ショーン:皆さんこんにちは 今日はダンと僕とで うまくプレゼン 出来るかな・・・ 出来るよな・・・  がんばろう とにかく ようこそ 今日僕らがお話するのは 見方を変えること モチベーション 生徒 効率 効果・・・ ダン:ちょっと ショーン! ショーン:何? ダン:言葉を何個並べるんだよ ショーン:あ そうか ダン:ちょっと整理してみよう 今日の話のメインは何だい? ショーン:ああ そうだな 認識 生徒 数学 自分で勉強する・・・ ってとこかな うん そんなところだ ダン:OK マシになったな でも これらの言葉を まとめて 今日の話題を もっとクリアに出来ないかな ショーン:OK 任しとけ(笑) ちょっと興奮しちゃってさ 生徒に自分自身で勉強することを教えて 数学の認識を変える という話題 ダン:うん 良くなった この小さなスクリーンで見たように 言葉の整理の仕方で 理解に影響があることがわかります その言葉で伝えたい意味を です なので もし言葉を整理せずにいたら 先ほどのように圧倒され 混乱するかも知れません でも これはすごく分かりにくい 代わりに こうなっていれば はっきりして 理解できますね 次にお伝えしたいことは 前に言葉を整理したことが その後の新しい言葉や それらの言葉で説明される概念の 理解や受け止め方に どのように影響するのかということです ショーン:OK 僕が何を言いたいかわかる? うちで犬を飼うって話 したっけ? ダン:ああ でも今この場で話すことじゃないよね・・・ ショーン:時間はあるだろ ダン:いや でも・・・(笑) というより 恥ずかしいけど 犬って何か知らないんだよね 説明してくれる? ショーン:高校教師なのに 犬が何か知らないって? ダン:生徒が観てたらマズイな(笑) ショーン:わかった 皆さん 少し付き合ってくださいね 犬とは・・・ そうだな 4本足で 頭があって フワフワしてて 伏せる そうですよね?皆さん それが犬だよ ダン ダン:本当にそんなのが犬? ショーン:頼むよ ダン! プレゼンが進まないじゃないか まあいいや 先に進もう じゃぁさ 想像しているのを 絵に描いてみてくれない? ダン:70年台のテーブルに モジャモジャの布をかけて リビングの真ん中に置いてある これが犬だろ? ショーン:ダン!なんで4本足っていうのを 誤解するんだよ これが犬さ 足が4本あって 吠えるんだ ワンワンって ダン:ああ!それなら見たことあるな ショーン:良かった しっかり覚えておいてくれよ それだよ ところで なんで犬とテーブルを間違えたんだ? ダン:だって 4本足といえば家具も4本足だろ 横にできる・・・ 折りたたみテーブルだよね フワフワな70年台のモジャモジャカーペットを テーブルに掛けて ほら これが犬だよ ショーン これが犬 ショーン:ダン・・・怒る気も失せたよ ホント君ってスゴイな 僕なんかよりずっとスゴイ 4本足 動物はどうだろう? こっちの方向へは考えなかった? フワフワで 伏せる・・・これが犬だ ダン! OK? 分かった? 絵に描いて表したのは犬とテーブルの違いです この考え方  図解とは 脳内で言葉を整理するまさにその方法で 特に前の言葉の整理は 新しい言葉を理解するのに影響を及ぼすのです 数学ではもっと抽象的なので 難しくなります 例えば今回なら ダンに絵を描いて見せ 「これが犬だよ わかった?」でOK でも数学では? そうですね 「おいで 二次方程式の解の公式!」 「ほら 二次方程式の解の公式を触ってごらん」 または「うるさい二次方程式の解の公式が 昨日走ってたの見た?」とか ありえ無いですよね 観念がもっと抽象的になると 私達自身 しっかり定められた図解が必要です ダンが数学的にそれがどう見えるのか 少し説明します ダン:犬とテーブルの件をベースにすると 数学を正しく理解して学ぶ鍵となる 重要な要素は何でしょうか? 数字を扱うことに熟達することは 重要だと思われますし 過程を暗記することも 重要だと思われますし 数学用語を整理することも 重要だと思われますし でもショーン 僕がDに書いたことを 分かってないね 聴衆は宇宙船の話が好きなんだよ だから・・・ ショーン:ちょっと待ってよ! 