WEBVTT 00:00:00.723 --> 00:00:07.123 ここはガーナの違法鉱山の地下50mです 00:00:07.123 --> 00:00:11.244 空気は熱気と埃で重苦しく 00:00:11.244 --> 00:00:14.653 息をするのさえ困難です 00:00:14.653 --> 00:00:17.915 暗闇の中を汗だくの男達が 00:00:17.915 --> 00:00:22.161 すり抜けていくのを感じる以外 何も見えません 00:00:22.161 --> 00:00:26.131 話し声が聞こえますが あとは男たちが咳き込む 00:00:26.131 --> 00:00:30.119 不快な音と 粗野な道具で石を切り出す音だけが 00:00:30.119 --> 00:00:34.030 縦穴の中に満ちています 00:00:34.030 --> 00:00:38.085 他の人と同じように 私は ちゃちな懐中電灯を 00:00:38.085 --> 00:00:42.881 ぼろぼろなゴム紐で頭に縛りつけています 00:00:42.881 --> 00:00:46.221 何十メートルもの深さの 幅約1mの四角い穴の壁面には 00:00:46.221 --> 00:00:49.250 昇り降り用に滑りやすい木材が設置されていますが 00:00:49.250 --> 00:00:53.876 それさえも はっきりは見えません 00:00:53.876 --> 00:00:56.956 手が滑った瞬間 頭をよぎったのは 00:00:56.956 --> 00:01:01.237 数日前に 手を滑らせて 止めどもなく落下していった 00:01:01.237 --> 00:01:05.858 鉱夫の姿でした NOTE Paragraph 00:01:05.858 --> 00:01:08.389 今 皆さんにお話している間も 00:01:08.389 --> 00:01:11.893 男達は その穴の奥深くへと潜り 00:01:11.893 --> 00:01:15.408 報酬も補償もないまま 自らを危険に晒しています 00:01:15.408 --> 00:01:18.548 命を落とすことも珍しくありません NOTE Paragraph 00:01:18.548 --> 00:01:23.736 私は穴から這い上がり 家に帰れました 00:01:23.736 --> 00:01:29.918 しかし彼らは一生帰れません 彼らは奴隷の身なのです NOTE Paragraph 00:01:29.918 --> 00:01:32.825 28年間に渡り 私は6大陸の 00:01:32.825 --> 00:01:35.386 70カ国以上で先住民文化を記録してきました 00:01:35.386 --> 00:01:39.181 そして 2009年にはバンクーバー平和サミットで 00:01:39.181 --> 00:01:43.593 単独の展示を行う名誉を与えられました 00:01:43.593 --> 00:01:47.165 そこでお会いした多くのすばらしい人々の中に 00:01:47.165 --> 00:01:50.335 現代の奴隷撲滅に献身的に取り組む 00:01:50.335 --> 00:01:55.662 NGO フリー・ザ・スレーブ の支援者がいました 00:01:55.662 --> 00:01:58.551 私達は奴隷問題について話を始めました 00:01:58.551 --> 00:02:01.415 それから奴隷問題を学び始めました 00:02:01.415 --> 00:02:04.624 世界にこの問題があることは知っていましたが 00:02:04.624 --> 00:02:07.635 そこまで深くは知りませんでした 00:02:07.635 --> 00:02:11.378 話を終えて私は自己嫌悪に陥りました 00:02:11.378 --> 00:02:14.754 自分が生きている時代に 起きている残虐行為について 00:02:14.754 --> 00:02:18.264 無知な自分を恥ずかしく思いました そして 00:02:18.264 --> 00:02:23.132 自分が知らないのなら 他にも 知らない人は大勢いるはずだと思いました 00:02:23.132 --> 00:02:26.947 胃に穴があくほど思いは強まり 00:02:26.947 --> 00:02:29.923 数週間後には 私はロサンゼルスに飛び 00:02:29.923 --> 00:02:33.194 フリー・ザ・スレーブの役員に手伝いを申し出ました NOTE Paragraph 00:02:33.194 --> 00:02:37.764 そうして 私は現代の奴隷の旅を始めたのです 00:02:37.764 --> 00:02:40.906 奇妙なことに行き先は前にも訪れた場所です 00:02:40.906 --> 00:02:44.387 幾つかは第二の故郷と思っていた場所です 00:02:44.387 --> 00:02:51.822 しかし今回は隠された事実に 直面することになりました NOTE Paragraph 