WEBVTT

00:00:27.446 --> 00:00:32.442
これは昨日の河北新報の朝刊1面です

00:00:32.442 --> 00:00:35.736
ここに 今年 米の値段が暴落して

00:00:35.736 --> 00:00:39.520
米農家さんが大変困ってるという 
ニュースが書いてます

00:00:39.520 --> 00:00:48.385
具体的には 秋田県産のひとめぼれが
今年 8400円 去年に比べて2800円下がったと

00:00:48.385 --> 00:00:52.245
そして農家が泣いているというニュースです

00:00:52.245 --> 00:00:58.292
皆さんはこのニュースに触れたとき
一体何を感じるでしょうか

00:00:58.292 --> 00:01:04.472
おそらく「いやぁ 米農家も困ってるんだな
大変なんだな」と 同情すると思います

00:01:04.472 --> 00:01:09.951
だけれども この新聞を読み終えた途端に

00:01:09.951 --> 00:01:14.272
皆さんの頭の中からこのニュースは
消えてしまうんじゃないでしょうか

00:01:16.752 --> 00:01:22.665
私たちが毎日食べているお米
これを作っている生産者が困ってるんですから

00:01:22.665 --> 00:01:24.838
決して他人事ではいられないはずです

00:01:24.838 --> 00:01:29.492
だけれども どうしてこうも
他人事になってしまうのでしょうか

00:01:29.492 --> 00:01:36.499
それは 困っている農家の具体的な顔が
思い浮かばないからだと思います

00:01:36.499 --> 00:01:40.471
もしも その顔が思い浮かぶという
農家が知り合いにいたら

00:01:40.471 --> 00:01:43.741
決して他人事ではいられないんではないでしょうか

00:01:43.741 --> 00:01:49.580
その相手との関係性が共感力を育むんです

00:01:50.700 --> 00:01:56.692
消費者と生産者が大きな流通システムで
分断されてしまったこの国で

00:01:56.692 --> 00:02:00.849
私たち消費者が得られる食べ物の情報は

00:02:00.849 --> 00:02:05.436
値段 見た目 食味 カロリー等

00:02:05.436 --> 00:02:08.163
すべて消費領域の話です

00:02:08.163 --> 00:02:12.235
もちろん食べ物を選ぶ上で
これらの情報も大事な訳ですけれども

00:02:12.235 --> 00:02:15.392
決定的に欠けている情報があります

00:02:15.392 --> 00:02:21.964
それが 食べ物の裏側にいる
血の通った人間の存在です

00:02:21.964 --> 00:02:27.595
皆さんは日頃 食べている食べ物の中で

00:02:27.595 --> 00:02:31.928
「生産者の顔知ってるよ」 何人知っていますか？

00:02:31.928 --> 00:02:37.722
おそらく一人も知らないという方が
大半ではないでしょうか

00:02:37.722 --> 00:02:41.083
共感力を失ってしまった日本の一次産業は今

00:02:41.083 --> 00:02:43.727
深刻な状況になっています

00:02:43.727 --> 00:02:50.737
私が生まれるちょっと前の1970年に
1025万人も農家はいたんです

00:02:50.737 --> 00:02:54.534
それが今 260万人に激減しました

00:02:54.534 --> 00:02:59.767
そのうち実に75%が60歳以上の高齢者です

00:02:59.767 --> 00:03:07.273
そして私と同じ40歳以下の若い農家さんは
たったの17万人しかいません

00:03:07.273 --> 00:03:13.028
漁師に至っては 同じ1970年に
57万人いました

00:03:13.028 --> 00:03:18.517
それが今や17万人
そして過半数が60歳以上の高齢者で

00:03:18.517 --> 00:03:23.006
40歳以下はたったの2万人です

00:03:23.006 --> 00:03:30.357
10年後 20年後 
私たちの食べ物を誰が作っているのでしょうか

00:03:30.357 --> 00:03:34.161
おそらく今 私のこの問いかけに対して皆さんは

00:03:34.161 --> 00:03:39.102
「いやぁ一次産業なんとかしなきゃいけない」
という気持ちになっていると思います

00:03:39.102 --> 00:03:43.698
だけれども やはりこの会場を出た途端に

00:03:43.698 --> 00:03:49.424
皆さんの気持ちはどこかに消えてしまうでしょう

00:03:49.424 --> 00:03:57.061
