WEBVTT 00:00:01.206 --> 00:00:07.125 (音楽) NOTE Paragraph 00:00:14.325 --> 00:00:18.822 これはカリフォルニア州バークレーにある 我が家の裏庭にいるミツバチです 00:00:18.822 --> 00:00:21.221 去年までは飼ったことは ありませんでしたが 00:00:21.221 --> 00:00:25.270 ナショナル・ジオグラフィックにミツバチに 関する記事に添える写真の発注を受け 00:00:25.270 --> 00:00:27.769 説得力のある写真を撮るために 00:00:27.769 --> 00:00:30.253 ミツバチを飼う事にしたのです 00:00:30.253 --> 00:00:31.948 ご存知かもしれませんが 00:00:31.948 --> 00:00:34.572 ミツバチは農産物の 3分の1を受粉しています 00:00:34.572 --> 00:00:37.730 最近そのミツバチに 大変なことが起きています 00:00:37.730 --> 00:00:42.281 写真家としてこの問題の実情を 調べてみることを決意しました 00:00:42.281 --> 00:00:45.466 去年発見した事を皆様に お見せしたいと思っています NOTE Paragraph 00:00:46.276 --> 00:00:47.900 このふさふさとした小さな生き物は 00:00:47.900 --> 00:00:52.243 卵母細胞から出ようとしている 生まれたばかりのミツバチです 00:00:52.243 --> 00:00:55.283 ミツバチは今いくつかの問題に直面しています 00:00:55.283 --> 00:00:59.535 それは殺虫剤、病気 そして生息地の喪失などです 00:00:59.535 --> 00:01:04.146 その中でも唯一最大の脅威となるものは アジアから来る寄生ダニ 00:01:04.146 --> 00:01:06.475 ミツバチヘギイタダニです 00:01:06.475 --> 00:01:09.354 針の先程の大きさのダニが 若いミツバチの身体を這い 00:01:09.354 --> 00:01:11.699 血を吸います 00:01:11.699 --> 00:01:13.696 こうしてミツバチの巣を破壊していきます 00:01:13.696 --> 00:01:16.940 ミツバチの免疫組織がうまく機能しなくなり 00:01:16.940 --> 00:01:20.476 ストレスや病気に対する 抵抗力が衰えるからです NOTE Paragraph 00:01:21.776 --> 00:01:24.813 ミツバチは卵母細胞内で生育中は 00:01:24.813 --> 00:01:26.513 とてもデリケートです 00:01:26.513 --> 00:01:29.624 私はその過程がどんなものか知りたかったので 00:01:29.624 --> 00:01:32.248 カリフォルニア大学デービス校の 蜂研究グループと組み 00:01:32.248 --> 00:01:35.343 カメラの前でミツバチを 飼う方法を考え出しました 00:01:35.993 --> 00:01:38.981 生後21日間のミツバチの 生態記録をご覧下さい 00:01:38.981 --> 00:01:41.770 60秒に凝縮されています NOTE Paragraph 00:01:43.763 --> 00:01:48.567 これは卵から幼虫が孵化しているところです 00:01:48.567 --> 00:01:53.012 巣房内では孵化したばかりの幼虫が 00:01:53.012 --> 00:01:57.335 育成バチが出す とろりとした液の中を 泳ぎながら その液を食べて育ちます 00:01:59.616 --> 00:02:04.159 頭と足はゆっくりと形をなして行き 00:02:04.159 --> 00:02:07.509 さなぎへと脱皮します 00:02:09.833 --> 00:02:11.853 これがその蛹(よう)化の様子です 00:02:11.853 --> 00:02:15.243 巣房内を走り回っているダニが見えますね 00:02:15.243 --> 00:02:19.510 体の組織が再編成され 00:02:19.510 --> 00:02:24.115 目に色素がゆっくりと現れて来ています 00:02:26.869 --> 00:02:32.757 最後のステップで蛹の殻が縮んで行き 00:02:32.757 --> 00:02:35.245 ミツバチの体には剛毛が生えてきます 00:02:35.245 --> 00:02:39.237 (音楽) NOTE Paragraph 00:02:48.805 --> 00:02:51.659 (拍手) NOTE Paragraph 00:02:54.703 --> 00:02:57.907 このビデオの途中で 00:02:57.907 --> 00:03:00.461 ダニがミツバチの幼虫の上を 走り回っているのが見えましたね 00:03:00.461 --> 00:03:04.390 養蜂家達はダニを駆除する為に 00:03:04.390 --> 00:03:07.404 