1 00:00:00,620 --> 00:00:02,395 街をマッピングすることを考えるとき 2 00:00:02,395 --> 00:00:05,200 道路や歩道や建物や 3 00:00:05,200 --> 00:00:08,000 街の成り立ちにまつわる物語や あるいは 4 00:00:08,000 --> 00:00:10,984 都市デザイナーの大胆なビジョン といったものを連想しがちです 5 00:00:10,984 --> 00:00:13,487 でも都市のマッピングには 6 00:00:13,487 --> 00:00:15,653 もっと様々な考え方や 手法があります 7 00:00:15,653 --> 00:00:17,746 今日は新しい種類の 地図をご紹介します 8 00:00:17,746 --> 00:00:19,242 この地図は地理を表すのではなく 9 00:00:19,242 --> 00:00:22,373 僕の住むメリーランド州の ボルティモアに住む人々の 10 00:00:22,373 --> 00:00:23,713 関わり合いを表しています 11 00:00:23,713 --> 00:00:28,130 それぞれの点は人を表し 12 00:00:28,130 --> 00:00:31,424 線は人々の関わりを表します 13 00:00:31,424 --> 00:00:34,870 そしてネットワークの中の コミュニティは色分けされています 14 00:00:34,870 --> 00:00:39,732 僕がいるのはこの右端の緑色の地域 ギーク達がいるところです 15 00:00:39,732 --> 00:00:43,580 TEDxも同じ所ですね(笑) 16 00:00:43,580 --> 00:00:46,157 一方 ネットワークの反対側には 17 00:00:46,157 --> 00:00:49,117 主にアフリカ系アメリカ人達や ラティーノ達がいます 18 00:00:49,117 --> 00:00:52,707 彼らはギーク達とはちょっと違う 事柄に関心があります 19 00:00:52,707 --> 00:00:54,148 そして分かりやすいように 20 00:00:54,148 --> 00:00:56,554 ネットワークの緑色の部分を 「スモールティモア」と呼ぶことにしました 21 00:00:56,554 --> 00:00:58,099 なぜなら そこの住人達は 22 00:00:58,099 --> 00:01:01,014 とても小さな街に住んでいる ように思えるからです 23 00:01:01,014 --> 00:01:03,048 僕たちは同じ人達に 何度も何度も会いますが 24 00:01:03,048 --> 00:01:05,218 それは僕達が街を 深く広く冒険しないからです 25 00:01:05,218 --> 00:01:08,081 それは僕達が街を 深く広く冒険しないからです 26 00:01:08,081 --> 00:01:09,833 ネットワークの反対側には 27 00:01:09,833 --> 00:01:12,770 ヒップホップなどが 好きな人達がいます 28 00:01:12,770 --> 00:01:16,574 彼らは 再開発されたボルティモアの街よりも 29 00:01:16,574 --> 00:01:20,990 DMV(ワシントンDC、メリーランド州、ヴァージニア州)一帯の 風土のほうが肌に合うと感じています 30 00:01:20,990 --> 00:01:23,090 中央には 31 00:01:23,090 --> 00:01:25,573 2つのコミュニティを つないでいるものが見えます 32 00:01:25,573 --> 00:01:26,452 スポーツですね 33 00:01:26,452 --> 00:01:29,540 アメフトチームのボルティモア・オリオールズや レイヴンズがあり 34 00:01:29,540 --> 00:01:30,986 オリンピック選手の マイケル・フェルプスもいます 35 00:01:30,986 --> 00:01:33,824 有名なアンダー・アーマー社も ボルティモアにあります 36 00:01:33,824 --> 00:01:36,257 スポーツに関心のある このコミュニティだけが 37 00:01:36,257 --> 00:01:38,528 ネットワーク両端のコミュニティを 結びつけています 38 00:01:38,528 --> 00:01:40,423 サンフランシスコを見てみましょう 39 00:01:40,423 --> 00:01:43,609 ここではまた違った様子が見られます 40 00:01:43,609 --> 00:01:48,002 