1 00:00:00,723 --> 00:00:07,123 ここはガーナの違法鉱山の地下50mです 2 00:00:07,123 --> 00:00:11,244 空気は熱気と埃で重苦しく 3 00:00:11,244 --> 00:00:14,653 息をするのさえ困難です 4 00:00:14,653 --> 00:00:17,915 暗闇の中を汗だくの男達が 5 00:00:17,915 --> 00:00:22,161 すり抜けていくのを感じる以外 何も見えません 6 00:00:22,161 --> 00:00:26,131 話し声が聞こえますが あとは男たちが咳き込む 7 00:00:26,131 --> 00:00:30,119 不快な音と 粗野な道具で石を切り出す音だけが 8 00:00:30,119 --> 00:00:34,030 縦穴の中に満ちています 9 00:00:34,030 --> 00:00:38,085 他の人と同じように 私は ちゃちな懐中電灯を 10 00:00:38,085 --> 00:00:42,881 ぼろぼろなゴム紐で頭に縛りつけています 11 00:00:42,881 --> 00:00:46,221 何十メートルもの深さの 幅約1mの四角い穴の壁面には 12 00:00:46,221 --> 00:00:49,250 昇り降り用に滑りやすい木材が設置されていますが 13 00:00:49,250 --> 00:00:53,876 それさえも はっきりは見えません 14 00:00:53,876 --> 00:00:56,956 手が滑った瞬間 頭をよぎったのは 15 00:00:56,956 --> 00:01:01,237 数日前に 手を滑らせて 止めどもなく落下していった 16 00:01:01,237 --> 00:01:05,858 鉱夫の姿でした 17 00:01:05,858 --> 00:01:08,389 今 皆さんにお話している間も 18 00:01:08,389 --> 00:01:11,893 男達は その穴の奥深くへと潜り 19 00:01:11,893 --> 00:01:15,408 報酬も補償もないまま 自らを危険に晒しています 20 00:01:15,408 --> 00:01:18,548 命を落とすことも珍しくありません 21 00:01:18,548 --> 00:01:23,736 私は穴から這い上がり 家に帰れました 22 00:01:23,736 --> 00:01:29,918 しかし彼らは一生帰れません 彼らは奴隷の身なのです 23 00:01:29,918 --> 00:01:32,825 28年間に渡り 私は6大陸の 24 00:01:32,825 --> 00:01:35,386 70カ国以上で先住民文化を記録してきました 25 00:01:35,386 --> 00:01:39,181 そして 2009年にはバンクーバー平和サミットで 26 00:01:39,181 --> 00:01:43,593 単独の展示を行う名誉を与えられました 27 00:01:43,593 --> 00:01:47,165 そこでお会いした多くのすばらしい人々の中に 28 00:01:47,165 --> 00:01:50,335 現代の奴隷撲滅に献身的に取り組む 29 00:01:50,335 --> 00:01:55,662 NGO フリー・ザ・スレーブ の支援者がいました 30 00:01:55,662 --> 00:01:58,551 私達は奴隷問題について話を始めました 31 00:01:58,551 --> 00:02:01,415 それから奴隷問題を学び始めました 32 00:02:01,415 --> 00:02:04,624 世界にこの問題があることは知っていましたが 33 00:02:04,624 --> 00:02:07,635 そこまで深くは知りませんでした 34 00:02:07,635 --> 00:02:11,378 話を終えて私は自己嫌悪に陥りました 35 00:02:11,378 --> 00:02:14,754 自分が生きている時代に 起きている残虐行為について 36 00:02:14,754 --> 00:02:18,264 無知な自分を恥ずかしく思いました そして 37 00:02:18,264 --> 00:02:23,132 自分が知らないのなら 他にも 知らない人は大勢いるはずだと思いました 38 00:02:23,132 --> 00:02:26,947 胃に穴があくほど思いは強まり 39 00:02:26,947 --> 00:02:29,923 数週間後には 私はロサンゼルスに飛び 40 00:02:29,923 --> 00:02:33,194 フリー・ザ・スレーブの役員に手伝いを申し出ました 