1 00:00:01,416 --> 00:00:03,205 ♪ [音楽] ♪ 2 00:00:09,076 --> 00:00:11,394 [アレックス] 前回の動画では、 3 00:00:11,394 --> 00:00:13,805 利潤が最大化される生産量を 求める方法を学びました。 4 00:00:13,805 --> 00:00:18,706 今回の動画では、平均費用曲線を用いて 利潤がどれくらいか求める方法を見ていきます。 5 00:00:23,816 --> 00:00:25,398 前回の動画でお話しした通り、 6 00:00:25,398 --> 00:00:27,928 平均費用とは生産物1単位あたりにかかる 費用のことを指します。 7 00:00:28,295 --> 00:00:32,792 平均費用とは総費用をQで割った値です。 8 00:00:33,140 --> 00:00:36,041 総費用は、固定費用と変動費用の 9 00:00:36,041 --> 00:00:38,842 二つに分けられますね。 10 00:00:39,219 --> 00:00:42,681 ここから、平均費用の定義を もう少し展開することができます。 11 00:00:42,681 --> 00:00:45,507 平均費用は固定費用を 供給量Qで割った値と 12 00:00:45,507 --> 00:00:49,588 変動費用をQで割った値の合計です。 13 00:00:50,194 --> 00:00:53,702 先ほどの定義より 使いやすくなってきました。 14 00:00:53,702 --> 00:00:57,188 典型的な平均費用曲線の形を 想像しやすくなりました。 15 00:00:57,557 --> 00:01:02,324 固定費用はQが変わっても一定の値ですね。 16 00:01:02,456 --> 00:01:04,261 だから「固定」費用なのです。 17 00:01:04,261 --> 00:01:07,312 なので、Qの値が小さい時、 18 00:01:07,312 --> 00:01:09,143 例えば固定費用を100とした時に 19 00:01:09,143 --> 00:01:12,292 Qの値が小さければ、 この分数の値は大きくなります。 20 00:01:12,292 --> 00:01:14,431 例えば100を1で割った時のように。 21 00:01:14,981 --> 00:01:17,991 しかし、Qの値が大きくなるにつれ、 22 00:01:17,991 --> 00:01:20,412 固定費用をQで割った値は どんどん小さくなります。 23 00:01:20,412 --> 00:01:25,320 Qが10だとしたら、 100÷10で10になります。 24 00:01:25,674 --> 00:01:29,099 なので、この分数は100から どんどん小さくなるのです。 25 00:01:29,099 --> 00:01:31,812 Qの値が大きくなるにつれ、 26 00:01:31,812 --> 00:01:33,489 分数は小さくなるのです。 27 00:01:33,626 --> 00:01:38,154 一方、変動費用は、 生産量が増えると、増加します。 28 00:01:38,154 --> 00:01:41,774 加えて、限界費用曲線でも見たように、 29 00:01:41,774 --> 00:01:44,925 変動費用は生産量よりも、 30 00:01:44,925 --> 00:01:47,397 より急激に増加します。 31 00:01:47,397 --> 00:01:50,676 どういうことが起きるかというと、 32 00:01:50,676 --> 00:01:52,857 変動費用をQで割った値は 33 00:01:52,857 --> 00:01:54,196 ある時点からどんどん大きくなるのです。 34 00:01:54,241 --> 00:01:58,824 平均費用は、一方は増加し、一方は減少する、 二つの作用からなっているのです。 35 00:01:59,412 --> 00:02:02,365 Qが小さいうちは、減少する 作用の方が強く働きます。 36 00:02:03,123 --> 00:02:06,784 しかし、Qが大きくなると、 増加する作用の方が強くなり、 37 00:02:06,784 --> 00:02:09,404 平均費用は増加するのです。 38 00:02:09,562 --> 00:02:12,191 つまり、典型的な平均費用曲線は、 39 00:02:12,191 --> 00:02:14,554 最初に減少していきますが、 ある時点から増加に転じるのです。 40 00:02:14,666 --> 00:02:16,241 そういう具合の線を描いてみましょう。 41 00:02:16,452 --> 00:02:18,790 これは典型的な限界費用曲線です。 42 00:02:19,082 --> 00:02:22,366 そしてこれが限界収益曲線です。 価格と同じ曲線です。 43 00:02:22,676 --> 00:02:26,405 利潤が最大になるのは、 44 00:02:26,405 --> 00:02:28,006 限界収益が限界費用と同値になる時ですね。 