WEBVTT 00:00:00.787 --> 00:00:04.632 アメリカで人気のパイと言えば? 00:00:04.632 --> 00:00:08.138 聴衆:「アップルパイ」 もちろん アップルパイですよね 00:00:08.138 --> 00:00:09.369 どうして分かるのでしょうか? 00:00:09.369 --> 00:00:12.122 データがあるからです 00:00:12.122 --> 00:00:14.188 スーパーの売上げを考えてみましょう 00:00:14.188 --> 00:00:17.054 30cmの冷凍パイの売上げについてです 00:00:17.054 --> 00:00:21.129 アップルパイが断トツ1位です 00:00:21.129 --> 00:00:26.309 売上げの大部分がアップルパイです 00:00:26.309 --> 00:00:29.273 ところが スーパーが小さな 00:00:29.273 --> 00:00:31.856 11cmセンチのパイを売り始めると 00:00:31.856 --> 00:00:36.030 突然 アップルパイは 4、5番目に転落しまいました 00:00:36.030 --> 00:00:38.905 なぜでしょうか? 何が起こったのでしょうか? 00:00:38.905 --> 00:00:41.723 考えてみてください 00:00:41.723 --> 00:00:45.571 30cmのパイを買う時は 00:00:45.571 --> 00:00:47.832 家族全員の希望に沿うパイを選びます 00:00:47.832 --> 00:00:51.623 アップルパイは家族の第二希望なのです 00:00:51.623 --> 00:00:53.558 (笑) 00:00:53.558 --> 00:00:57.173 でも 個人用の11cmのパイを買う時は 00:00:57.173 --> 00:01:00.918 自分が欲しいパイを買います 00:01:00.918 --> 00:01:04.933 自分の第一希望を買えるのです 00:01:04.933 --> 00:01:06.574 データがたくさんあると 00:01:06.574 --> 00:01:08.128 データが少ない時には 00:01:08.128 --> 00:01:09.260 分からなかったことが 00:01:09.260 --> 00:01:13.213 分かってくるのです 00:01:13.213 --> 00:01:15.688 つまり より多くのデータがあると 00:01:15.688 --> 00:01:17.971 多くが見えるだけでなく 00:01:17.971 --> 00:01:19.825 見ていたことからも多くが分かるのです 00:01:19.825 --> 00:01:23.438 データが多いほど 新しいことが分かってきます 00:01:23.438 --> 00:01:26.532 より良い見方や 00:01:26.532 --> 00:01:30.188 違う見方ができるようになります 00:01:30.188 --> 00:01:33.361 この例で 分かることは 00:01:33.361 --> 00:01:36.274 「アメリカで人気のパイは 00:01:36.274 --> 00:01:38.816 アップルパイではない」ということです 00:01:38.816 --> 00:01:42.430 皆さんは「ビッグデータ」という言葉を お聞きになられたことがあるでしょう 00:01:42.430 --> 00:01:44.487 もしかしたら 耳にタコがでくるくらい 00:01:44.487 --> 00:01:46.117 お聞きになっているかもしれません 00:01:46.117 --> 00:01:49.447 ビッグデータは 誇大宣伝されている部分もあり 00:01:49.447 --> 00:01:51.779 非常に残念なことです 00:01:51.779 --> 00:01:54.825 なぜなら ビッグデータは 社会の進歩に欠かせない 00:01:54.825 --> 00:01:58.559 非常に重要なツールだからです 00:01:58.559 --> 00:02:02.120 昔は 少ないデータから 00:02:02.120 --> 00:02:03.824 世界を理解しようと 00:02:03.824 --> 00:02:05.320 考えてきました 00:02:05.320 --> 00:02:07.311 現在は 以前では考えられなかった程の 00:02:07.311 --> 00:02:10.032 大量のデータがあるのです 00:02:10.032 --> 00:02:11.910 大量のデータがあると 00:02:11.910 --> 00:02:14.634 データ量が少なかった時に 不可能だったことが 00:02:14.634 --> 00:02:17.910 根本的に可能になる ということが分かってきました 00:02:17.910 --> 