日本語版字幕担当：
ミシガン大学所属 ー ローレン・アイヴィー、矢嶋彩香
ボランティア ー 東梅ひろみ, M.D.

肘の筋骨格系検査法（完全版）
ミシガン大学家庭医療学科
タラ・マスターハンター, M.D.
マイケル・マクカートニー, M.D.

肘の評価を確実に行うためには、

体系的に行うのが慎重なやり方です。

このビデオは筋骨格系の肘の損傷を診断するための

一般的な方法を取り入れている推奨された検査手順です。

肘の検査は視診から始めます。

左右非対称、筋委縮、皮膚の変化を評価します。

次に能動的可動域を調べます。

痛みや動きに制限がある場合は、

再度、他動的に可動域を調べます。

抵抗力をチェックすることによって、

能動的可動域をさらに評価します。

可動域とは、

屈曲、

伸展、

回外、

回内を含みます。

次に解剖学的ランドマーク（目印）である、

肘頭、

内側上顆、

外側上顆、

橈骨頭、

後骨間神経、

前肘窩にある二頭筋腱、

を触診します。

筋骨格系損傷を評価する為の

肘の検査手法の例として、次のような

一連の検査が挙げられます。

尺側側副靱帯の安定性は０度と３０度の屈曲位で

肘に外反力を加えて調べることができます。

橈側側副靱帯の安定性も０度と３０度の屈曲位で

肘に内反力を加えることで調べることができます。

靭帯の弛緩は一部あるいは完全に

靭帯が断裂していることを示唆します。

コーゼンテストは外側上顆炎を評価するのに使います。

抵抗に逆らって手首を伸展させたときに

外側肘に痛みがあれば陽性です。

モーズレーテストも外側上顆炎を評価するのに使います。

抵抗に逆らって中指を伸展させたときに

外側肘に痛みがあれば陽性です。

肘部管でチネルテストを行い、

尺骨神経の上で痛み、感覚麻痺、しびれを再現してみます。

肘の診察を終える前に

神経血管の状態を記録することもとても重要です。

ここで、大まかな検査を行ってみます。

橈骨神経の評価のために

抵抗に逆らって手首を伸展させます。

正中神経を評価するために親指の抵抗力、

また、尺骨神経の評価のために

指の外転力をチェックします。

橈骨動脈の脈拍と

毛細血管再充満時間を評価します。

患者の既往歴によって、

更に神経血管系の検査が必要になる可能性があります。

謝辞：本ビデオの翻訳は、静岡県の支援の下、
地域医療再生基金を用いた「静岡－ミシガン大学家庭医療
後期研修、教育及び研究」（SMARTER FM）プロジェクトの一部として行われました。