WEBVTT

00:00:13.693 --> 00:00:15.776
この文章を読んでみて下さい

00:00:21.812 --> 00:00:23.796
どうでしょう？

00:00:23.796 --> 00:00:24.493
イライラする？

00:00:24.493 --> 00:00:25.322
分かりにくい？

00:00:25.322 --> 00:00:26.970
何についての文章でしたか？

00:00:26.970 --> 00:00:28.542
ディスレクシアだと

00:00:28.542 --> 00:00:30.758
単語をこのように
解読しなければなりません

00:00:30.758 --> 00:00:33.636
これはそのシミュレーションです

00:00:33.636 --> 00:00:36.569
ディスレクシアの人は
読むときは常に

00:00:36.569 --> 00:00:38.323
大変な苦労をしています

00:00:38.323 --> 00:00:40.024
ほとんどの人が
ディスレクシアの人は

00:00:40.024 --> 00:00:43.700
文字や単語の前後が
入れ替わって見えると考えがちです

00:00:43.700 --> 00:00:45.903
たとえば “d” と “b” が
逆に見えるといったように

00:00:45.903 --> 00:00:47.901
あるいは“saw” が“was” に見えると
思われがちです

00:00:47.901 --> 00:00:49.989
あるいは“saw” が“was” に見えると
思われがちです

00:00:49.989 --> 00:00:52.194
実は ディスレクシアの人も

00:00:52.194 --> 00:00:55.636
見え方は同じなのです

00:00:55.636 --> 00:00:59.703
ディスレクシアは 音韻処理に関する
問題によるものであり

00:00:59.703 --> 00:01:01.161
言葉の見え方ではなく

00:01:01.161 --> 00:01:03.371
言葉の見え方ではなく

00:01:03.371 --> 00:01:05.037
言葉を「操作する」部分に
問題があるのです

00:01:05.037 --> 00:01:08.456
たとえば“cat” という単語から
“c” の音を取ったら

00:01:08.456 --> 00:01:11.158
たとえば“cat” という単語から
“c” の音を取ったら

00:01:11.158 --> 00:01:12.815
どんな言葉になりますか？

00:01:12.815 --> 00:01:14.069
“at” ですね

00:01:14.069 --> 00:01:16.608
ディスレクシアだと
この操作が難しくなることがあります

00:01:16.608 --> 00:01:18.200
“fantastic” と文脈なしで
単語のみを見せられると

00:01:18.200 --> 00:01:19.578
“fantastic” と文脈なしで
単語のみを見せられると

00:01:19.578 --> 00:01:21.900
ディスレクシアの生徒は

00:01:21.900 --> 00:01:23.537
次のように
分解しないと読めません

00:01:23.537 --> 00:01:24.277
fan

00:01:24.277 --> 00:01:25.006
tas

00:01:25.006 --> 00:01:26.058
tic

00:01:26.058 --> 00:01:28.732
解読に時間がかかるため

00:01:28.732 --> 00:01:30.075
他の生徒と同じペースで

00:01:30.075 --> 00:01:32.298
十分に理解するのが難しいのです

00:01:32.298 --> 00:01:34.006
聞いた通りに

00:01:34.006 --> 00:01:35.626
“stick” を “stik” としたり

00:01:35.626 --> 00:01:36.413
“stick” を “stik” としたり

00:01:36.413 --> 00:01:38.133
“friends” を “frens” と綴るのも

00:01:38.133 --> 00:01:39.128
“friends” を “frens” と綴るのも

00:01:39.128 --> 00:01:41.124
よく見受けられます

00:01:41.124 --> 00:01:44.167
一般に考えられているよりも
多くの人に

00:01:44.167 --> 00:01:45.914
様々な症状が出ています

00:01:45.914 --> 00:01:49.038
５人に１人がディスレクシアとも言われますが

00:01:49.038 --> 00:01:50.675
症状は様々です

00:01:50.675 --> 00:01:52.813
軽度の人もいれば

00:01:52.813 --> 00:01:56.600
重度の人もいます

00:01:56.600 --> 00:01:58.901
ディスレクシアは
遺伝性でもあります

00:01:58.901 --> 00:02:00.980
１つの家族に 綴りを苦手とする人や

00:02:00.980 --> 00:02:02.512
１つの家族に 綴りを苦手とする人や

00:02:02.512 --> 00:02:03.809
１つの家族に 綴りを苦手とする人や

00:02:03.809 --> 00:02:07.726
“catch”のような短い単語さえ
解読に苦労する人がいることはよくあります

00:02:07.726 --> 00:02:09.633
“catch”のような短い単語さえ
解読に苦労する人がいることはよくあります

00:02:09.633 --> 00:02:12.394