45 00:02:28,216 --> 00:02:31,699 これが平均費用曲線です。 46 00:02:31,699 --> 00:02:35,157 高いところから始まって、 どんどん下に落ちていきます。 47 00:02:35,157 --> 00:02:37,656 そしてある時点から増加していきます。 48 00:02:37,815 --> 00:02:42,644 心に留めておくべき点として、 平均費用が最小の時は、 49 00:02:42,644 --> 00:02:46,396 限界費用曲線と交わる点だということです。 50 00:02:46,396 --> 00:02:48,415 平均費用曲線と限界費用曲線の交点が 平均費用曲線の最小値なのです。 51 00:02:48,415 --> 00:02:52,046 数学的な内容になりました。 もう少し直感的な説明も加えましょう。 52 00:02:52,046 --> 00:02:54,958 費用の代わりに、成績の話をしましょう。 53 00:02:54,958 --> 00:02:56,867 成績の平均と限界の話です。 54 00:02:57,143 --> 00:03:01,545 あなたの試験の平均点が80点だとします。 55 00:03:01,545 --> 00:03:05,034 結構いい成績です。 でも、次の試験の成績は、 56 00:03:05,034 --> 00:03:08,165 60点、平均より低い点です。 57 00:03:08,165 --> 00:03:10,568 すると、平均はどうなるでしょうか? 58 00:03:10,568 --> 00:03:13,464 平均点は下がります。 59 00:03:13,464 --> 00:03:18,045 限界点が平均点より低い時、 60 00:03:18,045 --> 00:03:20,395 平均点は減少傾向にあるのです。 61 00:03:20,395 --> 00:03:24,326 今度は、平均点が80点だったとして、 62 00:03:24,326 --> 00:03:26,944 次の試験で90点を取ったとします。 63 00:03:26,944 --> 00:03:29,534 平均点はどうなりますか? 64 00:03:29,534 --> 00:03:31,948 平均点は上がります。 65 00:03:31,948 --> 00:03:35,846 限界点が平均点より高い場合、 66 00:03:35,846 --> 00:03:37,776 平均点は上昇傾向にあります。 67 00:03:37,776 --> 00:03:41,486 今度は、平均点が80点だったとして、 68 00:03:41,486 --> 00:03:45,347 次の試験で80点を取ったとします。 69 00:03:45,347 --> 00:03:49,319 限界点が平均点と同値の場合、 70 00:03:49,319 --> 00:03:54,465 平均点は変わりません。 71 00:03:54,465 --> 00:03:58,197 限界費用と平均費用で起きることは、 72 00:03:58,197 --> 00:04:00,666 限界点と平均点で 起こったことと変わりません。 73 00:04:00,791 --> 00:04:06,868 限界費用が平均費用より低い場合、 74 00:04:06,868 --> 00:04:08,698 平均費用は減少します。 75 00:04:08,698 --> 00:04:11,867 限界費用が平均費用より高い場合、 76 00:04:11,867 --> 00:04:13,623 平均費用は上昇します。 77 00:04:13,623 --> 00:04:16,857 限界費用が平均費用と同値の場合、 78 00:04:16,857 --> 00:04:18,386 平均費用は変わりません。 79 00:04:18,448 --> 00:04:21,084 つまりこれが、平均費用曲線の 80 00:04:21,084 --> 00:04:22,966 最小値にあたります。 81 00:04:23,818 --> 00:04:26,738 前回の動画では、平均費用曲線を使って 82 00:04:26,747 --> 00:04:29,378 図の上で利潤を求めることが できると言いました。 83 00:04:29,477 --> 00:04:32,522 この図を少し変えるだけで、 利潤を求められるようになります。 84 00:04:32,522 --> 00:04:35,976 利潤πは総収益TRから総費用TCを引いた値で、 85 00:04:35,976 --> 00:04:39,574 総収益TRは価格Pに生産量Qを掛けた値。 覚えていますか? 86 00:04:39,574 --> 00:04:42,114 平均費用ACは総費用TCを生産量Qで割った値、 87 00:04:42,114 --> 00:04:44,804 これも知っていますね。 88 00:04:44,804 --> 00:04:48,834 総費用TCは平均費用ACに生産量Qを掛けた値です。 89 00:04:48,834 --> 00:04:51,293 先ほどの知識を整理して、 これを求めてみましょう。 90 00:04:51,293 --> 00:04:54,404 平均費用ACは総費用TC÷生産量Q この両辺にQを掛けます。 