00:02:51.822 --> 00:02:54.127 控え目な推定でも 現在世界では 00:02:54.127 --> 00:02:58.282 2千7百万人以上の人々が奴隷として扱われています 00:02:58.282 --> 00:03:01.762 この数字は大西洋横断奴隷貿易時代に 00:03:01.762 --> 00:03:05.887 アフリカから移送された人の倍です 00:03:05.887 --> 00:03:09.031 150年前 農場に送り込まれた 00:03:09.031 --> 00:03:12.525 奴隷の値段はアメリカ人労働者の 00:03:12.525 --> 00:03:15.271 年収の3年分でした 00:03:15.271 --> 00:03:19.264 現在の貨幣価値ならば約5万ドルです 00:03:19.264 --> 00:03:23.656 ところが今日では わずか18ドル程度の借金のせいで 00:03:23.656 --> 00:03:28.524 一家族が何世代にも渡って奴隷になってしまうのです 00:03:28.524 --> 00:03:31.556 驚くべきことに奴隷制度は世界全体で 00:03:31.556 --> 00:03:37.302 年間130億ドル以上の利益を生み出しています NOTE Paragraph 00:03:37.302 --> 00:03:40.154 奴隷の多くは良い教育や仕事等の 00:03:40.154 --> 00:03:44.700 嘘の約束にだまされた人々で 00:03:44.700 --> 00:03:48.208 報酬もなく暴力に怯えながら 00:03:48.208 --> 00:03:53.876 逃げ出せない状況で労働を強いられています NOTE Paragraph 00:03:53.876 --> 00:03:57.158 今日の奴隷を駆り立てるのは商業です 00:03:57.158 --> 00:04:01.188 奴隷扱いされる人々が作る商品には価値がありますが 00:04:01.188 --> 00:04:06.186 商品を作る人々は使い捨てです 00:04:06.186 --> 00:04:10.576 奴隷制度は世界中どこでも違法ですが 00:04:10.576 --> 00:04:17.543 奴隷は世界中至る所に存在します NOTE Paragraph 00:04:17.543 --> 00:04:22.333 インドとネパールでレンガを焼く窯を訪れました 00:04:22.333 --> 00:04:25.124 その奇妙で恐ろしい景色はあたかも 00:04:25.124 --> 00:04:29.014 古代エジプトかダンテの地獄篇に 足を踏み入れたようでした 00:04:29.014 --> 00:04:33.165 気温50℃を超す現場では 00:04:33.165 --> 00:04:37.260 男 女 子供を含めた家族全員が 00:04:37.260 --> 00:04:40.411 埃まみれになりながら 00:04:40.411 --> 00:04:43.031 頭の上に機械的にレンガを載せていました 00:04:43.031 --> 00:04:46.152 多い時には18個も載せて 焼け付く窯から 00:04:46.152 --> 00:04:51.102 数百メートル離れたトラックまで運ぶのです 00:04:51.102 --> 00:04:54.629 単調さと疲労のため 00:04:54.629 --> 00:05:00.214 彼らは物言わず黙々と一日16~17時間 00:05:00.214 --> 00:05:03.567 この作業を繰返すのです 00:05:03.567 --> 00:05:07.286 食事や飲み水の休憩すらありません 00:05:07.286 --> 00:05:09.838 皆 重度の脱水症状を起こし 00:05:09.838 --> 00:05:12.710 放尿すらままなりません 00:05:12.710 --> 00:05:15.142 あまりの暑さと埃のため 00:05:15.142 --> 00:05:18.893 私のカメラは触れない程熱くなり 00:05:18.893 --> 00:05:21.345 動かなくなりました 00:05:21.345 --> 00:05:24.117 私は20分おきに車に駆け戻っては自分の 00:05:24.117 --> 00:05:27.466 機材の埃を掃い エアコンにあてて甦らせました 00:05:27.466 --> 00:05:30.521 そうしている間に自分のカメラの方が 00:05:30.521 --> 00:05:35.131 あの人々よりも余程ましな扱いを受けていることに 00:05:35.131 --> 00:05:37.457 気づきました NOTE Paragraph 00:05:37.457 --> 00:05:40.329 窯に戻ると泣出したい気持ちでした 00:05:40.329 --> 00:05:43.507 すると隣の廃止活動家が 私をつかんで言いました 00:05:43.507 --> 00:05:47.811 “泣かないで ここで泣いちゃだめだ” 