で喧嘩をしている声を 聞いています 297 00:14:52,500 --> 00:14:57,016 また お父さんが酔っ払って 夜遅くに帰ってきたのでした 298 00:14:59,300 --> 00:15:02,264 お母さんはお父さんを激しく 責めていました 299 00:15:02,900 --> 00:15:06,603 家庭のわずかなお金なのに 酒代に浪費されていると 300 00:15:06,800 --> 00:15:10,014 夫として父として 務めを果たしていないとも 301 00:15:10,900 --> 00:15:11,900 お父さんが言います 302 00:15:11,900 --> 00:15:15,900 「だまれ!黙らないとどうなるか知らないぞ」 303 00:15:16,100 --> 00:15:18,307 お父さんは 拳を握り締めているはずです 304 00:15:19,100 --> 00:15:21,523 そして ものすごい音と 305 00:15:22,000 --> 00:15:23,738 お母さんの悲鳴が聞こえます 306 00:15:26,000 --> 00:15:27,600 後になってわかりましたが 307 00:15:27,600 --> 00:15:29,100 コーヒーテーブルが リビングルームを横切って飛んだのです 308 00:15:29,100 --> 00:15:30,700 コーヒーテーブルが リビングルームを横切って飛んだのです 309 00:15:32,160 --> 00:15:33,463 そして私は考えます 310 00:15:33,600 --> 00:15:35,458 けがしてないかな? 311 00:15:35,900 --> 00:15:37,526 お父さんはお母さんを殴ったのかな? 312 00:15:38,400 --> 00:15:40,200 そして 私の小さな男の子のマインドから 313 00:15:40,200 --> 00:15:42,900 こんな言葉が出てきました 314 00:15:44,100 --> 00:15:46,488 「何かしないと!」 315 00:15:49,500 --> 00:15:53,140 でも自分ができることは 何もないことに気づきます 316 00:15:53,140 --> 00:15:54,800 安心もできません 317 00:15:56,100 --> 00:15:58,000 ただ後ずさって 318 00:15:58,000 --> 00:16:00,272 小さくなって泣きました 319 00:16:03,900 --> 00:16:05,233 わかりますか? 320 00:16:06,420 --> 00:16:09,540 私は座って 年老いた荒々しい人たちの 喧嘩をみていたのです 321 00:16:09,540 --> 00:16:11,744 大学の心理学部のなかで 322 00:16:12,500 --> 00:16:14,449 本当に怖かったですし 323 00:16:15,400 --> 00:16:17,397 不安でした 324 00:16:17,500 --> 00:16:21,316 私が本当にしたかったことは ただ泣くことでした 325 00:16:22,500 --> 00:16:24,513 心理学部で ですよ? 326 00:16:24,600 --> 00:16:27,800 (笑) 327 00:16:28,700 --> 00:16:29,863 正気でしょうか? 328 00:16:32,500 --> 00:16:34,600 でも私は幼い私に近づくことはできず 329 00:16:35,500 --> 00:16:37,300 彼を治療することもできませんでした 330 00:16:39,400 --> 00:16:42,234 彼こそが 私が心理士である理由でしたが 331 00:16:43,400 --> 00:16:45,812 私は それすら知りませんでした 332 00:16:47,000 --> 00:16:51,000 私は忙殺されました 333 00:16:51,000 --> 00:16:53,150 論文や 職務経歴書や 補助金や 業績や 334 00:16:53,150 --> 00:16:55,131 あれやこれや 335 00:16:57,000 --> 00:17:00,738 しかし 私がここに来た理由は 彼が私に言ったからです 336 00:17:01,800 --> 00:17:03,544 「何かしなさい」と 337 00:17:05,098 --> 00:17:07,900 そしてそれに対して私から彼に向かっては 338 00:17:08,700 --> 00:17:12,000 かがみこんでこんなふうに言ったも同然です 339 00:17:12,500 --> 00:17:15,300 「静かにしろ 出ていけ 黙れ」 340 00:17:17,200 --> 00:17:21,200 私が走り 戦い 隠れたとき 341 00:17:22,000 --> 00:17:24,300 不親切で 愛もありませんでした 342 00:17:24,900 --> 00:17:29,261 誰に? 私と 私の人生の目的とさえつながる― 343 00:17:29,862 --> 00:17:34,257 私の一部に対してです 344 00:17:35,800 --> 00:17:38,700 なぜならば 私たちは 自分が気にしていることで傷つき 345 00:17:39,600 --> 00:17:42,100 自分が傷つくことを気にしているのです 346 00:17:42,700 --> 00:17:45,100 これらの2つの中心、この2つのいずれと 347 00:17:45,100 --> 00:17:48,300 「向き合う」かということは 同じことです 348 00:17:49,000 --> 00:17:50,700 あなたが自分自身とともにあるならば 349 00:17:50,700 --> 00:17:52,570 たとえ困難なときでも 350 00:17:52,700 --> 00:17:54,947 自分のために 愛のある行いをしています 351 00:17:55,100 --> 00:17:57,500 それゆえに あえてリスクをとって 352 00:17:57,500 --> 00:18:00,595 何かと向き合うことができ 353 00:18:01,600 --> 00:18:03,300 愛や美しさや 354 00:18:03,300 --> 00:18:05,200 コミュニケーションや貢献を 355 00:18:05,200 --> 00:18:08,159 世界にもたらすことができます 356 00:18:08,500 --> 00:18:12,249 そういうことがわかったので 私は新たな約束をしました 357 00:18:13,100 --> 00:18:17,324 もう決して 君のことも 我々の目的についての 358 00:18:19,100 --> 00:18:23,528 君のメッセージも ないがしろにしない 359 00:18:24,510 --> 00:18:27,409 君にワークショップを受けろとか 360 00:18:27,800 --> 00:18:29,900 TEDxトークをやれと言うつもりはない 361 00:18:30,150 --> 00:18:32,330 (笑) 362 00:18:33,000 --> 00:18:35,900 ただ君に ここに一緒にいて欲しい 363 00:18:37,000 --> 00:18:38,868 君がいると心が和らぐから 364 00:18:39,500 --> 00:18:45,700 君は 私の人生がこれに関わることの 意味を与えてくれる 365 00:18:46,900 --> 00:18:49,300 だから 私からみなさんへのメッセージは 366 00:18:51,050 --> 00:18:54,686 心理学的柔軟性の科学を見てください 367 00:18:54,700 --> 00:18:58,543 皆さんが既に知っていることを この方法はどう説明するのか見てください 368 00:19:00,000 --> 00:19:02,600 つまり困難なときにも 369 00:19:02,600 --> 00:19:04,658 自分を愛することは 370 00:19:04,800 --> 00:19:07,446 世界へ愛をもたらすことに役立ち 371 00:19:07,500 --> 00:19:11,537 それも皆さんが望むやり方で もたらせるのだということをです 372 00:19:13,600 --> 00:19:15,540 これは大事なことです 373 00:19:16,600 --> 00:19:17,951 皆さんも知っていて 374 00:19:18,300 --> 00:19:20,753 皆さんの中で泣いている 小さな8歳の子供も知っています 375 00:19:22,900 --> 00:19:24,537 私たちは皆知っているのです 376 00:19:26,600 --> 00:19:28,500 なぜならば愛はすべてではなく 377 00:19:29,900 --> 00:19:31,569 ただ唯一のものだからです 378 00:19:33,011 --> 00:19:33,851 ありがとうございました お役に立てたでしょうか 379 00:19:33,851 --> 00:19:35,381 ありがとうございました お役に立てたでしょうか