WEBVTT 00:00:00.960 --> 00:00:03.659 不思議なもので エンパワメントについての話をすると 00:00:03.659 --> 00:00:05.761 エンパワメントの議論そのものより 00:00:05.761 --> 00:00:08.967 一人一人の物語のほうが 胸に強く響きます 00:00:08.967 --> 00:00:12.179 ですから 私もありふれた体験談から はじめたいと思います 00:00:12.179 --> 00:00:16.702 インドで若い女性でいることは 一体どういうことでしょうか 00:00:16.702 --> 00:00:18.974 私は 今まで生きてきた27年間ずっと 00:00:18.974 --> 00:00:21.073 インドで過ごしてきました 3つの小さな街と 00:00:21.073 --> 00:00:22.889 2つの大都市に住んだことがあります 00:00:22.889 --> 00:00:26.118 様々なことを体験してきました 00:00:26.118 --> 00:00:27.974 私が7才の時のことです 00:00:27.974 --> 00:00:29.931 私に算数を教えに来ていた家庭教師が 00:00:29.931 --> 00:00:34.646 私にいたずらをしました 00:00:34.646 --> 00:00:37.363 彼は私のスカートの中に手を入れたのです 00:00:40.794 --> 00:00:43.970 彼はスカートの中に手を入れて こう言いました 00:00:43.970 --> 00:00:47.930 「気持ちよくさせてあげるよ」 00:00:47.930 --> 00:00:51.060 私が17才の時 同じ高校の男子学生が 00:00:51.060 --> 00:00:52.507 一通のメールをばらまきました 00:00:52.507 --> 00:00:54.940 そこには 彼が私にやりたい 性的行為が 00:00:54.940 --> 00:00:57.704 こと細かに記されていたのです 00:00:57.704 --> 00:01:01.789 私が彼を相手にしなかった腹いせでした 00:01:01.789 --> 00:01:05.500 19才の時 私は友人が 家庭内暴力から 00:01:05.500 --> 00:01:08.592 逃げる手伝いをしました 友人は両親が決めた年上の男性との 00:01:08.592 --> 00:01:12.259 結婚を強いられていました 00:01:12.259 --> 00:01:14.401 21才の時 私と友人が 道端を歩いていた 00:01:14.401 --> 00:01:18.734 ある昼下がりのこと 00:01:18.734 --> 00:01:20.273 一人の男性がズボンを下ろして 00:01:20.273 --> 00:01:23.483 目の前でマスターベーションをはじめました 00:01:23.483 --> 00:01:27.910 私たちが助けを求めても 誰も来てくれませんでした 00:01:27.910 --> 00:01:32.900 25才の時 私が夕方に帰宅する途中 00:01:32.900 --> 00:01:35.726 バイクに乗った二人組の男性が私を襲いました 00:01:35.726 --> 00:01:37.843 私は 2日間 入院して 00:01:37.843 --> 00:01:41.085 心と体の傷を治療しました 00:01:41.085 --> 00:01:46.305 私が今まで生きてきて 出会った女性たち— 00:01:46.305 --> 00:01:48.171 家族や友人や同僚は 00:01:48.171 --> 00:01:50.964 このような目に遭っていても 00:01:50.964 --> 00:01:54.137 それについて ほどんど話そうとしません 00:01:54.137 --> 00:01:58.777 インドで生きることは 容易ではないのです 00:01:58.777 --> 00:02:02.295 ですが 今日お話しするのは この恐怖についてではありません 00:02:02.295 --> 00:02:04.049 この恐怖から私が得た 興味深い 00:02:04.049 --> 00:02:08.426 学びの過程についてお話ししようと思います 00:02:08.426 --> 00:02:11.930 2012年12月のある夜の出来事は 00:02:11.930 --> 00:02:13.704 私の人生を変えました 00:02:13.704 --> 00:02:17.000 23才の若い女子学生が 00:02:17.000 --> 00:02:21.904 男友達と一緒に デリーでバスに乗りました 00:02:21.904 --> 00:02:24.513 バスには6人の男性がいました 00:02:24.513 --> 00:02:27.591 インドのどこにでもいるような 若い男性達です 00:02:27.591 --> 00:02:29.923 この後に続く衝撃的な出来事は 00:02:29.923 --> 00:02:31.667 インド国内だけでなく 00:02:31.667 --> 00:02:34.491 世界中のメディアで 繰り返し報道されました 00:02:34.491 --> 00:02:37.765 その女性は繰り返しレイプされ 00:02:37.765 --> 00:02:40.745 鈍器をむりやり体内に突っ込まれ 00:02:40.745 --> 00:02:43.996 殴られ 噛みつかれたあげく 置き去りにされました 00:02:43.996 --> 00:02:46.000 彼女の男友達は口をふさがれて暴行され 00:02:46.000 --> 00:02:49.577 気を失うまで殴られました 00:02:49.577 --> 00:02:53.761 彼女は12月29日に亡くなりました 00:02:53.761 --> 00:02:55.739 ここにいるほとんどの人達が 00:02:55.739 --> 00:02:58.242 新年を祝う準備をしていた時です 00:02:58.242 --> 00:03:01.479 インドは暗黒の時期に突入しました 00:03:01.479 --> 00:03:04.645 国の歴史において初めて 00:03:04.645 --> 00:03:06.823 インドの都市にいる男性も女性も 00:03:06.823 --> 00:03:09.014 恐ろしい事実に気がついたのです 00:03:09.014 --> 00:03:12.536 この国の女性が置かれている状況についてです 00:03:12.536 --> 00:03:14.955 さて 他の大勢の若い女性と同様に 00:03:14.955 --> 00:03:17.149 私も恐怖におびえていました 00:03:17.149 --> 00:03:18.416 このようなことが 00:03:18.416 --> 00:03:21.591 首都で起こるなんて 信じられませんでした 00:03:21.591 --> 00:03:24.144 私はやり場の無い怒りを覚えましたが 00:03:24.144 --> 00:03:28.247 なにより無力感に打ちのめされていました 00:03:28.247 --> 00:03:30.388 でも本当に 何ができるのでしょう? 00:03:30.388 --> 00:03:32.413 ブログを書く人もいれば 事件を無視する人もいます 00:03:32.413 --> 00:03:34.145 抗議デモに参加する人もいます 00:03:34.145 --> 00:03:36.710 私も全てやりました 実際 これらは2年前に皆が 00:03:36.710 --> 00:03:38.388 やっていたことです 00:03:38.388 --> 00:03:41.367 メディアは インドの男性が犯しうる 00:03:41.367 --> 00:03:43.133 恐ろしい所業で 00:03:43.133 --> 00:03:45.237 埋め尽くされました 00:03:45.237 --> 00:03:46.472 彼らを獣に例えて 00:03:46.472 --> 00:03:48.659 性に飢えた野獣だと言われました 00:03:48.659 --> 00:03:52.663 実は インドの常識では あまりに奇想で思いもよらない 00:03:52.663 --> 00:03:53.977 事件だったので 00:03:53.977 --> 00:03:56.393 インドのメディアや大衆 政治家の反応から 00:03:56.393 --> 00:04:00.300 たどり着いたのは こうでした 00:04:00.300 --> 00:04:02.179 誰もどうしたら良いか分からない 00:04:02.179 --> 00:04:04.776 そして誰も責任を取りたくないのです 00:04:04.776 --> 00:04:07.260 無神経なコメントも いくつかありました 00:04:07.260 --> 00:04:08.441 これらがメディアを通じて 00:04:08.441 --> 00:04:10.468 著名人たちが出したコメントです 00:04:10.468 --> 00:04:14.624 女性への性暴力に対する 一般的な反応です 00:04:14.624 --> 00:04:17.826 まず一番上のコメントは国会議員 [女性のレイプなら分かるが 子供への虐待は許し難い] 00:04:17.826 --> 00:04:21.219 二番目は宗教指導者 [被害者の女性は犯人の 兄弟に電話すべきだった] 00:04:21.219 --> 00:04:23.930 三番目は なんと被告の弁護士によるものです [デリーのレイプ被害者に非がある] 00:04:23.930 --> 00:04:25.776 それも被害者の女性が 懸命に死と闘って 00:04:25.776 --> 00:04:28.630 亡くなった時のことです 00:04:28.630 --> 00:04:32.483 さて この状況を 来る日も来る日も見ていた私は 00:04:32.483 --> 00:04:34.283 うんざりしてしまいました 00:04:34.283 --> 00:04:35.927 私はライターとして ジェンダー活動家として 00:04:35.927 --> 00:04:39.176 女性について幅広く書いてきました 00:04:39.176 --> 00:04:41.822 けれども今回は 何かが違うと気付きました 00:04:41.822 --> 00:04:43.403 被害に遭った若い女性は 00:04:43.403 --> 00:04:45.751 私だったかもしれないのです 00:04:45.751 --> 00:04:47.929 それから私はこの状況を変えようと決め 