1 00:00:00,000 --> 00:00:05,799 ♪ [BGM] ♪ 2 00:00:09,740 --> 00:00:12,169 [アレックス]  前回の動画では、 3 00:00:12,169 --> 00:00:15,012 競争市場にある企業には、 4 00:00:15,012 --> 00:00:16,416 価格を制御する力がないことを学びました。 5 00:00:16,416 --> 00:00:19,141 競争企業は市場価格を受け入れなければなりません。 6 00:00:19,141 --> 00:00:22,053 つまり、利潤の最大化には、 7 00:00:22,053 --> 00:00:26,122 供給量が重大な要素となるのです。 8 00:00:26,122 --> 00:00:28,629 今回は供給量をいかに決定するか、 勉強していきましょう。 9 00:00:33,931 --> 00:00:35,591 利潤とはなんでしょうか? 10 00:00:35,591 --> 00:00:38,614 利潤とは、総収益から総費用を引いた値のことです。 11 00:00:38,614 --> 00:00:42,021 総収益は、価格に販売した量を掛けた値です。 12 00:00:42,021 --> 00:00:44,717 総費用には二つの分類があります。 13 00:00:45,394 --> 00:00:47,454 一つ目は、固定費用です。 14 00:00:47,454 --> 00:00:50,957 固定費用は、生産量に関わらず 一定にかかる費用のことです。 15 00:00:50,967 --> 00:00:53,941 例えば、あなたがこの油井の所有者だとしましょう。 16 00:00:53,941 --> 00:00:56,486 この油井がある土地の所有者に、 17 00:00:56,486 --> 00:01:00,601 あなたは地代を払わなければなりません。 18 00:01:01,042 --> 00:01:03,665 この地代は、油の生産量に関わらず、 19 00:01:03,665 --> 00:01:07,955 払わなければなりません。 20 00:01:08,372 --> 00:01:10,935 毎月、地代を払う必要があるのです。 21 00:01:10,935 --> 00:01:14,490 ひと月に1バレルの油を生産していようと、 22 00:01:14,490 --> 00:01:17,730 10バレルだろうと、11バレルだろうと、 23 00:01:17,730 --> 00:01:18,839 関係ありません。 24 00:01:18,839 --> 00:01:21,235 毎月同額の地代を払わなければならないのです。 25 00:01:21,235 --> 00:01:24,556 その月に全く油を生産していなくても、 26 00:01:24,556 --> 00:01:27,610 油井が壊れて油の生産ができなくても、 27 00:01:27,610 --> 00:01:29,155 地代を払わなくてはいけません。 28 00:01:29,155 --> 00:01:31,633 地代は固定費用なのです。 29 00:01:31,633 --> 00:01:34,297 地代が生産量に応じて変化することはありません。 30 00:01:34,919 --> 00:01:38,868 ついでに、あなたが土地を所有していたとしても、 31 00:01:38,868 --> 00:01:42,153 他の人に貸すことができるのに貸していなかったら、 32 00:01:42,153 --> 00:01:44,871 それは機会費用と見なされます。 33 00:01:44,871 --> 00:01:49,897 利潤を計算するときに、 34 00:01:49,897 --> 00:01:51,699 機会費用のことも忘れないでください。 35 00:01:51,699 --> 00:01:55,880 これが、経済学的な利潤計算と、 36 00:01:55,880 --> 00:01:58,853 会計学上の利潤の定義との違いです。 37 00:01:58,853 --> 00:02:02,581 経済学的な利潤の概念には機会費用も含まれます。 38 00:02:02,582 --> 00:02:03,986 利潤の分類にはもう一つありました。 39 00:02:04,521 --> 00:02:07,307 もう一つは変動費用と言います。 40 00:02:07,307 --> 00:02:09,847 生産量に呼応して、変動する費用のことです。 41 00:02:09,847 --> 00:02:13,601 例えば、油を汲み上げる際の電気代、 42 00:02:13,601 --> 00:02:17,364 汲み上げる速度が早いほど、 油を多く汲み上げますが、 43 00:02:17,364 --> 00:02:20,506 電気代も増えていきます。 