91 00:04:54,783 --> 00:04:59,744 この二つの式を利潤の式に代入しましょう。 92 00:04:59,814 --> 00:05:03,896 すると、利潤πは、 93 00:05:03,896 --> 00:05:06,442 総収益TR、つまり、 価格P×生産量Qから、 94 00:05:06,442 --> 00:05:08,215 総費用TC、つまり、平均費用AC×生産量Q を引いた値となります。 95 00:05:08,323 --> 00:05:12,285 各項をQでまとめてみましょう。 96 00:05:12,285 --> 00:05:16,604 すると、利潤πは 97 00:05:16,604 --> 00:05:19,982 (価格P−平均費用AC)×生産量Q で表せます。 98 00:05:20,593 --> 00:05:22,604 この式に出てくる値は全て、 99 00:05:22,604 --> 00:05:26,316 この図から求められるので、 非常に便利です。 100 00:05:26,783 --> 00:05:28,336 価格Pはここ、 101 00:05:28,336 --> 00:05:32,414 平均費用ACは、利潤最大の 生産量の時の平均費用です。 102 00:05:32,874 --> 00:05:35,125 書き入れましょう。 価格Pはここ、 103 00:05:35,544 --> 00:05:40,094 平均費用ACは、利潤最大の 生産量の時の平均費用です。 104 00:05:40,094 --> 00:05:44,144 平均費用が利潤最大の 生産量にある時の利潤は 105 00:05:44,144 --> 00:05:47,404 この緑の部分です。 106 00:05:47,742 --> 00:05:52,041 (価格P−平均費用AC)×生産量Qです。 107 00:05:52,041 --> 00:05:54,696 これで、図を用いて、 108 00:05:54,696 --> 00:05:57,237 利潤がどれくらいか 求めることに成功しました。 109 00:05:57,746 --> 00:05:59,662 別の図でも試してみましょう。 110 00:06:00,291 --> 00:06:03,146 新しい平均費用曲線です。 111 00:06:03,169 --> 00:06:06,669 前回言った通り、利潤を最大化しても 112 00:06:06,669 --> 00:06:09,241 もうけが出ているとは限りません。 113 00:06:09,539 --> 00:06:12,889 損失を最小化することが次善の策、 という場合もあるのです。 114 00:06:12,889 --> 00:06:14,768 損失を受ける場合もあるのです。 115 00:06:14,768 --> 00:06:18,919 価格が$17より小さいとしましょう。 116 00:06:18,919 --> 00:06:22,169 市場価格と限界収益は 117 00:06:22,169 --> 00:06:23,789 同じですね。 118 00:06:24,099 --> 00:06:26,133 企業はどのようにして 利潤を最大化できるのでしょうか。 119 00:06:26,133 --> 00:06:28,848 限界収益が限界費用と同値の時の 120 00:06:28,848 --> 00:06:30,640 生産量を選択するのでした。 121 00:06:30,640 --> 00:06:33,172 今回の場合、その生産量は1です。 122 00:06:33,172 --> 00:06:35,056 では、利潤はどれくらいでしょうか。 123 00:06:35,056 --> 00:06:39,971 利潤πの求め方を覚えていますか? 124 00:06:39,971 --> 00:06:42,791 (価格P−平均費用AC)×生産量Qですね。 125 00:06:42,791 --> 00:06:46,820 今回の生産量は 利潤最大時の1ですから、 126 00:06:46,820 --> 00:06:50,769 価格Pは平均費用ACよりも 小さくなります。 127 00:06:50,769 --> 00:06:55,970 ということは、価格P−平均費用ACは マイナスになります。 128 00:06:55,970 --> 00:06:57,700 損をするということです。 129 00:06:57,700 --> 00:07:05,877 図によると、採算が取れる時の 価格は$17です。 130 00:07:05,877 --> 00:07:09,430 平均費用曲線の最小値も$17ですね。 131 00:07:09,430 --> 00:07:14,242 つまり、企業が利益を出すためには、 132 00:07:14,242 --> 00:07:17,430 平均費用曲線の最小値の分だけ 生産する必要があるのです。 