1
00:00:00,539 --> 00:00:02,881
では

2
00:00:02,881 --> 00:00:04,367
当時大戦争と呼ばれ

3
00:00:04,367 --> 00:00:05,668
第一次世界大戦の起源となった

4
00:00:05,668 --> 00:00:08,593
人類史上 最も有名な事件について

5
00:00:08,593 --> 00:00:10,817
お話ししましょう

6
00:00:10,819 --> 00:00:12,749
今からお話することが
ちょっとした背景です

7
00:00:12,749 --> 00:00:16,574
1908年
オーストリア・ハンガリー帝国は

8
00:00:16,574 --> 00:00:19,470
正式に

9
00:00:19,470 --> 00:00:24,894
ボスニアとヘルツエゴビナを併合しました

10
00:00:24,894 --> 00:00:27,422
1800年代後半
オスマントルコ人が追放されて以来

11
00:00:27,422 --> 00:00:28,867
すでに
ボスニアとヘルツエゴビナの２州を

12
00:00:28,867 --> 00:00:30,619
オーストリア・ハンガリー帝国が
占拠していましたが

13
00:00:30,619 --> 00:00:33,960
1908年に
正式に２州を併合したのです

14
00:00:33,960 --> 00:00:36,027
もう少し背景を説明しましょう

15
00:00:36,027 --> 00:00:40,978
バルカン半島から
オスマントルコ人が追放され

16
00:00:40,980 --> 00:00:44,709
ユーゴスラビアの人々

17
00:00:44,709 --> 00:00:48,522
つまり南スラブ人は

18
00:00:48,522 --> 00:00:50,309
民族統合の希望を
持ち始めました

19
00:00:50,309 --> 00:00:52,640
ユーゴスラビア人について話す時

20
00:00:52,640 --> 00:00:56,610
文字通り 南スラブ人のことを指します

21
00:00:56,610 --> 00:00:58,249
言葉通り
南という意味です

22
00:00:58,249 --> 00:00:59,889
つまり 民族主義を
実現するという希望です

23
00:00:59,889 --> 00:01:03,179
しかし すでに
1908年当時

24
00:01:03,179 --> 00:01:04,233
オーストリア・ハンガリー帝国によって
占拠されていました

25
00:01:04,233 --> 00:01:07,634
将来ユーゴスラビア人のものとなる
可能性のある重要な土地は

26
00:01:07,634 --> 00:01:11,350
今や 正式に
オーストリア・ハンガリー帝国によって
併合されてしまったのです

27
00:01:11,350 --> 00:01:14,432
ここに 独立国家である
セルビア王国もありました

28
00:01:14,432 --> 00:01:16,561
ここが ナショナリズム運動の
本拠地となったことは

29
00:01:16,561 --> 00:01:19,405
容易に想像できるでしょう

30
00:01:19,405 --> 00:01:23,107
ここセルビアの地に
他の南スラブ諸国を加えさえすれば

31
00:01:23,107 --> 00:01:26,470
いつの日か 大ユーゴスラビアに
なっていた可能性もありました

32
00:01:26,470 --> 00:01:30,003
以上の話から
1914年に目を向けてみましょう

33
00:01:30,003 --> 00:01:32,728
ここに線を引いてみます

34
00:01:32,728 --> 00:01:36,493
1914年 6月28日

35
00:01:36,493 --> 00:01:38,623
人類史上

36
00:01:38,623 --> 00:01:40,310
最も有名な日付です

37
00:01:40,310 --> 00:01:44,610
大公フランツ・フェルディナンドと彼の妻ソフィは

38
00:01:44,610 --> 00:01:47,754
現在はボスニアに併合されている

39
00:01:47,754 --> 00:01:50,860
サラエボを訪れていました

40
00:01:50,860 --> 00:01:52,450
彼らが
サラエボを視察中

41
00:01:52,450 --> 00:01:56,919
黒手組と強いつながりを持った

42
00:01:56,919 --> 00:02:00,488
”ヤング・ボスニアンズ”と呼ばれた組織による

