0:00:00.755,0:00:03.046 退役軍人の話をしに来ることができて[br]興奮しています 0:00:03.046,0:00:04.652 私が入隊したのは 0:00:04.652,0:00:06.800 戦争に行きたかったからではありません 0:00:06.800,0:00:09.518 海を越えて戦いに行く 0:00:09.518,0:00:13.175 渇望や必要があった訳でもありません 0:00:13.175,0:00:15.515 入隊した理由は 率直に言うと 0:00:15.515,0:00:17.242 大学が滅茶苦茶に高くて 0:00:17.242,0:00:18.951 それを軍が支援してくれたからでした 0:00:18.951,0:00:21.291 また 私が入隊したのは 0:00:21.291,0:00:23.447 それが自分の知っていることだったから 0:00:23.447,0:00:26.309 うまくやれると思っていたことだからでした 0:00:26.309,0:00:28.707 軍人の家の出身ではありませんし 0:00:28.707,0:00:29.950 軍人の子供でもありません 0:00:29.950,0:00:32.729 私の家族は誰も入隊したことはありません 0:00:32.729,0:00:35.015 初めて軍を知ったのは 0:00:35.015,0:00:37.110 13歳の時 0:00:37.110,0:00:39.789 士官学校へ入れられた時でした 0:00:39.789,0:00:41.458 母は私が8歳の頃から 0:00:41.458,0:00:44.564 士官学校へ入れるぞと私を脅していたのです 0:00:44.564,0:00:47.631 私は問題児で 0:00:47.631,0:00:49.659 母はいつもこう言っていました 0:00:49.659,0:00:51.105 「しっかりしないと 0:00:51.105,0:00:52.371 アンタを士官学校へ入れるからね」 0:00:52.371,0:00:53.931 私はこう返すのでした 0:00:53.931,0:00:55.863 「お母さん もっとがんばるよ」 0:00:55.863,0:00:57.347 そして私が9歳の時から 0:00:57.347,0:00:59.575 母はパンフレットを見せ始めました[br]冗談ではないことを見せようとしたんですね 0:00:59.575,0:01:00.870 パンフレットを見て私は言います 0:01:00.870,0:01:03.197 「分かったお母さん 本気なのは分かったから[br]これからもっとしっかりやるよ」 0:01:03.197,0:01:05.349 10 歳 11 歳になり 0:01:05.349,0:01:08.503 私の素行は悪くなり続けました 0:01:08.503,0:01:10.870 10 歳前には成績も仮及第で 0:01:10.870,0:01:14.601 素行面でも警告を受け 0:01:14.601,0:01:17.543 初めて手錠をかけられたのは 0:01:17.543,0:01:19.491 11 歳のときでした 0:01:19.491,0:01:21.107 そして私が 13 歳の時 0:01:21.107,0:01:23.121 母がこう言いました 0:01:23.121,0:01:24.857 「これ以上耐えられない 0:01:24.857,0:01:26.403 士官学校へ入れるからね」 0:01:26.403,0:01:28.241 私は母を見てこう返しました 0:01:28.241,0:01:31.381 「お母さん 怒っているのはわかるよ[br]これから頑張るからさ」 0:01:31.381,0:01:33.476 「いいえ もう来週から入るのよ」と言われました 0:01:33.476,0:01:35.881 こうした経緯で私は 0:01:35.881,0:01:38.471 軍というものに出会いました 0:01:38.471,0:01:41.367 母は良いアイデアだと思っていたのです 0:01:41.367,0:01:43.179 それには心底反対しなければなりません 0:01:43.179,0:01:44.479 なぜなら私がそこへ行き始めて 0:01:44.479,0:01:46.279 実際最初の 4 日で既に 0:01:46.279,0:01:48.447 学校から 5 回逃げていたからです 0:01:48.447,0:01:50.333 学校の周りに 5 つ 大きな黒いゲートがあり 0:01:50.333,0:01:52.423 教官が目を離す度に 0:01:52.423,0:01:54.879 私はとにかくそのゲートから出ていくのです 0:01:54.879,0:01:56.741 ここにいたくなければ[br]いつでも去って良いという 0:01:56.741,0:01:58.171 教官が勧める通りにです 0:01:58.171,0:01:59.864 ですので 私は言います 0:01:59.864,0:02:03.112 「そういうことならぜひとも帰りたいです」 