00:04:47.929 --> 00:04:51.960 衝動的に すぐさま行動を起こしました 00:04:51.960 --> 00:04:54.506 iReportという市民ジャーナリストの プラットフォームに 00:04:54.506 --> 00:04:55.962 ログオンしました 00:04:55.962 --> 00:04:58.713 そして ある動画を作成したのです 00:04:58.713 --> 00:05:00.693 バンガロールがどんな場所か 00:05:00.693 --> 00:05:02.380 私がどう感じたか 00:05:02.380 --> 00:05:03.722 現地の実情について語り 00:05:03.722 --> 00:05:09.227 インドで生きることの難しさについて話しました 00:05:09.227 --> 00:05:12.845 数時間後には ブログは広く拡散されていました 00:05:12.845 --> 00:05:14.680 そして沢山のコメントやアイデアが 00:05:14.680 --> 00:05:16.340 世界中から集まってきました 00:05:16.340 --> 00:05:20.015 その瞬間 いくつか閃くものがありました 00:05:20.015 --> 00:05:23.743 一つ目は 私のような若い女性でも テクノロジーを 00:05:23.743 --> 00:05:26.960 身近に使えるということ 00:05:26.960 --> 00:05:30.504 二つ目は 若い女性のほとんどが 00:05:30.504 --> 00:05:33.925 それを使って自分の考えを述べることは めったにないということ 00:05:33.925 --> 00:05:37.849 三つ目は この時初めて 00:05:37.849 --> 00:05:40.707 自分が声を上げることが 大事なんだと気付きました 00:05:40.707 --> 00:05:43.440 そこで それから数ヶ月間 00:05:43.440 --> 00:05:45.487 私はバンガロールでの活動を いくつか取材しました 00:05:45.487 --> 00:05:49.469 主要なニュースでは 取り上げられないものばかりです 00:05:49.469 --> 00:05:52.240 バンガロール市内にある カボンパークという大きな公園で 00:05:52.240 --> 00:05:53.840 100名を超える人達を集めました 00:05:53.840 --> 00:05:55.749 若い男性グループに スカートをはいてもらい 00:05:55.749 --> 00:05:57.561 レイプを誘発するのは 服装ではないと 00:05:57.561 --> 00:06:01.241 証明するためでした 00:06:01.241 --> 00:06:03.075 このような活動について報告した時 00:06:03.075 --> 00:06:06.168 自分に力を感じました 私には伝達手段があって 00:06:06.168 --> 00:06:10.337 自分の内なる感情を 解き放つことができたのです 00:06:10.337 --> 00:06:12.409 役所のデモ行進にも参加しました 00:06:12.409 --> 00:06:14.343 学生たちが掲げるプラカードには 00:06:14.343 --> 00:06:16.872 「やつらを殺せ やつらを吊るせ」 00:06:16.872 --> 00:06:20.699 「自分の母親や姉妹にも同じことができるのか」 と書かれていました 00:06:20.699 --> 00:06:22.177 キャンドルライトの集会にも参加しました 00:06:22.177 --> 00:06:24.280 市民が集まって 00:06:24.280 --> 00:06:28.237 性暴力の問題について率直に語り合いました 00:06:28.237 --> 00:06:30.277 当時の インドの状況が 00:06:30.277 --> 00:06:32.980 どんなに憂慮すべきものであるかを踏まえて 00:06:32.980 --> 00:06:34.249 沢山のブログを書きました 00:06:34.249 --> 00:06:35.898 [大都市と外国に住んでいる姉妹と従姉妹がいますが あなたが訴えるような苦境など聞いたことがありません] 00:06:35.898 --> 00:06:37.357 このような反応には 困ってしまいました 00:06:37.357 --> 00:06:40.227 世界中から支持してくれる コメントが寄せられましたが 00:06:40.227 --> 00:06:42.241 悪意のあるコメントもまた然りでした 00:06:42.241 --> 00:06:43.675 私を偽善者と呼ぶ人もいました 00:06:43.675 --> 00:06:46.438 被害者と呼んだり レイプ擁護者と呼ぶ人もいました 00:06:46.438 --> 00:06:49.403 私が政治的な野心を持っていると言う人すらいました 00:06:49.403 --> 00:06:51.523 でも 先ほどのコメントが 今ここで議論していることを 00:06:51.523 --> 00:06:56.330 ある程度 象徴しているでしょう 00:06:56.330 --> 00:06:59.440 しかし