41 00:02:33,194 --> 00:02:37,764 そうして 私は現代の奴隷の旅を始めたのです 42 00:02:37,764 --> 00:02:40,906 奇妙なことに行き先は前にも訪れた場所です 43 00:02:40,906 --> 00:02:44,387 幾つかは第二の故郷と思っていた場所です 44 00:02:44,387 --> 00:02:51,822 しかし今回は隠された事実に 直面することになりました 45 00:02:51,822 --> 00:02:54,127 控え目な推定でも 現在世界では 46 00:02:54,127 --> 00:02:58,282 2千7百万人以上の人々が奴隷として扱われています 47 00:02:58,282 --> 00:03:01,762 この数字は大西洋横断奴隷貿易時代に 48 00:03:01,762 --> 00:03:05,887 アフリカから移送された人の倍です 49 00:03:05,887 --> 00:03:09,031 150年前 農場に送り込まれた 50 00:03:09,031 --> 00:03:12,525 奴隷の値段はアメリカ人労働者の 51 00:03:12,525 --> 00:03:15,271 年収の3年分でした 52 00:03:15,271 --> 00:03:19,264 現在の貨幣価値ならば約5万ドルです 53 00:03:19,264 --> 00:03:23,656 ところが今日では わずか18ドル程度の借金のせいで 54 00:03:23,656 --> 00:03:28,524 一家族が何世代にも渡って奴隷になってしまうのです 55 00:03:28,524 --> 00:03:31,556 驚くべきことに奴隷制度は世界全体で 56 00:03:31,556 --> 00:03:37,302 年間130億ドル以上の利益を生み出しています 57 00:03:37,302 --> 00:03:40,154 奴隷の多くは良い教育や仕事等の 58 00:03:40,154 --> 00:03:44,700 嘘の約束にだまされた人々で 59 00:03:44,700 --> 00:03:48,208 報酬もなく暴力に怯えながら 60 00:03:48,208 --> 00:03:53,876 逃げ出せない状況で労働を強いられています 61 00:03:53,876 --> 00:03:57,158 今日の奴隷を駆り立てるのは商業です 62 00:03:57,158 --> 00:04:01,188 奴隷扱いされる人々が作る商品には価値がありますが 63 00:04:01,188 --> 00:04:06,186 商品を作る人々は使い捨てです 64 00:04:06,186 --> 00:04:10,576 奴隷制度は世界中どこでも違法ですが 65 00:04:10,576 --> 00:04:17,543 奴隷は世界中至る所に存在します 66 00:04:17,543 --> 00:04:22,333 インドとネパールでレンガを焼く窯を訪れました 67 00:04:22,333 --> 00:04:25,124 その奇妙で恐ろしい景色はあたかも 68 00:04:25,124 --> 00:04:29,014 古代エジプトかダンテの地獄篇に 足を踏み入れたようでした 69 00:04:29,014 --> 00:04:33,165 気温50℃を超す現場では 70 00:04:33,165 --> 00:04:37,260 男 女 子供を含めた家族全員が 71 00:04:37,260 --> 00:04:40,411 埃まみれになりながら 72 00:04:40,411 --> 00:04:43,031 頭の上に機械的にレンガを載せていました 73 00:04:43,031 --> 00:04:46,152 多い時には18個も載せて 焼け付く窯から 74 00:04:46,152 --> 00:04:51,102 数百メートル離れたトラックまで運ぶのです 75 00:04:51,102 --> 00:04:54,629 単調さと疲労のため 76 00:04:54,629 --> 00:05:00,214 彼らは物言わず黙々と一日16~17時間 77 00:05:00,214 --> 00:05:03,567 この作業を繰返すのです 78 00:05:03,567 --> 00:05:07,286 食事や飲み水の休憩すらありません 79 00:05:07,286 --> 00:05:09,838 皆 重度の脱水症状を起こし 80 00:05:09,838 --> 00:05:12,710 放尿すらままなりません 81 00:05:12,710 --> 00:05:15,142 