00:02:20.551 ビッグデータは重要で 新しいものです 00:02:20.551 --> 00:02:22.328 ビックデータについて考えてみると 00:02:22.328 --> 00:02:24.544 地球規模の課題について- 00:02:24.544 --> 00:02:26.333 食糧問題や医療の供給 00:02:26.333 --> 00:02:29.870 エネルギーや電力の供給などに 00:02:29.870 --> 00:02:32.680 対処する唯一の方法であり 00:02:32.680 --> 00:02:34.469 地球温暖化の影響で 00:02:34.469 --> 00:02:35.707 カリカリに焼けることがないように 00:02:35.707 --> 00:02:39.902 データを効率的に使うことが必要なのです 00:02:39.902 --> 00:02:43.772 ビッグデータの新しいモノとは何で 重大事とは何でしょうか? 00:02:43.772 --> 00:02:46.289 その問いに答えるために 00:02:46.289 --> 00:02:48.185 情報がどのようなもので 00:02:48.185 --> 00:02:51.219 過去には 物理的にどう映っていたのかを 考えてみましょう 00:02:51.219 --> 00:02:54.830 1908年 クレタ島で 00:02:54.830 --> 00:02:59.565 考古学者が粘土の円盤を発見しました 00:02:59.565 --> 00:03:03.624 4.000年前の紀元前2,000年のものです 00:03:03.624 --> 00:03:05.628 この円盤には文字が書かれていますが 00:03:05.628 --> 00:03:06.955 実質的には 解読できません 00:03:06.955 --> 00:03:09.053 完全に謎なのですが 00:03:09.053 --> 00:03:10.981 4,000年前の情報がどんなもの 00:03:10.981 --> 00:03:13.070 だったのかを言いたいのです 00:03:13.070 --> 00:03:15.618 これが 社会が情報を保管して 00:03:15.618 --> 00:03:19.142 伝えたやり方です 00:03:19.142 --> 00:03:23.302 さて 社会はそれほど進歩しませんでした 00:03:23.302 --> 00:03:26.776 今でもディスクに情報を保管しています 00:03:26.776 --> 00:03:29.960 でも 以前よりもずっと大量の情報を 00:03:29.960 --> 00:03:31.220 保管できるのです 00:03:31.220 --> 00:03:34.313 検索やコピーも より簡単です 00:03:34.313 --> 00:03:37.813 共有や処理も より簡単です 00:03:37.813 --> 00:03:40.579 情報を収集する時 00:03:40.579 --> 00:03:42.413 かつては想像だにしなかった 00:03:42.413 --> 00:03:45.608 情報の再利用もできるのです 00:03:45.608 --> 00:03:47.860 この点において データは 00:03:47.860 --> 00:03:51.392 固定的なモノから流動的なモノへ 00:03:51.392 --> 00:03:55.330 変化のない静的なモノから 00:03:55.330 --> 00:03:58.939 変わりやすくダイナミックスなモノへと 変化しているのです 00:03:58.939 --> 00:04:02.962 いうなれば 情報には流動性があります 00:04:02.962 --> 00:04:06.436 クレタ島で発見された 00:04:06.436 --> 00:04:10.200 4,000年前の円盤は重く 00:04:10.200 --> 00:04:12.162 情報はたくさん書かれていませんし 00:04:12.162 --> 00:04:15.278 書き変えることはできないのです 00:04:15.278 --> 00:04:19.289 対照的に エドワード・スノーデンが 00:04:19.289 --> 00:04:21.149 アメリカの国家安全保障局から 00:04:21.149 --> 00:04:23.771 持ち出したファイルはすべて 00:04:23.771 --> 00:04:26.190 指の爪サイズの 00:04:26.190 --> 00:04:29.200 USBに保存でき 00:04:29.200 --> 00:04:33.945 光速で共有できるのです 00:04:33.945 --> 00:04:39.200 データは膨れ上がっています 00:04:39.200 --> 00:04:41.174 さて 今日の世界に大量のデータがあるのは 00:04:41.174 --> 00:04:42.606 常時 