44 00:02:20,506 --> 00:02:22,933 24時間ずっと汲み上げようとすると、 45 00:02:22,933 --> 00:02:25,609 1日12時間だけ汲み上げる時よりも、 46 00:02:25,609 --> 00:02:27,283 電気代は多くなります。 47 00:02:27,283 --> 00:02:30,126 輸送費も変動費用です。汲み上げた油を集め、 48 00:02:30,126 --> 00:02:32,513 輸送しなければなりません。 49 00:02:32,513 --> 00:02:36,894 変動費用は生産量の変化と呼応し、 50 00:02:36,894 --> 00:02:40,898 典型的には生産量が多いほど増加するものです。 51 00:02:40,898 --> 00:02:42,842 これが変動費用です。 52 00:02:42,842 --> 00:02:46,332 費用についてまとめましょう。 53 00:02:46,332 --> 00:02:50,081 総費用は固定費用と変動費用の和です。 54 00:02:50,081 --> 00:02:52,851 変動費用は生産量に応じて変化します。 55 00:02:53,659 --> 00:02:56,352 では、利潤はどのようにして 最大化できるのでしょうか。 56 00:02:56,352 --> 00:02:58,868 この授業では微積分を用いませんが、 57 00:02:58,868 --> 00:03:01,082 微積分を学んだことのある方に向けて、 58 00:03:01,082 --> 00:03:03,910 少し余分な説明をしたいと思います。 59 00:03:03,910 --> 00:03:06,116 このような問題を答えるに当たって、 微積分がいかに使いやすいか、 60 00:03:06,116 --> 00:03:07,942 お見せしましょう。 61 00:03:07,942 --> 00:03:11,706 利潤は総収益から総費用を 引いたものだと学びました。 62 00:03:11,706 --> 00:03:15,152 これらはいずれも生産量を示す関数です。 63 00:03:15,305 --> 00:03:18,172 微積分で関数を最大化するには、 どうすればいいでしょうか。 64 00:03:18,390 --> 00:03:20,182 微積分の授業を思い出してみてください。 65 00:03:20,734 --> 00:03:23,725 関数の微分係数を求め、 66 00:03:23,725 --> 00:03:26,549 イコール0とするのです。 67 00:03:26,549 --> 00:03:28,650 これを応用してみましょう。 68 00:03:28,650 --> 00:03:31,189 生産量に対する利潤の微分係数を求め、 69 00:03:31,189 --> 00:03:32,959 イコール0とします。 70 00:03:32,959 --> 00:03:35,498 生産量に対する利潤の微分係数は、 71 00:03:35,498 --> 00:03:38,337 つまり、生産量に対する総収益の微分係数から 72 00:03:38,337 --> 00:03:42,806 生産量に対する総費用の微分係数を 引いたものと同じ、 73 00:03:42,806 --> 00:03:44,552 ということです。 74 00:03:44,552 --> 00:03:46,310 経済学の世界では、 75 00:03:46,310 --> 00:03:48,203 この二つの微分係数に名前をつけています。 76 00:03:48,203 --> 00:03:51,293 生産量に対する総収益の微分係数を 77 00:03:51,293 --> 00:03:53,959 限界収益と呼びます。 78 00:03:53,959 --> 00:03:57,559 生産量に対する総費用の微分係数を 79 00:03:57,559 --> 00:03:59,642 限界費用と呼びます。 80 00:03:59,642 --> 00:04:03,092 限界収益から限界費用を引いた値がゼロとなる時の 81 00:04:03,092 --> 00:04:06,849 生産量を求めればいいのです。 82 00:04:06,849 --> 00:04:10,095 言い換えると、限界収益と限界費用が同値となる時の 83 00:04:10,095 --> 00:04:12,191 生産量を求めたいのです。 84 00:04:12,191 --> 00:04:16,364 つまり、利潤を最大化する生産量とは、 85 00:04:16,364 --> 00:04:21,207 限界収益と限界費用が イコールで結ばれる時の生産量なのです。 86 00:04:21,738 --> 00:04:24,687 もう少し直感的に理解できる説明をしましょう。 87 00:04:24,687 --> 00:04:28,356 微積分を知らない人はもちろんですが、 88 00:04:28,356 --> 00:04:31,353 微積分を知っている人も聞いてください。 