あまりの暑さと埃のため 82 00:05:15,142 --> 00:05:18,893 私のカメラは触れない程熱くなり 83 00:05:18,893 --> 00:05:21,345 動かなくなりました 84 00:05:21,345 --> 00:05:24,117 私は20分おきに車に駆け戻っては自分の 85 00:05:24,117 --> 00:05:27,466 機材の埃を掃い エアコンにあてて甦らせました 86 00:05:27,466 --> 00:05:30,521 そうしている間に自分のカメラの方が 87 00:05:30,521 --> 00:05:35,131 あの人々よりも余程ましな扱いを受けていることに 88 00:05:35,131 --> 00:05:37,457 気づきました 89 00:05:37,457 --> 00:05:40,329 窯に戻ると泣出したい気持ちでした 90 00:05:40,329 --> 00:05:43,507 すると隣の廃止活動家が 私をつかんで言いました 91 00:05:43,507 --> 00:05:47,811 “泣かないで ここで泣いちゃだめだ” 92 00:05:47,811 --> 00:05:51,704 彼が明言したのはこの様な場所で 93 00:05:51,704 --> 00:05:54,238 感情を表現すると私のみならず彼らにも 94 00:05:54,238 --> 00:05:58,092 大変危険だということでした 95 00:05:58,092 --> 00:06:01,742 私が直接 彼らを助けることはできません 96 00:06:01,742 --> 00:06:04,535 お金を与えることも 何もできません 97 00:06:04,535 --> 00:06:06,332 私はその国の人間ではありません 98 00:06:06,332 --> 00:06:09,420 私が 彼らを今よりさらにひどい状況に 99 00:06:09,420 --> 00:06:12,200 追い込んでしまう可能性がありました 100 00:06:12,200 --> 00:06:14,456 フリー・ザ・スレーブがその活動を通して 101 00:06:14,456 --> 00:06:17,298 彼らを解放してくれるのを信じました 102 00:06:17,298 --> 00:06:20,767 彼らならばきっとやってくれると思いました 103 00:06:20,767 --> 00:06:24,204 私は家に帰るまで 104 00:06:24,204 --> 00:06:28,166 自分の気持ちが張り裂けるのを我慢しました 105 00:06:28,166 --> 00:06:31,039 ヒマラヤでは子供たちが石を背負って 106 00:06:31,039 --> 00:06:33,789 ふもとの道で待っているトラックまで 107 00:06:33,789 --> 00:06:36,687 山岳地帯を何キロも運ぶのを見ました 108 00:06:36,687 --> 00:06:39,205 大きな石板の重さは 109 00:06:39,205 --> 00:06:41,871 担いでいる子供たち以上でした 110 00:06:41,871 --> 00:06:43,900 棒とロープと布で作った 111 00:06:43,900 --> 00:06:48,344 手作りのハーネスで 石を頭から 112 00:06:48,344 --> 00:06:50,191 吊り下げていました 113 00:06:50,191 --> 00:06:53,866 これほどの衝撃的な現場を 目撃するのは辛いことです 114 00:06:53,866 --> 00:06:56,513 ここまで横行する悪行に  どうやって立ち向かえるでしょうか? 115 00:06:56,513 --> 00:06:59,725 ここまで横行する悪行に  どうやって立ち向かえるでしょうか? 116 00:06:59,725 --> 00:07:02,437 報酬もなく一日 16~17時間も働かされているのに 117 00:07:02,437 --> 00:07:07,443 中には自分が奴隷だと知らない人さえいます 118 00:07:07,443 --> 00:07:10,656 生まれた時から同じ状況だからです 119 00:07:10,656 --> 00:07:14,938 他と比べようがないのです 120 00:07:14,938 --> 00:07:18,312 このような村人が自由を主張したら 121 00:07:18,312 --> 00:07:23,727 奴隷所有者は彼らの家を焼き払ってしまいました 122 00:07:23,727 --> 00:07:25,689 彼らには何もなかったのです 123 00:07:25,689 --> 00:07:29,338 彼らは恐れるあまり あきらめていました 124 00:07:29,338 --> 00:07:33,385 しかし中央の女性は自分たちの ために立ち上がり耐え抜きました 125 00:07:33,385 --> 00:07:34,881 そして現地の廃止活動家の 支援を受け採掘権を獲得しました 126 00:07:34,881 --> 00:07:37,540 そして現地の廃止活動家の 支援を受け採掘権を獲得しました 127 00:07:37,540 --> 00:07:40,653 今でも同じ過酷な仕事ですが 128 00:07:40,653 --> 00:07:45,160 自分たちのために働き 報酬を得ることができるのです 129 00:07:45,160 --> 00:07:48,583 そして何より自由の身です 130 00:07:48,583 --> 00:07:50,651 奴隷という言葉を聞けば 131 00:07:50,651 --> 00:07:52,552 性の不正売買を連想するほど 132 00:07:52,552 --> 00:07:54,511 世界中に知れ渡っています 133 00:07:54,511 --> 00:07:57,647 この業界を取材する際には 身の安全を保証できないと 134 00:07:57,647 --> 00:08:00,469 忠告されました 135 00:08:00,469 --> 00:08:03,311 カトマンズでは以前に性の奴隷を 136 00:08:03,311 --> 00:08:06,847 経験した女性たちに付き添ってもらいました 137 00:08:06,847 --> 00:08:09,205 案内された 狭い階段は 138 00:08:09,205 --> 00:08:14,818 薄暗い蛍光灯が照らす汚い地階に続いていました 139 00:08:14,818 --> 00:08:16,650 いわゆる売春宿ではなく 140 00:08:16,650 --> 00:08:18,961 どちらかと言えばレストランです 141 00:08:18,961 --> 00:08:21,221 業界ではキャビン・レストランと呼ばれる 142 00:08:21,221 --> 00:08:23,843 強制売春の温床です 143 00:08:23,843 --> 00:08:26,875 それぞれに小さな個室があり 奴隷の身の女性は 144 00:08:26,875 --> 00:08:29,506 ― 少女や少年や7歳の子さえいるのですが ― 145 00:08:29,506 --> 00:08:32,285 ― 少女や少年や7歳の子さえいるのですが ― 146 00:08:32,285 --> 00:08:34,275 客に料理や酒をたくさん注文させながら 147 00:08:34,275 --> 00:08:38,055 客の相手をしなければなりません 148 00:08:38,055 --> 00:08:41,094 部屋は薄暗く汚れています 149 00:08:41,094 --> 00:08:45,033 壁に識別用の番号があり 150 00:08:45,033 --> 00:08:49,138 ベニヤ板とカーテンで仕切られています 151 00:08:49,138 --> 00:08:52,689 客の手による 悲劇的な性的暴行に 152 00:08:52,689 --> 00:08:55,271 耐えなければならないこともあります 153 00:08:55,271 --> 00:08:58,337 ほぼ暗闇の中に立っていると 154 00:08:58,337 --> 00:09:02,423 瞬時に激しい恐怖が湧き上がりました 155 00:09:02,423 --> 00:09:04,768 あの地獄に囚われた身を 156 00:09:04,768 --> 00:09:07,431 想像するだけで身の毛がよだちます 157 00:09:07,431 --> 00:09:12,033 出口は一か所しかありません 入ってきた階段です 158 00:09:12,033 --> 00:09:13,889 裏口はありません 159 00:09:13,889 --> 00:09:16,432 抜け出せるほど大きな窓もありませんでした 160 00:09:16,432 --> 00:09:20,692 この人たちに逃げ道は全くないのです 161 00:09:20,692 --> 00:09:23,752 この厳しい状況に触れると同時に 162 00:09:23,752 --> 00:09:28,363 