0:02:03.112,0:02:05.223 一度も成功しませんでした 0:02:05.223,0:02:07.397 私は逃げようとし続けました 0:02:07.397,0:02:08.579 ただ最終的には 0:02:08.579,0:02:11.109 しばらくそこで過ごした後 0:02:11.109,0:02:12.511 その士官学校で 0:02:12.511,0:02:14.359 最初の一年が過ぎる頃には 0:02:14.359,0:02:19.015 自分が成長していることに気付きました 0:02:19.015,0:02:22.539 この学校で学んだこと 0:02:22.539,0:02:24.887 身に付けた規律や上下関係は 0:02:24.887,0:02:27.634 それまで私が知らなかったものでした 0:02:27.634,0:02:30.503 それは私が何か大きなものの一部 0:02:30.503,0:02:32.953 チームの一員であること 0:02:32.953,0:02:34.665 皆にとって自分の存在が意味あるのだと感じ 0:02:34.665,0:02:37.855 リーダーシップがただの言葉だけのものでなく 0:02:37.855,0:02:41.131 実際 本当に全体の経験において 0:02:41.131,0:02:43.280 核を成すものだと知りました 0:02:43.280,0:02:45.404 そしてついに高校を 0:02:45.404,0:02:47.448 卒業する頃になると 0:02:47.448,0:02:50.116 自分が何をしたいか考え始めました 0:02:50.116,0:02:51.920 おそらく他の大勢の学生同様 0:02:51.920,0:02:55.314 それがどういうことなのか[br]何をしたいのか分かりませんでした 0:02:55.314,0:02:57.009 私は自分が尊敬し憧れる 0:02:57.009,0:02:59.298 人たちのことを考えました 0:02:59.298,0:03:00.984 たくさん考えました 0:03:00.984,0:03:03.803 特にそれまでの人生で出会った 0:03:03.803,0:03:05.732 私が憧れた人たちのことを考えました 0:03:05.732,0:03:07.607 彼らは皆 0:03:07.607,0:03:09.546 アメリカ合衆国の制服を着てました 0:03:09.546,0:03:11.791 だから私にとっては 先程の問いも答えも 0:03:11.791,0:03:13.858 本当に簡単になりました 0:03:13.858,0:03:15.606 何をしたいかという問いには 0:03:15.606,0:03:17.244 すぐにこう答えが出ました 0:03:17.244,0:03:20.443 私は軍の士官になろうかな と 0:03:20.443,0:03:22.267 軍は手順通り 0:03:22.267,0:03:23.468 私を訓練しました 0:03:23.468,0:03:24.870 私が入隊したのは 0:03:24.870,0:03:26.500 戦争に行きたかったからではないと言いましたが 0:03:26.500,0:03:28.583 実は私が入隊した 1996 年には 0:03:28.583,0:03:31.353 特別何も起こっていない頃で 0:03:31.353,0:03:33.419 危険だと感じたことはありませんでした 0:03:33.419,0:03:34.542 母の元へ行って― 0:03:34.542,0:03:36.155 最初入隊した時 私は 17 歳だったので 0:03:36.155,0:03:37.864 入隊するには親の許可が 0:03:37.864,0:03:38.947 必要だったのです― 0:03:38.947,0:03:40.427 必要書類を母に渡しました 0:03:40.427,0:03:42.420 母は軍を士官学校と[br]同じようなものだと捉えていました 0:03:42.420,0:03:43.724 「これまでこの子にとって良かったのだし 0:03:43.724,0:03:46.107 このまま続けさせましょう」という感じです 0:03:46.107,0:03:48.908 母は自分がサインしている書類が 0:03:48.908,0:03:50.940 自分の息子を士官として登録するものとは 0:03:50.940,0:03:54.138 想像だにしていません 0:03:54.138,0:03:55.912 私は入隊手続きを進めます 0:03:55.912,0:03:57.706 その段になっても 私が考えていたのは 0:03:57.706,0:04:01.529 やったぜ たまに週末とか 0:04:01.529,0:04:06.643 2 週間集中訓練があるくらいだろう[br]といった感じです 0:04:06.643,0:04:09.359 そして入隊から 3〜4 年 0:04:09.359,0:04:11.945 母があの書類にサインしてから 3 〜4年後 