89 00:04:31,353 --> 00:04:33,748 微積分では、微分係数を求めて、 90 00:04:33,748 --> 00:04:35,379 イコール0とするのです。 91 00:04:35,379 --> 00:04:37,667 もっと直感的に説明しましょう。 92 00:04:37,793 --> 00:04:40,968 企業が生産量を増やす際、 93 00:04:40,968 --> 00:04:44,672 収益も増えれば費用も増えます。 94 00:04:45,246 --> 00:04:48,512 つまるところ、利潤の最大化とは、 95 00:04:48,512 --> 00:04:50,829 この収益と費用の増加分を比較することであって、 96 00:04:50,829 --> 00:04:52,765 その増加分にはそれぞれ名前がついています。 97 00:04:52,790 --> 00:04:57,052 販売量が増えた際に増加した分の収益を 98 00:04:57,052 --> 00:04:59,995 限界収益と呼びます。 99 00:05:00,014 --> 00:05:04,503 生産量が増えた際に増加した分の費用を 100 00:05:04,503 --> 00:05:06,663 限界費用と呼びます。 101 00:05:06,829 --> 00:05:10,611 利潤が最大化するのは、 102 00:05:10,611 --> 00:05:12,478 限界収益=限界費用となる時です。 103 00:05:12,478 --> 00:05:13,999 これはなぜでしょうか。 104 00:05:13,999 --> 00:05:15,791 ここで一つ、想定してみましょう。 105 00:05:15,791 --> 00:05:19,027 限界収益が限界費用と異なっている場合です。 106 00:05:19,027 --> 00:05:22,164 この場合に利潤を最大化できないことを お見せしましょう。 107 00:05:22,164 --> 00:05:26,369 例えば、限界収益が限界費用よりも大きい場合、 108 00:05:26,369 --> 00:05:29,004 利潤の最大化は達成できていません。 109 00:05:29,004 --> 00:05:30,758 生産量を増やす必要があります。 110 00:05:30,758 --> 00:05:35,926 なぜか。限界収益の定義を思い出してください。 111 00:05:35,926 --> 00:05:38,953 生産量の増加に伴う収益の増加分のことですね。 112 00:05:38,953 --> 00:05:41,499 限界費用とは、 113 00:05:41,499 --> 00:05:43,242 生産量の増加に伴う費用の増加分を指します。 114 00:05:43,242 --> 00:05:45,971 限界収益が限界費用よりも大きい場合、 115 00:05:45,971 --> 00:05:50,168 生産量を増やすことによって、 116 00:05:50,168 --> 00:05:52,013 費用の増加よりも収益の増加の方が 大きくなるのです。 117 00:05:52,013 --> 00:05:54,518 言い換えると、生産量を増やせば、 118 00:05:54,518 --> 00:05:56,434 利潤を増やすことができるのです。 119 00:05:56,434 --> 00:05:58,865 限界収益が限界費用よりも大きい場合、 120 00:05:58,865 --> 00:06:01,956 生産量を増やすべきなのです。 121 00:06:02,517 --> 00:06:04,820 ではその反対を考えましょう。 122 00:06:04,820 --> 00:06:09,003 限界収益が限界費用よりも小さい場合、 123 00:06:09,003 --> 00:06:12,968 つまり、限界費用が限界収益よりも大きい場合です。 124 00:06:12,968 --> 00:06:15,803 この場合も利潤を最大化できていません。 125 00:06:15,803 --> 00:06:19,345 生産量を増やすことで利潤が増えるからです。 126 00:06:19,743 --> 00:06:21,173 どういうことでしょうか。 127 00:06:21,173 --> 00:06:24,006 限界費用について考えてみましょう。 128 00:06:24,006 --> 00:06:29,835 生産量を一定数減らした場合、 129 00:06:30,254 --> 00:06:34,318 費用は限界費用分だけ減少しますが、 130 00:06:34,318 --> 00:06:38,455 限界収益よりも限界費用が大きい以上、 131 00:06:38,455 --> 00:06:41,612 生産量を減らした場合、 132 00:06:41,612 --> 00:06:45,897 収益が減るよりも多く費用が減るのです。 