1 00:00:00,519 --> 00:00:03,271 何千万人もの人が失業したり 十分な仕事が得られない― 2 00:00:03,271 --> 00:00:05,599 ことが明らかになり テクノロジーが労働人口に 3 00:00:05,599 --> 00:00:09,726 どう影響しているかということにが大いに関心を集めています 4 00:00:09,726 --> 00:00:12,445 そしてその事に関する見解を目にする時 5 00:00:12,445 --> 00:00:15,397 話の主題は合っているにもかかわらず 6 00:00:15,397 --> 00:00:18,375 ポイントを完全に見逃してしているという気がするのです 7 00:00:18,375 --> 00:00:21,383 議論の焦点である問題は デジタルテクノロジーが 8 00:00:21,383 --> 00:00:25,038 人間が生活費を稼ぐという能力に 影響を及ぼしているかどうかということです 9 00:00:25,038 --> 00:00:28,058 少し違った言い方をするならば 10 00:00:28,058 --> 00:00:30,336 アンドロイドたちは仕事を奪っているのでしょうか 11 00:00:30,336 --> 00:00:32,304 そうだという証拠がいくつかあります 12 00:00:32,304 --> 00:00:36,657 アメリカのGDPがゆっくりながら安定した成長に戻って 大不況が終り 13 00:00:36,657 --> 00:00:40,086 他の経済指標も回復し始めると 14 00:00:40,101 --> 00:00:43,035 急ぎ足で健全な状態に戻りました 15 00:00:43,035 --> 00:00:45,897 大企業の収益はかなり高く 16 00:00:45,897 --> 00:00:49,173 実際 銀行収益も含めれば 17 00:00:49,173 --> 00:00:51,285 これまでないくらいに高いのです 18 00:00:51,285 --> 00:00:54,557 ビジネス投資も勢いがあり 設備投資や 19 00:00:54,557 --> 00:00:57,664 ハードウェア ソフトウェアの分野では 最高記録です 20 00:00:57,664 --> 00:01:01,045 企業の出資も増えてきました 21 00:01:01,045 --> 00:01:03,306 欠けているものは何かというと 雇用です 22 00:01:03,306 --> 00:01:07,007 グラフの赤線は人口に対する雇用率です 23 00:01:07,007 --> 00:01:10,388 言い換えるなら アメリカで就業している 24 00:01:10,388 --> 00:01:12,279 生産年齢の人の割合です 25 00:01:12,279 --> 00:01:15,979 大不況で落ち込んでいるのがわかると思いますが 26 00:01:15,979 --> 00:01:18,843 それからまったく立ち直ってないのです 27 00:01:18,843 --> 00:01:21,350 しかし これはただの不況の話とは違います 28 00:01:21,350 --> 00:01:24,347 ここ10年 全体的に雇用は停滞してきました 29 00:01:24,347 --> 00:01:27,740 10年ごとに比較をしていくと 30 00:01:27,740 --> 00:01:30,675 記録のある中で2000年代だけが 31 00:01:30,675 --> 00:01:32,965 10年の始めより終わりの方が 32 00:01:32,965 --> 00:01:36,168 働いている人が少ないのです 33 00:01:36,168 --> 00:01:39,228 こんな状況には目も当てられません 34 00:01:39,228 --> 00:01:42,867 この国で働ける労働者数と 35 00:01:42,867 --> 00:01:46,471 仕事の数をグラフにしてみると 36 00:01:46,471 --> 00:01:50,049 そこには時間とともにどんどん広がっているギャップがあり 37 00:01:50,049 --> 00:01:52,449 大不況のときに ギャップが大幅に広がりました 38 00:01:52,449 --> 00:01:56,859 簡単な計算をしてみました ここ20年のGDPの成長率と 39 00:01:56,859 --> 00:02:00,155 労働生産性の成長を使い 40 00:02:00,155 --> 00:02:02,897 かなり単純な方法で 