私たち消費者に決定的に欠けているのは
私たちの命に直結する一次産業の問題を

00:03:57.061 --> 00:04:01.172
自分ごと化する 共感力なんです

00:04:01.172 --> 00:04:05.699
そしてこの日本の一次産業を立て直していく為に

00:04:05.699 --> 00:04:10.210
食べ物の裏側にいる人間の存在を知り

00:04:10.210 --> 00:04:16.510
そしてそことつながっていくことで
共感力を磨いていくことが大事だと思います

00:04:16.510 --> 00:04:19.697
そこで私が考えついたのが

00:04:19.697 --> 00:04:23.644
食べ物付きの月刊誌 「東北食べる通信」です

00:04:23.644 --> 00:04:28.278
毎月東北の生産者にクローズアップして特集し

00:04:28.278 --> 00:04:33.683
そこにその生産者が育てた食べ物を
こうして付けて読者に送ります

00:04:33.683 --> 00:04:36.225
普通の食の宅配サービスは

00:04:36.225 --> 00:04:38.777
段ボールに野菜がいっぱいぎっしり詰まって

00:04:38.777 --> 00:04:42.415
そこに生産者情報の紙切れ1枚が入っていますが

00:04:42.415 --> 00:04:44.889
我々はそれをひっくり返したんです

00:04:44.889 --> 00:04:51.360
この紙切れ1枚こそが この生産者の生き様こそが
メインの商品だよと

00:04:51.360 --> 00:04:56.229
そしてそこにあえて付録として
こうして食べ物を付けました

00:04:56.229 --> 00:05:02.251
一年間やってきて今 読者が1400人になっています

00:05:02.251 --> 00:05:07.534
読者は 届いた雑誌 16ページありますけれども
まず生産者のことを知る

00:05:07.534 --> 00:05:10.222
その上で調理をして食べる

00:05:10.222 --> 00:05:12.040
ここで終わりません

00:05:12.040 --> 00:05:18.819
我々は特集した生産者と読者を
Facebookのグループでつなげてみました

00:05:18.819 --> 00:05:22.515
そうしたところ 
実に活発なコミュニケーションが起きたんです

00:05:22.515 --> 00:05:27.277
だって初めて知った訳です 
自分が口の中に入れる食べ物を作っている人

00:05:27.277 --> 00:05:29.843
そうして多くの読者の方々が

00:05:29.843 --> 00:05:35.505
「こんな風に息子と調理して食べました」
というレシピの写真の投稿と共に

00:05:35.505 --> 00:05:37.766
生産者に対して感謝の言葉を

00:05:37.766 --> 00:05:41.520
「いただきます」「ありがとうございます」
「感動しました」「ごちそうさまでした」

00:05:41.520 --> 00:05:46.531
連日 食べ物の感謝の気持ちを生産者に伝えました

00:05:46.531 --> 00:05:50.586
そして生産者も これまでは流通に出して終わりです

00:05:50.586 --> 00:05:55.069
しかし食べて喜んでくれる人の声に連日触れて

00:05:55.069 --> 00:05:57.757
「よし もっとうまいもの作ってやろう」と

00:05:57.757 --> 00:06:00.284
こういう生産意欲を増しています

00:06:00.284 --> 00:06:03.041
さらに

00:06:03.041 --> 00:06:05.965
[オンラインの］ SNSのこういう交流だけではなくて

00:06:05.965 --> 00:06:10.083
実際に生産者さんを東京に呼んで交流会を開いたり

00:06:10.083 --> 00:06:13.995
あるいは読者が生産現場を訪ねて

00:06:13.995 --> 00:06:16.848
実際に体を動かして出荷を体験する

00:06:16.848 --> 00:06:19.928
こういうリアルの体験イベントも行っています

00:06:19.928 --> 00:06:25.767
これらの一連の体験をパッケージとして
毎月読者の皆様にお届けしているわけですが

00:06:25.767 --> 00:06:32.748
こうした一連の体験を通じて
読者は共感力を増していきました

00:06:32.748 --> 00:06:37.839
その共感力を遺憾なく発揮した事例が最近ありました

00:06:37.839 --> 00:06:45.316
昨年10月号で特集した 秋田県 潟上市の米農家
菊地晃生さんです

00:06:45.316 --> 00:06:52.560
彼は ここは現場なんですけれども
耕さない冬水田んぼという農法で