情報を集めているモノを 00:04:42.606 --> 00:04:45.886 収集しているからです 00:04:45.886 --> 00:04:48.542 別の理由は 常に情報を含みつつも 00:04:48.542 --> 00:04:51.354 データ形式にレンダレングされていない 00:04:51.354 --> 00:04:53.840 ものを集めているからです 00:04:53.840 --> 00:04:56.259 そしてデータに置き換えます 00:04:56.259 --> 00:04:59.567 例として 場所について考えてみましょう 00:04:59.567 --> 00:05:01.816 マーティン・ルターを例に挙げます 00:05:01.816 --> 00:05:03.413 1,500年代に 00:05:03.413 --> 00:05:06.080 マーティン・ルターの居場所を知りたいのなら 00:05:06.080 --> 00:05:08.172 常に彼の後をついて行き 00:05:08.172 --> 00:05:10.309 羽ペンとインク入れを持ち運び 00:05:10.309 --> 00:05:11.985 居場所を記録しなければなりません 00:05:11.985 --> 00:05:14.168 でも 今日ではどうでしょうか 00:05:14.168 --> 00:05:16.290 電気通信業者のデータペースにより 00:05:16.290 --> 00:05:18.736 居場所が分かります 00:05:18.736 --> 00:05:21.772 常に あなたの居場所に関する情報を 00:05:21.772 --> 00:05:23.860 記録するスプレッドシートや 00:05:23.860 --> 00:05:25.923 データベースへの登録などがあります 00:05:25.923 --> 00:05:27.283 携帯電話を持っているなら 00:05:27.283 --> 00:05:30.130 GPS機能があります GPS機能のない機種でも 00:05:30.130 --> 00:05:32.515 あなたの情報を記録できるのです 00:05:32.515 --> 00:05:36.599 つまり 場所はデータ化されるのです 00:05:36.599 --> 00:05:41.200 別の例として 姿勢について考えてみましょう 00:05:41.200 --> 00:05:42.485 今皆さん全員座っておられますが 00:05:42.485 --> 00:05:44.515 あなたの座り方 00:05:44.515 --> 00:05:47.286 あなたの座り方 あなたの座り方 00:05:47.286 --> 00:05:49.363 全て異なります 足の長さや 00:05:49.363 --> 00:05:51.456 背中や背中の曲線などが違います 00:05:51.456 --> 00:05:53.987 今皆さんが座られている椅子に 00:05:53.987 --> 00:05:55.753 100個のセンサーを付けるなら 00:05:55.753 --> 00:05:59.353 あなた独自の座り方の特徴を 00:05:59.353 --> 00:06:03.762 指ではないですが 指紋のように 分類できるのです 00:06:03.762 --> 00:06:06.731 これで何ができるのでしょうか? 00:06:06.731 --> 00:06:09.128 東京の研究者は 00:06:09.128 --> 00:06:13.516 これを車の盗難防止装置 として使えると考えています 00:06:13.516 --> 00:06:16.440 運転席に車泥棒が座るという発想により 00:06:16.440 --> 00:06:18.544 防犯につなげようとしています 00:06:18.544 --> 00:06:20.906 認証されていないドライバーが 運転席に座ると 00:06:20.906 --> 00:06:23.070 「自分は認証されたドライバーである」 00:06:23.070 --> 00:06:26.247 と伝えるために ダッシュボードにパスワードを入力しないと 00:06:26.247 --> 00:06:30.905 エンジンが始動しないかもしれません 素晴らしいですね 00:06:30.905 --> 00:06:33.458 ヨーロッパで全ての車が この技術を搭載すると 00:06:33.458 --> 00:06:34.915 どうなるのでしょうか? 00:06:34.915 --> 00:06:38.080 その時 何ができるのでしょうか? 