経済成長を維持するためには 41 00:02:02,897 --> 00:02:05,523 どれだけの仕事が必要になるか 予想を試みました 42 00:02:05,523 --> 00:02:09,182 これが導き出された線です(赤破線) 43 00:02:09,182 --> 00:02:12,628 いかがですか? そしてこちらは 今後の生産年齢の人口に関する 44 00:02:12,628 --> 00:02:16,481 政府の予測を示します 45 00:02:16,481 --> 00:02:21,252 これらの予測が正確なら ギャップが埋まることはありません 46 00:02:21,252 --> 00:02:24,653 これらの予測が正確だとは思えない これが問題です 47 00:02:24,653 --> 00:02:28,009 特に 私が導き出した仮定は かなり楽観的すぎると思います 48 00:02:28,009 --> 00:02:31,365 なぜなら 計算において 未来の労働生産性の成長率は 49 00:02:31,365 --> 00:02:33,813 過去のものと同じであろうと仮定したからです 50 00:02:33,813 --> 00:02:37,252 でも実際そうなるとは思っていません 51 00:02:37,252 --> 00:02:41,011 周囲を見ると テクノロジーが労働人口に及ぼす影響について 52 00:02:41,011 --> 00:02:44,296 まだ何も目にしていないと思うからです 53 00:02:44,296 --> 00:02:48,294 ここ2,3年ほどで 私たちは今まであり得なかったスキルや 54 00:02:48,294 --> 00:02:52,700 能力をもったデジタルツールを目にするようになりました 55 00:02:52,700 --> 00:02:56,488 そしてそれは 私たちのする仕事に 深くくいこんできました 56 00:02:56,488 --> 00:02:59,744 いくつか例を挙げたいと思います 57 00:02:59,744 --> 00:03:01,755 歴史上これまで 58 00:03:01,755 --> 00:03:04,679 他の言語に翻訳したいものがあった場合 59 00:03:04,679 --> 00:03:06,343 人間にやらせてきました 60 00:03:06,343 --> 00:03:09,759 現在では 多言語で瞬時の 61 00:03:09,759 --> 00:03:13,977 自動翻訳サービスを無料で使用できます 62 00:03:13,977 --> 00:03:17,366 スマートフォンをはじめ 多くの機器で利用できます 63 00:03:17,366 --> 00:03:19,750 使ったことがある方もいるでしょうが 64 00:03:19,750 --> 00:03:23,071 これらのサービスは完璧ではありませんが まずまずではあります 65 00:03:23,071 --> 00:03:26,222 歴史上これまで レポートや記事などの 文章が必要な場合 66 00:03:26,222 --> 00:03:29,637 誰かにやらせてきました 67 00:03:29,637 --> 00:03:31,889 今は違います これは しばらく前の 68 00:03:31,889 --> 00:03:35,119 アップルの収益に関する 『フォーブス』オンライン版の記事です 69 00:03:35,119 --> 00:03:37,646 これはアルゴリズムによって書かれています 70 00:03:37,646 --> 00:03:40,901 そしてこれはまずまずなんかではありません 完璧です 71 00:03:40,901 --> 00:03:43,863 多くの人はこれを見てこう言うでしょう 72 00:03:43,863 --> 00:03:46,212 「でもね これはとっても特殊で限定されたタスクだ 73 00:03:46,212 --> 00:03:48,845 知識労働者のほとんどは実際はジェネラリストであり 74 00:03:48,845 --> 00:03:51,374 彼らがしていることは 多くの専門技術と知識を基にして 75 00:03:51,374 --> 00:03:54,030 予測のつかないような要求にも 76 00:03:54,030 --> 00:03:57,103 即座に反応することだ 77 00:03:57,103 --> 00:03:59,591 それを自動化するのは物凄く難しいことなんだよ」と 78 00:03:59,591 --> 00:04:01,568 最近で一番印象深い知識労働者のひとりは 79 00:04:01,568 --> 00:04:03,977 ケン・ジェニングスという男です 80 00:04:03,977 --> 00:04:09,035 彼は『ジェパディ!』