133 00:07:17,430 --> 00:07:21,332 価格が$17より小さければ、 限界費用と同値の時に 134 00:07:21,332 --> 00:07:24,101 利潤が最大化されていると言え、 135 00:07:24,101 --> 00:07:28,711 価格はどの時点でも 平均費用より小さいので、 136 00:07:28,711 --> 00:07:30,853 限界費用曲線より下の部分は、 137 00:07:30,853 --> 00:07:35,738 利潤最大の時の生産量であっても、 損失が出るというわけです。 138 00:07:36,281 --> 00:07:40,929 ただ、価格が$17以上、つまり、 平均費用曲線の最小値以上であれば、 139 00:07:40,929 --> 00:07:45,561 価格が限界費用と同値になります。 140 00:07:45,561 --> 00:07:49,271 価格が限界費用と同値になる時の 生産量を選択すればよいのです。 141 00:07:49,334 --> 00:07:54,055 価格は平均費用より大きくなるので、 利益が出ます。 142 00:07:54,525 --> 00:07:59,224 平均費用曲線の最小値、 この表では$17を、 143 00:07:59,224 --> 00:08:01,216 損益分岐点と言います。 144 00:08:01,563 --> 00:08:04,027 価格が平均費用曲線の 145 00:08:04,027 --> 00:08:07,277 最小値よりも少なければ、損失が出ます。 146 00:08:07,372 --> 00:08:09,344 価格が平均費用曲線の 147 00:08:09,344 --> 00:08:12,244 最小値以上であれば、利益が出ます。 148 00:08:12,982 --> 00:08:15,784 企業の産業への参入・退出は どのタイミングがいいのでしょうか? 149 00:08:15,854 --> 00:08:19,322 長期的な話をすると、 企業が参入するのは 150 00:08:19,322 --> 00:08:21,189 価格が平均費用以上の時です。 151 00:08:21,189 --> 00:08:23,989 価格が平均費用以上であれば、 152 00:08:23,989 --> 00:08:26,258 参入すれば利潤が得られます。 153 00:08:26,258 --> 00:08:27,928 企業の目的は利潤の追求です。 154 00:08:27,969 --> 00:08:30,251 企業は利潤が得られるときに、 155 00:08:30,251 --> 00:08:32,010 参入します。 156 00:08:32,010 --> 00:08:35,640 企業が退出するのは、 157 00:08:35,640 --> 00:08:37,229 価格が平均費用曲線よりも小さい場合です。 158 00:08:37,229 --> 00:08:38,550 この場合、損失が出てしまうので、 159 00:08:38,550 --> 00:08:40,269 企業は退出という行動をとります。 160 00:08:40,364 --> 00:08:44,171 価格が平均費用曲線と同値、 161 00:08:44,228 --> 00:08:46,930 つまり、平均費用曲線の 162 00:08:46,930 --> 00:08:49,758 最小値と同値の時、利潤はゼロなので、 163 00:08:49,758 --> 00:08:51,277 企業にとって、参入・退出の 164 00:08:51,277 --> 00:08:54,029 インセンティブはありません。 165 00:08:54,163 --> 00:08:56,519 ここで疑問に思う方もいるでしょう。 166 00:08:56,519 --> 00:08:59,413 利潤がゼロなのに、 企業はなぜ留まるのでしょう? 167 00:08:59,413 --> 00:09:03,403 利潤ゼロというのは、つまり、 168 00:09:03,403 --> 00:09:07,013 市場価格に設定することで、 169 00:09:07,013 --> 00:09:10,871 労働力や資本、機会費用など全ての費用を、 170 00:09:10,871 --> 00:09:13,134 賄うことが出来ているという意味です。 171 00:09:13,494 --> 00:09:17,652 言ってみれば、利潤ゼロというのは、 172 00:09:17,652 --> 00:09:19,573 みんなが満足している状態です。 173 00:09:19,715 --> 00:09:23,514 利潤ゼロというのは、一般的な感覚でいう 174 00:09:23,514 --> 00:09:25,496 「利益が出ている」のと同じ状態なのです。 175 00:09:25,496 --> 00:09:27,708 経済学者の言う「利潤ゼロ」とは 176 00:09:27,708 --> 00:09:30,084 利益が出ている状態だという 理解をして構いません。 177 00:09:30,344 --> 00:09:32,824 企業の参入・退出についてもう一点。 178 00:09:32,974 --> 00:09:36,876 価格が平均費用より 小さくなったからといって、 179 00:09:36,938 --> 00:09:38,997 即座に退出すべきである とは限りません。 