これが全てではないということは すぐ分かりました 00:06:59.440 --> 00:07:01.429 社会的な力がついたのも 00:07:01.429 --> 00:07:02.879 市民ジャーナリズムで手にした 00:07:02.879 --> 00:07:05.236 新しい自由のおかげでしたが 00:07:05.236 --> 00:07:08.570 私は慣れない環境に身を置いていました 00:07:08.570 --> 00:07:11.737 昨年の8月 私はフェイスブックにログインして 00:07:11.737 --> 00:07:13.140 ニュースフィードをながめていて 00:07:13.140 --> 00:07:15.183 あるリンクに気がつきました 00:07:15.183 --> 00:07:16.856 私の友人がシェアしたものでした 00:07:16.856 --> 00:07:19.039 そのリンクをクリックすると 00:07:19.039 --> 00:07:23.114 ミカエラ・クロスという アメリカ人女性がアップした記事に 00:07:23.114 --> 00:07:25.322 たどり着きました 00:07:25.322 --> 00:07:26.710 記事のタイトルは 00:07:26.710 --> 00:07:29.951 「インドの耳をふさぎたくなる話」でした 00:07:29.951 --> 00:07:33.096 記事の中で 彼女は自分が実際に直面した 00:07:33.096 --> 00:07:36.796 インドでのセクハラを詳細に語っていました 00:07:36.796 --> 00:07:40.763 その記事には 「視線を避けることはできません 00:07:40.763 --> 00:07:42.850 視線は常に追いかけてきて 00:07:42.850 --> 00:07:45.574 私の体を舐めるように見ていました 00:07:45.574 --> 00:07:47.424 無表情のままで 00:07:47.424 --> 00:07:50.072 私と目が合っても合わなくてもお構いなしです 00:07:50.072 --> 00:07:53.210 私が果物屋や仕立屋に向かって歩いていると 00:07:53.210 --> 00:07:55.309 じろじろ見られるのです 00:07:55.309 --> 00:07:58.746 まるで私をバラバラに切り刻むような視線でした」 00:07:58.746 --> 00:08:02.640 ミカエラはインドを旅行者の天国 女性にとっては地獄だと言いました 00:08:02.640 --> 00:08:04.656 彼女は付きまとわれ 痴漢に遭い マスターベーションのネタにされたのです 00:08:04.656 --> 00:08:06.253 彼女は付きまとわれ 痴漢に遭い マスターベーションのネタにされたのです 00:08:06.253 --> 00:08:08.692 さて その夜遅く 記事が広まりました 00:08:08.692 --> 00:08:12.304 世界中のニュースで紹介されたのです 00:08:12.304 --> 00:08:13.910 たくさんの人が議論をしていました 00:08:13.910 --> 00:08:15.018 閲覧数は100万を超え 00:08:15.018 --> 00:08:16.923 コメントとシェアは千件にものぼりました 00:08:16.923 --> 00:08:18.837 私に起こった同様のことが 00:08:18.837 --> 00:08:21.401 繰り広げられていました 00:08:21.401 --> 00:08:24.097 メディアは 世論を暴走させて 何の解決策も生み出さない 00:08:24.097 --> 00:08:26.395 たちの悪いサイクルから 00:08:26.395 --> 00:08:29.700 抜け出せませんでした 00:08:29.700 --> 00:08:32.105 そんなわけで その夜 私は考え込んでしまいました 00:08:32.105 --> 00:08:33.437 とう対応すればよいのだろうと 00:08:33.437 --> 00:08:35.847 釈然としない思いでいっぱいでした 00:08:35.847 --> 00:08:39.207 ライターである私は オブザーバーとして この問題に 00:08:39.207 --> 00:08:41.586 取り組んできました 00:08:41.586 --> 00:08:45.964 インド人としては 恥ずかしさと信じたくない気持ちがあり 00:08:45.964 --> 00:08:50.443 活動家としては 人権擁護の観点で 見つめました 00:08:50.443 --> 00:08:52.578 けれど市民ジャーナリストとしての私は 00:08:52.578 --> 00:08:55.852 非常に脆いものを感じたのです 00:08:55.852 --> 00:08:58.183 つまり 若い女性がいて 00:08:58.183 --> 00:08:59.583 私がやったように ある伝達手段を利用して 00:08:59.583 --> 00:09:01.721 体験談を語りました 00:09:01.731 --> 00:09:04.545 けれど 何も解決していないのです 00:09:04.545 --> 00:09:06.467 誰も教えてくれないことは 