00:06:38.080 --> 00:06:40.320 おそらく データを収集すると 00:06:40.320 --> 00:06:44.134 車の事故が 次の5秒で起こることを 00:06:44.134 --> 00:06:46.843 ピタリと言い当てることが 00:06:46.843 --> 00:06:52.736 できるかもしれません 00:06:52.736 --> 00:06:55.293 そして ドライバーの疲労を 00:06:55.293 --> 00:06:57.076 データ化し 00:06:57.076 --> 00:06:59.410 車がドライバーの姿勢が悪くなってきたと 00:06:59.410 --> 00:07:02.847 感じたら 自動的に 内部アラームを設定します 00:07:02.847 --> 00:07:06.841 ハンドルを振動させたり 00:07:06.841 --> 00:07:08.866 「起きてください 00:07:08.866 --> 00:07:10.587 道路にもっと注意を向けましょう」と 00:07:10.587 --> 00:07:12.491 言葉で教えてくれます 00:07:12.491 --> 00:07:14.344 暮らしの様々な側面をデータ化すると 00:07:14.344 --> 00:07:17.165 私たちのできることを分類できます 00:07:17.165 --> 00:07:20.840 つまり ビックデータの価値とは 何でしょうか? 00:07:20.840 --> 00:07:23.030 考えてみてください 00:07:23.030 --> 00:07:25.442 あなたは より多くの情報を持っており 00:07:25.442 --> 00:07:28.783 以前にはできなかったことが できるのです 00:07:28.783 --> 00:07:30.459 このコンセプトが生じる 00:07:30.459 --> 00:07:32.188 最も印象的な領域の1つが 00:07:32.188 --> 00:07:35.495 機械学習の領域です 00:07:35.495 --> 00:07:38.572 機械学習とは 人口知能に含まれ 00:07:38.572 --> 00:07:41.950 コンピュータ・サイエンスの1つです 00:07:41.950 --> 00:07:43.493 その概念は コンピュータに 00:07:43.493 --> 00:07:45.610 何をするかを教える代わりに 00:07:45.610 --> 00:07:48.230 単純に問題となるデータを投げると 00:07:48.230 --> 00:07:51.436 コンピュータが独自に解明してくれるのです 00:07:51.436 --> 00:07:53.213 その起源を辿ると 00:07:53.213 --> 00:07:56.765 分かりやすいでしょう 00:07:56.765 --> 00:07:59.153 1950年代 アーサー・サミュエルという 00:07:59.153 --> 00:08:02.745 IBMのコンピュータ科学者は チェッカーが好きでした 00:08:02.745 --> 00:08:04.147 コンピュータ・プログラムを書き 00:08:04.147 --> 00:08:06.960 彼はコンピュータと対戦しました 00:08:06.960 --> 00:08:09.671 彼は対戦して 勝ちました 00:08:09.671 --> 00:08:11.774 彼は対戦して 勝ちました 00:08:11.774 --> 00:08:14.789 彼は対戦して 勝ちました 00:08:14.789 --> 00:08:16.567 コンピュータが正式なルールしか 00:08:16.567 --> 00:08:18.794 知らなかったからです 00:08:18.794 --> 00:08:20.881 アーサー・サミュエルは すごいことを知っていました 00:08:20.881 --> 00:08:25.510 彼は 戦略を知っていました 00:08:25.510 --> 00:08:27.906 彼はサブプログラムを作成して 00:08:27.906 --> 00:08:29.880 バックグラウンドで走らせました 00:08:29.880 --> 00:08:31.697 サブプログラムは 一手ごとに 00:08:31.697 --> 00:08:34.260 その盤面の配置から 00:08:34.260 --> 00:08:37.169 勝つ確率と負ける確率を 00:08:37.169 --> 00:08:39.678 記録したのです 00:08:39.678 --> 00:08:42.828 彼はコンピュータと対戦して 勝ちました 00:08:42.828 --> 00:08:45.336 彼はコンピュータと対戦して 勝ちました 00:08:45.336 --> 00:08:49.067 彼はコンピュータと対戦して 勝ちました 00:08:49.067 --> 00:08:51.344 そして アーサー・サミュエルは 00:08:51.344 --> 00:08:53.571 コンピュータ自体が ゲームをするようにしました 00:08:53.571 --> 00:08:57.080 コンピュータは独自にゲームをし より多くのデータを集めました 00:08:57.080 --> 00:09:01.389 より多くのデータを集めると 