133 00:06:46,174 --> 00:06:49,611 収益の減少よりも費用の減少が多ければ、 134 00:06:49,611 --> 00:06:53,664 利潤は増加します。 135 00:06:53,967 --> 00:06:58,073 つまり、限界収益が限界費用よりも少ない場合、 136 00:06:58,073 --> 00:07:02,165 利潤を最大化させるには、 137 00:07:02,165 --> 00:07:04,180 生産量を減らせば良いのです。 138 00:07:04,371 --> 00:07:08,407 限界収益が限界費用よりも多ければ、 139 00:07:08,407 --> 00:07:10,364 利潤の最大化が達成できていません。 140 00:07:10,364 --> 00:07:13,157 限界収益が限界費用よりも少なくても、 141 00:07:13,157 --> 00:07:15,029 利潤の最大化は達成できていません。 142 00:07:15,029 --> 00:07:19,542 利潤の最大化を達成できるのは、 143 00:07:19,542 --> 00:07:22,128 限界収益と限界費用が同値であるときだけなのです。 144 00:07:23,053 --> 00:07:26,961 今説明したことを図にまとめます。 限界収益から始めましょう。 145 00:07:26,961 --> 00:07:29,387 競争企業の場合は簡単ですね。 146 00:07:29,387 --> 00:07:32,054 競争企業の市場全体における相対的存在は、 147 00:07:32,054 --> 00:07:35,651 小さいことを思い出してください。 148 00:07:35,651 --> 00:07:39,932 つまり生産量を二倍にしたところで、 149 00:07:39,932 --> 00:07:43,249 市場価格が変わることはないのです。 150 00:07:43,249 --> 00:07:45,668 その結果、競争企業では、 151 00:07:45,668 --> 00:07:49,290 限界収益は市場価格と同値となっています。 152 00:07:49,290 --> 00:07:53,719 例えば、ある企業の現在の生産量は2ですが、 153 00:07:53,719 --> 00:07:56,178 生産量を1増やすことにしました。 154 00:07:56,178 --> 00:07:59,502 増やした分の収益はどれくらいでしょうか? 155 00:07:59,502 --> 00:08:00,793 これは価格と同じになります。 156 00:08:00,793 --> 00:08:03,317 油であれば、1バレル分の油の価格と同じです。 157 00:08:03,317 --> 00:08:06,179 油の生産量をさらに1バレル分増やす時、 158 00:08:06,179 --> 00:08:08,549 その増加分の収益はどれくらいでしょうか? 159 00:08:08,549 --> 00:08:10,797 1バレル分の油の価格と同じです。 160 00:08:10,797 --> 00:08:12,311 では、5バレル目は? 161 00:08:12,311 --> 00:08:17,374 価格は増加分の収益、 つまり限界収益と同値なのです。 162 00:08:17,820 --> 00:08:20,577 競争企業における限界収益は、 163 00:08:20,577 --> 00:08:22,732 価格と同じで、かつ、一定です。 164 00:08:22,732 --> 00:08:26,390 企業が生産量を増減させたところで、 その企業が市場に占める存在が小さいため、 165 00:08:26,390 --> 00:08:29,380 限界収益は変動しません。 166 00:08:29,380 --> 00:08:31,407 では、限界費用はどうでしょうか。 167 00:08:31,407 --> 00:08:33,656 限界費用曲線の典型的な形は、 168 00:08:33,656 --> 00:08:36,083 このような上昇曲線です。 169 00:08:36,083 --> 00:08:38,685 ストリッパー・ウェル(出の悪い油井) の例に戻りましょう。 170 00:08:38,685 --> 00:08:42,747 油の生産量を増やすことはできますが、 171 00:08:42,747 --> 00:08:44,022 生産量の増加には限界があります。 172 00:08:44,022 --> 00:08:46,076 汲み上げ機をフル稼働しなければいけません。 173 00:08:46,076 --> 00:08:50,092 生産量を増やす場合、色々な費用がかかってきます。 174 00:08:50,092 --> 00:08:53,672 3、4バレルの油ならいいでしょう。 175 00:08:53,672 --> 00:08:57,673 ただ、7、8、9バレルもの油を生産しようとなると、 176 00:08:57,673 --> 00:09:00,032 いろんな機械を素早く稼働させないといけません。 