WEBVTT 00:00:00.666 --> 00:00:05.246 私が2010年にモット・ホール・ ブリッジズ・アカデミーを開校した時の 00:00:06.037 --> 00:00:07.674 目標はシンプルでした 00:00:08.555 --> 00:00:11.563 「学校を開き 刑務所を閉鎖すること」です 00:00:12.525 --> 00:00:15.510 大胆な目標だと言う人もいましたが 00:00:15.534 --> 00:00:19.161 それは この学校が ブルックリンのブラウンズビル地区 — 00:00:19.773 --> 00:00:22.973 ニューヨーク市の中でも 最も行政サービスが行き届かず 00:00:22.997 --> 00:00:25.063 暴力がはびこる地域にあったからです 00:00:26.121 --> 00:00:29.673 貧困率が高い 都市部の学校の多くと同様に 00:00:30.427 --> 00:00:32.707 無数の難題があります 00:00:33.173 --> 00:00:35.599 例えば 恵まれない地域につきものの 00:00:35.623 --> 00:00:39.220 複雑な状況に共感できる 教員を見つけることや 00:00:40.054 --> 00:00:42.651 テクノロジーにかける予算の不足 00:00:42.675 --> 00:00:44.835 子供に対する保護者の関心の薄さ 00:00:45.433 --> 00:00:51.357 そして 4年生すら勧誘する 地域のギャングです NOTE Paragraph 00:00:52.886 --> 00:00:54.662 そんな場所で私は 00:00:55.416 --> 00:01:01.142 学区指定の公立中学校を開設し 校長になりましたが 00:01:01.728 --> 00:01:04.855 最初は子供が45人しかいませんでした 00:01:06.024 --> 00:01:08.840 生徒の30%に特別支援が必要でした 00:01:09.797 --> 00:01:12.838 86%が国語と数学で 学年の水準に 00:01:12.862 --> 00:01:14.884 達していませんでした 00:01:15.701 --> 00:01:20.151 そして100%が 貧困レベルを 下回る生活を送っていました NOTE Paragraph 00:01:21.258 --> 00:01:25.957 そんな子供たちが学校にも来ずに どうすれば学べるというのでしょう? 00:01:26.731 --> 00:01:28.505 そして 学んでいないとしたら 00:01:28.529 --> 00:01:30.231 彼らの将来は どうなるのでしょう? NOTE Paragraph 00:01:31.402 --> 00:01:36.372 13歳の男子生徒に尋ねてみれば その答えは明らかでした 00:01:36.396 --> 00:01:37.657 「あなた — 00:01:37.681 --> 00:01:41.018 5年後に自分は どうなっていると思う?」 NOTE Paragraph 00:01:41.663 --> 00:01:43.322 生徒の答えは こうです 00:01:43.691 --> 00:01:46.212 「それまで生きていられるか わからない」 NOTE Paragraph 00:01:46.971 --> 00:01:49.847 女子生徒に話を聞くと 00:01:51.252 --> 00:01:56.232 ファーストフード店で働くのが 人生の目標だと言うのです 00:01:56.800 --> 00:01:58.969 私には 到底受け入れられませんでした 00:01:59.862 --> 00:02:03.099 同時に はっきりしていたのは 生徒には 自分の近所の外に 00:02:03.123 --> 00:02:05.268 広大なチャンスがあることが 00:02:05.292 --> 00:02:08.040 わかっていないということでした NOTE Paragraph 00:02:09.055 --> 00:02:13.799 我が校では生徒を「学徒」と呼びますが それは彼らが生涯 学び続けるからです 00:02:14.597 --> 00:02:16.377 学徒たちが今日学んだスキルは 00:02:16.401 --> 00:02:19.722 大学進学や就職の準備に つながります 00:02:20.931 --> 00:02:25.072 私がスクールカラーに 高貴な色である紫と黒を選んだ理由は 00:02:25.786 --> 00:02:30.560 学徒たちに 自分が偉大な者の子孫であり 00:02:30.584 --> 00:02:32.409 教育を通して自分たちが 00:02:32.433 --> 00:02:34.480 未来のエンジニアにも 00:02:34.504 --> 00:02:35.666 科学者にも 00:02:35.690 --> 00:02:37.053 起業家にも そして 00:02:37.077 --> 00:02:41.869 この世界を継ぐ指導者にもなれるし 将来そうなることに気づかせるためです 00:02:42.544 --> 00:02:43.822 これまでに 00:02:43.846 --> 00:02:47.618 3クラスを卒業させ 00:02:47.959 --> 00:02:49.345 98%の — NOTE Paragraph 00:02:49.369 --> 00:02:53.484 (拍手) NOTE Paragraph 00:02:58.341 --> 00:03:01.183 98%の卒業率を誇っています 00:03:02.120 --> 00:03:04.953 卒業生は200人近くに上り 00:03:04.977 --> 00:03:08.233 ニューヨーク市でも 最も優秀な いくつかの高等学校に 00:03:08.257 --> 00:03:09.731 進学しています NOTE Paragraph 00:03:09.755 --> 00:03:15.319 (拍手) NOTE Paragraph 00:03:17.675 --> 00:03:20.186 1月の ある寒い日のこと 00:03:20.872 --> 00:03:25.466 本校の学徒ヴィダル・シャスタネットは ブランドン・スタントンという 00:03:25.466 --> 00:03:29.255 人気ブログ『Humans of New York』を 作った人に出会いました 00:03:30.102 --> 00:03:33.995 ブランドンは 彼の話を掲載しました ブラウンズビル出身のヴィダルは 00:03:34.019 --> 00:03:36.989 これまで暴力を間近で見てきて 00:03:37.977 --> 00:03:41.502 屋上から男性が突き落とされるところを 目撃したこともありますが 00:03:42.264 --> 00:03:45.703 そんな中でさえ 彼は 子供たち全員を信頼する学校を開いた 00:03:45.727 --> 00:03:49.414 校長から影響を受けている という内容の記事です 00:03:50.490 --> 00:03:56.095 ヴィダルが体現しているのは たくさんの恵まれない子供たちが 00:03:56.119 --> 00:03:58.400 必死に生きようとする物語で 00:03:58.859 --> 00:04:02.650 だからこそ 私たちは教育を 優先しなければならないのです NOTE Paragraph 00:04:03.992 --> 00:04:07.204 ブランドンの記事は 世界的な反響を呼び 00:04:07.228 --> 00:04:09.607 何百万人の人生に影響を与えました 00:04:10.855 --> 00:04:14.810 その結果 140万ドルの寄付が集まり 00:04:15.390 --> 00:04:21.311 そのおかげで 学徒たちは大学へ見学に行ったり 00:04:22.001 --> 00:04:24.279 夏の科学技術・芸術・数学講座に 参加したり 00:04:24.303 --> 00:04:26.594 大学奨学金を受けられるようになりました 00:04:27.792 --> 00:04:28.969 ぜひ理解して欲しいのは 00:04:28.993 --> 00:04:34.462 ブラウンズビル出身の200人の学徒が ハーバード大を訪れた その時 00:04:35.308 --> 00:04:37.137 彼らは 00:04:37.161 --> 00:04:41.431 自分で大学を選ぶことが 本当に可能だと知ったことです 00:04:42.457 --> 00:04:45.895 そして 恵まれない地域で 育ってきたせいで 00:04:46.431 --> 00:04:48.561 不可能と思われたことが 00:04:48.585 --> 00:04:52.122 希望と目標に変わっていったのです NOTE Paragraph 00:04:53.498 --> 00:04:58.484 学校現場では教育の革命が起きていて そこに関わっているのは 00:04:59.349 --> 00:05:02.697 愛情を注ぎ 00:05:02.697 --> 00:05:05.089 規律と 支援と 00:05:05.113 --> 00:05:06.363 知識を与える大人です 00:05:06.963 --> 00:05:09.782 子供に夢を与えるのは こういったことなのです 00:05:10.806 --> 00:05:13.109 でも簡単なことではありません 00:05:13.815 --> 00:05:15.854 教育システムが完璧ではないのに 00:05:16.709 --> 00:05:19.953 求められるものは多いのです NOTE Paragraph 00:05:20.893 --> 00:05:23.850 それでも私のところには 活力に満ちた教育者集団がいて 00:05:24.756 --> 00:05:29.026 チームとして協働し 最高のカリキュラムを見極めています 00:05:29.553 --> 00:05:32.423 スタッフは授業時間以外も使い 00:05:32.447 --> 00:05:33.744 週末も登校し 00:05:33.768 --> 00:05:38.221 学校に教材がなければ 私費を投じて手に入れることも 00:05:38.921 --> 00:05:40.624 少なくありません 00:05:41.804 --> 00:05:43.652 私は校長として 00:05:43.676 --> 00:05:46.562 自分が求めるものの達成度を 点検する必要があります NOTE Paragraph 00:05:47.308 --> 00:05:49.157 だから教室に顔を出し 00:05:49.836 --> 00:05:52.922 授業を参観して フィードバックします 00:05:52.946 --> 00:05:56.361 我が校が成功したように 先生たちにも成功して欲しいと 00:05:56.385 --> 00:05:58.700 思っているからです 00:05:59.930 --> 00:06:03.622 先生たちは 毎日 私に連絡を取れるようになっていて 00:06:03.646 --> 00:06:06.510 みんな私の携帯の 番号を知っています 00:06:06.534 --> 00:06:09.592 本校の学徒たちと 卒業生にも知らせています 00:06:09.616 --> 00:06:12.574 それがおそらく 電話やテキストメッセージが 00:06:12.598 --> 00:06:14.362 午前3時に来る理由でしょう NOTE Paragraph 00:06:14.386 --> 00:06:15.571 (笑) NOTE Paragraph 00:06:16.174 --> 00:06:18.770 ただ 私たちは繋がることで 成功を目指していますし 00:06:18.794 --> 00:06:20.902 優れた指導者とは そういうものなのです 00:06:22.282 --> 00:06:25.546 私たちの教室にいるのは 明日の未来です 00:06:26.304 --> 00:06:28.407 そして私たちには 彼らに対する責任があります 00:06:29.526 --> 00:06:31.503 「私たち」とは ここにいる全員 — 00:06:31.527 --> 00:06:33.657 そして今 画面を見ている全員です 00:06:34.649 --> 00:06:37.019 私たちは子供の素晴らしい才能を信じ 00:06:38.234 --> 00:06:40.843 子供に教えることを通じて 00:06:40.867 --> 00:06:45.361 教育に本当の力があることに 気づかせる義務があるのです NOTE Paragraph 00:06:46.047 --> 00:06:47.227 ありがとう NOTE Paragraph 00:06:47.251 --> 00:06:57.379 (拍手)