1 00:00:05,241 --> 00:00:08,582 人生をどう表現するかはあなた次第です 2 00:00:08,582 --> 00:00:11,032 このグラスは半分が空でしょうか? それとも― 3 00:00:11,032 --> 00:00:12,332 (観客)半分入っている! 4 00:00:12,332 --> 00:00:16,405 「半分入っている」事について さらに考えてみましょう 5 00:00:16,405 --> 00:00:19,486 尊い中身に着目して考えましょう 6 00:00:19,497 --> 00:00:22,096 何ができるでしょうか? 7 00:00:23,237 --> 00:00:26,417 飲んでもいいし 人に勧めてもいいでしょう 8 00:00:26,417 --> 00:00:29,067 植物の水やりに使ったり 9 00:00:29,067 --> 00:00:31,405 洗い物や料理に使ってもいいでしょう 10 00:00:33,699 --> 00:00:40,349 前向きな姿勢とは 前進という選択肢をくれる ジャンプ台のようなものです 11 00:00:40,349 --> 00:00:42,206 つまり行動することです! 12 00:00:42,660 --> 00:00:45,530 子ゾウのダンボを覚えていますか? 13 00:00:45,530 --> 00:00:49,630 ダンボの耳は自分で つまずくほど長いものでした 14 00:00:50,240 --> 00:00:52,115 それをどうしたでしょうか? 15 00:00:52,420 --> 00:00:53,951 飛ぶのに使いましたね 16 00:00:55,780 --> 00:01:00,910 数年前の私はグラスに 水が入っていたとは気づきませんでした 17 00:01:00,921 --> 00:01:04,361 他の子どもたちの成長が 普通なのだと思っていたのです 18 00:01:04,361 --> 00:01:07,602 それが当たり前で 自然なことだと思っていたのです 19 00:01:07,752 --> 00:01:10,462 しかし四男のニコラが生まれた時 20 00:01:10,462 --> 00:01:12,862 この子には問題があると すぐにわかりました 21 00:01:12,922 --> 00:01:14,658 目が合わず 22 00:01:15,402 --> 00:01:17,292 お腹が空いても 泣きもしません 23 00:01:17,355 --> 00:01:19,279 まさに「植物」状態でした 24 00:01:19,885 --> 00:01:22,136 いったいどうしたらよいのでしょう? 25 00:01:23,126 --> 00:01:27,350 私は発達の助けになる事は すべてしようと決めました 26 00:01:28,015 --> 00:01:33,742 息子が6か月の時 高名な専門家が診断を確定しました 27 00:01:33,742 --> 00:01:39,379 この子は歩きも話もできない だろうと言うのです 28 00:01:39,608 --> 00:01:43,150 生涯「植物」状態のままだろう と言われました 29 00:01:43,150 --> 00:01:45,239 どうしたらよいのでしょうか? 30 00:01:46,760 --> 00:01:49,582 私はこれを挑戦と捉えました 挑戦を受けるのは大好きです! 31 00:01:49,582 --> 00:01:52,902 困難であればあるほど 引き付けられます 32 00:01:53,689 --> 00:01:57,259 皆さんは私が「問題」ではなく「挑戦」と 表現した事にお気づきでしょう 33 00:01:57,379 --> 00:01:59,512 この言葉が含蓄する意味は何でしょう? 34 00:01:59,512 --> 00:02:03,801 「problème(問題)」という言葉は 災厄の意を孕んでいます 35 00:02:04,053 --> 00:02:10,504 子は親が「problème(問題)」について 暗い顔で話すのを聞きます 36 00:02:10,783 --> 00:02:12,915 そして私たち親はー 37 00:02:12,915 --> 00:02:17,801 子が学校の「problème(設問)」で 行き詰まるので驚きます 38 00:02:18,495 --> 00:02:24,223 私には息子の困難は克服すべき挑戦であり 問題ではありませんでした 39 00:02:24,924 --> 00:02:29,224 しかし どれほど大きな挑戦なのか 想像もつきませんでした 40 00:02:29,314 --> 00:02:30,385 これは幸運なことでした 41 00:02:30,544 --> 00:02:31,625 マーク・トウェイン曰く 42 00:02:31,625 --> 00:02:35,405 「彼らは不可能だと 知らなかったゆえ行動した」 43 00:02:35,405 --> 00:02:39,114 私も不可能と知らず 行動しました 44 00:02:39,114 --> 00:02:42,715 まず診断と見通しとを 切り離すことから始めました 45 00:02:43,065 --> 00:02:47,279 診断は変えられませんが 見通しは変えることができます 46 00:02:47,845 --> 00:02:51,845 見通しが受け入れ難かった場合は 信じないことにしました 47 00:02:54,125 --> 00:02:59,593 まず「決して歩けない」という 最初の見通しです 48 00:03:00,195 --> 00:03:03,562 どうしましょう? 