というクイズショーで74連勝し 81 00:04:09,035 --> 00:04:11,663 300万ドルを手にしました 82 00:04:11,663 --> 00:04:15,513 右に座っているのがケンで ジェパディ用にプログラムされた― 83 00:04:15,513 --> 00:04:20,317 IBM のスーパーコンピューター ワトソンに 3倍の得点で負けたところです 84 00:04:20,317 --> 00:04:22,181 このようにテクノロジーが 85 00:04:22,181 --> 00:04:25,054 一般的な知識労働者に 何ができるかということを垣間見る時 86 00:04:25,054 --> 00:04:27,653 このジェネラリストという概念に とりたてて特別な何かが 87 00:04:27,653 --> 00:04:30,541 あるわけではない と思いはじめたのです 88 00:04:30,541 --> 00:04:34,529 特に ワトソンと Siri をつなげて 言われたことを理解したり 89 00:04:34,529 --> 00:04:36,425 それに音声で答えるような 90 00:04:36,425 --> 00:04:38,506 テクノロジーがあれば なおさらです 91 00:04:38,506 --> 00:04:41,344 今のSiriは完璧にはほど遠く 可笑しい間違いもありますが 92 00:04:41,344 --> 00:04:44,363 Siri やワトソンのようなテクノロジーが 93 00:04:44,363 --> 00:04:47,039 ムーアの法則に従って進歩していくと 94 00:04:47,039 --> 00:04:50,820 そして実際そうなると思いますが 95 00:04:50,820 --> 00:04:53,404 6年で2倍や4倍どころではなく 96 00:04:53,404 --> 00:04:58,222 16倍も良くなっているはずだと 覚えておくべきでしょう 97 00:04:58,222 --> 00:05:01,905 だから多くの知識労働が この技術に影響されると思い始めました 98 00:05:01,905 --> 00:05:05,459 さらにデジタルテクノロジーは 知識労働だけに影響するのではなく 99 00:05:05,459 --> 00:05:09,451 物理的な世界へも勢力を及ぼし始めています 100 00:05:09,451 --> 00:05:11,900 少し前にGoogleの無人自動車に乗る機会があり 101 00:05:11,900 --> 00:05:17,426 評判通り 本当にクールなものでした (笑) 102 00:05:17,426 --> 00:05:20,453 のろのろ運転の国道101号線でも非常にスムーズに 103 00:05:20,453 --> 00:05:23,358 対応したということは 私が保証します 104 00:05:23,358 --> 00:05:25,323 アメリカでは約350万人が 105 00:05:25,323 --> 00:05:27,532 トラックの運転で生計を立てており 中には 106 00:05:27,532 --> 00:05:29,961 このテクノロジーで 影響される人もいると思います 107 00:05:29,961 --> 00:05:33,213 ヒューマノイド ロボットは 現在まだ非常に未熟で 108 00:05:33,213 --> 00:05:36,471 そう多くの事はできません 109 00:05:36,471 --> 00:05:39,052 しかし 急速に改良が進んでいます 110 00:05:39,052 --> 00:05:42,203 国防総省の投資部門であるDARPAはこの動きを 111 00:05:42,203 --> 00:05:43,868 加速させようとしています 112 00:05:43,868 --> 00:05:48,551 要するに アンドロイドは 私たちの仕事に迫ってきています 113 00:05:48,551 --> 00:05:52,431 短期的には 起業家精神を奨励し インフラ投資することで 114 00:05:52,431 --> 00:05:55,375 雇用を牽引することができます 115 00:05:55,375 --> 00:05:58,423 なぜなら ロボットは今日まだ 116 00:05:58,423 --> 00:06:00,163 橋の補修が不得意だからです 117 00:06:00,163 --> 00:06:03,528 しかし 遠くない将来 118 00:06:03,528 --> 00:06:07,097 ここにいるほとんどの人々が 生きているうちに 119 00:06:07,097 --> 00:06:10,033 非常に生産的であるが 多くの労働力は必要とされない 120 00:06:10,033 --> 00:06:12,837 という経済に推移していくことになるでしょう 121 00:06:12,837 --> 00:06:14,392 その移行に対処することが 122 00:06:14,392 --> 00:06:17,131 私たちの社会が直面する 最大の課題となるでしょう 123 00:06:17,131 --> 00:06:19,893 ヴォルテールの言葉は この理由をうまく表しています 124 00:06:19,893 --> 00:06:25,170 「仕事は 3つの大いなる悪 すなわち 退屈 非行 貧困から私たちを救ったのだ」と 125 00:06:25,170 --> 00:06:27,741 しかしこのような課題があっても 私は個人的に 126 00:06:27,741 --> 00:06:30,790 いまだデジタルをものすごく前向きに捉えていて 127 00:06:30,790 --> 00:06:33,977 我々が現在開発中であるデジタルテクノロジーが 128 00:06:33,977 --> 00:06:37,533 いずれ私たちを 陰鬱な未来ではなく ユートピア的な未来に 129 00:06:37,533 --> 00:06:40,566 導いてくれると 絶大な自信を持っているのです 130 00:06:40,566 --> 00:06:43,088 ここで 途方もなく広範な質問をしたいと思います 131 00:06:43,088 --> 00:06:45,438 人類の歴史において 132 00:06:45,438 --> 00:06:47,761 最も重要な進歩といえばなんでしょうか? 133 00:06:47,761 --> 00:06:50,494 この質問にどんな答えをもらったか 134 00:06:50,494 --> 00:06:52,671 いくつかお話します こんな質問をしたら 135 00:06:52,671 --> 00:06:54,838 簡単に終わりのない議論が始まります 136 00:06:54,838 --> 00:06:57,159 西洋と東洋の両方における哲学のシステムが 137 00:06:57,159 --> 00:07:00,619 多くの人々の世界観を変えたことを 138 00:07:00,619 --> 00:07:03,752 挙げる人もいるでしょう 139 00:07:03,752 --> 00:07:06,588 こう言う人もいるでしょう 「いや実際 140 00:07:06,588 --> 00:07:09,011 大きな出来事 進歩といえば 141 00:07:09,011 --> 00:07:12,293 文明を変え 無数の人々の生き方に影響した 142 00:07:12,293 --> 00:07:14,932 主要な宗教が確立したことだ」 143 00:07:14,932 --> 00:07:17,936 また一方で こう言う人もいるでしょう 144 00:07:17,936 --> 00:07:21,463 「実際に文明を変えたり手を加えたり 145 00:07:21,463 --> 00:07:23,626 人々の生活も変えたものは帝国だ 146 00:07:23,626 --> 00:07:27,538 人類の偉大な発展とは 147 00:07:27,538 --> 00:07:30,373 征服と戦争の歴史だ」 148 00:07:30,373 --> 00:07:32,963 そうしたら そこへ大体必ず陽気な誰かが 149 00:07:32,963 --> 00:07:38,651 「ねえ 疫病のことを忘れてないか」 なんて割り込んできます (笑) 150 00:07:38,651 --> 00:07:41,554 この質問に対する楽観的な答えもあります 151 00:07:41,554 --> 00:07:43,451 大航海時代によって世界の幕が開いたと 152 00:07:43,451 --> 00:07:45,399 指摘する人もいます 153 00:07:45,399 --> 00:07:47,501 また 世界のよりよい操作を可能にする 154 00:07:47,501 --> 00:07:49,776 数学のような知的な業績を語る人もいます 155 00:07:49,776 --> 00:07:53,086 また芸術と科学が 156 00:07:53,086 --> 00:07:54,783 大いに花開いた時代を語る人もいます 157 00:07:54,783 --> 00:07:58,585 こうして議論は延々と続きます 158 00:07:58,585 --> 00:08:01,424 それは無限の議論であり 決定的な唯一の解はありません 159 00:08:01,424 --> 00:08:04,676 しかし 私のような頭でっかちはこう言います 160 00:08:04,676 --> 00:08:07,574 「データではどうなんだ?」 