00:05:47.811 --> 00:05:51.704 彼が明言したのはこの様な場所で 00:05:51.704 --> 00:05:54.238 感情を表現すると私のみならず彼らにも 00:05:54.238 --> 00:05:58.092 大変危険だということでした 00:05:58.092 --> 00:06:01.742 私が直接 彼らを助けることはできません 00:06:01.742 --> 00:06:04.535 お金を与えることも 何もできません 00:06:04.535 --> 00:06:06.332 私はその国の人間ではありません 00:06:06.332 --> 00:06:09.420 私が 彼らを今よりさらにひどい状況に 00:06:09.420 --> 00:06:12.200 追い込んでしまう可能性がありました 00:06:12.200 --> 00:06:14.456 フリー・ザ・スレーブがその活動を通して 00:06:14.456 --> 00:06:17.298 彼らを解放してくれるのを信じました 00:06:17.298 --> 00:06:20.767 彼らならばきっとやってくれると思いました 00:06:20.767 --> 00:06:24.204 私は家に帰るまで 00:06:24.204 --> 00:06:28.166 自分の気持ちが張り裂けるのを我慢しました NOTE Paragraph 00:06:28.166 --> 00:06:31.039 ヒマラヤでは子供たちが石を背負って 00:06:31.039 --> 00:06:33.789 ふもとの道で待っているトラックまで 00:06:33.789 --> 00:06:36.687 山岳地帯を何キロも運ぶのを見ました 00:06:36.687 --> 00:06:39.205 大きな石板の重さは 00:06:39.205 --> 00:06:41.871 担いでいる子供たち以上でした 00:06:41.871 --> 00:06:43.900 棒とロープと布で作った 00:06:43.900 --> 00:06:48.344 手作りのハーネスで 石を頭から 00:06:48.344 --> 00:06:50.191 吊り下げていました 00:06:50.191 --> 00:06:53.866 これほどの衝撃的な現場を 目撃するのは辛いことです 00:06:53.866 --> 00:06:56.513 ここまで横行する悪行に  どうやって立ち向かえるでしょうか? 00:06:56.513 --> 00:06:59.725 ここまで横行する悪行に  どうやって立ち向かえるでしょうか? 00:06:59.725 --> 00:07:02.437 報酬もなく一日 16~17時間も働かされているのに 00:07:02.437 --> 00:07:07.443 中には自分が奴隷だと知らない人さえいます 00:07:07.443 --> 00:07:10.656 生まれた時から同じ状況だからです 00:07:10.656 --> 00:07:14.938 他と比べようがないのです 00:07:14.938 --> 00:07:18.312 このような村人が自由を主張したら 00:07:18.312 --> 00:07:23.727 奴隷所有者は彼らの家を焼き払ってしまいました 00:07:23.727 --> 00:07:25.689 彼らには何もなかったのです 00:07:25.689 --> 00:07:29.338 彼らは恐れるあまり あきらめていました 00:07:29.338 --> 00:07:33.385 しかし中央の女性は自分たちの ために立ち上がり耐え抜きました 00:07:33.385 --> 00:07:34.881 そして現地の廃止活動家の 支援を受け採掘権を獲得しました 00:07:34.881 --> 00:07:37.540 そして現地の廃止活動家の 支援を受け採掘権を獲得しました 00:07:37.540 --> 00:07:40.653 今でも同じ過酷な仕事ですが 00:07:40.653 --> 00:07:45.160 自分たちのために働き 報酬を得ることができるのです 00:07:45.160 --> 00:07:48.583 そして何より自由の身です NOTE Paragraph 00:07:48.583 --> 00:07:50.651 奴隷という言葉を聞けば 00:07:50.651 --> 00:07:52.552 性の不正売買を連想するほど 00:07:52.552 --> 00:07:54.511 世界中に知れ渡っています 00:07:54.511 --> 00:07:57.647 この業界を取材する際には 身の安全を保証できないと 00:07:57.647 --> 00:08:00.469 忠告されました NOTE Paragraph 00:08:00.469 --> 00:08:03.311 カトマンズでは以前に性の奴隷を 00:08:03.311 --> 00:08:06.847 経験した女性たちに付き添ってもらいました 00:08:06.847 --> 00:08:09.205 案内された 狭い階段は 00:08:09.205 --> 