歩き方を教えれば良いのです! 49 00:03:04,274 --> 00:03:06,875 まず私は一歩一歩を分解しました 50 00:03:06,875 --> 00:03:10,686 家族と共に 息子に腕と脚の 運びかたを教えました 51 00:03:11,436 --> 00:03:14,276 背中を支えながら押して 脚を動かしました 52 00:03:14,425 --> 00:03:19,045 転がり方や座り方 斜面を這う方法 53 00:03:19,386 --> 00:03:21,824 水平面を這う方法 54 00:03:22,464 --> 00:03:25,333 四つん這いで這う方法 次に初めての一歩を踏み出す方法 55 00:03:25,554 --> 00:03:28,186 こうして私は目標の設定方法を学びました 56 00:03:28,206 --> 00:03:29,716 そして各目標の達成のため 57 00:03:29,716 --> 00:03:32,506 複数の細かな目的を設けました 58 00:03:33,906 --> 00:03:35,271 さらにうれしいことに 59 00:03:35,637 --> 00:03:39,847 息子が1つの目標を達成するたびに 感じる喜びは想像できないほどでした 60 00:03:40,247 --> 00:03:41,047 その結果 61 00:03:41,047 --> 00:03:45,727 他の子どもたちの成長も 同様に大喜びできました 62 00:03:46,577 --> 00:03:50,578 身の周りのどんな 小さなことにも喜び 63 00:03:50,685 --> 00:03:54,402 感謝することを学びました 64 00:03:55,357 --> 00:03:59,118 感謝の念は幸せを感じる秘訣でもあります 65 00:04:01,449 --> 00:04:04,898 次に 決して話せるようにならない という第2の見通しについてです 66 00:04:05,119 --> 00:04:10,569 確かに ニコラは4歳の時点で 「あ」とオウム返しもできませんでした 67 00:04:10,968 --> 00:04:13,046 どの言語療法士にも 68 00:04:13,046 --> 00:04:15,336 さじを投げられました 69 00:04:15,566 --> 00:04:18,178 理解可能な発語ができないのは 障害のせいだと 70 00:04:18,178 --> 00:04:20,981 自分に言い聞かせることも可能でした 71 00:04:21,548 --> 00:04:25,729 しかし言い訳を探すのは あきらめることと同じです 72 00:04:25,968 --> 00:04:29,415 ここで行動することとは 道を探すことでした 73 00:04:30,389 --> 00:04:32,198 どうしたらよいでしょう? 74 00:04:33,489 --> 00:04:37,059 90キロメートル離れた所に 言語療法士を見つけました 75 00:04:37,189 --> 00:04:39,810 その人のおかげで息子は初めて 「moto(オートバイ)」と発語しました 76 00:04:39,810 --> 00:04:41,430 次に「パパ」「ママ」と言いました 77 00:04:41,430 --> 00:04:43,881 その時 どんなに嬉しかったことか! 78 00:04:43,881 --> 00:04:46,861 必ず道はあるはずで 単に見つければよいのです 79 00:04:46,861 --> 00:04:50,150 次に私は手話の一種 マカトンサインを学びました 80 00:04:50,150 --> 00:04:52,000 ついに息子は耳にする音には 81 00:04:52,000 --> 00:04:55,268 意味があることを理解したのです 82 00:04:56,200 --> 00:05:00,759 次に私の母が教えてくれたやり方で 字の読み方を覚えました 83 00:05:01,411 --> 00:05:03,552 そのおかげで話せるようになりました 84 00:05:03,931 --> 00:05:06,539 身体的な成長を遂げるにつれ 85 00:05:06,539 --> 00:05:09,209 息子は常同的(反復的)な遊びが 大好きになりました 86 00:05:09,209 --> 00:05:11,870 電気のスイッチを 切ったりつけたり切ったりつけたり 87 00:05:11,880 --> 00:05:15,588 切ったりつけたりと 何時間も繰り返しました 88 00:05:16,281 --> 00:05:20,831 通っていたセンターでは グラスの水をもう一方に移し替える作業を 89 00:05:21,060 --> 00:05:24,790 何時間も何日も何週間も 続けました 90 00:05:24,791 --> 00:05:28,461 専門家はこれはこの子には 必要な作業なのだと言いました 91 00:05:28,461 --> 00:05:30,461 どうしたらよいでしょうか? 