蜂の巣に薬品を使うのですが 00:03:07.404 --> 00:03:09.670 長い目で見ると薬品は悪いので 00:03:09.670 --> 00:03:13.223 科学者がそれに代わる ダニを駆除できるものを 00:03:13.223 --> 00:03:15.387 研究しています NOTE Paragraph 00:03:16.195 --> 00:03:18.963 これがその1つです 00:03:18.963 --> 00:03:23.328 バトンルージュのUSDA蜂研究室での ミツバチ育生実験プログラムです 00:03:23.328 --> 00:03:27.045 この女王蜂と働きバチは そのプログラムからのものです NOTE Paragraph 00:03:27.735 --> 00:03:31.430 研究者たちは 00:03:31.430 --> 00:03:35.152 ダニに抵抗力のあるミツバチを発見し 00:03:35.152 --> 00:03:39.322 そんなミツバチの 育生に取りかかりました 00:03:40.782 --> 00:03:43.418 こうやって蜂の品種改良を行っています 00:03:43.418 --> 00:03:46.158 未交尾女王蜂に麻酔をかけ 00:03:46.158 --> 00:03:51.200 この精密機器を使って人工的に受精させます 00:03:51.200 --> 00:03:53.478 このプロセスで研究者は 00:03:53.478 --> 00:03:57.952 意図的にミツバチを選別し交配できますが 00:03:57.952 --> 00:04:01.627 これには代償が伴います 00:04:01.627 --> 00:04:04.832 それはダニに抵抗力のある ミツバチは育てられても 00:04:04.832 --> 00:04:07.920 その過程で 蜜を貯蔵しなくなったり 00:04:07.920 --> 00:04:11.685 それまでの穏やかな性格を 失ってしまうのです 00:04:11.685 --> 00:04:14.194 それで科学者は その問題解決の為 00:04:14.194 --> 00:04:17.742 養蜂業者と恊働で研究しています 00:04:18.252 --> 00:04:23.120 これはブレット・アディが 7万2千の巣房の1つを開けている所です 00:04:23.120 --> 00:04:27.750 彼は兄弟と世界最大の養蜂業を営んでいて 00:04:27.750 --> 00:04:33.409 USDAはダニに抵抗力のあるミツバチを 彼らの養蜂経営に導入しています 00:04:33.409 --> 00:04:35.052 ゆくゆくは 00:04:35.052 --> 00:04:38.723 こうしてダニに強いミツバチを 選択交配できるだけでなく 00:04:38.723 --> 00:04:43.707 我々に役に立つミツバチの特質をも 維持できる事を狙っています NOTE Paragraph 00:04:44.165 --> 00:04:45.860 これでは まるで 00:04:45.860 --> 00:04:49.157 ミツバチをうまく操り 利用しているだけに聞こえますが 00:04:49.157 --> 00:04:52.593 人類は数千年も渡り 00:04:52.593 --> 00:04:57.747 この様に この大自然の生物を箱に入れ 実用的に養蜂してきた 00:04:57.747 --> 00:04:59.861 というのが現実で 00:04:59.861 --> 00:05:03.970 こうして昔から蜂蜜を収穫して来たのです 00:05:03.970 --> 00:05:06.725 しかし時が経つにつれ この自然の受粉媒介者が 00:05:06.725 --> 00:05:08.420 姿を消し始め 00:05:08.420 --> 00:05:11.485 この自然の受粉者が 供給してくれる今の量では 00:05:11.485 --> 00:05:15.284 業界の多くは もはや 需要について行けなくなっています 00:05:15.284 --> 00:05:20.508 我々が育成しているミツバチは 食糧システムに不可欠なのです NOTE Paragraph 00:05:20.508 --> 00:05:23.227 ミツバチを救うという事は 00:05:23.227 --> 00:05:25.360 私に言わせれば 00:05:25.360 --> 00:05:28.588 我々のミツバチとの関係を救う という事だと思います 00:05:28.588 --> 00:05:33.592 新しい解決法を考え出すには 00:05:33.592 --> 00:05:38.693 ミツバチの基礎生物学と 00:05:38.693 --> 00:05:44.936 我々が見過ごしがちな ストレスから来る ミツバチへの影響を理解しなければなりません 00:05:45.909 --> 00:05:49.114 言い換えると我々はミツバチを もっと身近に知る必要があるのです NOTE Paragraph 00:05:49.114 --> 00:05:51.384 ありがとうございました NOTE Paragraph 00:05:51.384 --> 00:05:53.198 (拍手)