00:06:52.560 --> 00:06:56.507
人間と自然にとても優しい米を作っています

00:06:56.507 --> 00:06:59.860
ところが 今年雨が長引いて

00:06:59.860 --> 00:07:03.799
稲刈りの時期になっても 田んぼがぬかるんだ状態で

00:07:03.799 --> 00:07:08.211
稲刈り機のコンバインを入れても
前に進まないという状況になったんです

00:07:08.211 --> 00:07:12.072
小さな娘さん二人 そして妻と四人で手刈りをしても

00:07:12.072 --> 00:07:17.548
例年の10分の1も刈り取れないということで
絶望の縁に立たされました

00:07:17.548 --> 00:07:23.275
彼はそこで 自分の窮状について
Facebookで発信して

00:07:23.275 --> 00:07:27.183
食べる通信の読者グループにSOSを出したんですね

00:07:27.183 --> 00:07:31.705
そしたらば なんと200人に及ぶ読者を始めとする

00:07:31.705 --> 00:07:35.529
晃生さんの仲間たちが 秋田までわざわざ行って

00:07:35.529 --> 00:07:41.263
裸足になって 田んぼに入って
そして一緒に手で刈って

00:07:41.263 --> 00:07:48.757
およそ野球場一つになるぐらいの広大な
1ヘクタールのこの田んぼが

00:07:48.757 --> 00:07:53.903
まもなく人力によって刈り取られようとしています

00:07:53.903 --> 00:08:01.719
つまり読者と生産者が 
心配し合う家族みたいになっているわけですよ

00:08:01.719 --> 00:08:06.762
読者はこうして食べ物の裏側にいる
人間の存在を知ることで

00:08:06.762 --> 00:08:11.793
まさにこの米農家に降り掛かった災難を
自分ごと化して

00:08:11.793 --> 00:08:16.726
そして自ら突き動かして生産現場に訪れていきました

00:08:16.726 --> 00:08:22.398
私は今 地縁血縁がどんどん
希薄になっていく世の中になって

00:08:22.398 --> 00:08:29.233
食べる人と作る人がつながることで 
豊かにできるコミュニティに可能性を見出しています

00:08:29.233 --> 00:08:33.279
一年間を通じて私たちは
こういうコミュニティをつくりました

00:08:33.279 --> 00:08:37.236
この中には漁師もいれば農家もいます 前の方にいます

00:08:37.236 --> 00:08:38.503
後ろの方は読者です

00:08:38.503 --> 00:08:40.978
見てくださいこの笑顔

00:08:40.978 --> 00:08:43.759
笑顔になっているのは生産者だけではなくて

00:08:43.759 --> 00:08:50.426
食べる方 読者の方も 
実はどんどん どんどん喜びに満ちていきます

00:08:50.426 --> 00:08:55.742
今回の秋田の米農家さんのところに
手伝いに行った読者も

00:08:55.742 --> 00:08:59.414
元気になって都会に帰っていくんですよ

00:08:59.414 --> 00:09:04.546
自分の命を支えている食べ物が
どういう自然環境に育まれ

00:09:04.546 --> 00:09:10.230
そこに生産者がどういう手間を加えて
作っているのかを 肌で感じることで

00:09:10.230 --> 00:09:14.022
読者は 命が喜ぶと言います

00:09:14.022 --> 00:09:20.752
私は一年間 この食べる人と作る人をつなげる
「食べる通信」という仕事をしてみて

00:09:20.752 --> 00:09:23.481
気付きました

00:09:23.481 --> 00:09:27.032
生産者と消費者が分断され

00:09:27.032 --> 00:09:31.476
困っていたのは 実は生産者だけではなかった

00:09:31.476 --> 00:09:37.237
この消費者の命が喜ばず 
元気を失っていたということに気付きました

00:09:37.237 --> 00:09:41.281
そしてこの両者の間にある垣根を取り払っていくことで

00:09:41.281 --> 00:09:43.514
両者が交わっていくことで

00:09:43.514 --> 00:09:48.502
お互いの元気 そして生きる力を 
交換できるんだということを

00:09:48.502 --> 00:09:51.825
僕は彼らに教わったんです

00:09:53.135 --> 00:09:59.125
今 私たちは 完成された消費社会を生きています

00:09:59.125 --> 00:10:03.187
このスマートフォン一台あれば
マンションの一室にこもって