性の不正売買を含めた奴隷取引が 私たちの裏庭でも行われていることを 163 00:09:28,363 --> 00:09:31,292 お伝えしなければなりません 164 00:09:31,292 --> 00:09:35,916 何万人もの人々が農園 レストラン 家事等の 165 00:09:35,916 --> 00:09:38,588 何万人もの人々が農園 レストラン 家事等の 166 00:09:38,588 --> 00:09:41,220 様々な労働を強制されています 167 00:09:41,220 --> 00:09:43,859 最近のニューヨークタイムズ紙の報道によると 168 00:09:43,859 --> 00:09:49,665 毎年10~30万人のアメリカ人の子供が 169 00:09:49,665 --> 00:09:53,626 性の奴隷として売買されています 170 00:09:53,626 --> 00:10:00,169 我々の身近にあるのです ただ目にしないだけです 171 00:10:00,169 --> 00:10:03,551 繊維業もまた強制労働で連想する業種です 172 00:10:03,551 --> 00:10:06,437 繊維業もまた強制労働で連想する業種です 173 00:10:06,437 --> 00:10:10,760 インドの村では家族全員が絹取引で 174 00:10:10,760 --> 00:10:13,405 奴隷扱いされている様子を見ました 175 00:10:13,405 --> 00:10:15,697 これは家族の写真です 176 00:10:15,697 --> 00:10:19,585 黒く染まった手が父親で 177 00:10:19,585 --> 00:10:22,374 青と赤の手が息子たちです 178 00:10:22,374 --> 00:10:25,098 彼らは大きな樽で染料をかき混ぜ 179 00:10:25,098 --> 00:10:29,063 絹を液体の中に肘の深さまで沈めます 180 00:10:29,063 --> 00:10:34,025 ですが染料は有毒です 181 00:10:34,025 --> 00:10:37,330 通訳が彼らの物語を伝えてくれました 182 00:10:37,330 --> 00:10:40,932 “僕らに自由はない” と彼らは言いました 183 00:10:40,932 --> 00:10:44,036 “でも いつかは ここを出て 184 00:10:44,036 --> 00:10:45,690 染物をして稼げる場所に行きたいんだ” と 185 00:10:45,690 --> 00:10:52,354 染物をして稼げる場所に行きたいんだ” と 186 00:10:52,354 --> 00:10:57,293 4千人を超える子供たちが 187 00:10:57,293 --> 00:10:59,450 世界最大の人造湖 188 00:10:59,450 --> 00:11:03,536 ヴォルタ湖で奴隷になっていると言われています 189 00:11:03,536 --> 00:11:06,510 初めて訪れた際に 私は様子を見に行きました 190 00:11:06,510 --> 00:11:09,878 船から魚を取っているのは家族だと思いました 191 00:11:09,878 --> 00:11:14,043 2人のお兄さんと弟たちに見えませんか? 192 00:11:14,043 --> 00:11:18,091 いいえ 彼らはみんな奴隷でした 193 00:11:18,091 --> 00:11:20,920 子供たちは家族から取り上げられ 194 00:11:20,920 --> 00:11:23,427 売買されて姿を消すのです 195 00:11:23,427 --> 00:11:26,339 そして このような船での 長時間労働を強いられます 196 00:11:26,339 --> 00:11:30,886 しかも彼らは泳げません 197 00:11:30,886 --> 00:11:33,221 この子は8歳です 198 00:11:33,221 --> 00:11:35,877 私達のボートが近づくと震えていました 199 00:11:35,877 --> 00:11:38,532 彼の小さなカヌーに衝突すると思ったのです 200 00:11:38,532 --> 00:11:41,871 水中に突き落とされることを怖がっていたのです 201 00:11:41,871 --> 00:11:45,156 ヴォルタ湖に水没した木々によく漁網が絡みます 202 00:11:45,156 --> 00:11:49,121 