177 00:09:00,032 --> 00:09:01,795 電気代は沢山かかりますし、 178 00:09:01,795 --> 00:09:04,342 機械の整備も無視できません。 179 00:09:04,342 --> 00:09:06,395 他にも色々手間をかけなければいけません。 180 00:09:06,395 --> 00:09:10,147 つまり、費用が増えてしまうのです。 181 00:09:10,147 --> 00:09:13,696 一定の費用で、油を無尽蔵に生産できると思ったら、 182 00:09:13,696 --> 00:09:16,085 大間違いなのです。 183 00:09:16,085 --> 00:09:19,827 費用は増加します。 184 00:09:19,827 --> 00:09:22,529 生産量を増やす場合、 185 00:09:22,529 --> 00:09:25,199 限界費用は増加するのです。 186 00:09:25,199 --> 00:09:28,988 このため、典型的な限界費用曲線は このような曲線を描くのです。 187 00:09:29,346 --> 00:09:32,720 では、利潤が最大になるときは 図のどこにあるのでしょうか。 188 00:09:32,720 --> 00:09:35,015 利潤が最大化するのは、 189 00:09:35,015 --> 00:09:36,905 限界収益と限界費用が同値の時です。 190 00:09:36,905 --> 00:09:38,818 競争企業の場合であれば、 191 00:09:38,818 --> 00:09:40,787 限界収益は価格と同値です。 192 00:09:40,787 --> 00:09:43,596 つまり、利潤の最大化は、 193 00:09:43,596 --> 00:09:47,155 価格と限界費用が同値の時、 つまりこの交点で起きるのです。 194 00:09:47,523 --> 00:09:49,967 もっと直感的な説明をしましょう。 195 00:09:50,932 --> 00:09:55,732 交点より左側の部分をみてみましょう。 こちらは、油を1バレル売る時の、 196 00:09:55,732 --> 00:09:57,758 増加分の収益を示しています。 197 00:09:57,758 --> 00:10:01,204 こちらは、増加分の費用です。 198 00:10:01,204 --> 00:10:04,728 比べてみると、収益の方が費用より大きいので、 199 00:10:04,728 --> 00:10:06,242 生産量を増やすべきだと言えます。 200 00:10:06,242 --> 00:10:09,025 収益の方が費用より大きいので、 生産量を増加するべきです。 201 00:10:09,025 --> 00:10:10,610 まだ収益の方が費用より大きいです。 202 00:10:10,610 --> 00:10:13,698 この交点に達するまで生産量を増やしていきます。 203 00:10:13,698 --> 00:10:15,925 これ以上は増やす必要はありません。 204 00:10:15,925 --> 00:10:18,745 交点の右側では、費用が収益よりも大きいです。 205 00:10:18,745 --> 00:10:22,526 生産量を減らすことで、収益が減る以上に、 206 00:10:22,526 --> 00:10:25,037 費用が減少するため、 207 00:10:25,037 --> 00:10:27,982 生産量を減らすことが利潤の最大化に繋がるのです。 208 00:10:27,982 --> 00:10:30,713 だからこそ、この交点、 209 00:10:30,713 --> 00:10:35,271 限界収益と限界費用が同値な時に、 210 00:10:35,271 --> 00:10:37,986 利潤が最大化されるのです。 211 00:10:37,986 --> 00:10:40,843 前回の動画を思い出してください。 212 00:10:40,843 --> 00:10:44,106 企業の行動原理を解明するのが授業の目的でしたね。 213 00:10:44,106 --> 00:10:48,628 利潤の最大化が、企業の行動原理を いかにして説明するのか、みてみましょう。 214 00:10:48,998 --> 00:10:52,485 油の市場価格が1バレルあたり$50だとしましょう。 215 00:10:52,485 --> 00:10:55,038 利潤を最大化させるには、 216 00:10:55,038 --> 00:10:58,636 企業は生産量を決定しなければなりません。 217 00:10:58,636 --> 00:11:02,011 この場合、約8バレル生産すれば、 218 00:11:02,011 --> 00:11:04,293 限界収益と限界費用が一致します。 