0:04:11.945,0:04:15.671 世界の全てが変わりました 0:04:15.671,0:04:18.875 9.11 後 私が選択した道は 0:04:18.875,0:04:22.865 全く別のものに変わっていました 0:04:22.865,0:04:27.430 入隊したのは戦うためではありませんでしたが 0:04:27.430,0:04:29.100 軍の一員となっていたので 0:04:29.100,0:04:32.887 戦うことこそ まさに私の任務でした 0:04:32.887,0:04:36.234 私は自分が率いることになる 0:04:36.234,0:04:38.091 部下たちのことをたくさん考えました 0:04:38.091,0:04:40.601 9.11 のすぐ後[br]3 週間後のことになりますが 0:04:40.601,0:04:43.224 私は海外へ向かう飛行機に乗っていました 0:04:43.224,0:04:45.210 ただし軍と一緒ではありません 0:04:45.210,0:04:47.245 海外の学校へ行く奨学金を 0:04:47.245,0:04:48.566 得たからでした 0:04:48.566,0:04:50.416 私は奨学金で海外へ行き 0:04:50.416,0:04:52.716 そこで勉強し 生活することになります 0:04:52.716,0:04:54.788 行き先はイギリスで とても良い経験でした 0:04:54.788,0:04:56.254 ただ同時に 私と一緒に訓練を 0:04:56.254,0:04:58.998 受けてきた者たちは 0:04:58.998,0:05:01.411 ずっと一緒に訓練をこなしてきて 0:05:01.411,0:05:03.600 戦争に備えてきた仲間たちは 0:05:03.600,0:05:07.086 実際に戦争へ赴くところでした 0:05:07.086,0:05:08.967 その時彼らは 0:05:08.967,0:05:11.151 ほとんど誰も知らず 0:05:11.151,0:05:12.719 訓練を受けてきた我々自身も 0:05:12.719,0:05:15.445 地図で場所すら示せないような所へ 0:05:15.445,0:05:18.924 身を投じようとしていました 0:05:18.924,0:05:20.890 私は大学院の修士課程で 2 年を過ごし 0:05:20.890,0:05:22.950 アメリカ合衆国ができる数百年も 0:05:22.950,0:05:24.536 前に建てられた 0:05:24.536,0:05:26.910 オックスフォードの建物で 0:05:26.910,0:05:28.758 机に向かって 0:05:28.758,0:05:31.930 教師と フェルディナンド大公の暗殺や 0:05:31.930,0:05:35.894 その第一世界大戦開戦への 0:05:35.894,0:05:40.216 影響を話し合っていた間も 0:05:40.216,0:05:42.460 私の心と頭はずっと 0:05:42.460,0:05:45.344 部下たちのこと考えていました 0:05:45.344,0:05:47.314 彼らはケブラーを身に着け 0:05:47.314,0:05:48.750 防弾チョッキを手にとって 0:05:48.750,0:05:51.298 真っ暗闇でどう着替えるか 0:05:51.298,0:05:53.590 どうマシンガンを整備するか 0:05:53.590,0:05:56.638 把握しようとしているところです 0:05:56.638,0:05:59.571 それが新たな現実でした 0:05:59.571,0:06:01.944 大学院を終えて復隊し 0:06:01.944,0:06:04.634 アフガニスタンへ出動しようとする頃には 0:06:04.634,0:06:06.222 初戦闘もまだの私に対して 0:06:06.222,0:06:08.320 部下の中には二度目 三度目の出動という 0:06:08.320,0:06:09.740 隊員がいました 0:06:09.740,0:06:11.728 初めて部隊で出動した時のことを 0:06:11.728,0:06:13.092 覚えています 0:06:13.092,0:06:14.748 軍で戦闘任務に出る時には 0:06:14.748,0:06:16.082 皆 互いの肩を確認します 0:06:16.082,0:06:19.860 そこに記章が付いているからです 0:06:19.860,0:06:21.136 ですので 他の隊員と出会うとき 0:06:21.136,0:06:22.552 まず握手を交わし 0:06:22.552,0:06:24.411 それから相手の肩を見ます 0:06:24.411,0:06:26.024 相手がどこの あるいはどの部隊に 0:06:26.024,0:06:27.330 参加したのか知りたいからです 0:06:27.330,0:06:29.024 その時の隊員で肩章無しは 0:06:29.024,0:06:31.314 私だけでした 