ディスレクシアの出方には
強弱と幅があり

00:02:12.394 --> 00:02:15.076
ディスレクシアの人の脳が
いかに言語を処理しているかを

00:02:15.076 --> 00:02:17.699
観察するにあたって
より広範な原則を

00:02:17.699 --> 00:02:19.766
念頭におかねばなりません

00:02:19.766 --> 00:02:21.870
神経多様性とは

00:02:21.870 --> 00:02:24.368
「人間の脳は構造も機能も
１人１人異なるため―

00:02:24.368 --> 00:02:26.502
「人間の脳は構造も機能も
１人１人異なるため―

00:02:26.502 --> 00:02:28.516
『標準』から外れた脳を
ひとくくりにして

00:02:28.516 --> 00:02:30.747
『標準』から外れた脳を
ひとくくりにして

00:02:30.747 --> 00:02:32.717
病気であるとか

00:02:32.717 --> 00:02:35.211
『欠陥がある』としてはならない」

00:02:35.211 --> 00:02:37.418
という考え方です

00:02:37.418 --> 00:02:40.836
ディスレクシアなどの
脳神経の変異を抱えた人々には

00:02:40.836 --> 00:02:43.426
創造的才能や発明の才を
持つ人々もいます

00:02:43.426 --> 00:02:44.644
ピカソ

00:02:44.644 --> 00:02:45.428
モハメド・アリ

00:02:45.428 --> 00:02:46.517
ウーピー・ゴールドバーグ

00:02:46.517 --> 00:02:47.598
スティーブン・スピルバーグ

00:02:47.598 --> 00:02:48.479
シェールなど

00:02:48.479 --> 00:02:50.062
彼らのように

00:02:50.062 --> 00:02:53.658
輝かしく成功した人生を
送る力があるのです

00:02:53.658 --> 00:02:55.106
ディスレクシアの人の脳は

00:02:55.106 --> 00:02:57.484
このように特別な働き方をします

00:02:57.484 --> 00:03:00.367
脳には 左脳と右脳があります

00:03:00.367 --> 00:03:03.202
言語―つまり「読み」を
つかさどるのは

00:03:03.202 --> 00:03:04.900
主に左脳です

00:03:04.900 --> 00:03:08.331
右脳は空間認知を主につかさどります

00:03:08.331 --> 00:03:10.477
fMRI を用いた研究により

00:03:10.477 --> 00:03:12.488
ディスレクシアの人の脳は

00:03:12.488 --> 00:03:15.985
そうでない人の脳と比べて
右脳と前頭葉が盛んに

00:03:15.985 --> 00:03:18.168
活動していることがわかりました

00:03:18.168 --> 00:03:20.092
つまり 言葉を読む際に

00:03:20.092 --> 00:03:22.176
脳内を伝わるのに
より長い時間がかかり

00:03:22.176 --> 00:03:25.013
前頭葉での処理に
遅れが出るのです

00:03:25.013 --> 00:03:27.647
神経のこのような「バグ」のため

00:03:27.647 --> 00:03:29.763
読むことが困難になります

00:03:29.763 --> 00:03:31.312
しかし ディスレクシアの人も

00:03:31.312 --> 00:03:32.981
脳を物理的に変化させて

00:03:32.981 --> 00:03:35.166
読む力を向上させることができます

00:03:35.166 --> 00:03:38.106
多感覚を応用した
集中的な治療法によって

00:03:38.106 --> 00:03:39.810
言語を分解し

00:03:39.810 --> 00:03:41.731
音節や綴りのルールに基づいて

00:03:41.731 --> 00:03:44.645
言葉を解読する方法を教えるのです

00:03:44.645 --> 00:03:46.474
すると ディスレクシアの人の脳が

00:03:46.474 --> 00:03:48.204
読む際に 左脳を

00:03:48.204 --> 00:03:50.330
より効率的に使うようになり

00:03:50.330 --> 00:03:52.252
読む力が向上するのです

00:03:52.252 --> 00:03:53.496
この治療法は

00:03:53.496 --> 00:03:56.310
ディスレクシアを
「脳の働き方の違いである」と

00:03:56.310 --> 00:03:58.837
正しく位置づけるために効果があり

00:03:58.837 --> 00:04:01.171
当然 １人ひとり異なる

00:04:01.171 --> 00:04:03.395
脳の働きに目を向けることになります

00:04:03.395 --> 00:04:06.135
神経多様性は 
あらゆる人々に見られる

00:04:06.135 --> 00:04:08.372
脳機能のスペクトラムを重視し

00:04:08.372 --> 00:04:11.574
周囲の人々の視点を

00:04:11.574 --> 00:04:13.254
よりよく理解するには

00:04:13.254 --> 00:04:16.026
他人の視点を通してだけでなく

00:04:16.026 --> 00:04:18.647
脳を通して理解すべきだと
示唆しています