92 00:05:30,951 --> 00:05:33,622 どんな必要性でしょうか? 93 00:05:33,792 --> 00:05:35,902 こうして私は最高のアイデアを 思いつきました 94 00:05:35,902 --> 00:05:37,082 私の子どもだけでなく 95 00:05:37,082 --> 00:05:40,642 自閉症の行動特性を持つ すべての子どものために考えたものです 96 00:05:41,163 --> 00:05:43,263 息子は自分の経験から 97 00:05:43,263 --> 00:05:46,162 学ぶ必要があると考えました 98 00:05:46,863 --> 00:05:50,237 そこで「満杯」と「空」を教えました 99 00:05:50,552 --> 00:05:55,253 さらに「足す」「引く」 「イコール」「半分」も教えました 100 00:05:55,522 --> 00:05:57,073 息子は私を見つめ 101 00:05:57,073 --> 00:06:00,179 二度とこの遊びをしませんでした 102 00:06:00,713 --> 00:06:05,540 私たちは何度も同じ経験を繰り返し 失敗もしました 103 00:06:05,690 --> 00:06:08,944 そして私たちはようやく何かを 掴み始めました 104 00:06:11,603 --> 00:06:15,352 高名な専門家は 息子は 決して学校へ行けないと言いました 105 00:06:15,673 --> 00:06:17,784 どうしたらよいでしょうか? 106 00:06:18,134 --> 00:06:20,664 私は息子が学校に通えるよう 手続きをしました 107 00:06:20,674 --> 00:06:25,728 息子は5歳で幼稚園に 週2時間通いました 108 00:06:26,683 --> 00:06:28,736 子どもに困難があるからといって 109 00:06:28,736 --> 00:06:31,366 そうでない子どもより 110 00:06:31,366 --> 00:06:34,056 短い授業時間しか 許されないのでしょうか? 111 00:06:34,056 --> 00:06:36,356 そんな「理屈」は納得できませんでした 112 00:06:36,356 --> 00:06:38,185 それは今も同じです 113 00:06:38,185 --> 00:06:40,105 どなたか説明してください 114 00:06:40,516 --> 00:06:44,855 ある日 息子がぬりえ遊びに 集中している間に 115 00:06:44,855 --> 00:06:46,850 先生に言われました 116 00:06:48,385 --> 00:06:49,560 先生いわく 117 00:06:49,844 --> 00:06:52,821 息子にはまったく 指示が通らないとのことでした 118 00:06:55,534 --> 00:07:02,050 さらに息子の発達は2歳児程度にも 満たないと言いました 119 00:07:03,255 --> 00:07:07,906 息子は猛然と描きなぐり 120 00:07:07,906 --> 00:07:10,046 紙をぐしゃっと潰しました 121 00:07:10,046 --> 00:07:12,293 どうしたらよいでしょうか? 122 00:07:13,367 --> 00:07:16,176 私は大切なことに気づきました 123 00:07:16,176 --> 00:07:18,661 物事を子どもの目線で見るのです 124 00:07:19,456 --> 00:07:22,817 大人が「君は劣っている」と言います 125 00:07:23,216 --> 00:07:25,350 するとどう感じるでしょうか 126 00:07:26,156 --> 00:07:29,571 「あなたは」の「は」は アイデンティティを示します 127 00:07:30,166 --> 00:07:33,346 子どもに「あなた『は』劣っている」 と言ってしまうと 128 00:07:33,346 --> 00:07:36,332 そのレッテルが 永遠に貼り付いてしまいます 129 00:07:37,506 --> 00:07:40,326 その「劣っている」部分が その子のアイデンティティのー 130 00:07:40,326 --> 00:07:42,240 深い一部になってしまいます 131 00:07:42,646 --> 00:07:45,607 そのレッテルに 変化を封じられてしまいます 132 00:07:45,607 --> 00:07:47,767 子どもをそのように プログラムしてしまいます 133 00:07:47,767 --> 00:07:49,677 自分はこうなのだ 変われないのだと 134 00:07:49,677 --> 00:07:51,167 思い込みます 135 00:07:52,457 --> 00:07:54,765 子どもがこう言われた時の 136 00:07:55,209 --> 00:07:57,049 ダメージを想像して下さい 137 00:07:57,049 --> 00:07:58,679 「悪い子!」 138 00:07:58,679 --> 00:08:00,449 「我慢ができない子!」 