予測の精度も上がります 00:09:01.389 --> 00:09:03.493 そしてアーサー・サミュエルは 00:09:03.493 --> 00:09:05.811 コンピュータの所へ戻り 対戦して 負けました 00:09:05.811 --> 00:09:07.880 彼は対戦して 負けました 00:09:07.880 --> 00:09:09.927 彼は対戦して 負けました 00:09:09.927 --> 00:09:12.526 アーサー・サミュエルは 教えたタスクで 00:09:12.526 --> 00:09:18.814 彼の能力を凌ぐ コンピュータを作りあげました 00:09:18.814 --> 00:09:21.312 機械学習という発想は 00:09:21.312 --> 00:09:25.239 どこにでもあります 00:09:25.239 --> 00:09:28.388 自動運転車はどのように 作られたと思いますか? 00:09:28.388 --> 00:09:30.525 ソフトウェアに 全道路法規を記入すると 00:09:30.525 --> 00:09:33.810 より豊かな社会なのでしょうか? 00:09:33.810 --> 00:09:36.408 いいえ  記憶装置は安価? いいえ 00:09:36.408 --> 00:09:40.402 アルゴリズムがより速い? いいえ プロセッサがより良い? いいえ 00:09:40.402 --> 00:09:43.174 それらはすべて重要ですが それが理由ではありません 00:09:43.174 --> 00:09:46.315 問題の性質を変えているからです 00:09:46.315 --> 00:09:47.845 私たちの言わんとすることを- 00:09:47.845 --> 00:09:50.090 例えば 「自動車の周辺には多くの情報があり 00:09:50.090 --> 00:09:52.671 皆さんは それを理解しています 00:09:52.671 --> 00:09:53.987 信号機についても理解しています 00:09:53.987 --> 00:09:55.863 信号機は赤で青ではないので 00:09:55.863 --> 00:09:57.396 停止する必要があり 00:09:57.396 --> 00:09:59.263 前進できません」ということを 00:09:59.263 --> 00:10:01.344 コンピュータに明確に 00:10:01.344 --> 00:10:03.358 説明しようと試みていた 00:10:03.358 --> 00:10:06.441 問題の性質を変えてしまいました 00:10:06.441 --> 00:10:07.959 機械学習は 私たちが 00:10:07.959 --> 00:10:09.950 ネット上で行う多くの事の 根底となっています 00:10:09.950 --> 00:10:11.807 例えば 検索エンジン 00:10:11.807 --> 00:10:15.608 Amazonのパーソナライズ・アルゴリズム 00:10:15.608 --> 00:10:17.820 自動翻訳 00:10:17.820 --> 00:10:22.110 音声認識などです 00:10:22.110 --> 00:10:24.945 最近 研究者は生検や 00:10:24.945 --> 00:10:28.140 ガンの生検について 00:10:28.140 --> 00:10:30.907 研究しており 00:10:30.907 --> 00:10:33.222 細胞が実際ガンに冒されているか 00:10:33.222 --> 00:10:35.693 どうかを調べるために 00:10:35.693 --> 00:10:40.360 データや生存率を使って 00:10:40.360 --> 00:10:42.904 コンピュータに 特定させようとしています 00:10:42.904 --> 00:10:44.682 案の定 データを入力すると 00:10:44.682 --> 00:10:46.729 機会学習のアルゴリズム経由で 00:10:46.729 --> 00:10:48.606 コンピュータは12個の兆候を 00:10:48.606 --> 00:10:50.868 特定することで 00:10:50.868 --> 00:10:54.167 乳ガン細胞の生検結果はガンであると 00:10:54.167 --> 00:10:57.385 ビタリと予測します 00:10:57.385 --> 00:10:59.883 問題は 医学文献が 00:10:59.883 --> 00:11:02.672 9個しか兆候を知らなかったことです 00:11:02.672 --> 00:11:04.472 特性のうち 3個は 00:11:04.472 --> 00:11:07.447 探す必要がないものでしたが 00:11:07.447 --> 00:11:12.978 コンピュータは見つけました 00:11:12.978 --> 