43
00:02:00,488 --> 00:02:03,355
オーストリア・ハンガリー帝国皇位継承者の

44
00:02:03,355 --> 00:02:06,423
暗殺事件が計画されていました

45
00:02:06,423 --> 00:02:09,016
黒手組とは
国家主義組織で

46
00:02:09,016 --> 00:02:12,710
闇に包まれているけれども

47
00:02:12,710 --> 00:02:15,080
セルビア王国の分子と

48
00:02:15,080 --> 00:02:17,449
つながっている組織のことです

49
00:02:17,449 --> 00:02:19,676
彼らは
大公フランツ・フェルディナンドの

50
00:02:19,676 --> 00:02:21,670
暗殺を試みました

51
00:02:21,670 --> 00:02:24,790
それは実に
興味深い話です

52
00:02:24,790 --> 00:02:26,751
なぜなら
最初の暗殺の企ては

53
00:02:26,751 --> 00:02:29,073
完全に
失敗に終わったからです

54
00:02:29,073 --> 00:02:30,459
オーストリア大公の
暗殺を試みた

55
00:02:30,459 --> 00:02:33,200
あるの男の場合は

56
00:02:33,200 --> 00:02:34,321
暗殺に失敗すると

57
00:02:34,321 --> 00:02:35,900
青酸カリの入ったカプセルを
噛み砕き

58
00:02:35,900 --> 00:02:37,664
川へ飛び込もうとしました

59
00:02:37,664 --> 00:02:39,336
しかし青酸カリのカプセルは
腐っており

60
00:02:39,336 --> 00:02:40,966
川の深さはたった10センチだったのです

61
00:02:40,966 --> 00:02:43,099
そして彼は引きずりだされた後
身柄を高速されました

62
00:02:43,099 --> 00:02:46,079
ガヴリロ・プリンツィプという
共謀者のうちの一人は

63
00:02:46,079 --> 00:02:48,392
暗殺計画の全てが失敗に終わるや否や

64
00:02:48,392 --> 00:02:50,839
暗殺計画を諦め

65
00:02:50,839 --> 00:02:55,499
なぜ暗殺の試みが
失敗に終わったのか

66
00:02:55,499 --> 00:02:58,519
その時
サラエボのカフェで

67
00:02:58,519 --> 00:03:00,652
文字通り
サンドウィッチを食べながら考えていました

68
00:03:00,652 --> 00:03:03,099
サラエボ視察中の
大公を乗せた車が

69
00:03:03,099 --> 00:03:05,969
道を誤って

70
00:03:05,969 --> 00:03:08,760
ガヴリロ・プリンツィプのすぐ近くを

71
00:03:08,760 --> 00:03:12,076
通りました

72
00:03:12,076 --> 00:03:14,440
そして
彼は突然大公の車が道を誤っており

73
00:03:14,440 --> 00:03:16,290
彼のすぐ近くを通る事に気がつきます

74
00:03:16,290 --> 00:03:17,974
いいですか
思い出して下さい

75
00:03:17,974 --> 00:03:19,766
大公たちは 一日の始まりに
大公を殺そうとした

76
00:03:19,766 --> 00:03:20,993
暗殺者がいることをすでに知っていました

77
00:03:20,993 --> 00:03:23,315
よって
彼らはもっと警戒すべきだったのです

78
00:03:23,315 --> 00:03:25,879
ガヴリロ・プリンツィプは立ち上がり
サンドウィッチを置いて

79
00:03:25,879 --> 00:03:28,330
大公フランツ・フェルディナンドと
彼の妻ソフィの車の

80
00:03:28,330 --> 00:03:31,669
向かう方へと
歩き始めました

81
00:03:31,669 --> 00:03:35,079
運転手は
道を間違えたことに気づくと

82
00:03:35,079 --> 00:03:36,899
より安全な道を通るということにまで
気が回らず

83
00:03:36,899 --> 00:03:38,408
引き返そうとしました

84
00:03:38,408 --> 00:03:39,432
その時
車は失速し始めていたので

85
00:03:39,432 --> 00:03:41,032