139 00:08:00,449 --> 00:08:02,429 「内気な子ね!」 140 00:08:02,699 --> 00:08:04,451 想像してください 141 00:08:04,719 --> 00:08:06,978 子どもは成人した後も 自分にそう言い聞かせます 142 00:08:06,978 --> 00:08:08,458 どれほど害を与えるでしょうか 143 00:08:09,888 --> 00:08:13,458 「ああ自分はなんて馬鹿なんだ!」と 思ったことがない方はいないでしょう 144 00:08:13,779 --> 00:08:16,588 他人にレッテルを貼らない訓練は 145 00:08:16,728 --> 00:08:20,338 自分にレッテルを貼らないことから 始めなくてはなりません 146 00:08:21,578 --> 00:08:23,638 年度の終わりに先生が そっと教えてくれました 147 00:08:23,638 --> 00:08:27,159 ニコラに無駄な労力を使うなと 専門家に言われたそうです 148 00:08:27,159 --> 00:08:30,935 決して読み書きや計算を 学ぶことはできないだろうから と 149 00:08:31,599 --> 00:08:33,751 どうしたらよいのでしょうか? 150 00:08:35,429 --> 00:08:38,589 私が思うに 子どもを信用しない場合 151 00:08:38,589 --> 00:08:40,399 特にその子どもが傷つき易い場合 152 00:08:40,399 --> 00:08:42,803 子どもは自分の才能を見出せません 153 00:08:44,439 --> 00:08:47,249 ローゼンタールとジェイコブソンの 実験が立証しています 154 00:08:47,249 --> 00:08:49,459 ピグマリオン効果です 155 00:08:49,459 --> 00:08:51,919 ダンボが空を飛ぶことを 覚えられたのは 156 00:08:51,919 --> 00:08:55,541 きっと飛べるはずだと カラスが信じてくれたからでした 157 00:08:56,079 --> 00:08:57,300 私が学んだのは 158 00:08:58,680 --> 00:09:01,500 人の内に可能性を見出すことです 159 00:09:01,500 --> 00:09:04,051 人の能力を信じることを学びました 160 00:09:04,161 --> 00:09:07,929 そして人は自分を信じて もらえていると感じると 161 00:09:07,929 --> 00:09:09,881 奇跡を起こします! 162 00:09:12,629 --> 00:09:14,541 ニコラには指示が通らないと 163 00:09:14,541 --> 00:09:16,971 先生に言われた件を覚えていますか? 164 00:09:16,971 --> 00:09:19,041 どうしたらよいでしょうか? 165 00:09:19,041 --> 00:09:23,962 ニコラを支援するために それがなぜなのかを知る必要がありました 166 00:09:24,331 --> 00:09:25,562 ニコラは難聴の手術を 167 00:09:25,562 --> 00:09:29,152 4歳の時に受けて以降 耳が聞こえるようになっていました 168 00:09:29,152 --> 00:09:31,323 しかしニコラは聞こうとしません 169 00:09:31,323 --> 00:09:35,463 読唇術を行うのですが ひどい近眼なので 170 00:09:35,463 --> 00:09:38,408 2メートル以上離れると 171 00:09:38,790 --> 00:09:41,506 先生の言っていることが わからなくなるのです 172 00:09:42,030 --> 00:09:45,893 そこで私は表層に留まらず 173 00:09:45,893 --> 00:09:48,647 問題の裏にある本当の理由を 探すことを学びました 174 00:09:49,133 --> 00:09:53,193 ニコラは6歳の頃 学校教育から閉め出されました 175 00:09:53,741 --> 00:09:55,741 どうしたらよいでしょうか? 176 00:09:56,171 --> 00:09:57,513 実はこれは素晴らしいことだったのです! 