WEBVTT 00:00:02.151 --> 00:00:03.568 挙手をお願いします 00:00:03.592 --> 00:00:07.207 この中で1人は知っている という方 手を挙げて下さい 00:00:08.367 --> 00:00:10.234 わあ ほとんど全員ですね 00:00:10.258 --> 00:00:12.815 それぞれの分野で 名を成した方々ですものね 00:00:12.839 --> 00:00:15.834 彼らに共通する点をご存知ですか? 00:00:15.858 --> 00:00:18.778 全員 膵臓がんで亡くなりました 00:00:18.802 --> 00:00:21.310 とても悲しい事ですが 00:00:21.334 --> 00:00:24.098 この方々の知名度のお陰で 00:00:24.122 --> 00:00:28.243 膵臓がんが どれ程致命的か という認識が高められました NOTE Paragraph 00:00:28.267 --> 00:00:31.643 膵臓がんは3番目に 致死率の高い癌です 00:00:31.667 --> 00:00:37.193 この患者の5年生存率は わずか8%で 00:00:37.217 --> 00:00:39.136 それは 00:00:39.160 --> 00:00:42.346 特に 90%に近い 乳がん患者の生存率と比べると 00:00:42.346 --> 00:00:45.380 非常に低い数字です 00:00:45.946 --> 00:00:47.307 従って 00:00:47.307 --> 00:00:50.802 膵臓がんだと診断されるのは 00:00:50.826 --> 00:00:54.077 死の宣告を受けたのも 同然の事なのです 00:00:54.101 --> 00:00:57.747 でも 驚く事に 過去40年間 00:00:57.771 --> 00:01:00.149 その生存率は 少しも変わっていないのです 00:01:00.173 --> 00:01:02.277 他の癌の生存率は 00:01:02.301 --> 00:01:03.988 随分と上がって来たというのに― 00:01:04.552 --> 00:01:08.212 では どうすれば 膵臓がんの治療は より効果的になるのでしょうか? 00:01:08.659 --> 00:01:10.565 私はバイオ医療起業家として 00:01:10.589 --> 00:01:13.608 不可能と思われる問題に 00:01:13.632 --> 00:01:15.693 その限界を理解しながら 00:01:15.717 --> 00:01:18.839 結果を変えられる 新しい革新的な解決法を捜そうと 00:01:18.839 --> 00:01:20.644 取り組むのが好きです NOTE Paragraph 00:01:21.035 --> 00:01:23.612 膵臓がんのまず最初の問題は 00:01:23.636 --> 00:01:27.107 膵臓が まさに お腹の真ん中にあるという事です 00:01:27.131 --> 00:01:29.966 スライドでは膵臓は オレンジ色になっていますが 00:01:29.990 --> 00:01:31.977 その前にある他の臓器を どけないと よく見えません 00:01:31.977 --> 00:01:34.621 その前にある他の臓器を どけないと よく見えません 00:01:35.093 --> 00:01:38.089 また命に関わる重要な臓器— 00:01:38.113 --> 00:01:41.225 肝臓、胃、胆管などに囲まれています 00:01:41.249 --> 00:01:44.662 それらの隣接した臓器に 転移しやすいことが 00:01:44.686 --> 00:01:46.708 膵臓がんを 00:01:46.732 --> 00:01:49.664 最も痛みの激しい 癌の1つにしているのです 00:01:50.295 --> 00:01:53.431 また手術で摘出し難い場所にあり 00:01:53.431 --> 00:01:55.200 また手術で摘出し難い場所にあり 00:01:55.224 --> 00:01:58.259 乳がんの様に 日常的には 手術が行われていません 00:01:58.716 --> 00:02:02.100 これらの理由から 化学療法だけが 00:02:02.124 --> 00:02:04.267 膵臓がん患者に 残された選択肢です NOTE Paragraph 00:02:04.745 --> 00:02:07.198 これが 次の問題を引き起こします 00:02:07.579 --> 00:02:11.187 膵臓がんは血管が殆どないのです 00:02:11.624 --> 00:02:15.410 なぜ腫瘍の血管が 問題となるのでしょう? 00:02:15.434 --> 00:02:18.900 化学療法の働きを 考えてみましょう 00:02:18.924 --> 00:02:20.813 薬が血管に注入され 00:02:20.837 --> 00:02:25.481 薬は体中を巡り 腫瘍に届きます 00:02:25.505 --> 00:02:29.680 それは目的地まで到着しようと 高速道路を運転するようなものです 00:02:30.080 --> 00:02:33.549 もしその高速道路に 目的地への出口がなかったらどうでしょう? 