図解を通して 彼がどのように 理解して学ぶことから 宇宙船の話につなげられるか 見て下さい ダン:わかったよ ショーン:ダン頼む 分かりやすく ダン:本当の答えはCです これに基いてショーンと僕は考えました 生徒たちが教育を受ける上で 整理する必要のある 数学用語は何なのか 僕たちが使ってみたのは 共通基準でした 基準セットについて知らないのだったら これが アメリカ全土で使われているものです ほとんど全ての州で 何らかの形で導入されています 基準に含まれる概念をもとにすれば これらの言葉は幼稚園時代には知っているか 少なくとも使える語彙でなければなりません これが1年生 全部はとうてい 読めませんよね 全体像で見て下さい これが2年生です 一気に6年生まで飛んで 見てみましょう 僕たちが初めに見せたものと 似ていると思いませんか 圧倒されるのがわかりますね なぜある生徒たちは 6年生の算数になったら 「もう無理だ」となるのでしょうか 僕たちが考えたのは これらを整理することが出来るかどうか いや、出来るかどうかではなく 実際にやってみました ややこしい言葉を雑然と 置いておくのではなく 定義別に 分かりやすく整理していくのです そう 子ども達が1年生の時 大量に言葉をばら撒く代わりに その他のものと関連させ始めました もう一度6年生まで飛んで 見てみましょう 全部は見えないかもしれませんが きちんと整理されているので 理解出来るようになり 適切な方法で情報を得られるのです ここでショーンと僕が注目したのは もしこれらの言葉を知らなかったら もし関連が見えなかったら うまい具合につながっていないものがあったら 僕たちが考えたのは 結果に影響があるだけでなく もしこれらの情報に圧倒されてしまったら 数学での自信に影響するだろうし 数学に向かうモチベーションにも影響するだろう と じゃぁショーン 状況を少し説明してくれる? ショーン:わかった 説明しよう ちょっと考えてみて 今 個人的にやってる活動や 仕事や 趣味で 特に自信があるものは何ですか 恐らく 皆さんにお願いして それに関する言葉のリストを作ってもらったら 長いリストになるでしょうね 言葉同士の関係を 説明も出来るでしょう 初めに戻りましょう もしダンと僕がこういうマップをお渡して 言葉同士の関係性を説明していたら 受け取り方にどう影響したでしょう モチベーションにどう影響したでしょう どれくらい早く今のレベルに 到達していたでしょう それらを踏まえて 僕たちのクラスで どうなるのか見て下さい 重要な用語を整理することで 効果的な理解につながります それがモチベーションと結果を生み出すのです ダン:今ショーンが言ったように どのように教室での体験を作り上げたのか 生徒達が分かりやすく情報を整理し 効率よく情報を受取り 明確な数学的理解を得るようになったのか 基本的なアウトラインに基づき 僕たちがすることは 生徒達を 怖くてバラバラなところから -これは幼稚園みたいですね このように整理されて分かりやすいところへと 連れてくることです 前に言ったように 語彙から始めます いくつかの用語をお見せしますね 昔見たことがあるでしょう テストはしませんからご心配なく 皆さん TEDxホノルルにご参加ですから テストの必要なんてありません 用語を見て 経験し これらの語彙を増やしていく これらを定義に従って並び替えさせました 幼稚園では数字から始めます そこから僕たちの生徒を導いていったのは 一語一語 定義を見ていくこと 定義の中にお互いの関係を 実際に見る事が出来るのです 整数 計算 位取り 定義の中に「数字」があります ショーン:「演算(operation)」 「数式(expression)」から始められます ちょっと元に戻って どんな具合かお見せしましょう もっと多くの用語から始めても大丈夫です 子ども達は並べ方を理解していきます 今お見せした分類は ほんの手始めです やればやるほど 