180 00:09:39,208 --> 00:09:43,127 価格が平均費用以上になった時の 参入も同じです。 181 00:09:43,247 --> 00:09:47,916 なぜかというと、参入・退出にも 費用がかかるからです。 182 00:09:48,279 --> 00:09:50,717 例えば、今、油の価格が 183 00:09:50,717 --> 00:09:55,369 平均費用以上であるとします。 184 00:09:55,369 --> 00:09:59,011 あなたは油井を所有しています。 参入すべきでしょうか? 185 00:09:59,269 --> 00:10:01,248 参入すべきとは限りません。 186 00:10:01,266 --> 00:10:04,776 参入するとなれば、 油井を掘らなくてはいけません。 187 00:10:04,776 --> 00:10:09,037 地中深く掘る油井の掘削は、 文字通り埋没費用になります。 188 00:10:09,037 --> 00:10:14,438 埋没費用とは、一旦発生すると、 回収できない費用のことです。 189 00:10:14,741 --> 00:10:17,849 つまり、参入を選択して、 油井を掘削すれば、 190 00:10:17,849 --> 00:10:21,548 後々退出するときに、 掘削費用が戻ってこないということです。 191 00:10:22,368 --> 00:10:24,930 参入費用を回収できるくらいの期間、 192 00:10:24,930 --> 00:10:30,286 油の価格が平均費用以上で 193 00:10:30,286 --> 00:10:33,658 あり続ける保証がなければ、 194 00:10:33,658 --> 00:10:38,828 参入すべきではないということです。 195 00:10:39,435 --> 00:10:43,530 価格が平均費用より 少し多くなったからと言って、 196 00:10:43,530 --> 00:10:46,498 即座に参入に飛びつけば いい訳ではないのです。 197 00:10:46,786 --> 00:10:50,040 参入費用を回収できるだけの期間、 198 00:10:50,040 --> 00:10:53,958 価格が平均費用以上であることが 199 00:10:53,958 --> 00:10:56,039 期待できないといけないのです。 200 00:10:56,954 --> 00:10:59,914 同様に、退出費用というのもあります。 201 00:10:59,925 --> 00:11:02,595 原油産業から退出するときに、 202 00:11:02,595 --> 00:11:05,397 油井にセメントを流し込むなどして 203 00:11:05,397 --> 00:11:08,393 閉鎖する必要があります。 204 00:11:08,393 --> 00:11:11,382 価格が平均費用より小さくなった時は、 205 00:11:11,382 --> 00:11:14,532 すぐに退出を決める前に、 少し耐えた方がいい場合もあります。 206 00:11:14,905 --> 00:11:20,795 退出を選択するのは、 207 00:11:20,795 --> 00:11:23,724 油の価格が長期間に渡って 208 00:11:23,724 --> 00:11:26,332 平均費用よりも少なくなると 踏める場合に限るべきです。 209 00:11:26,596 --> 00:11:30,265 油の価格が少しの間平均価格より小さくなって、 210 00:11:30,265 --> 00:11:32,958 あとで平均価格以上になれば、 211 00:11:32,958 --> 00:11:35,944 長期的な利潤は期待できます。 212 00:11:36,370 --> 00:11:38,977 企業の参入・退出には 様々な要素が絡んできます。 213 00:11:38,977 --> 00:11:40,665 即時的な利潤だけではなく、 214 00:11:40,665 --> 00:11:44,798 長期的な利潤についても 考える必要があるからです。 215 00:11:45,194 --> 00:11:47,874 とはいえ、そこまで複雑ではありません。 216 00:11:47,874 --> 00:11:52,055 要するに、企業は利潤を追求し、 損失を避けようとします。 217 00:11:52,231 --> 00:11:56,241 なので、価格が平均費用以上であって、 218 00:11:56,241 --> 00:11:58,577 利潤が得られるときに企業は参入し、 219 00:11:58,577 --> 00:12:02,174 平均費用より少ないときに 企業は退出するのです。 220 00:12:02,503 --> 00:12:03,574 ありがとうございました。 221 00:12:04,630 --> 00:12:08,145 [告知] 自分の知識を確認したい方は、 「練習問題」をクリックしてください 222 00:12:08,427 --> 00:12:11,989 次の動画を見たい方は、 「次の動画」をクリックしてください。 223 00:12:12,509 --> 00:12:14,709 ♪ [音楽] ♪