00:08:14.818 薄暗い蛍光灯が照らす汚い地階に続いていました 00:08:14.818 --> 00:08:16.650 いわゆる売春宿ではなく 00:08:16.650 --> 00:08:18.961 どちらかと言えばレストランです 00:08:18.961 --> 00:08:21.221 業界ではキャビン・レストランと呼ばれる 00:08:21.221 --> 00:08:23.843 強制売春の温床です 00:08:23.843 --> 00:08:26.875 それぞれに小さな個室があり 奴隷の身の女性は 00:08:26.875 --> 00:08:29.506 ― 少女や少年や7歳の子さえいるのですが ― 00:08:29.506 --> 00:08:32.285 ― 少女や少年や7歳の子さえいるのですが ― 00:08:32.285 --> 00:08:34.275 客に料理や酒をたくさん注文させながら 00:08:34.275 --> 00:08:38.055 客の相手をしなければなりません 00:08:38.055 --> 00:08:41.094 部屋は薄暗く汚れています 00:08:41.094 --> 00:08:45.033 壁に識別用の番号があり 00:08:45.033 --> 00:08:49.138 ベニヤ板とカーテンで仕切られています 00:08:49.138 --> 00:08:52.689 客の手による 悲劇的な性的暴行に 00:08:52.689 --> 00:08:55.271 耐えなければならないこともあります 00:08:55.271 --> 00:08:58.337 ほぼ暗闇の中に立っていると 00:08:58.337 --> 00:09:02.423 瞬時に激しい恐怖が湧き上がりました 00:09:02.423 --> 00:09:04.768 あの地獄に囚われた身を 00:09:04.768 --> 00:09:07.431 想像するだけで身の毛がよだちます 00:09:07.431 --> 00:09:12.033 出口は一か所しかありません 入ってきた階段です 00:09:12.033 --> 00:09:13.889 裏口はありません 00:09:13.889 --> 00:09:16.432 抜け出せるほど大きな窓もありませんでした 00:09:16.432 --> 00:09:20.692 この人たちに逃げ道は全くないのです 00:09:20.692 --> 00:09:23.752 この厳しい状況に触れると同時に 00:09:23.752 --> 00:09:28.363 性の不正売買を含めた奴隷取引が 私たちの裏庭でも行われていることを 00:09:28.363 --> 00:09:31.292 お伝えしなければなりません NOTE Paragraph 00:09:31.292 --> 00:09:35.916 何万人もの人々が農園 レストラン 家事等の 00:09:35.916 --> 00:09:38.588 何万人もの人々が農園 レストラン 家事等の 00:09:38.588 --> 00:09:41.220 様々な労働を強制されています 00:09:41.220 --> 00:09:43.859 最近のニューヨークタイムズ紙の報道によると 00:09:43.859 --> 00:09:49.665 毎年10~30万人のアメリカ人の子供が 00:09:49.665 --> 00:09:53.626 性の奴隷として売買されています 00:09:53.626 --> 00:10:00.169 我々の身近にあるのです ただ目にしないだけです NOTE Paragraph 00:10:00.169 --> 00:10:03.551 繊維業もまた強制労働で連想する業種です 00:10:03.551 --> 00:10:06.437 繊維業もまた強制労働で連想する業種です 00:10:06.437 --> 00:10:10.760 インドの村では家族全員が絹取引で 00:10:10.760 --> 00:10:13.405 奴隷扱いされている様子を見ました 00:10:13.405 --> 00:10:15.697 これは家族の写真です 00:10:15.697 --> 00:10:19.585 黒く染まった手が父親で 00:10:19.585 --> 00:10:22.374 青と赤の手が息子たちです 00:10:22.374 --> 00:10:25.098 彼らは大きな樽で染料をかき混ぜ 00:10:25.098 --> 00:10:29.063 絹を液体の中に肘の深さまで沈めます 00:10:29.063 --> 00:10:34.025 ですが染料は有毒です NOTE Paragraph 00:10:34.025 --> 00:10:37.330 通訳が彼らの物語を伝えてくれました NOTE Paragraph 00:10:37.330 --> 00:10:40.932 “僕らに自由はない” と彼らは言いました 00:10:40.932 --> 00:10:44.036 “でも いつかは ここを出て 00:10:44.036 --> 00:10:45.690 染物をして稼げる場所に行きたいんだ” と 00:10:45.690 --> 00:10:52.354 染物をして稼げる場所に行きたいんだ” と NOTE Paragraph 00:10:52.354 --> 00:10:57.293 4千人を超える子供たちが 00:10:57.293 --> 00:10:59.450 世界最大の人造湖 00:10:59.450 --> 00:11:03.536 ヴォルタ湖で奴隷になっていると言われています 00:11:03.536 --> 00:11:06.510 初めて訪れた際に 私は様子を見に行きました 00:11:06.510 --> 00:11:09.878 船から魚を取っているのは家族だと思いました 00:11:09.878 --> 00:11:14.043 2人のお兄さんと弟たちに見えませんか? 