177 00:09:57,513 --> 00:10:01,465 ニコラが学校で学んだのは 自分は何もできないという事だけでした 178 00:10:01,903 --> 00:10:04,594 そのころ私は 高校で科学コースの 3年生を教えていました 179 00:10:04,594 --> 00:10:06,454 でも 自分の子どもは 180 00:10:06,454 --> 00:10:10,094 1も2も3もわからないのです 181 00:10:10,094 --> 00:10:12,091 なんて大きな挑戦でしょう! 182 00:10:13,004 --> 00:10:15,980 以来 私は方法を見出すために 瞑想を学びました 183 00:10:16,812 --> 00:10:19,060 そして 子どもが 数字と数の使い方を理解する— 184 00:10:19,060 --> 00:10:20,730 素晴らしい方法を思いつきました 185 00:10:20,730 --> 00:10:24,001 今日も多くの子どもに たいへん役に立っています 186 00:10:24,560 --> 00:10:28,782 ニコラは7歳の時に 特別支援教育からも閉め出されました 187 00:10:29,524 --> 00:10:30,907 幸運なことでした 188 00:10:31,126 --> 00:10:33,896 この子には別の道が 必要だったということでしょう 189 00:10:33,896 --> 00:10:36,928 私たちはニコラに家庭で教育を 受けさせることにしました 190 00:10:37,286 --> 00:10:41,286 私が教師だからといって 簡単だったと思わないでください 191 00:10:41,286 --> 00:10:43,545 私は何もかも早かっただけなのです 192 00:10:43,545 --> 00:10:45,795 私は4歳で文字を読み 193 00:10:45,795 --> 00:10:48,325 16歳で高校を卒業 194 00:10:48,325 --> 00:10:50,145 18歳で結婚 195 00:10:50,145 --> 00:10:52,655 19歳で最初の子をもうけました 196 00:10:52,655 --> 00:10:55,655 20歳で中学校数学教員の資格を得ました 197 00:10:55,655 --> 00:11:00,264 21歳で中学校教員資格をもう1つと 数学の教授資格を得ました 198 00:11:00,264 --> 00:11:05,734 これほどまでにたくさんの問題を抱えた 子どもを教える事には縁がなかったのです 199 00:11:05,734 --> 00:11:07,675 どうしたらよいでしょうか? 200 00:11:07,675 --> 00:11:10,506 こうして私は忍耐を学びました 201 00:11:10,506 --> 00:11:13,946 学習の一歩一歩を 分解しました 202 00:11:13,946 --> 00:11:17,595 より高い段階に引き上げるため ニコラがどの段階にいるかを 203 00:11:17,595 --> 00:11:19,295 探して分析しました 204 00:11:19,295 --> 00:11:22,606 これはどんな学生に対しても 必要な配慮ではないでしょうか 205 00:11:22,606 --> 00:11:25,316 彼らは高みへ成長するためにいるのですから 206 00:11:25,316 --> 00:11:27,416 しかし 多くの困難を抱える子どもの場合 207 00:11:27,416 --> 00:11:30,026 本人が理解できない場合は どうしたらよいでしょうか 208 00:11:30,026 --> 00:11:34,416 もっと頑張るべきだとか もっと悪く言えば 能力が足りないのだと思うこともできます 209 00:11:34,416 --> 00:11:37,956 しかし私が選んだのは どうしたらよいか考えることでした 210 00:11:37,956 --> 00:11:41,515 そして責任は私にあると 考えることにしました 211 00:11:41,756 --> 00:11:45,266 息子への教え方を 見つけるべきなのは私なのです 212 00:11:45,266 --> 00:11:49,772 そして本人が理解するまで あの手この手と戦略を変えました 213 00:11:50,396 --> 00:11:53,012 こうして私はニコラに教え続けたのです 214 00:11:53,338 --> 00:11:54,848 しかし息子が10歳になった時 215 00:11:54,848 --> 00:11:58,138 これ以上理解力を伸ばすのは 不可能だと感じました 216 00:11:58,138 --> 00:12:01,778 学習に必要なプロセスを 模索しましたが 217 00:12:01,778 --> 00:12:03,878 行き詰まりを感じたのです 218 00:12:03,878 --> 00:12:06,080 どうしたらよいのでしょうか? 