00:09:06.467 --> 00:09:09.407 真のエンパワメントとは 自分自身で考え行動することで 00:09:09.407 --> 00:09:11.783 初めて生まれるということです 00:09:11.783 --> 00:09:14.245 エンパワメントという言葉は しばしば 00:09:14.245 --> 00:09:17.442 理想的で 素晴らしい成果のように響きます 00:09:17.442 --> 00:09:19.274 私たちがエンパワメントについて語る時 00:09:19.274 --> 00:09:22.559 私たちが議論するのは 人々が物やツールを 00:09:22.559 --> 00:09:25.295 自由に利用できるようになるかということです 00:09:25.295 --> 00:09:27.744 けれど真のエンパワメントとは 心の在り方で 00:09:27.744 --> 00:09:29.206 感情なのです 00:09:29.206 --> 00:09:31.938 エンパワメントへの第一歩は 00:09:31.938 --> 00:09:34.818 自分自身に力を持つこと— 00:09:34.818 --> 00:09:36.793 独立した意思を持つための鍵で 00:09:36.793 --> 00:09:38.393 誰であっても 出身がどこであれ 00:09:38.393 --> 00:09:40.941 全ての女性に与えられるべきもので 00:09:40.941 --> 00:09:44.261 これが一番難しいことなのです 00:09:44.261 --> 00:09:46.870 私たちは自分自身の声に怯えています 00:09:46.870 --> 00:09:49.656 現実を認めることになるからです でもこれこそが 00:09:49.656 --> 00:09:52.740 私たちに現状を変える力を与えてくれるのです 00:09:52.740 --> 00:09:54.581 さて 様々な現実を 00:09:54.581 --> 00:09:57.267 目の当たりにする中で この状況に対して 00:09:57.267 --> 00:09:58.753 どう判断すべきか悩みました 00:09:58.753 --> 00:10:01.838 自分にとってどんな意義があるか 分からなかったからです 00:10:01.838 --> 00:10:04.843 判断するのを恐れたのは この女性の意見を擁護しなかったら 00:10:04.843 --> 00:10:08.124 どうなるか分からなかったからです 00:10:08.124 --> 00:10:09.490 もし私が 誰かの真実に反論したら 00:10:09.490 --> 00:10:14.370 それが何をもたらすのか 分からなかったからです 00:10:14.370 --> 00:10:15.863 でも 答えは簡単でした 00:10:15.863 --> 00:10:17.312 決断を下すべきは 00:10:17.312 --> 00:10:20.502 声を上げるべきか 沈黙を守るべきかでした 00:10:20.502 --> 00:10:22.786 そうして考えに考えた末に 00:10:22.786 --> 00:10:25.282 私は動画ブログを撮影して レスとして 00:10:25.282 --> 00:10:27.252 ミカエラに伝えました 00:10:27.252 --> 00:10:29.955 インドには違う側面もあるということ 00:10:29.955 --> 00:10:35.364 そして 状況は改善していくだろうということも 00:10:35.364 --> 00:10:37.425 わかってもらえるように説明し 00:10:37.425 --> 00:10:40.091 彼女に起こったことを とても残念に思っていると伝えました 00:10:40.091 --> 00:10:42.692 数日後 私は生放送に招かれ 彼女と話す機会に 00:10:42.692 --> 00:10:44.061 恵まれました 00:10:44.061 --> 00:10:48.181 この時初めて 今まで会ったこともない 00:10:48.181 --> 00:10:50.982 とても遠くにいるけれど とても親近感を覚える この女性と 00:10:50.982 --> 00:10:53.820 気持ちを通わせました 00:10:53.820 --> 00:10:56.350 この記事が表にでてから 00:10:56.350 --> 00:10:58.655 今までよりもっと多くの若い人々が 00:10:58.655 --> 00:11:02.006 キャンパスでのセクハラについて議論しはじめました 00:11:02.006 --> 00:11:04.797 そしてミカエラが通っている大学では 00:11:04.797 --> 00:11:08.645 彼女に必要な支援を提供したのです 00:11:08.645 --> 00:11:10.990 大学はさらに対応策を講じて 00:11:10.990 --> 00:11:13.049 学生が迷惑行為のような問題に 00:11:13.049 --> 00:11:14.685 対処するのに必要な技を 00:11:14.685 --> 00:11:18.155 身につけられるようにしました 00:11:18.155 --> 00:11:22.448 この時 私は初めて一人ではないと感じました 