219 00:11:04,293 --> 00:11:07,954 競争企業では限界収益が価格と同じですね。 220 00:11:08,260 --> 00:11:11,442 つまり、利潤を最大化するには、 221 00:11:11,442 --> 00:11:13,635 企業は約8バレルの油を生産すればいいのです。 222 00:11:13,635 --> 00:11:17,324 今度は、市場価格が$100になったとしましょう。 223 00:11:17,324 --> 00:11:23,538 利潤を最大化するため、企業は生産量を増加させ、 224 00:11:23,538 --> 00:11:28,547 限界収益と限界費用が同値の時の量に しなければなりません。 225 00:11:28,547 --> 00:11:31,673 価格が限界費用と交わる点で なければならないのです。 226 00:11:31,673 --> 00:11:35,761 油の価格は$100になりましたが、 企業も成長し、 227 00:11:35,761 --> 00:11:39,872 限界費用も線に沿って増加しています。 228 00:11:39,872 --> 00:11:43,506 利潤を最大化できる地点はここです。 229 00:11:43,506 --> 00:11:46,519 1バレルあたり$100の場合です。 230 00:11:46,519 --> 00:11:49,895 価格が100の時、利潤を最大化できる生産量は、 231 00:11:49,895 --> 00:11:52,629 10バレルに満たないくらいとなります。 232 00:11:52,629 --> 00:11:58,080 市場価格が変動した時の企業の行動原理を、 233 00:11:58,080 --> 00:12:00,611 利潤の最大化の考えを用いて 説明することができました。 234 00:12:01,259 --> 00:12:05,012 利潤を最大化するための 生産量を求める方法を見てきました。 235 00:12:05,012 --> 00:12:06,747 限界収益が限界費用と同値の時の、 236 00:12:06,747 --> 00:12:09,725 生産量にすれば利潤が最大化されますね。 237 00:12:09,725 --> 00:12:11,863 競争企業では、 238 00:12:11,863 --> 00:12:13,572 価格は限界収益と同じですね。 239 00:12:13,572 --> 00:12:17,538 次の質問は、利潤の大きさが どれくらいかということです。 240 00:12:17,538 --> 00:12:19,388 ここには一つ落とし穴があります。 241 00:12:19,388 --> 00:12:22,917 利潤を最大化していても、 利潤がマイナスになることがあるのです。 242 00:12:23,238 --> 00:12:27,122 どんなに頑張っても、損失しか見込めない という場合があるということです。 243 00:12:27,129 --> 00:12:30,958 利潤を最大化するとき、 その利潤が、あるいはその損失が、 244 00:12:30,958 --> 00:12:35,289 どれくらいの値なのか、図に示していきます。 245 00:12:35,667 --> 00:12:37,469 これを示していくにあたって、 246 00:12:37,469 --> 00:12:39,735 新しい概念、新しい曲線を紹介しましょう。 247 00:12:39,735 --> 00:12:41,466 平均費用(AC)です。 248 00:12:41,466 --> 00:12:45,241 言ってしまえば、平均費用とは、 生産量の単位ごとの費用のことです。 249 00:12:45,241 --> 00:12:47,462 総費用を生産量Qで割った、 250 00:12:47,462 --> 00:12:49,320 その値が平均費用です。 251 00:12:49,320 --> 00:12:52,699 平均費用とは、総費用をQで割った値です。 252 00:12:52,699 --> 00:12:55,838 図に平均費用の線を描くことで、 253 00:12:55,838 --> 00:12:58,088 利潤が一目でわかるようになります。 254 00:12:58,088 --> 00:13:00,241 次の動画では、平均費用と利潤を 255 00:13:00,241 --> 00:13:01,399 扱っていきます。 256 00:13:01,399 --> 00:13:02,806 次の動画で会いましょう。 257 00:13:03,206 --> 00:13:04,974 [告知] 自分の知識を確認したい方は、 258 00:13:04,974 --> 00:13:07,137 この「練習問題」をクリックしてください。 259 00:13:07,137 --> 00:13:10,660 次の動画を見たい方は、 「次の動画」をクリックしてください。 260 00:13:10,660 --> 00:13:15,673 ♪ [BGM] ♪