数学の授業を見せなくても これらの概念がどう関係しているのか 明白になっていくのです 子ども達が自分で出来るというのが 一番のポイントです 数学の内容を見せるとどうか ダンから話してもらいます ダン:まだ数学の問題は解いていませんね 生徒達は全体像をとらえています 全ての関係性が見えているので 生徒達にこれから自分たちがする これらの活動や実験や例を見せた時にも それほど圧倒されません 僕たちは教室で 僕が用語を説明し 生徒がツイートする てなことをしています ツイッターってありますよね もう何の事だかお分かりと思いますが 簡単に言うと ちょっとした絵や説明を 言葉にくっつけていくのです 例えば『数字』という用語だと 生徒が挙げる言葉は 「幾つ?例をあげてみて」 わかりますか? 数字が出たので次に『整数』に行くと 出てくる言葉はこんな風になっているかも 「ゼロから1ずつ上の数字を言って」 簡単な例を与えます 連想ゲームのようにこれが続いていくのですが 同時に2つの語彙が持ち上がってくる 場合もあります もう 考える骨組みを持っているので 生徒は同時に複数の概念を 扱えるようになっています 理解の全体像を作るのに この内容がどう関係しているのか分かっています こうやって こんな風に何か怖いものから 整理され分かりやすいものへと移るのです 生徒達に及ぼした影響はというと 今や彼らはこんな風に考えているのです 「この言葉は僕のツイートで どこにつながったか覚えてるぞ」 「この言葉は あの言葉につながっていて そしてあの言葉は あの内容に・・・」 頭を混乱させること無く 時には テスト中など とてもプレッシャーのある― 大学入試でも冷静に対処出来ます ショーンから他の結果も聞いて下さい ショーン:これが教室にもたらしたものは? 今までの実績では 全体として完璧に 生徒自身で学べるようになりました 考えてみてください 自分自身で学べるということは どの授業でも使えることです 長続きのする学力をつけ 翌年の先生に恵まれるかどうかに関わらず または大学に進み 講義が厳しく 実践的であっても 自分自身で学べることに自信を持てるのです 一番の驚きは 僕たちが教えることなく こう変化したということです そうなんです! 今日みたいに前に立って 教えたことなんて1度もなかったのです 実際 僕たちの方法で皆さんに どうやって進めるかというリストを渡したら 皆さんはやり始めることが出来ますよね? 皆さんが教師でなくても 毎日生徒が来て 子ども達は着席し グループで作業し 自分たちで言葉と向き合っていく 彼らは自分たちでつながりを作り 問題を解き始めていくのです 独創的に しかも完全に自分たちだけで! これからダンが 自分の代数のクラスで どんな影響があったかお話します ダン:こういう混乱を現場で耳にします 「僕は非常勤講師で プロの教職につく勉強はしていません」とかね 去年担当した大学1年の代数のクラスでは たった52%しか合格しませんでした そしてこの取り組みの後 合格率を52%から86%に上げることが出来ました (拍手) (歓声) (笑) ショーン:僕は幾何を担当して5年になります 教育NPOのTFAから派遣され ― TFA はご存じだと思います― 2006年 最初の学期にハワイに来ました ワイパフに配置され 2年の任期後 留まることにしました ここハワイの生徒たちが本当に楽しいからです すばらしい子達ですよ! 知らない方もいらっしゃるかも知れませんが 本当にスゴイんです 担当する幾何のクラスで 合格率を 60%以上に出来なかった時は とても悔しくて 去年は辞めようと思った程です 試験を受けて法学部に進む準備をしていた頃 ダンとこれらについて考え始め 合格率を58%から89%に上げることができたのです (拍手)(歓声) ダン:もう一つは統計と確率のクラスです 学校で初めての新しいコースなので 今までの統計は一切無いわけです しかし僕たちは大学の教科書を使いました 生徒は大学の内容を自分たちで学んでいき なんと今ではクラス全員が合格したのです 劇的だな !