ヴォルタ湖に水没した木々によく漁網が絡みます 203 00:11:49,121 --> 00:11:52,854 すると網を外すために怖がっている子供たちを 204 00:11:52,854 --> 00:11:55,005 水の中に放り込みます 205 00:11:55,005 --> 00:11:57,852 多くが溺れます 206 00:11:57,852 --> 00:12:01,192 この青年は物心ついたときから 強制労働を強いられています 207 00:12:01,192 --> 00:12:03,365 この青年は物心ついたときから 強制労働を強いられています 208 00:12:03,365 --> 00:12:06,829 主人が恐ろしくて逃げ出せません 209 00:12:06,829 --> 00:12:10,317 彼はこれまでずっと 残忍な扱いを受けてきたので 210 00:12:10,317 --> 00:12:12,749 仕切っている年下の奴隷たちを 同じように扱います 211 00:12:12,749 --> 00:12:15,754 仕切っている年下の奴隷たちを 同じように扱います 212 00:12:15,754 --> 00:12:17,858 彼らに出会ったのは朝5時です 213 00:12:17,858 --> 00:12:20,319 最後の漁網を引き揚げている所でした 214 00:12:20,319 --> 00:12:23,180 冷たい風が吹く夜中の1時から働きづめでした 215 00:12:23,180 --> 00:12:26,755 冷たい風が吹く夜中の1時から働きづめでした 216 00:12:26,755 --> 00:12:30,021 しかも 大漁だと漁網は 217 00:12:30,021 --> 00:12:34,437 500キロ以上の重さになります 218 00:12:34,437 --> 00:12:38,940 コフィを紹介します 219 00:12:38,940 --> 00:12:42,186 コフィは漁村から救出されました 220 00:12:42,186 --> 00:12:44,778 彼に出会ったのはフリー・ザ・スレーブの 221 00:12:44,778 --> 00:12:48,707 奴隷被害者リハビリ施設でした 222 00:12:48,707 --> 00:12:50,788 井戸で入浴している所です 223 00:12:50,788 --> 00:12:53,691 大きなバケツで頭から水を浴びていました 224 00:12:53,691 --> 00:12:55,612 すばらしいことに 225 00:12:55,612 --> 00:12:57,610 こうしてお話ししている今まさに 226 00:12:57,610 --> 00:13:00,845 コフィは家族と共にいます 227 00:13:00,845 --> 00:13:03,997 さらに良いことに彼の家族には 228 00:13:03,997 --> 00:13:09,724 生活の糧となり 子供たちの安全を守る 道具が支給されました 229 00:13:09,724 --> 00:13:14,177 コフィは可能性の象徴です 230 00:13:14,177 --> 00:13:18,748 立ち上がった人物がいたおかげで 231 00:13:18,748 --> 00:13:22,340 彼の人生は変わりました 232 00:13:22,340 --> 00:13:24,568 ガーナの道をフリー・ザ・スレーブの スタッフと一緒に車で走っていた時 233 00:13:24,568 --> 00:13:26,656 ガーナの道をフリー・ザ・スレーブの スタッフと一緒に車で走っていた時 234 00:13:26,656 --> 00:13:29,698 突然バイクに乗った廃止活動家が 235 00:13:29,698 --> 00:13:32,645 我々の車に近づき窓を叩き 指示しました 236 00:13:32,645 --> 00:13:37,425 ジャングルに続く泥道を先導するから付いてこいと 237 00:13:37,425 --> 00:13:40,214 道の行き止まりで我々をクルマから降ろすと 238 00:13:40,214 --> 00:13:42,893 彼は運転手に立ち去るよう言いました 239 00:13:42,893 --> 00:13:46,238 それから 彼は道なき道を指さして言いました 240 00:13:46,238 --> 00:13:50,135 “この道だ この道を行け” と 241 00:13:50,135 --> 00:13:53,804 道を遮る植物をかき分けて約1時間進むと 242 00:13:53,804 --> 00:13:57,604 道を遮る植物をかき分けて約1時間進むと 243 00:13:57,604 --> 00:14:03,130 小道は最近の雨で完全に水に浸かっていました 244 00:14:03,130 --> 00:14:04,946 そこで私は写真用機材を頭の上に持ち上げ 胸まで水に浸かりながら進みました 245 00:14:04,946 --> 00:14:09,532 そこで私は写真用機材を頭の上に持ち上げ 胸まで水に浸かりながら進みました 246 00:14:09,532 --> 00:14:13,317 更に歩くこと2時間 247 00:14:13,317 --> 00:14:17,613 曲がりくねった小道は突然終わり 248 00:14:17,613 --> 00:14:19,629 目の前に サッカー場ほどの 249 00:14:19,629 --> 00:14:23,449 穴だらけの採掘場が広がりました 250 00:14:23,449 --> 00:14:29,043 穴の中では 大勢の奴隷が働いていました 251 00:14:29,043 --> 00:14:32,188 女性の多くは子供を背中に背負ったまま 252 00:14:32,188 --> 00:14:34,228 金を選鉱していました 253 00:14:34,228 --> 00:14:38,531 足が浸かっている水は水銀で汚染されています 254 00:14:38,531 --> 00:14:43,409 採取工程で水銀が使われるのです 255 00:14:43,409 --> 00:14:46,565 こちらの鉱夫たちはガーナの 256 00:14:46,565 --> 00:14:49,639 別の地域の鉱山で働く奴隷です 257 00:14:49,639 --> 00:14:52,460 縦穴から出てくる時 258 00:14:52,460 --> 00:14:54,738 彼らは汗でびっしょりです 259 00:14:54,738 --> 00:14:58,741 彼らの疲れ果てて充血した眼を思い出します 260 00:14:58,741 --> 00:15:04,482 彼らの多くは72時間も地下に潜ったままでした 261 00:15:04,482 --> 00:15:08,457 縦穴の深さは90mあります 彼らは重い石が入った袋を 262 00:15:08,457 --> 00:15:12,026 外に運び出します 次にその石は 263 00:15:12,026 --> 00:15:14,627 別の場所に運ばれて砕かれ 264 00:15:14,627 --> 00:15:18,572 金が採取されます 265 00:15:18,572 --> 00:15:22,677 一見 力持ちの男達が大勢いるように見えますが 266 00:15:22,677 --> 00:15:27,570 すぐに崖っぷちな状態に置かれた 267 00:15:27,570 --> 00:15:32,437 不幸な人々であることに気づきます 268 00:15:32,437 --> 00:15:34,580 そして子供もいます 269 00:15:34,580 --> 00:15:41,722 彼らは怪我 病気 そして暴力の被害者です 270 00:15:41,722 --> 00:15:45,702 実際このとても筋肉質な人ですら 271 00:15:45,702 --> 00:15:50,237 あと数年で結核と水銀中毒のせいで 272 00:15:50,237 --> 00:15:55,208 こうなってしまう危険が高いのです 273 00:15:55,208 --> 00:15:59,485 彼はマヌルといいます 父親が死んだ時に 274 00:15:59,485 --> 00:16:02,567 叔父が彼を 自分が働く鉱山に売りました 275 00:16:02,567 --> 00:16:07,163 叔父が死ぬと 叔父の借金を背負わされました 276 00:16:07,163 --> 00:16:12,105 そして彼は 鉱山の奴隷労働から 逃れられなくなりました 277 00:16:12,105 --> 00:16:14,938 この時 彼は14年も鉱山で働いていました 278 00:16:14,938 --> 00:16:19,731 足の怪我は採掘中の事故のせいです 279 00:16:19,731 --> 00:16:21,744 足の怪我は採掘中の事故のせいです 280 00:16:21,744 --> 00:16:26,861 かなりの重傷で 医師は 切断すべきだと言いました 281 00:16:26,877 --> 00:16:30,827 しかもマヌルは結核にかかっています 282 