WEBVTT

00:00:09.191 --> 00:00:10.823
この音は何でしょう？

00:00:10.823 --> 00:00:12.435
人によって答えはさまざまでしょう

00:00:12.435 --> 00:00:16.528
関節のポキポキという破裂音を
心地よい音という人も

00:00:16.528 --> 00:00:19.999
腹立たしい習慣であり
不快な音という人もいます

00:00:19.999 --> 00:00:22.178
でも 実際 この音は何なのでしょうか？

00:00:22.178 --> 00:00:27.295
つまり関節をある方法で曲げたときに
なぜあの破裂音がするのかということです

00:00:27.295 --> 00:00:29.978
科学者達はいくつかの説明をしてきました

00:00:29.978 --> 00:00:32.301
靭帯が急激に伸びるからという説明から

00:00:32.301 --> 00:00:36.956
本物の骨がきしむ音という人もいます

00:00:36.956 --> 00:00:38.686
しかし 最も一般的な説明は

00:00:38.686 --> 00:00:42.129
関節が伸びたときに
泡がはじける音がするのは

00:00:42.129 --> 00:00:45.358
泡が関節内にあるからというものです

00:00:45.358 --> 00:00:48.937
指関節は最も鳴らしやすい関節です

00:00:48.937 --> 00:00:53.874
しかし首や背中など
脊椎の関節を鳴らす人もたくさんいます

00:00:53.874 --> 00:00:58.367
中にはお尻や手首や肩の関節を
鳴らす人もいます

00:00:58.367 --> 00:01:01.006
これら全ての関節は滑膜関節で

00:01:01.006 --> 00:01:03.672
体の中で最も柔軟な関節です

00:01:03.672 --> 00:01:07.399
２つの骨の間の空間は粘稠液－

00:01:07.399 --> 00:01:11.858
ヒアルロン酸やラブリシンのような
長くて潤滑性の分子を含む

00:01:11.858 --> 00:01:15.489
滑液で満たされています

00:01:15.489 --> 00:01:18.985
滑液はほぼ卵黄のような特性で

00:01:18.985 --> 00:01:21.938
主に骨のクッションの役割を果たし

00:01:21.938 --> 00:01:24.679
互いに滑り合うことを助けます

00:01:24.679 --> 00:01:26.885
これには食細胞が含まれていて

00:01:26.885 --> 00:01:32.379
関節の中にたまる
骨や軟骨のゴミの掃除を助けています

00:01:32.379 --> 00:01:34.944
しかし指関節が鳴るために重要なのは

00:01:34.944 --> 00:01:37.129
体内の他の液体と同様に

00:01:37.129 --> 00:01:41.143
滑液の中には気体の分子が
多く溶けているということです

00:01:41.143 --> 00:01:44.517
指関節を鳴らす人たちは
破裂音を出すために

00:01:44.517 --> 00:01:48.107
例えば 指を後ろに曲げるなど

00:01:48.107 --> 00:01:51.148
普段以上に関節を伸ばす
必要があることを知っています

00:01:51.148 --> 00:01:54.077
その過程で 骨が少し離れます

00:01:54.077 --> 00:01:56.486
骨の間の空間が大きくなるのに対して

00:01:56.486 --> 00:01:59.981
滑液の量は変わらないままです

00:01:59.981 --> 00:02:02.069
その結果 圧力が低い場所が生じ

00:02:02.069 --> 00:02:06.506
滑液内に溶けていたガスが出てくるのです

00:02:06.506 --> 00:02:09.287
まるでソーダのふたをねじり開けたときに

00:02:09.287 --> 00:02:11.481
二酸化炭素の泡が出るようにです

00:02:11.481 --> 00:02:17.258
関節の中では 出てきたガスが
破裂音とともに泡になります

00:02:17.258 --> 00:02:19.454
しかし泡は長くはもちません

00:02:19.454 --> 00:02:23.938
周囲の液体が気体を圧縮し
泡は壊れてしまいます

00:02:23.938 --> 00:02:27.636
泡のガスは滑液の中に再び散らばり

00:02:27.636 --> 00:02:32.853
約20分をかけて液体の中に
ゆっくり溶けて行きます

00:02:32.853 --> 00:02:37.041
同じ関節をもう一度鳴らすために
しばらく時間が必要なのはこのためです

00:02:37.041 --> 00:02:40.762
科学者の中には
２種類の破裂音があると考える人もいます

00:02:40.762 --> 00:02:45.003
１つは泡が出来る時の音で
もう１つは泡がはじける時の音です

00:02:45.003 --> 00:02:47.532
関節を鳴らすことで
一時的に関節は広がります

00:02:47.532 --> 00:02:51.815
これが指や首や背中を
熱心に鳴らす人が

00:02:51.815 --> 00:02:56.191
関節が柔軟になると言う理由です

00:02:56.191 --> 00:03:00.783
しかし皆さんは 心配する親戚や
音に嫌な思いをする同僚から

00:03:00.783 --> 00:03:04.590
関節を鳴らすと関節炎になると
言われたかもしれません

00:03:04.590 --> 00:03:08.229
ドナルド・アンガーという名の医者も
同じことを言われました

00:03:08.229 --> 00:03:11.529
そして母親の注意が
間違いだと証明しようと決めました

00:03:11.529 --> 00:03:17.736
彼は左手の指関節を50年間鳴らし続け

00:03:17.736 --> 00:03:20.690
右手の指関節は鳴らしませんでした

00:03:20.690 --> 00:03:27.402
36,500回のポキポキの後
両方の手は関節炎にならないままでした

00:03:27.402 --> 00:03:30.369
アンガー博士は
この無私の科学への情熱により

00:03:30.369 --> 00:03:33.505
イグ・ノーベル賞を受賞しました

00:03:33.505 --> 00:03:37.305
ノーベル賞のパロディで

00:03:37.305 --> 00:03:41.729
奇抜だが妙に興味深い
科学上の達成を認める賞です

00:03:41.729 --> 00:03:47.211
博士は 彼の実験結果は他の親の信仰
例えばほうれん草を食べる重要性についても

00:03:47.211 --> 00:03:50.007
調査するきっかけになるだろうと記しています

00:03:50.007 --> 00:03:51.901
まだその信仰は誰も調査していません

00:03:51.901 --> 00:03:53.478
指鳴らしについては

00:03:53.478 --> 00:03:56.532
ある研究は
全ての関節伸ばしや気泡の破裂は

00:03:56.532 --> 00:03:59.561
手に腫れを生じ

00:03:59.561 --> 00:04:01.282
握力を弱めると示唆しています

00:04:01.282 --> 00:04:06.190
しかし 証明済みの最大の危険は
周囲をイライラさせることかもしれません