(拍手) 次のグループは 僕が一番誇りにしていて TFAに参加した理由でもあります 馴染みのない人もいるでしょうが 大学を卒業したあと 困難な状況にある生徒達がいる学校に 赴任するのです 僕の生徒の多くは 10代での妊娠 家庭内暴力 ホームレス 健康問題など その他多くの困難を抱えています なので 教え方も他とは違う 新しい方法が必要でした 大勢の先生方が奮闘されています しかし僕たちが誇れるのは 僕たちは講義をしないので 生徒1人1人と向き合えるということです 「数学の問題はどう?」と聞く代わりに もっと踏み込んで声をかけるのです 「生活はどう?家で困った事はない?」 今や生徒達は教室に来る時 「あーあ、数学なんて!」ではなく 「ブリエル先生とナッシュ先生は味方だろ」 となりました こんなシンプルな声かけで合格率は12%から 65%に跳ね上がったのです 彼らは2度3度と数学で不合格で 代数を受けるのが4度目の生徒も 何人かいました 今 生徒達は少なくとも教室に来て 学べると感じています (拍手) ダン:これらを通して何が分かったでしょうか 考えを整理することで 僕たちが変えられたのは 学習とは実際どういうことか という概念です こうして僕たちは こんな教室での体験を 作り上げることができました 生徒達は考えを整理し 学習することの概念を変化させ 今 僕たちのクラスで生徒達は 授業を聞く代わりに全部自分たちで 批判的に考え 独創的に問題を解きます ご静聴有難うございます(笑) ちょっと退屈でしたでしょう その上 教師としての教室での価値を 立て直すことが出来ました 生徒のために 自分の専門知識とは別の経験を積み 生徒達は全て自分たちで学べるようになりました 僕たちは手助けするだけです そしてさらに それ以上に感動するのは 生徒達が学習や教育に価値を見出していることです ここで紹介したい2つのコメントがあります 生徒が教室での体験について語ったものです まずは1人目 「このクラスを取ってから分かったのは 知性というのは整理されている状態の事だ もし皆がメンタルマップを作って考えを整理したら 誰でも他人と同じくらい賢くなる」 この生徒は今 3度目の代数Ⅰを取っています そしてもう1人 「生まれた日 私達は物を手に取り 学び そして受け入れました 私達は学んだことをベースに物事を理解します 新しい事を理解するのも 過去の経験や考え方を 整理する方法によって変わります もし経験や考え方の1つが間違っていたら 新しい経験や考え方をどう理解するかに影響します マップを使って心の中を整理すれば 人生に可能性を見つけることが出来ます」 代数Ⅰを取るのが2度目の学生です 教室での体験に基づいています これらから僕たちが学んだことは? まず批判的思考のできる生徒を 育てることが出来ました 考えを整理することを教え どのようにまとめていくのかが 理解に影響すると知りました しかも教室よりはるか遠くまで影響したのです 想像してください 考え方や 考えから生まれる力 その整理法を 理解し納得した人は 自分の人生の可能性に影響を及ぼすでしょう これが個人に与える影響力を考えてみて下さい 人生の可能性を手に入れるために必要なのは 重要な意義ある言葉と それを整理する時間 それらが実現されるまでの時間だけだと知るでしょう これがコミュニティーに与える影響力を想像して下さい 人が出逢えばコミュニティーが出来ます こんなことにもなるでしょう 「反対はしないよ 物の見方の違いに過ぎない 時間をかけて全員のマップから言葉を集めよう そうすれば 強力な解決策が見つかるさ 物の見方は1つだけじゃない 色んな見方がある」 社会にどんな影響があるでしょう 考えてみて下さい 社会というのは人々が集まるところです それ故に批判的思考のできる人を育てることは 子ども達の為だけでなく 僕たち自身の為でもあるのです 一番重要なのは 批判的思考のできる人を育てることが 個人やコミュニティーや社会が 希望をかなえ 可能性を探り 夢を描き あるべき姿をとなるための 命綱だということなのです ありがとうございました (拍手)(歓声)