219 00:12:06,598 --> 00:12:09,288 私は一人キャンピングカーを走らせ アムステルダム近郊の 220 00:12:09,288 --> 00:12:13,158 フォイヤーシュタイン教育センターの ワークショップに参加しました 221 00:12:13,158 --> 00:12:15,847 そこで私は特に29の 認知機能について学びました 222 00:12:15,847 --> 00:12:18,277 そしてこれはまさに天啓だったのです 223 00:12:18,277 --> 00:12:20,579 思考には土台が存在します 224 00:12:20,579 --> 00:12:22,869 もし土台無しに家を建てようとすれば 225 00:12:22,869 --> 00:12:24,419 どうなるでしょうか? 226 00:12:24,419 --> 00:12:25,899 家は建ちません 227 00:12:25,899 --> 00:12:30,078 学習も建築と同様で 228 00:12:30,078 --> 00:12:34,261 認知機能が正しく機能して いる必要があります 229 00:12:34,938 --> 00:12:36,599 私はプレゼンで聞いた手法を改良し 230 00:12:36,599 --> 00:12:39,212 子どもにも適用できるようにしました 231 00:12:39,739 --> 00:12:43,776 つまずいている原因を理解するには すばらしいツールです 232 00:12:44,429 --> 00:12:48,228 さらにこれは年齢よりも発達の早い 他の4人の子どもにも有効でした 233 00:12:48,360 --> 00:12:50,940 早熟な子どもは理解が早いので 234 00:12:50,940 --> 00:12:54,440 結論をどのように導きだしたのか 往々にして自覚しません 235 00:12:54,440 --> 00:12:58,400 思考するために何をしたかすら わかっていません 236 00:12:58,400 --> 00:13:01,340 早熟な子どもは しばしば学校に ついていけなくなります 237 00:13:01,340 --> 00:13:05,400 なぜならすぐに結論が出ないと 自らをブロックしてしまうからです 238 00:13:05,400 --> 00:13:07,710 どうしたらよいでしょうか? 239 00:13:07,710 --> 00:13:10,540 子どもたちが勉強でも人生でも 成功できるように 240 00:13:10,540 --> 00:13:14,640 認知を分解することを学ばせました 241 00:13:16,260 --> 00:13:18,524 私は周囲を見回して 242 00:13:19,681 --> 00:13:24,233 他の子どもたちがニコラを 遠巻きにしていることに気づきました 243 00:13:24,621 --> 00:13:27,271 ニコラは他の子どもたちを恐れて 244 00:13:27,271 --> 00:13:29,206 一緒にいようとしないのです 245 00:13:29,801 --> 00:13:33,228 ニコラは2メートル幅の 安全圏を保っていました 246 00:13:33,751 --> 00:13:35,981 どうしたらよいでしょうか? 247 00:13:35,981 --> 00:13:38,652 私が村の学校の先生に相談すると 248 00:13:38,652 --> 00:13:42,912 生徒に自閉症について 教えると言ってくれました 249 00:13:42,912 --> 00:13:47,613 皆はニコラに近づき仲間に入れる 作戦を練りました 250 00:13:48,481 --> 00:13:53,372 小学5年の1年間はこの子の 学校生活でも最良の1年でした 251 00:13:53,613 --> 00:13:57,062 ニコラは校庭で 他の子どもたちが近づき 252 00:13:57,062 --> 00:14:00,115 触れるに任せ 友達がたくさんできました 253 00:14:00,952 --> 00:14:04,873 私は1人の先生の熱意が どれだけ恩恵をもたらすかを知り 254 00:14:05,252 --> 00:14:10,354 知識と準備が奇跡を起こす 事を知りました 255 00:14:11,452 --> 00:14:13,542 私の周りには他にも 256 00:14:13,542 --> 00:14:15,683 困難を背負った子どもがいました 257 00:14:15,683 --> 00:14:17,340 どうしたらよいでしょうか? 258 00:14:18,104 --> 00:14:20,139 私が設立した団体では 259 00:14:20,454 --> 00:14:23,619 そんな子どもたちが 困難を克服する支援を行いました 260 00:14:24,054 --> 00:14:27,315 私が学び改良を加えたメソッドは 261 00:14:27,694 --> 00:14:31,707 見事な成果を挙げたので 他の人にも役立てたいと考えました 262 00:14:32,195 --> 00:14:35,144 しかし一人で全ての人を 助けることは不可能です 263 00:14:35,144 --> 00:14:39,467 そこでUp brain ingという 会社を立ち上げ 264 00:14:40,388 --> 00:14:43,386 