00:11:18.903 さて ビックデータにも負の側面があります 00:11:18.903 --> 00:11:20.977 私たちの暮らしを向上させますが 00:11:20.977 --> 00:11:23.617 意識しなければならない 問題もあります 00:11:23.617 --> 00:11:26.240 最初の問題は 00:11:26.240 --> 00:11:28.926 『マイノリティ・リポート』のように 00:11:28.926 --> 00:11:32.796 警察が目的のためにビックデータを使って 00:11:32.796 --> 00:11:35.147 予測に基づいて 罰するかもしれないということです 00:11:35.147 --> 00:11:37.588 さて 予測警備とか 00:11:37.588 --> 00:11:39.951 アルゴリズム的犯罪学 という用語です 00:11:39.951 --> 00:11:41.987 例えば 過去の犯罪がどこで起こったか 00:11:41.987 --> 00:11:44.146 というデータがたくさんあると 00:11:44.146 --> 00:11:46.689 パトロールすべき所が分かる という考え方です 00:11:46.689 --> 00:11:48.804 その通りですが もちろん問題もあります 00:11:48.804 --> 00:11:53.348 場所のデータだけで止まらず 00:11:53.348 --> 00:11:56.307 個人レベルにまで下りていってしまうことです 00:11:56.307 --> 00:11:58.557 個人の高校の成績証明書のデータを 00:11:58.557 --> 00:12:00.785 使うのはどうでしょうか? 00:12:00.785 --> 00:12:02.346 失業しているのかどうか 00:12:02.346 --> 00:12:04.374 信用情報 ネットサーフィンの行動パターン 00:12:04.374 --> 00:12:05.926 夜更かしするのかどうか などを 00:12:05.926 --> 00:12:07.804 使うかもしれません 00:12:07.804 --> 00:12:10.965 Fitbit による生化学情報を得れば 00:12:10.965 --> 00:12:15.201 使用者が積極的な考え方をしていることさえ分かります 00:12:15.201 --> 00:12:17.422 私たちの行動を予測し得る 00:12:17.422 --> 00:12:19.055 アルゴリズムがあり 00:12:19.055 --> 00:12:20.299 実際に私たちが行動する前に 00:12:20.299 --> 00:12:22.889 責任を負うことになるかもしれません 00:12:22.889 --> 00:12:24.621 スモールデータの時代では 00:12:24.621 --> 00:12:27.501 プライバシーが中心的な課題でしたが 00:12:27.501 --> 00:12:29.650 ビックデータの時代では 00:12:29.650 --> 00:12:34.173 課題は 自由意思や道徳基準の選択 00:12:34.173 --> 00:12:37.952 人間の決断力や行為主体性などを 00:12:37.952 --> 00:12:41.020 保護することです 00:12:42.540 --> 00:12:44.765 ビックデータに職を奪われるという 00:12:44.765 --> 00:12:48.321 別の問題もあります 00:12:48.321 --> 00:12:51.833 ビックデータやアルゴリズムは 00:12:51.833 --> 00:12:54.894 20世紀に 工場の自動化や 00:12:54.894 --> 00:12:56.547 組立ラインが 00:12:56.547 --> 00:12:58.981 ブルーカラーに対抗したように 00:12:58.981 --> 00:13:01.170 21世紀には ホワイトカラーや専門職に 00:13:01.170 --> 00:13:04.196 対抗することになるでしょう 00:13:04.196 --> 00:13:06.288 顕微鏡を使って 00:13:06.288 --> 00:13:07.697 ガン生検を調べて 00:13:07.697 --> 00:13:09.321 ガンであるかどうかを決める 00:13:09.321 --> 00:13:11.958 検査技師について考えてみましょう 00:13:11.958 --> 00:13:13.930 その検査技師は大学教育を受けました 00:13:13.930 --> 00:13:15.360 不動産物件を買ったり 00:13:15.360 --> 00:13:17.101 投票したり 00:13:17.101 --> 00:13:20.767 社会への出資者でもあります 00:13:20.767 --> 00:13:22.161 そして 検査技師の仕事とは 