そのことが
事態を更に悪化させました

86
00:03:41,032 --> 00:03:43,841
ガヴリロ・プリンツィプは
車の方まで歩くだけで

87
00:03:43,841 --> 00:03:45,432
大公フランツ・フェルディナンドと

88
00:03:45,432 --> 00:03:47,299
妻ソフィを銃殺することができます

89
00:03:47,299 --> 00:03:49,350
この暗殺事件が
どれくらい重大だったのかを説明しましょう

90
00:03:49,350 --> 00:03:52,939
オーストリアの
大公フランツ・フェルディナンドは皇位継承者です

91
00:03:52,939 --> 00:03:56,156
彼は
オーストリア・ハンガリー帝国の支配者であった

92
00:03:56,156 --> 00:04:00,610
フランツ・ジョセフの甥です

93
00:04:00,610 --> 00:04:02,810
つまり彼は
帝国の継承者です

94
00:04:02,810 --> 00:04:06,759
そして彼は
ガヴリロ・プリンツィプに暗殺されたのです

95
00:04:06,759 --> 00:04:18,241
すなわち
フランツ・フェルディナンドは

96
00:04:18,241 --> 00:04:20,332
ガヴリロ・プリンツィプに
暗殺されたのです

97
00:04:20,332 --> 00:04:21,780
ここにいるのが
彼だと思うのですが

98
00:04:21,780 --> 00:04:24,659
ガヴリロ・プリンツィプが

99
00:04:24,659 --> 00:04:27,047
逮捕された直後の写真が

100
00:04:27,047 --> 00:04:30,969
ちょうど
ここにあります

101
00:04:30,969 --> 00:04:33,690
この暗殺事件が

102
00:04:33,690 --> 00:04:36,966
ユーゴスラビア全体の
ナショナリズム運動に

103
00:04:36,966 --> 00:04:38,479
どのように関係しているのか
考えてみましょう

104
00:04:38,479 --> 00:04:40,949
彼は逮捕された時
こう言いました

105
00:04:40,949 --> 00:04:43,232
「私は
全ユーゴスラビアの統合を目指している 」

106
00:04:43,232 --> 00:04:46,566
「ユーゴスラビアの
ナショナリストだ」

107
00:04:46,566 --> 00:04:48,729
「国家体制には
こだわらないが」

108
00:04:48,729 --> 00:04:52,159
「オーストリア帝国の支配からは
自由でなければならない」

109
00:04:52,159 --> 00:04:55,520
よって
この行動、この暗殺は

110
00:04:55,520 --> 00:04:57,966
ナショナリズム運動や

111
00:04:57,966 --> 00:05:00,299
ボスニア・ヘルツエゴビナと
セルビアを併合したいという想い

112
00:05:00,299 --> 00:05:02,566
最終的にはクロアチアをも
一つにしたいという想いが

113
00:05:02,566 --> 00:05:06,234
動機となっていました

114
00:05:06,234 --> 00:05:08,039
次のビデオを見れば分かるように
この暗殺事件は

115
00:05:08,039 --> 00:05:12,123
第一次世界大戦の
引き金となりました

116
00:05:12,123 --> 00:05:14,299
思い当たる理由は
数多くあるでしょうが

117
00:05:14,299 --> 00:05:16,232
この暗殺事件が
第一次世界大戦を引き起こした理由は

118
00:05:16,232 --> 00:05:18,560
ヨーロッパ大陸の
多くの帝国が

119
00:05:18,560 --> 00:05:22,930
すでに軍事力を増強し
戦闘を望んでいたことだと言えます

120
00:05:22,930 --> 00:05:26,150
しかし本質的に
全ヨーロッパの

121
00:05:26,150 --> 00:05:27,894
ドミノを倒してしまうような

122
00:05:27,894 --> 00:05:28,766
同盟群もすでに存在していました

123
00:05:28,766 --> 00:05:29,639
そして
これらの帝国があったからこそ

124
00:05:29,639 --> 00:05:31,100
世界の大部分が

125
00:05:31,100 --> 00:05:32,320
互いに戦争をすることになったのです