親や専門家に指導することにしました 265 00:14:44,498 --> 00:14:50,123 認知機能を発達させるために 効率的なツールを考案し 266 00:14:51,491 --> 00:14:55,122 学習に必要なプロセスを見定めました 267 00:14:55,392 --> 00:14:58,093 私たちの教育手法は メタ教育学というもので 268 00:14:58,385 --> 00:15:01,785 既存のあらゆる教授法をつなぐ方法論です 269 00:15:01,785 --> 00:15:04,291 すべての人に適用可能で 270 00:15:04,637 --> 00:15:07,261 ハンディキャップの無い人にも有効です 271 00:15:08,107 --> 00:15:10,775 ニコラが文字を書くことを学ぶのに 苦労していたのを 272 00:15:10,775 --> 00:15:12,063 覚えていたので 273 00:15:13,095 --> 00:15:17,904 タブレット用のアプリを開発し 274 00:15:18,496 --> 00:15:22,996 基本的な線をなぞり書きしてから 275 00:15:22,996 --> 00:15:26,526 文字をなぞって楽しく 学習できるようにしました 276 00:15:27,166 --> 00:15:29,990 またニコラが苦労していたのは 277 00:15:30,408 --> 00:15:33,988 自分の感情を学習し認識し コントロールすることでした 278 00:15:33,988 --> 00:15:36,020 どうしたらよいでしょうか? 279 00:15:37,016 --> 00:15:42,818 私は感情を認識し理解しコントロールする ツールを開発しました 280 00:15:43,276 --> 00:15:46,218 これは他の人にも役に立つものです 281 00:15:46,726 --> 00:15:51,189 しかし感情を測ることができるのは 心の知能だけではありません 282 00:15:51,987 --> 00:15:57,030 最適な形でコミュニケーションを 取る能力にも関係があります 283 00:15:57,457 --> 00:16:00,989 自閉症を持つ人の多くが この分野で困難を抱えています 284 00:16:01,378 --> 00:16:04,688 しかしコミュニケーションに 困っているのは 285 00:16:04,688 --> 00:16:07,690 必ずしも自閉症の人とは限りません 286 00:16:08,288 --> 00:16:11,668 家庭内で喧嘩が起こると ニコラは耐えられませんでした 287 00:16:11,978 --> 00:16:14,089 どうしたらよいでしょうか? 288 00:16:16,329 --> 00:16:19,108 私たちは喧嘩をせずに コミュニケーションを取る方法を学びました 289 00:16:19,108 --> 00:16:21,229 そして私が開発したのは 290 00:16:21,229 --> 00:16:25,191 争いを収めコミュニケーションを 学ぶツールでした 291 00:16:25,839 --> 00:16:28,122 息子との経験のおかげで 292 00:16:28,649 --> 00:16:34,536 私は他者を支援することを学び 創造することができました 293 00:16:36,639 --> 00:16:43,171 ニコラはお金を計算しパソコンを操り ピアノを演奏し 294 00:16:43,749 --> 00:16:48,987 スキーや乗馬をし 友達を作ることが大好きです 295 00:16:49,489 --> 00:16:52,391 私たちには我が身に 降りかかることは選べませんが 296 00:16:52,391 --> 00:16:56,969 被害者として振る舞い 297 00:16:57,250 --> 00:16:59,451 起こる事を受け身で待つか 298 00:17:00,410 --> 00:17:03,778 能動的に行動するかは選べます 299 00:17:04,520 --> 00:17:06,415 選ぶのは私たちです 300 00:17:06,980 --> 00:17:08,835 私たちにはできるのです 301 00:17:09,869 --> 00:17:11,735 全ての経験を生かして 302 00:17:12,254 --> 00:17:14,158 私たちは行動し 303 00:17:14,264 --> 00:17:15,650 道を見つけ 304 00:17:16,269 --> 00:17:18,437 何事かを学び取ることができるのです 305 00:17:18,805 --> 00:17:23,654 子どもたちのお陰で 私の人生は豊かになりました 306 00:17:24,231 --> 00:17:28,536 ですから障害と聞いた時には どうしたらよいでしょうか? 307 00:17:29,203 --> 00:17:30,901 大いに結構!と私は言うのです 308 00:17:30,901 --> 00:17:33,173 ありがとう!と私は言うのです