メディア、政治、ニュースなどのグループは 41 00:01:48,002 --> 00:01:50,537 ボルティモアなど他の都市でも よく見られますが 42 00:01:50,537 --> 00:01:52,892 特に目を引くのは 43 00:01:52,892 --> 00:01:57,285 ネットワークの上半分を占める ギークや技術者達です 44 00:01:57,285 --> 00:01:59,787 それにも増して分かりやすいのが 45 00:01:59,787 --> 00:02:02,137 ツイッター社の従業員達です 46 00:02:02,137 --> 00:02:05,504 ギークの隣 下のゲーマー達と ギークの間にいますね 47 00:02:05,504 --> 00:02:08,445 反対側には ヒップホップの集団が広がっています 48 00:02:08,445 --> 00:02:10,162 ご覧のように 49 00:02:10,162 --> 00:02:12,843 サンフランシスコで起こっている という緊張状態― 50 00:02:12,843 --> 00:02:15,764 街が高所得者達に向けたものに なりつつある事だとか 51 00:02:15,764 --> 00:02:18,523 新興テクノロジー会社が 新たな富や転入者を 52 00:02:18,523 --> 00:02:20,620 流入させているという不安は 現実のものだと分かります 53 00:02:20,620 --> 00:02:22,849 この図でそれが確認出来るのです 54 00:02:22,849 --> 00:02:24,869 LGBTのコミュニティは 55 00:02:24,869 --> 00:02:28,165 ギークのコミュニティや アート、音楽のコミュニティとも 56 00:02:28,165 --> 00:02:30,297 親和性がそうあるわけでは無いようです 57 00:02:30,297 --> 00:02:32,070 それでこういうことが起こるわけです 58 00:02:32,070 --> 00:02:33,043 [ツイッターを追い出せ] 59 00:02:33,043 --> 00:02:34,867 誰かが数週間前に送ってきたこの写真は 60 00:02:34,867 --> 00:02:37,774 サンフランシスコの地で 今起こっている現実を見せつけます 61 00:02:37,774 --> 00:02:40,158 こんなマップを見ると それが分かることでしょう 62 00:02:40,158 --> 00:02:41,860 こんなマップを見ると それが分かることでしょう 63 00:02:41,860 --> 00:02:43,620 リオデジャネイロを 見てみましょう 64 00:02:43,620 --> 00:02:46,074 最近数週間かけて リオのデータを集めました 65 00:02:46,074 --> 00:02:48,881 この街について目立ったのは 誰もが 本当に どうも 66 00:02:48,881 --> 00:02:51,003 色々と混ざっているんです 67 00:02:51,003 --> 00:02:55,107 ここはボルティモアやサンフランシスコ とは違いとても多様性の高い街です 68 00:02:55,107 --> 00:02:57,562 政府や新聞社、政治家、 コラムニストといったグループが 69 00:02:57,562 --> 00:02:59,946 やはり見られます 70 00:02:59,946 --> 00:03:03,350 TEDxRioは右下 ブロガーやライターの直ぐ隣です 71 00:03:03,350 --> 00:03:06,059 それから様々な音楽に興味のある 72 00:03:06,059 --> 00:03:08,333 じつにバラエティに富んだ人々もいます 73 00:03:08,333 --> 00:03:10,537 ジャスティン・ビーバーのファンまで 細かく可視化されています 74 00:03:10,537 --> 00:03:13,429 その他のボーイ・バンド、 カントリー・シンガー 75 00:03:13,429 --> 00:03:16,337 ゴスペル音楽、ファンクやラップ スタンダップ・コメディ 76 00:03:16,337 --> 00:03:19,376 ドラッグやジョークに特化した 一帯すらあります 77 00:03:19,376 --> 00:03:20,862 すごいでしょう? 