00:10:03.187 --> 00:10:06.276
何でも買えてしまう 
生きていける

00:10:06.276 --> 00:10:10.419
だけれども そこには波乱の困難もありません

00:10:10.419 --> 00:10:16.410
食べ物を育む自然だったり 
そこに手間を加えた食べ物を作っている生産者は

00:10:16.410 --> 00:10:18.909
視界の外に消えてしまいます

00:10:18.909 --> 00:10:24.495
そうして予測やコントロールや秩序や正義が成された

00:10:24.495 --> 00:10:27.163
完璧なまでの消費社会の中で

00:10:27.163 --> 00:10:33.705
私たちは生きる喜びや 生きる実感を
気付かぬうちに

00:10:33.705 --> 00:10:37.747
失いかけて来たんではないんでしょうか

00:10:37.747 --> 00:10:45.531
私は そういう狭い世界をひっくり返したいと思いました

00:10:45.531 --> 00:10:50.256
この構築された消費社会に 
風穴を開けたいと思いました

00:10:50.256 --> 00:10:55.274
その方法を私は「食べる通信」を通じて知ったんです

00:10:55.274 --> 00:10:59.500
その方法を 今日は皆さんに教えようと思います

00:10:59.500 --> 00:11:04.542
何も地方に移住して生産者になる必要はないです

00:11:04.542 --> 00:11:07.734
都市に暮らしながらにしてできることです

00:11:07.734 --> 00:11:16.248
それは これまでの交換可能な
お金と食べ物という貧しい関係から抜け出して

00:11:16.248 --> 00:11:23.583
本来の交換不可能な 食べる人と作る人という
豊かな関係に戻すことで

00:11:23.583 --> 00:11:27.170
皆さんにとって 食べるということは

00:11:27.170 --> 00:11:31.428
他者との関係性や まだ見ぬ広い世界とつながる

00:11:31.428 --> 00:11:35.071
回路として再生していくことができるんです

00:11:35.071 --> 00:11:39.317
そしてこの回路を通じて

00:11:39.317 --> 00:11:41.989
この小さな小さな 小さいかもしれないけれども

00:11:41.989 --> 00:11:46.515
この回路を通じて 構築された消費社会に

00:11:46.515 --> 00:11:49.811
隙間 創造的なスペースを作り出し

00:11:49.811 --> 00:11:54.737
そしてそこから私たちは
生きる力や 生きる喜びや 生きる実感や

00:11:54.737 --> 00:11:57.919
そして想像力を取り戻していく

00:11:57.919 --> 00:12:04.496
狭い世界に閉じ込められた私たち人間が持っていた
本来の可能性や精神性を

00:12:04.496 --> 00:12:06.846
未来へと解き放っていくんです

00:12:06.846 --> 00:12:14.551
その先にこそ 私たちの命が喜ぶ
新しいフロンティアが待っていると思います

00:12:14.551 --> 00:12:18.269
私たちが暮らすこの日本で
私たちは今

00:12:18.269 --> 00:12:23.886
命が喜ばない 命の居心地がとても悪くなっています

00:12:23.886 --> 00:12:26.953
何でこんなことになってしまったのでしょうか

00:12:26.953 --> 00:12:29.299
私は思います

00:12:29.299 --> 00:12:32.044
頭と体のバランスが崩れ

00:12:32.044 --> 00:12:36.893
我々は皆 
頭でっかちになってしまったのではないでしょうか

00:12:36.893 --> 00:12:41.531
消費社会というのは 私たちの頭が考え出し
作り出したものです

00:12:41.531 --> 00:12:46.895
それに対して 私たちがいくら考えても
作り出せないものがあります

00:12:46.895 --> 00:12:50.216
それが自然です

00:12:50.216 --> 00:12:53.552
私たちは元々自然から発生してきたので

00:12:53.552 --> 00:12:57.979
自然の中に身を置くと 誰もが心地いいと感じるでしょう

00:12:57.979 --> 00:13:02.473
その自然を消費社会は徹底的に排除していきました

00:13:02.473 --> 00:13:06.082
そして我々のこの体自体も

00:13:06.082 --> 00:13:10.523
人間が作り出せないという意味で
本来は自然のものです

00:13:10.523 --> 00:13:15.298
ですから 気持ちがいいとか 美しいとか