00:11:14.043 --> 00:11:18.091 いいえ 彼らはみんな奴隷でした 00:11:18.091 --> 00:11:20.920 子供たちは家族から取り上げられ 00:11:20.920 --> 00:11:23.427 売買されて姿を消すのです 00:11:23.427 --> 00:11:26.339 そして このような船での 長時間労働を強いられます 00:11:26.339 --> 00:11:30.886 しかも彼らは泳げません NOTE Paragraph 00:11:30.886 --> 00:11:33.221 この子は8歳です 00:11:33.221 --> 00:11:35.877 私達のボートが近づくと震えていました 00:11:35.877 --> 00:11:38.532 彼の小さなカヌーに衝突すると思ったのです 00:11:38.532 --> 00:11:41.871 水中に突き落とされることを怖がっていたのです 00:11:41.871 --> 00:11:45.156 ヴォルタ湖に水没した木々によく漁網が絡みます 00:11:45.156 --> 00:11:49.121 ヴォルタ湖に水没した木々によく漁網が絡みます 00:11:49.121 --> 00:11:52.854 すると網を外すために怖がっている子供たちを 00:11:52.854 --> 00:11:55.005 水の中に放り込みます 00:11:55.005 --> 00:11:57.852 多くが溺れます NOTE Paragraph 00:11:57.852 --> 00:12:01.192 この青年は物心ついたときから 強制労働を強いられています 00:12:01.192 --> 00:12:03.365 この青年は物心ついたときから 強制労働を強いられています 00:12:03.365 --> 00:12:06.829 主人が恐ろしくて逃げ出せません 00:12:06.829 --> 00:12:10.317 彼はこれまでずっと 残忍な扱いを受けてきたので 00:12:10.317 --> 00:12:12.749 仕切っている年下の奴隷たちを 同じように扱います 00:12:12.749 --> 00:12:15.754 仕切っている年下の奴隷たちを 同じように扱います NOTE Paragraph 00:12:15.754 --> 00:12:17.858 彼らに出会ったのは朝5時です 00:12:17.858 --> 00:12:20.319 最後の漁網を引き揚げている所でした 00:12:20.319 --> 00:12:23.180 冷たい風が吹く夜中の1時から働きづめでした 00:12:23.180 --> 00:12:26.755 冷たい風が吹く夜中の1時から働きづめでした 00:12:26.755 --> 00:12:30.021 しかも 大漁だと漁網は 00:12:30.021 --> 00:12:34.437 500キロ以上の重さになります NOTE Paragraph 00:12:34.437 --> 00:12:38.940 コフィを紹介します 00:12:38.940 --> 00:12:42.186 コフィは漁村から救出されました 00:12:42.186 --> 00:12:44.778 彼に出会ったのはフリー・ザ・スレーブの 00:12:44.778 --> 00:12:48.707 奴隷被害者リハビリ施設でした 00:12:48.707 --> 00:12:50.788 井戸で入浴している所です 00:12:50.788 --> 00:12:53.691 大きなバケツで頭から水を浴びていました 00:12:53.691 --> 00:12:55.612 すばらしいことに 00:12:55.612 --> 00:12:57.610 こうしてお話ししている今まさに 00:12:57.610 --> 00:13:00.845 コフィは家族と共にいます 00:13:00.845 --> 00:13:03.997 さらに良いことに彼の家族には 00:13:03.997 --> 00:13:09.724 生活の糧となり 子供たちの安全を守る 道具が支給されました 00:13:09.724 --> 00:13:14.177 コフィは可能性の象徴です 00:13:14.177 --> 00:13:18.748 立ち上がった人物がいたおかげで 00:13:18.748 --> 