00:16:30,827 --> 00:16:33,871 それでも彼は連日 縦穴での作業を 283 00:16:33,871 --> 00:16:36,115 強いられています 284 00:16:36,115 --> 00:16:41,278 それでも彼は いつの日か フリー・ザ・スレーブ等の活動家の援助を得て 285 00:16:41,278 --> 00:16:44,391 自由の身になり教育を受けることを夢見ています 286 00:16:44,391 --> 00:16:46,819 自由の身になり教育を受けることを夢見ています 287 00:16:46,819 --> 00:16:49,171 絶望的な状況に置かれながらも 288 00:16:49,171 --> 00:16:53,049 希望を捨てない人々を見ると 289 00:16:53,049 --> 00:17:00,409 私の胸は 畏敬の念にあふれます 290 00:17:00,409 --> 00:17:03,709 奴隷問題に光を当てたいと思います 291 00:17:03,709 --> 00:17:05,964 現地で作業する際に 292 00:17:05,964 --> 00:17:08,645 ろうそくをたくさん持っていきました 293 00:17:08,645 --> 00:17:11,367 通訳に助けてもらいながら 294 00:17:11,367 --> 00:17:13,683 撮影した人たちに分け与え 295 00:17:13,683 --> 00:17:16,794 彼らの物語と窮状に光を当てたいと思いました 296 00:17:16,794 --> 00:17:18,861 彼らの物語と窮状に光を当てたいと思いました 297 00:17:18,861 --> 00:17:22,366 彼らと私の安全が確認できた時に 298 00:17:22,366 --> 00:17:25,707 撮影した写真です 299 00:17:25,707 --> 00:17:27,940 彼らは自分たちの写真が世界中の 人々に見られるのを知っています 300 00:17:27,940 --> 00:17:29,769 彼らは自分たちの写真が世界中の 人々に見られるのを知っています 301 00:17:29,769 --> 00:17:33,513 私は彼らに伝えようと思いました 302 00:17:33,513 --> 00:17:37,442 私達が彼らの目撃者となり 彼らの人生を 303 00:17:37,442 --> 00:17:42,132 変えるためにできる限りの手を尽くすと 304 00:17:42,132 --> 00:17:45,612 私は本当に信じているのです 305 00:17:45,612 --> 00:17:50,096 私たちがお互いを同じ人間として 見ることができれば 306 00:17:50,096 --> 00:17:55,300 奴隷のような残虐行為はなくなると 307 00:17:55,300 --> 00:17:58,984 写真に映っているのは社会問題ではなく 308 00:17:58,984 --> 00:18:02,249 私たちと同じ生きている人間です 309 00:18:02,249 --> 00:18:05,729 権利 尊厳 そして尊敬に値する人々です 310 00:18:05,729 --> 00:18:07,958 権利 尊厳 そして尊敬に値する人々です 311 00:18:07,958 --> 00:18:11,193 私が光栄にも出会うことができた 312 00:18:11,193 --> 00:18:16,472 虐げられた大勢の素晴らしい人々のことを 313 00:18:16,472 --> 00:18:21,041 一日たりとも忘れることはありません 314 00:18:21,041 --> 00:18:24,571 これらの写真が あなた方のような 315 00:18:24,571 --> 00:18:27,617 見る人々の力を呼び起こし 316 00:18:27,617 --> 00:18:31,893 その力が結集して火となり 317 00:18:31,893 --> 00:18:36,816 その燃え盛る火が奴隷問題に 光を当てることを願います 318 00:18:36,816 --> 00:18:40,825 その光がなければ束縛という野獣は 闇の中で生き続けます 319 00:18:40,825 --> 00:18:44,009 その光がなければ束縛という野獣は 闇の中で生き続けます 320 00:18:44,009 --> 00:18:46,986 たいへんありがとうございました 321 00:18:46,986 --> 00:19:00,239 (拍手)