0:06:31.314,0:06:35.404 視線を感じる度 肩が灼けるようでした 0:06:35.404,0:06:38.412 ただ 部下と話す機会なので 0:06:38.412,0:06:42.190 なぜ入隊したのか尋ねます 0:06:42.190,0:06:46.279 私の場合は大学が高かったからです 0:06:46.279,0:06:50.700 多くの部下たちは全く別の理由を持っています 0:06:50.700,0:06:52.632 義務感で入隊した者 0:06:52.632,0:06:54.441 怒りを抱えており 0:06:54.441,0:06:56.258 何かしたいと入隊した者 0:06:56.258,0:06:57.570 家族から重要なことだからと 0:06:57.570,0:06:59.416 言われて入隊した者 0:06:59.416,0:07:01.948 何らかの形で復讐を望んで入隊した者 0:07:01.948,0:07:06.276 皆が皆 様々な[br]異なる理由を抱えていました 0:07:06.276,0:07:09.044 そうした者たちが皆 0:07:09.044,0:07:12.945 海を越え 紛争で戦っていました 0:07:12.945,0:07:15.456 私にとって驚きだったのが 0:07:15.456,0:07:19.778 ずっと 完璧には理解できなかった 0:07:19.778,0:07:23.044 ある常套句を耳にし始めたことです 0:07:23.044,0:07:25.402 9.11 直後から 皆が使い始めたのを 0:07:25.402,0:07:26.759 耳にしているでしょう 0:07:26.759,0:07:29.396 「任務ご苦労様」 0:07:29.396,0:07:31.359 私もただそれに倣う感じで 0:07:31.359,0:07:32.994 部下たちに同じことを言い始めました 0:07:32.994,0:07:34.575 自分で任務に出る前のことです 0:07:34.575,0:07:38.070 意味なんて考えていませんでした 0:07:38.070,0:07:40.074 ただこう言うのが 正しく聞こえたのです 0:07:40.074,0:07:41.850 こう言うのが海外で従軍した者に掛ける 0:07:41.850,0:07:43.494 正しい言葉だと思えたからです 0:07:43.494,0:07:45.924 「任務ご苦労様」 0:07:45.924,0:07:47.940 ただ私はこの言葉に関する背景も分からず 0:07:47.940,0:07:50.270 そしてそれが受け取る者にとって 0:07:50.270,0:07:53.840 どんな意味を持つのかも分かりませんでした 0:07:53.840,0:07:58.626 初めてアフガニスタンから戻った時 0:07:58.626,0:08:02.100 私は紛争から生きて帰れれば 0:08:02.100,0:08:05.941 それで危険は全てお終いだと思っていました 0:08:05.941,0:08:08.138 紛争地域から戻ることができれば 0:08:08.138,0:08:10.437 あれを切り抜けられて良かったと 0:08:10.437,0:08:12.391 サッと額を拭うような感覚で 0:08:12.391,0:08:15.415 終われると思っていました 0:08:15.415,0:08:17.223 大勢の人にとっては 0:08:17.223,0:08:19.366 例え家に帰ることができても 0:08:19.366,0:08:21.665 戦争は続いているのだということを理解せずに 0:08:21.665,0:08:23.919 我々の心の中で続いているのです 0:08:23.919,0:08:26.557 我々の記憶の中で続いているのです 0:08:26.557,0:08:31.220 我々の感情の中で続いているのです 0:08:31.220,0:08:32.557 許してください 0:08:32.557,0:08:37.767 我々が人混みに紛れるのを嫌っても 0:08:37.767,0:08:40.030 許してください 0:08:40.030,0:08:42.354 我々は完全灯火管制下で 0:08:42.354,0:08:44.702 一週間過ごします 0:08:44.702,0:08:46.930 我々は白色光を使ってはいけないのです 0:08:46.930,0:08:48.417 なぜなら白色光は 0:08:48.417,0:08:49.894 数キロ先からも見つけられます 0:08:49.894,0:08:51.607 それに対して弱い緑や 0:08:51.607,0:08:52.774 弱い青の光ならば 0:08:52.774,0:08:54.706 遠くからは見つかりません 0:08:54.706,0:08:56.839 だから 許してください 0:08:56.839,0:09:00.046 そのような完全灯火管制下から 0:09:00.046,0:09:02.599 一週間後 タイムズスクエアの[br]ど真ん中に帰っても 