161 00:08:07,574 --> 00:08:10,385 そこで 興味あるもののグラフを作り始めます 162 00:08:10,385 --> 00:08:14,488 例えば世界の総人口や 163 00:08:14,488 --> 00:08:17,129 社会発展の指標や 164 00:08:17,129 --> 00:08:19,640 社会の高度化の状況などをグラフにします 165 00:08:19,640 --> 00:08:23,473 こうしたアプローチによって 166 00:08:23,473 --> 00:08:26,090 大きな出来事や人間の歴史上の主要な発展があれば 167 00:08:26,090 --> 00:08:28,951 グラフのカーブは大きく曲がるはずだからです 168 00:08:28,951 --> 00:08:30,863 さてこうしてデータをプロットすると 169 00:08:30,863 --> 00:08:33,661 たちどころに不思議な結論に至ります 170 00:08:33,661 --> 00:08:36,584 実際 どの答えも 171 00:08:36,584 --> 00:08:41,536 たいして重要ではないのです (笑) 172 00:08:41,536 --> 00:08:45,562 グラフに 何の影響も与えないのです (笑) 173 00:08:45,562 --> 00:08:49,146 人間の歴史においてグラフを曲げたもの 174 00:08:49,146 --> 00:08:51,752 90度近く曲げてしまった ただ1つの事件 出来事は 175 00:08:51,752 --> 00:08:55,798 テクノロジーの発達です 176 00:08:55,798 --> 00:08:58,757 蒸気エンジンと関連したテクノロジーは 177 00:08:58,757 --> 00:09:01,688 産業革命によって世界を変えて 178 00:09:01,688 --> 00:09:04,112 人間の歴史に多大な影響を与えました 179 00:09:04,112 --> 00:09:06,195 歴史家イアン・モリスの言葉によれば 180 00:09:06,195 --> 00:09:10,272 それ以前のものすべてを お笑い草にしてしまいました 181 00:09:10,272 --> 00:09:13,185 私たちの筋肉の力を無限に増幅して 182 00:09:13,185 --> 00:09:16,322 筋力の限界を克服してしまったからです 183 00:09:16,322 --> 00:09:18,844 私たちは今 184 00:09:18,844 --> 00:09:21,763 個々の脳の限界を克服して 185 00:09:21,763 --> 00:09:24,836 知能を無限に増幅しようとしています 186 00:09:24,836 --> 00:09:28,536 これが 筋力の限界を克服することに匹敵する 187 00:09:28,536 --> 00:09:31,064 重大な事でないわけがありませんよね? 188 00:09:31,064 --> 00:09:34,442 繰り返しになるかもしれませんが 189 00:09:34,442 --> 00:09:37,271 昨今のデジタルテクノロジーの変化には 190 00:09:37,271 --> 00:09:40,097 まだまだ先があるということや 191 00:09:40,097 --> 00:09:42,771 経済と社会の状況を考えると 192 00:09:42,771 --> 00:09:45,424 私の唯一の結論は 193 00:09:45,424 --> 00:09:48,952 我々はまだ何も見ていないということ お楽しみはこれからです 194 00:09:48,952 --> 00:09:50,708 いくつか例を挙げましょう 195 00:09:50,708 --> 00:09:54,936 経済はエネルギーによって回るのではありません 196 00:09:54,936 --> 00:09:58,716 資本や労働でもありません アイデアによって回るのです 197 00:09:58,716 --> 00:10:01,236 イノベーションや 新しいアイデアを生み出す仕事が 198 00:10:01,236 --> 00:10:03,662 経済生活において我々に可能な 199 00:10:03,662 --> 00:10:05,477 最も強力で基本的な仕事です 200 00:10:05,477 --> 00:10:09,493 かつて我々はこのように革新を行ってきました 201 00:10:09,493 --> 00:10:13,271 どことなく似ている人を集めてきて 202 00:10:13,271 --> 00:10:16,682 (笑) 203 00:10:16,682 --> 00:10:19,211 エリート機関から引き抜いてきて 204 00:10:19,211 --> 00:10:22,157 別のエリート機関に送り込み イノベーションを待つのです 205 00:10:22,157 --> 00:10:26,167 さて--(笑) 206 00:10:26,167 --> 00:10:28,748 キャリアの全てをMITと― 207 00:10:28,748 --> 00:10:35,114 ハーバードで過ごしてきた 白人にとってこれは何の問題もありません(笑) 208 00:10:35,114 --> 00:10:37,730 でも問題だと思う人もおり パーティーに勝手にやってきて 209 00:10:37,730 --> 00:10:40,266 技術革新のドレスコードを緩めてしまいました 210 00:10:40,266 --> 00:10:41,190 (笑) 211 00:10:41,190 --> 00:10:44,834 写真はトップコーダー・プログラミング・チャレンジの受賞者で 212 00:10:44,834 --> 00:10:47,736 この子達がどこで育って 213 00:10:47,736 --> 00:10:51,330 どこの学校に通ったとか 見た目がどうかなど 214 00:10:51,330 --> 00:10:53,818 誰も気にも留めないでしょう 皆が気にすることは 215 00:10:53,818 --> 00:10:56,639 仕事の質や アイデアの質です 216 00:10:56,639 --> 00:10:58,805 技術に促進される世界で 幾度となく 217 00:10:58,805 --> 00:11:01,151 実際に目の当たりにすることです 218 00:11:01,151 --> 00:11:03,607 技術革新の仕事はよりオープンになってきます 219 00:11:03,607 --> 00:11:07,385 より包括的で 透明性が増し メリット重視になります 220 00:11:07,385 --> 00:11:10,354 MIT やハーバードがどう思おうと続くのです 221 00:11:10,354 --> 00:11:14,034 こんな展開について 私はこの上なく嬉しく思っています 222 00:11:14,034 --> 00:11:16,484 時々こう言われます 「テクノロジーは大事でも 223 00:11:16,484 --> 00:11:19,871 まだ豊かな世界に向けたツールにすぎない 224 00:11:19,871 --> 00:11:22,585 これらのデジタルツールは 225 00:11:22,585 --> 00:11:25,940 低所得層が生活を向上するのに 何の役にも立っていない」 226 00:11:25,940 --> 00:11:28,604 はっきり言います そんなことはない 227 00:11:28,604 --> 00:11:32,042 テクノロジーは低所得層に多大に寄与しています 228 00:11:32,042 --> 00:11:34,682 経済学者のロバート・ジェンセンは 229 00:11:34,682 --> 00:11:37,850 すばらしい研究をしました 少し前のこと 230 00:11:37,850 --> 00:11:41,231 インドの漁村であるケララ州で 人々が携帯電話を手に入れたとき 231 00:11:41,231 --> 00:11:44,244 何が起こったか詳細に観察したのです 232 00:11:44,244 --> 00:11:46,975 『Quarterly Journal of Economics』 のような 経済学専門誌への原稿では 233 00:11:46,975 --> 00:11:49,872 非常に冷静で慎重な言葉づかいが求められますが 234 00:11:49,872 --> 00:11:52,344 彼の論文を読むと感じることは ジェンセンが 235 00:11:52,344 --> 00:11:55,365 