00:11:22.448 --> 00:11:24.534 市民ジャーナリストとしての 00:11:24.534 --> 00:11:27.169 過去数年間の活動で 00:11:27.169 --> 00:11:30.252 私が学んだことがあるとすれば 00:11:30.252 --> 00:11:34.225 私たちの声を伝える手段を 積極的に見つけようという姿勢が 00:11:34.225 --> 00:11:37.222 社会には悲劇的に欠けているということです 00:11:37.222 --> 00:11:41.526 私たちが気づいていないのは 私たちが立ち上がろうとする時 00:11:41.526 --> 00:11:43.368 私たちは個人としてではなく 00:11:43.368 --> 00:11:46.605 コミュニティーや 友人や仲間のために 00:11:46.605 --> 00:11:48.464 立ち上がっているのです 00:11:48.464 --> 00:11:51.837 女性の権利が認められていないと 多くの人が言いますが 00:11:51.837 --> 00:11:54.213 本当は— 大抵の場合 00:11:54.213 --> 00:11:57.613 女性自身が自分の権利を認めていないのです 00:11:57.613 --> 00:12:00.250 インドでの最近の調査では 00:12:00.250 --> 00:12:04.781 IT企業や航空会社 サービス業 00:12:04.781 --> 00:12:08.197 コールセンターなどに勤める女性の95%が 00:12:08.197 --> 00:12:10.764 就業後の夜遅い時間に 00:12:10.764 --> 00:12:14.150 一人で帰宅することが不安だと言っています 00:12:14.150 --> 00:12:15.551 私の暮らすバンガロールでも 00:12:15.551 --> 00:12:18.017 この数は85%にのぼります 00:12:18.017 --> 00:12:20.563 インドの農村地帯の状況は 00:12:20.563 --> 00:12:23.720 最近起きた 事件によるものでしょう 00:12:23.720 --> 00:12:26.287 バダウンのギャングレイプ事件や オリッサ州とアリーガルの 00:12:26.287 --> 00:12:28.308 顔に酸をかける アシッド・アタックです 00:12:28.308 --> 00:12:31.885 私たちはすぐにでも 行動を起こさなくてはいけません 00:12:31.885 --> 00:12:33.578 誤解しないでいただきたいのは 00:12:33.578 --> 00:12:36.285 自分たちの体験を話すことは 00:12:36.285 --> 00:12:39.077 女性にとって大きな苦痛を伴いますが 00:12:39.077 --> 00:12:41.782 自分たちの体制に参画できるような 00:12:41.782 --> 00:12:44.269 メディアを探して 見つけ出すところから 00:12:44.269 --> 00:12:45.760 始める必要があります 00:12:45.760 --> 00:12:50.124 メディアを闇雲に追いかけるだけではいけません 00:12:50.124 --> 00:12:53.122 今や これまでにないくらい多くの女性が 00:12:53.122 --> 00:12:54.767 立ちあがり インド政府に 00:12:54.767 --> 00:12:56.146 疑問を投げかけています 00:12:56.146 --> 00:12:59.169 彼女たちの勇気のおかげで 00:12:59.169 --> 00:13:02.222 女性からの迷惑行為の報告は 00:13:02.222 --> 00:13:03.784 以前の6倍になりました 00:13:03.784 --> 00:13:05.173 そして政府は2013年に 00:13:05.173 --> 00:13:08.149 女性を性暴力から守る 00:13:08.149 --> 00:13:11.968 刑法の改正案を可決しました 00:13:11.968 --> 00:13:13.920 この講演を締めくくるにあたり 00:13:13.920 --> 00:13:16.040 これだけは言わせてください 00:13:16.040 --> 00:13:21.620 この会場にも秘密を抱えている人が たくさんいるはずです 00:13:21.620 --> 00:13:23.572 でも 共に声を上げましょう 00:13:23.572 --> 00:13:26.241 一緒に羞恥と闘い それについて話しましょう 00:13:26.241 --> 00:13:29.761 プラットフォームやコミュニティー あなたが愛する人 00:13:29.761 --> 00:13:33.648 誰を選んでも 何を選んでも構いません 00:13:33.648 --> 00:13:35.740 でも 声を上げましょう 00:13:35.740 --> 00:13:38.800 この問題の終結は まさに 00:13:38.800 --> 00:13:40.542 私たちの行動から始まるのです 00:13:40.542 --> 00:13:42.187 ありがとうございました 00:13:42.187 --> 00:13:45.748 (拍手)