00:13:22.340 彼の人生は変わりました NOTE Paragraph 00:13:22.340 --> 00:13:24.568 ガーナの道をフリー・ザ・スレーブの スタッフと一緒に車で走っていた時 00:13:24.568 --> 00:13:26.656 ガーナの道をフリー・ザ・スレーブの スタッフと一緒に車で走っていた時 00:13:26.656 --> 00:13:29.698 突然バイクに乗った廃止活動家が 00:13:29.698 --> 00:13:32.645 我々の車に近づき窓を叩き 指示しました 00:13:32.645 --> 00:13:37.425 ジャングルに続く泥道を先導するから付いてこいと 00:13:37.425 --> 00:13:40.214 道の行き止まりで我々をクルマから降ろすと 00:13:40.214 --> 00:13:42.893 彼は運転手に立ち去るよう言いました 00:13:42.893 --> 00:13:46.238 それから 彼は道なき道を指さして言いました 00:13:46.238 --> 00:13:50.135 “この道だ この道を行け” と 00:13:50.135 --> 00:13:53.804 道を遮る植物をかき分けて約1時間進むと 00:13:53.804 --> 00:13:57.604 道を遮る植物をかき分けて約1時間進むと 00:13:57.604 --> 00:14:03.130 小道は最近の雨で完全に水に浸かっていました 00:14:03.130 --> 00:14:04.946 そこで私は写真用機材を頭の上に持ち上げ 胸まで水に浸かりながら進みました 00:14:04.946 --> 00:14:09.532 そこで私は写真用機材を頭の上に持ち上げ 胸まで水に浸かりながら進みました 00:14:09.532 --> 00:14:13.317 更に歩くこと2時間 00:14:13.317 --> 00:14:17.613 曲がりくねった小道は突然終わり 00:14:17.613 --> 00:14:19.629 目の前に サッカー場ほどの 00:14:19.629 --> 00:14:23.449 穴だらけの採掘場が広がりました 00:14:23.449 --> 00:14:29.043 穴の中では 大勢の奴隷が働いていました 00:14:29.043 --> 00:14:32.188 女性の多くは子供を背中に背負ったまま 00:14:32.188 --> 00:14:34.228 金を選鉱していました 00:14:34.228 --> 00:14:38.531 足が浸かっている水は水銀で汚染されています 00:14:38.531 --> 00:14:43.409 採取工程で水銀が使われるのです NOTE Paragraph 00:14:43.409 --> 00:14:46.565 こちらの鉱夫たちはガーナの 00:14:46.565 --> 00:14:49.639 別の地域の鉱山で働く奴隷です 00:14:49.639 --> 00:14:52.460 縦穴から出てくる時 00:14:52.460 --> 00:14:54.738 彼らは汗でびっしょりです 00:14:54.738 --> 00:14:58.741 彼らの疲れ果てて充血した眼を思い出します 00:14:58.741 --> 00:15:04.482 彼らの多くは72時間も地下に潜ったままでした 00:15:04.482 --> 00:15:08.457 縦穴の深さは90mあります 彼らは重い石が入った袋を 00:15:08.457 --> 00:15:12.026 外に運び出します 次にその石は 00:15:12.026 --> 00:15:14.627 別の場所に運ばれて砕かれ 00:15:14.627 --> 00:15:18.572 金が採取されます NOTE Paragraph 00:15:18.572 --> 00:15:22.677 一見 力持ちの男達が大勢いるように見えますが 00:15:22.677 --> 00:15:27.570 すぐに崖っぷちな状態に置かれた 00:15:27.570 --> 00:15:32.437 不幸な人々であることに気づきます 00:15:32.437 --> 00:15:34.580 そして子供もいます 00:15:34.580 --> 00:15:41.722 彼らは怪我 病気 そして暴力の被害者です 00:15:41.722 --> 00:15:45.702 実際このとても筋肉質な人ですら 00:15:45.702 --> 00:15:50.237 あと数年で結核と水銀中毒のせいで 00:15:50.237 --> 00:15:55.208 こうなってしまう危険が高いのです NOTE Paragraph 00:15:55.208 --> 00:15:59.485 彼はマヌルといいます 父親が死んだ時に 00:15:59.485 --> 00:16:02.567 叔父が彼を 自分が働く鉱山に売りました 00:16:02.567 --> 00:16:07.163 叔父が死ぬと 叔父の借金を背負わされました 00:16:07.163 --> 00:16:12.105 そして彼は 鉱山の奴隷労働から 