78 00:03:20,862 --> 00:03:23,996 サッカーのCRフラメンゴチームの ファンもここにいます 79 00:03:23,996 --> 00:03:26,156 このように スポーツや 市民活動 80 00:03:26,156 --> 00:03:28,871 芸術や音楽に関する 人々の広がりが見られるのは同じでも 81 00:03:28,871 --> 00:03:31,032 その散らばり方は全く違っています 82 00:03:31,032 --> 00:03:34,352 僕にはこれが 私たちが考える リオ つまり 83 00:03:34,352 --> 00:03:38,366 多文化で多様な音楽の息づく街の姿を 良く表しているように思えます 84 00:03:38,366 --> 00:03:41,984 こうしたデータが私たちにはある訳です 85 00:03:41,984 --> 00:03:45,102 信じられないほど 豊富なデータが 街々について手に入ります 86 00:03:45,102 --> 00:03:48,348 今まで入手できたどんなデータよりも 豊かかも知れません 87 00:03:48,348 --> 00:03:50,272 では それで何が出来るか? 88 00:03:50,272 --> 00:03:53,142 そうですね まず最初に 人種による分離は 89 00:03:53,142 --> 00:03:55,480 社会的に構成されたものだと 理解することができます 90 00:03:55,480 --> 00:03:58,824 それは私たちが選択した結果であって それを選択しない道もあるでしょう 91 00:03:58,824 --> 00:04:00,756 更に 考えてみれば 92 00:04:00,756 --> 00:04:04,167 私たちがしていることは 宇宙望遠鏡を街へ向けて 93 00:04:04,167 --> 00:04:07,199 まるでそこが広大な 高校のカフェテリアであるかのように 94 00:04:07,199 --> 00:04:10,937 皆がそれぞれどんな席を陣取っているか 覗き見ているかのようです 95 00:04:10,937 --> 00:04:14,250 そろそろその席順を 引っ掻き回してやる時かも知れません 96 00:04:14,250 --> 00:04:16,790 それから 他に分かってくるのは 97 00:04:16,790 --> 00:04:19,428 人種という括りは 多様性の幅を非常に 狭めてしまうことです 98 00:04:19,428 --> 00:04:22,365 このマップ上には あらゆる人種の人々を 99 00:04:22,365 --> 00:04:24,691 反映させていますが 100 00:04:24,691 --> 00:04:27,067 人種だけに目を向けても 101 00:04:27,067 --> 00:04:29,785 多様性のある社会を育てることの 助けにはあまりなりません 102 00:04:29,785 --> 00:04:31,524 だからもし多様性という観点から 103 00:04:31,524 --> 00:04:34,605 社会の難問を解決しようとするならば 104 00:04:34,605 --> 00:04:37,899 その多様性の捉え方をまず 改める必要があります 105 00:04:37,899 --> 00:04:41,426 最後に 私たちは 106 00:04:41,426 --> 00:04:44,520 街を新しく形作る為の 介入策を創造することが出来ます 107 00:04:44,520 --> 00:04:47,120 私たちにそうしたことが出来る 能力があるのなら 108 00:04:47,120 --> 00:04:50,185 それを実行するのが 私たちの責任ですらないでしょうか 109 00:04:50,185 --> 00:04:51,950 では 街とは何でしょう? 110 00:04:51,950 --> 00:04:54,156 道や建物が集まった 111 00:04:54,156 --> 00:04:57,316 地理的な領域だ と言う人もいるかも知れませんが 112 00:04:57,316 --> 00:05:00,068 僕の考えでは 街はそこに住む人々の 113 00:05:00,068 --> 00:05:01,629 関係性の集積です 114 00:05:01,629 --> 00:05:07,680 そして私たちがこうした関係性をありのままに 描き出すことが出来るようになれば 115 00:05:07,680 --> 00:05:09,413 ひょっとしたら 116 00:05:09,413 --> 00:05:12,088 私たちが望むような街づくりを 実現出来るのではないでしょうか 117 00:05:12,088 --> 00:05:13,445 ありがとうございました 118 00:05:13,445 --> 00:05:15,749 (拍手)