公の場での初公開となりますが 簡単に入手できる標準的なLEDから パソコンに接続された太陽電池へと 動画を送信できるシステムを ご紹介したいと思います Wi-Fi技術を用いず 光だけによる通信です それってどういうこと? と思われるかもしれません 要点はこうです インターネット技術を広く普及させ デジタルデバイドをなくし しかも「モノのインターネット(IoT)」 つまり 何百億もの機器への インタネット接続を広めようというものです 私の考えでは このようなインターネットの拡大は エネルギー中立でなければ 成り立ちません つまり 既存のインフラを 最大限に活用することです ここに太陽電池とLEDの 活用の場が見出されます 2011年のTEDの場で 初めてお見せしたのが Li-Fi つまり高性能光通信技術です Li-Fiは簡単に入手できるLEDを使い 驚異的な速度のデータ通信を 安全かつ確実に行うことができます データは明るさの微妙な変化として コード化することによって 光によって伝えられます 周りを見渡してみると 多くのLEDがありますが これはLi-Fi通信の インフラが豊富にあることを意味します 今までは コード化された信号を 受信するのに 特別な装置である 小型の光受信機を 使ってきました Li-Fiの光信号を受信するのに 既存のインフラを利用したいと 私は考えました そこで 太陽電池やソーラーパネルに 注目したわけです 太陽電池は光を吸収し 電気エネルギーへと変換します こうやって太陽電池で 携帯電話の充電ができます さて データはLEDの明るさの 微妙な変化としてコード化されるので 入射した光がわずかに変化すると 太陽電池で生成されたエネルギーも 微妙に変化します 太陽電池を用いて 光に組み込まれたデータを受信する 基本的な仕組みが あるということです 生成されたエネルギーの変動が 送信されたデータに 関連付けられているということです 問題は LEDで送信されたような 極めて速く かつ微妙な光の変動を 検知することが出来るのかということです 答えはイエス 可能です 実験室において 標準的かつ簡単に手に入る太陽電池を用いて 毎秒50メガビットのデータが受信できました これは今どきのほとんどの ブロードバンド通信よりも速い速度です 実際にお見せしましょう この箱には標準的で簡単に手に入る LEDランプが入っています これが標準的で簡単に入手可能な 太陽電池で ラップトップコンピュータに接続されています また太陽電池で生成されたエネルギーを 可視化する装置もあります この装置は今も何らかの入力が あることを示しています 太陽電池が周囲の光をひろって エネルギーを生み出しているからです では はじめに ランプのスイッチを入れてみましょう しばらくの間 スイッチを入れてみるだけです 受信機の針が右に振れるのが ご覧になれますね 太陽電池は 人工的な光源から エネルギーを生成しています スイッチを切れば 針は元通り またスイッチを入れれば… 太陽電池でエネルギーを 生成することができました 次に動画を再生してみましょう 再生ボタンを押しました LEDランプは光の明るさを ほんの僅かに変化させることで 動画の信号を送っていますが 人間の目ではこれを検知することはできません 変化の速度があまりにも速いからです この仕組みで通信が行なわれていることを 証明するために 太陽電池の光をさえぎってみましょう するとエネルギーの生成が止まったことは すぐに分ります 動画の再生も止まりました 障害物を取り除くと 動画の再生も再開します (拍手) もう一度やってみましょう ビデオの再生もエネルギーの生成も 止まります これは太陽電池が受信機として 動作していることを示します 次にLEDランプを街路灯とし 霧がかっている場面を想像しましょう 霧をシミュレートするために ハンカチを持参しました (笑) ハンカチで太陽電池を覆うと ご覧の通り エネルギーは低下します 思ったとおりです しかし動画は止まることなく 再生しています つまり 覆いがあっても 十分な光がハンカチを透過して 太陽電池に届き 太陽電池は情報を読み取って 動画を― この場合 HD動画を再生できます 大事な点は 太陽電池が エネルギーを作りだすという 基本的な機能を果たしながら 光に埋め込まれた信号による 高速無線通信の受信器となっていることです ですから 小屋の屋根に設置されている 太陽電池を 近くの丘にあるレーザー基地― 実際には街路灯からの信号を受け取る ブロードバンド受信機として使うことができます 太陽電池の種類は問いません 窓に埋め込まれた 透明な太陽電池でも構いませんし 街角にある器具に取り付けられた 太陽電池でもよく IoT をなす何十億もある このような装置に取り付けられた 太陽電池でもいいのです 端的に言えば このような装置を 定期的に充電するのは面倒ですし 電池を数か月ごとに交換することは もっと面倒です 先に申し上げたように これを公開するのは 今回が初めてです まだ実験室での試みで プロトタイプですが 我々のチームはきっと2~3年以内に 市場に出すことができると考えています デジタルデバイドを無くし 何十億もの装置の インターネット接続に 役立てることができたらと 願っています しかもエネルギー消費の 爆発的増加させることもありません 逆の効果をもった太陽電池のおかげです 有難うございました (拍手)