00:13:22.161 --> 00:13:23.770 同じような専門職の一群と同様に 00:13:23.770 --> 00:13:25.739 同じような専門職の一群と同様に 00:13:25.739 --> 00:13:28.889 仕事内容が根本的に変わったり 00:13:28.889 --> 00:13:31.246 完全に無くなったりします 00:13:31.246 --> 00:13:32.530 短い一時的な混乱の後 00:13:32.530 --> 00:13:35.717 長年に渡って テクノロジーが仕事を作ってきた 00:13:35.717 --> 00:13:39.182 ことについて考えてください 00:13:39.182 --> 00:13:41.123 私たちが暮らす枠組み 00:13:41.123 --> 00:13:43.265 産業革命-は真実で 00:13:43.265 --> 00:13:45.593 まさに起こったことです 00:13:45.593 --> 00:13:47.926 しかし その分析で 忘れていることがあります 00:13:47.926 --> 00:13:49.756 それはなくなり   二度と戻ってこなかった 00:13:49.756 --> 00:13:53.176 職種があるということです 00:13:53.176 --> 00:13:55.180 産業革命は あまり有難くないものでした 00:13:55.180 --> 00:13:59.182 あなたが馬であれば 00:13:59.182 --> 00:14:01.237 ですから 注意深く ビックデータを取扱い 00:14:01.237 --> 00:14:04.751 私たちのニーズ 非常に人間的なニーズのために 00:14:04.751 --> 00:14:07.936 調整していく必要があります 00:14:07.936 --> 00:14:09.890 私たちは この技術の召使ではなく 00:14:09.890 --> 00:14:11.546 所有者にならなければなりません 00:14:11.546 --> 00:14:14.504 ビックデータの時代は 始まったばかりなので 00:14:14.504 --> 00:14:17.654 正直言って 今集められた全データに 00:14:17.654 --> 00:14:21.861 私たちは あまりうまく対処できていません 00:14:21.861 --> 00:14:25.191 国家安全保障局だけの 問題ではありません 00:14:25.191 --> 00:14:28.229 企業も多くのデータを集め 乱用しています 00:14:28.229 --> 00:14:31.896 うまく使えるようになるには 時間がかかります 00:14:31.896 --> 00:14:33.718 原始人と火が直面していた課題に 00:14:33.718 --> 00:14:36.125 ちょっと似ています 00:14:36.125 --> 00:14:38.010 これはツールですが 00:14:38.010 --> 00:14:41.569 注意しないと 私たちを焼いてしまうツールなのです 00:14:44.008 --> 00:14:47.128 ビックデータは 生き方や働き方や考え方を 00:14:47.128 --> 00:14:49.929 変えていくことでしょう 00:14:49.929 --> 00:14:51.818 私たちのキャリアを管理して 00:14:51.818 --> 00:14:55.452 満足して希望が持て 幸福で健康な暮らしに 00:14:55.452 --> 00:14:58.444 導くことでしょう 00:14:58.444 --> 00:15:01.750 しかし 過去に 情報技術でよくあったように 00:15:01.750 --> 00:15:03.958 物理的なものであるT- 00:15:03.958 --> 00:15:05.644 技術やハードウェアに 00:15:05.644 --> 00:15:07.906 目が行きがちになります 00:15:07.906 --> 00:15:10.830 明確でない部分があるものの 00:15:10.830 --> 00:15:12.210 いくつかの点において 00:15:12.210 --> 00:15:13.583 かなり重要である I- 00:15:13.583 --> 00:15:17.692 情報に再び着目する必要があります 00:15:17.692 --> 00:15:21.157 世界や私たちの居場所を理解するために 00:15:21.157 --> 00:15:23.575 時代を超えた冒険の一端として 00:15:23.575 --> 00:15:25.690 集めた情報から 00:15:25.690 --> 00:15:28.849 人間性がついに学べるのです 00:15:28.849 --> 00:15:34.480 そのことがビックデータが 重大事な理由なのです 00:15:34.480 --> 00:15:38.048 (拍手)