0:09:02.599,0:09:07.730 我々は適応するのが難しいのです 0:09:07.730,0:09:09.162 許してください 0:09:09.162,0:09:11.001 家族の元に帰ったとき 0:09:11.001,0:09:15.105 自分抜きで暮らしていたところへ 0:09:15.105,0:09:17.132 いざ戻ってきたところで 0:09:17.132,0:09:20.776 「日常」という感覚に[br]身を落ち着けるのは難しいのです 0:09:20.776,0:09:25.258 なぜなら「日常」はもう変わってしまったから 0:09:25.258,0:09:28.820 帰った時のことを覚えています[br]私は皆と話したかった 0:09:28.820,0:09:31.579 皆に私が経験してきたことを聞いて欲しかった 0:09:31.579,0:09:33.327 私の所に来て聞いて欲しかった 0:09:33.327,0:09:34.642 「何をしたの?」と 0:09:34.642,0:09:36.399 私の所に来て言って欲しかった 0:09:36.399,0:09:38.877 「どんな感じだった?食べ物はどうだった?」 0:09:38.877,0:09:42.272 「どんな経験をしたの?[br]どんな風に過ごしてきたの?」 0:09:42.272,0:09:44.333 ですが 私が聞かれた唯一の質問は 0:09:44.333,0:09:47.064 「誰か人を撃った?」でした 0:09:47.064,0:09:48.890 そして人々が聞きに来たのは 0:09:48.890,0:09:52.548 せいぜい それだけでした 0:09:52.548,0:09:54.218 なぜならば そこには 0:09:54.218,0:09:56.193 何か言ったことで傷付けたり 0:09:56.193,0:09:58.129 あるいは何か引き金を引いてしまうかもという 0:09:58.129,0:10:00.023 恐れや気遣いがあるからです 0:10:00.023,0:10:03.291 ならばいっそ共通の態度として[br]何も言わない となります 0:10:03.291,0:10:05.890 これが問題なのは 0:10:05.890,0:10:07.496 我々の働きが知られてもいない 0:10:07.496,0:10:10.010 もしくは 気にも掛けられないと 0:10:10.010,0:10:13.017 感じられてしまうことです 0:10:13.017,0:10:16.040 「任務ご苦労様」 0:10:16.040,0:10:19.133 これで終わりです 0:10:19.133,0:10:21.809 私がもっと理解したかったのは 0:10:21.809,0:10:25.123 その背景であり どうして 0:10:25.123,0:10:30.875 「任務ご苦労様」では十分でないかということです 0:10:30.875,0:10:34.491 我々の周りには実際 0:10:34.491,0:10:37.048 男女 260万人もの 0:10:37.048,0:10:39.972 イラクやアフガニスタン帰りの 0:10:39.972,0:10:42.642 退役軍人がいます 0:10:42.642,0:10:44.482 その人のことは 分かることもありますし 0:10:44.482,0:10:47.234 分からないこともあります 0:10:47.234,0:10:49.401 ただあの感覚が 共通の体験が 0:10:49.401,0:10:52.325 共通の絆があります 0:10:52.325,0:10:54.197 我々は知っています 0:10:54.197,0:10:56.206 我々の人生であの体験 0:10:56.206,0:10:58.921 あの一章は閉じたかもしれませんが 0:10:58.921,0:11:02.967 まだ終わってはないのです 0:11:02.967,0:11:04.596 我々は「任務ご苦労様」について考えます 0:11:04.596,0:11:06.665 人々に聞かれます[br]「では あなたにとってはどういう意味なのか」 0:11:06.665,0:11:08.345 私にとっては 0:11:08.345,0:11:12.423 我々の物語を知ることです 0:11:12.423,0:11:15.289 我々が何者なのかを聞くことです 0:11:15.289,0:11:17.702 これほどに多くの人たちが持つ強さ 0:11:17.702,0:11:21.932 我々の仲間の強さを知り 0:11:21.932,0:11:25.652 そして我々の任務がどれだけの意味を[br]持つのかを知ることです 0:11:25.652,0:11:27.786 「任務ご苦労様」とは 0:11:27.786,0:11:29.604 我々が帰ってきて 0:11:29.604,0:11:31.175 制服を脱いだからといって 0:11:31.175,0:11:33.735 我々の任務があっさりと 0:11:33.735,0:11:35.851 