おい これは大事だぞと 私たちに叫びかけているということ 236 00:11:55,365 --> 00:11:59,418 出荷価格を安定させ 経済的生活の見通しが立ちました 237 00:11:59,418 --> 00:12:03,541 水揚げの廃棄は 減るどころか皆無になりました 238 00:12:03,541 --> 00:12:06,012 どの村でも買い手と売り手 双方の生活が 239 00:12:06,012 --> 00:12:08,510 眼に見えて改善したのです 240 00:12:08,510 --> 00:12:12,226 ジェンセンが非常に運よく 241 00:12:12,226 --> 00:12:14,580 テクノロジーによって物事が改善された漁村に 242 00:12:14,580 --> 00:12:17,092 たまたま居合わせたのだとは思いません 243 00:12:17,092 --> 00:12:19,695 そうではなく テクノロジーがある環境や― 244 00:12:19,695 --> 00:12:22,387 コミュニティーに初めて導入されるたびに 245 00:12:22,387 --> 00:12:25,651 幾度となく起こることを 非常に注意深く記録に残したのです 246 00:12:25,651 --> 00:12:29,615 人々の生活や福祉は劇的に改善します 247 00:12:29,615 --> 00:12:31,971 だからすべての証拠を見回して 248 00:12:31,971 --> 00:12:34,447 この先の伸びしろを考えると 249 00:12:34,447 --> 00:12:37,271 私は絶大なデジタル楽観主義者となります 250 00:12:37,271 --> 00:12:40,326 物理学者フリーマン・ダイソンの言葉が 誇張ではないと思い始めます 251 00:12:40,326 --> 00:12:44,904 これは実際に起こっている出来事の正確な評価だと 252 00:12:44,904 --> 00:12:47,350 「デジタル テクノロジーは 素晴らしいギフトです」 253 00:12:47,350 --> 00:12:50,511 デジタルテクノロジーが花開き 254 00:12:50,511 --> 00:12:54,036 拡大し 深まり 255 00:12:54,036 --> 00:12:55,694 世界中でより重要になっている今 256 00:12:55,694 --> 00:12:59,035 この時代に生きていることは 素晴らしい幸運なのです 257 00:12:59,035 --> 00:13:02,253 確かに アンドロイドは私たちの仕事を奪っています 258 00:13:02,253 --> 00:13:06,066 しかし その事実に注目しすぎると ポイントを完全に見逃します 259 00:13:06,066 --> 00:13:09,319 ポイントは 私たちが違う何かをできるようになり 260 00:13:09,319 --> 00:13:11,977 これから取り組もうとしているのは 世界中の貧困と― 261 00:13:11,977 --> 00:13:15,040 重労働と不幸を減らそうということに違いないと 確信しています 262 00:13:15,040 --> 00:13:17,704 私たちは地球への負担をより軽くする 263 00:13:17,704 --> 00:13:20,736 術を学んでいくだろうと 確信しています 264 00:13:20,736 --> 00:13:24,217 新しいデジタルツールによって起こることが 265 00:13:24,217 --> 00:13:27,138 とても大規模で非常に有益で 266 00:13:27,138 --> 00:13:30,029 それ以前のすべてのものが お笑い草になるほどのものだと 267 00:13:30,029 --> 00:13:31,762 確信しています 268 00:13:31,762 --> 00:13:34,500 最後に デジタルの進歩を 269 00:13:34,500 --> 00:13:36,278 最前列の席で見てきた 270 00:13:36,278 --> 00:13:38,843 ご存知ケン・ジェニングスに賛同し 彼の言葉で締めたいと思います 271 00:13:38,843 --> 00:13:40,204 こんな言葉です 272 00:13:40,204 --> 00:13:44,175 「私は 個人的に コンピューターによる君主制を歓迎します」(笑) 273 00:13:44,175 --> 00:13:47,104 どうもありがとうございました (拍手)