00:02:33.549 --> 00:02:35.748 目的地へ到着する事はありません 00:02:35.748 --> 00:02:37.764 それと全く同じ問題が 00:02:37.788 --> 00:02:40.481 膵臓がん治療の化学療法にあるのです 00:02:41.119 --> 00:02:43.964 薬は体中を巡り 00:02:43.988 --> 00:02:46.401 健康な臓器は 00:02:46.425 --> 00:02:50.232 毒性の高い作用を受けるというのに 00:02:50.256 --> 00:02:52.771 腫瘍そのものには薬は ほとんど届くことがなく 00:02:52.795 --> 00:02:55.223 薬の効果はとても 限られたものになります NOTE Paragraph 00:02:56.519 --> 00:03:00.617 特定の臓器を標的にする為には 00:03:00.617 --> 00:03:04.121 全身療法は直観的にも 賛成できるものではありません 00:03:04.121 --> 00:03:06.097 しかしながら過去40年間 00:03:06.121 --> 00:03:10.445 多額の費用、多くの研究 多大なる努力が 膵臓がん治療の為 00:03:10.469 --> 00:03:14.552 新しい強力な薬の開発に 向けられてきましたが 00:03:14.576 --> 00:03:16.987 薬の投与方法については 00:03:17.011 --> 00:03:19.074 何1つ変わっていません NOTE Paragraph 00:03:20.397 --> 00:03:22.573 このような2つの問題が あるにも拘らず 00:03:22.573 --> 00:03:25.076 吉報もあります 00:03:25.806 --> 00:03:27.276 MITとボストンの 00:03:27.300 --> 00:03:30.196 マサセッチュー総合病院の 共同研究者と共に 00:03:30.220 --> 00:03:33.133 癌治療法に革命を起こし 00:03:33.157 --> 00:03:36.500 薬の局所投与が現実となりました 00:03:36.974 --> 00:03:40.960 簡単に言うと あなたは 目的地に パラシュートで降ろされ 00:03:40.984 --> 00:03:43.886 高速道路を通り抜けなくてもいい というようなものです 00:03:43.910 --> 00:03:49.200 この様なものを開発し これに薬を埋め込みました 00:03:49.224 --> 00:03:54.413 これは十分な 柔軟性があるので 畳んで 00:03:54.437 --> 00:03:56.359 カテーテルの中に入れられます 00:03:56.383 --> 00:03:59.453 そうして腫瘍の上に これを直接 00:03:59.453 --> 00:04:02.598 侵襲性が最小限の手術で移植します 00:04:02.603 --> 00:04:06.373 このデバイスは 十分な硬さがあるので 00:04:06.397 --> 00:04:08.088 一旦 腫瘍の上に落ち着くと 00:04:08.112 --> 00:04:09.881 腫瘍を閉じ込める働きをして 00:04:09.905 --> 00:04:13.056 物理的に癌が他の臓器に 00:04:13.080 --> 00:04:14.755 移らないようにし 00:04:14.779 --> 00:04:17.214 癌の転移を防ぎます NOTE Paragraph 00:04:18.459 --> 00:04:20.843 また このデバイスは生分解するので 00:04:20.843 --> 00:04:22.517 一旦身体に入ると 00:04:22.541 --> 00:04:24.426 分解し始め 溶解し 00:04:24.450 --> 00:04:29.813 中の薬がゆっくりと標的の箇所に 効果的に投与されていきます 00:04:29.837 --> 00:04:33.320 既存の全身療法では あり得ない事です 00:04:33.344 --> 00:04:36.149 前臨床試験で 00:04:36.173 --> 00:04:38.172 この局所アプローチが 00:04:38.196 --> 00:04:42.765 治療効果を 12倍向上させられると実証されました NOTE Paragraph 00:04:42.765 --> 00:04:45.535 既存の薬を使い 00:04:45.559 --> 00:04:49.390 それを 最も必要な箇所に投与することで 00:04:49.414 --> 00:04:53.063 既存の治療の12倍強力な効果を示し 00:04:53.087 --> 00:04:55.848 全身的な副作用を減らします 00:04:57.039 --> 00:05:01.233 この技術を次のレベルへと持って行く為 我々は絶えず研究を続けています 00:05:01.257 --> 00:05:04.104 今 前臨床試験の最終段階で 00:05:04.128 --> 00:05:06.691 動物実験をしています 00:05:06.691 --> 00:05:09.968 FDAへ治験許可申請の前に 通らなくてはならない段階です NOTE Paragraph 00:05:10.969 --> 00:05:16.100 現在 膵臓がん患者の大多数が 命を落としています 00:05:16.124 --> 00:05:17.959 いつか我々は 00:05:17.983 --> 00:05:21.254 膵臓がん患者の苦痛を減らし 寿命を伸ばし 00:05:21.278 --> 00:05:24.311 膵臓がんが 治せる病気になることを 00:05:24.335 --> 00:05:25.873 願っています NOTE Paragraph 00:05:26.257 --> 00:05:28.977 薬の投与方法を考え直すことで 00:05:29.001 --> 00:05:32.758 我々は薬の効用を 毒性の低い 強力なものにするだけでなく 00:05:32.782 --> 00:05:37.567 膵臓がんであろうと なかろうと 他のほとんどの不可能な問題にも 00:05:37.591 --> 00:05:40.376 新しい革新的な解決への 扉を開いているのです 00:05:40.376 --> 00:05:43.604 新しい革新的な解決への 扉を開いているのです NOTE Paragraph 00:05:43.628 --> 00:05:44.789 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:05:44.813 --> 00:05:50.250 (拍手)