逃れられなくなりました 00:16:12.105 --> 00:16:14.938 この時 彼は14年も鉱山で働いていました 00:16:14.938 --> 00:16:19.731 足の怪我は採掘中の事故のせいです 00:16:19.731 --> 00:16:21.744 足の怪我は採掘中の事故のせいです 00:16:21.744 --> 00:16:26.861 かなりの重傷で 医師は 切断すべきだと言いました 00:16:26.877 --> 00:16:30.827 しかもマヌルは結核にかかっています 00:16:30.827 --> 00:16:33.871 それでも彼は連日 縦穴での作業を 00:16:33.871 --> 00:16:36.115 強いられています NOTE Paragraph 00:16:36.115 --> 00:16:41.278 それでも彼は いつの日か フリー・ザ・スレーブ等の活動家の援助を得て 00:16:41.278 --> 00:16:44.391 自由の身になり教育を受けることを夢見ています 00:16:44.391 --> 00:16:46.819 自由の身になり教育を受けることを夢見ています 00:16:46.819 --> 00:16:49.171 絶望的な状況に置かれながらも 00:16:49.171 --> 00:16:53.049 希望を捨てない人々を見ると 00:16:53.049 --> 00:17:00.409 私の胸は 畏敬の念にあふれます NOTE Paragraph 00:17:00.409 --> 00:17:03.709 奴隷問題に光を当てたいと思います 00:17:03.709 --> 00:17:05.964 現地で作業する際に 00:17:05.964 --> 00:17:08.645 ろうそくをたくさん持っていきました 00:17:08.645 --> 00:17:11.367 通訳に助けてもらいながら 00:17:11.367 --> 00:17:13.683 撮影した人たちに分け与え 00:17:13.683 --> 00:17:16.794 彼らの物語と窮状に光を当てたいと思いました 00:17:16.794 --> 00:17:18.861 彼らの物語と窮状に光を当てたいと思いました 00:17:18.861 --> 00:17:22.366 彼らと私の安全が確認できた時に 00:17:22.366 --> 00:17:25.707 撮影した写真です 00:17:25.707 --> 00:17:27.940 彼らは自分たちの写真が世界中の 人々に見られるのを知っています 00:17:27.940 --> 00:17:29.769 彼らは自分たちの写真が世界中の 人々に見られるのを知っています 00:17:29.769 --> 00:17:33.513 私は彼らに伝えようと思いました 00:17:33.513 --> 00:17:37.442 私達が彼らの目撃者となり 彼らの人生を 00:17:37.442 --> 00:17:42.132 変えるためにできる限りの手を尽くすと 00:17:42.132 --> 00:17:45.612 私は本当に信じているのです 00:17:45.612 --> 00:17:50.096 私たちがお互いを同じ人間として 見ることができれば 00:17:50.096 --> 00:17:55.300 奴隷のような残虐行為はなくなると 00:17:55.300 --> 00:17:58.984 写真に映っているのは社会問題ではなく 00:17:58.984 --> 00:18:02.249 私たちと同じ生きている人間です 00:18:02.249 --> 00:18:05.729 権利 尊厳 そして尊敬に値する人々です 00:18:05.729 --> 00:18:07.958 権利 尊厳 そして尊敬に値する人々です 00:18:07.958 --> 00:18:11.193 私が光栄にも出会うことができた 00:18:11.193 --> 00:18:16.472 虐げられた大勢の素晴らしい人々のことを 00:18:16.472 --> 00:18:21.041 一日たりとも忘れることはありません NOTE Paragraph 00:18:21.041 --> 00:18:24.571 これらの写真が あなた方のような NOTE Paragraph 00:18:24.571 --> 00:18:27.617 見る人々の力を呼び起こし 00:18:27.617 --> 00:18:31.893 その力が結集して火となり 00:18:31.893 --> 00:18:36.816 その燃え盛る火が奴隷問題に 光を当てることを願います 00:18:36.816 --> 00:18:40.825 その光がなければ束縛という野獣は 闇の中で生き続けます 00:18:40.825 --> 00:18:44.009 その光がなければ束縛という野獣は 闇の中で生き続けます NOTE Paragraph 00:18:44.009 --> 00:18:46.986 たいへんありがとうございました NOTE Paragraph 00:18:46.986 --> 00:19:00.239 (拍手)