終わったわけではないことを知ることです 0:11:35.851,0:11:38.732 実際には まだまだ膨大なものを 0:11:38.732,0:11:42.922 捧げられますし 与えられます 0:11:42.922,0:11:44.352 例えば我々の友人 0:11:44.352,0:11:49.010 テイラー ウルエラ 0:11:49.010,0:11:50.754 彼はイラクで足を失いますが 0:11:50.754,0:11:53.412 二つ 大きな夢を持っていました 0:11:53.412,0:11:56.480 一つは兵士になること[br]もう一つは野球選手になることです 0:11:56.480,0:12:01.280 彼はイラクで足を失います 0:12:01.280,0:12:02.904 国に戻って 0:12:02.904,0:12:04.598 足を無くしてしまったから 0:12:04.598,0:12:07.016 二つ目の夢はおしまいだ[br]と考えるよりは 0:12:07.016,0:12:09.430 野球選手になる夢を[br]実現させようと考え 0:12:09.430,0:12:11.402 VET Sports なるグループを立ち上げます 0:12:11.402,0:12:13.573 今では国中の退役軍人と共に 0:12:13.573,0:12:18.648 治療の一環としてスポーツを楽しむグループとなりました 0:12:18.648,0:12:20.991 例えばタミー ダックワース 0:12:20.991,0:12:22.239 彼女はヘリのパイロットでした 0:12:22.239,0:12:24.105 彼女のヘリは 0:12:24.105,0:12:25.644 操縦するのに両手と 0:12:25.644,0:12:27.175 両足が必要です 0:12:27.175,0:12:28.644 彼女のヘリは撃たれ 0:12:28.644,0:12:29.906 なんとか操縦しようとしますが 0:12:29.906,0:12:31.823 ヘリは彼女の指示 0:12:31.823,0:12:33.504 彼女の命令に反応しません 0:12:33.504,0:12:36.015 安全に着陸させようとしますが 0:12:36.015,0:12:37.656 そのヘリは安全着陸しません 0:12:37.656,0:12:38.768 その理由は 0:12:38.768,0:12:41.441 彼女の足が出している命令に[br]ヘリが反応しないからであって 0:12:41.441,0:12:46.289 それは彼女の足が吹き飛ばされていたからです 0:12:46.289,0:12:49.194 彼女はなんとか生き延びます 0:12:49.194,0:12:53.100 救護兵が彼女の命を救ったのです 0:12:53.100,0:12:55.561 その後 彼女は家で治療を受けますが[br]気づくのです 0:12:55.561,0:12:59.871 「私の仕事はまだ終わっていない」 0:12:59.871,0:13:01.355 そして今は声を使って 0:13:01.355,0:13:03.547 イリノイ州の議員として働き 0:13:03.547,0:13:06.505 退役軍人の問題を含む 0:13:06.505,0:13:10.370 様々な問題のために声を上げています 0:13:10.370,0:13:13.096 我々が入隊したのは 0:13:13.096,0:13:17.566 我々が代表するこの国を愛しているからです 0:13:17.566,0:13:19.910 我々が入隊したのは 0:13:19.910,0:13:22.468 理念を信じており 0:13:22.468,0:13:25.256 我々の隣人を信じているからです 0:13:25.256,0:13:27.168 我々がただ望むのは 0:13:27.168,0:13:29.430 「任務ご苦労様」が 0:13:29.430,0:13:32.554 ただの引用句以上のものに[br]なるべきということです 0:13:32.554,0:13:35.180 「任務ご苦労様」の意味が 0:13:35.180,0:13:37.406 ただ単純に任務として進み出た 0:13:37.406,0:13:40.356 兵士たちに対する 0:13:40.356,0:13:44.199 心からの言葉であって欲しいのです 0:13:44.199,0:13:46.398 それは我々にとって 意味のある言葉になります 0:13:46.398,0:13:49.720 今だけでも 戦闘時だけでもなく 0:13:49.720,0:13:53.069 最後の車両が帰還したずっと後 0:13:53.069,0:13:57.943 最後の銃撃が終わった ずっと後にもです 0:13:57.943,0:14:00.773 以上が私が任務を共にする仲間 0:14:00.773,0:14:04.477 そして私が誇りに思う仲間です 0:14:04.477,0:14:06.648 ご静聴 ご苦労様です 0:14:06.648,0:14:10.500 (拍手)