感動したとか

00:13:15.298 --> 00:13:20.823
こういう感情というのは 
頭ではなくて体で感じるものです

00:13:20.823 --> 00:13:24.977
この身体性や精神性

00:13:24.977 --> 00:13:31.064
こういうものも 感情も 消費社会は時に 
私たちから奪い去ってしまうことになります

00:13:31.064 --> 00:13:35.240
同じことが 日本にも言えると思うんです

00:13:35.240 --> 00:13:40.508
人間は頭と体の釣り合いが取れるところが
必ずあるはずです

00:13:40.508 --> 00:13:43.466
ここの均衡が崩れると 人は

00:13:43.466 --> 00:13:45.742
命の心地が悪くなります

00:13:45.742 --> 00:13:51.820
日本も今 頭と体の関係と 都市と地方の関係
僕は似てると思うんです

00:13:51.820 --> 00:13:58.050
東京一極集中が加速し
そして全国の農山漁村が消滅の危機にあります

00:13:58.050 --> 00:14:03.334
かつて長男が戦後 全国の農山漁村に残って

00:14:03.334 --> 00:14:08.240
次男以下の兄弟が出稼ぎでつくった街が
今の東京 大阪 名古屋です

00:14:08.240 --> 00:14:12.476
つまり都市と地方は血でつながっていたんです

00:14:12.476 --> 00:14:16.305
ですからみんな 盆暮れに帰省ラッシュするのでしょう

00:14:16.305 --> 00:14:19.086
ところがあと20年30年経つと

00:14:19.086 --> 00:14:23.304
この帰省ラッシュが無くなると言われています
つまり

00:14:23.304 --> 00:14:27.517
都市生まれの 都市育ちの ふるさとがない人間が

00:14:27.517 --> 00:14:30.735
たくさん量産されるということです

00:14:30.735 --> 00:14:35.337
こうなると 都市と地方の分断は決定的になるでしょう

00:14:35.337 --> 00:14:43.186
そうして消費社会に閉じ込められて
命が喜ばない そういう人たちが

00:14:43.186 --> 00:14:47.015
また量産されていく

00:14:47.015 --> 00:14:58.113
生物の進化というのは 自らの生存を脅かす環境変化に
適応する形で成されてきました

00:14:58.113 --> 00:15:04.497
消費 文明社会の先頭を走って
命が輝かなくなった我々日本は

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もしかしたら 人類の進化の最先端に今
立っているのかもしれません

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その進化とは 頭と体 都市と地方

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もっと言えば 先進国と途上国の
均衡 バランスを図っていく

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そういう壮大なチャレンジになっていくでしょう

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70年代 パーソナルコンピューターが出てきましたね

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情報が贅沢品だった時代です

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あの頃 人々は高揚しました

00:15:41.431 --> 00:15:45.820
その場にいながら世界中の情報にアクセスできる

00:15:45.820 --> 00:15:49.282
そうしてあの大きな箱を持ち運びできるようにして

00:15:49.282 --> 00:15:51.502
使いやすくしたのはスティーブ・ジョブズでした

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その延長線上にこのiPhoneがあります

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しかしもはやこの頭の世界 この箱の中の世界も

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かなり開墾してしまってですね
もはや情報は贅沢品ではありません

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むしろ この世界最先端の消費社会において

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私たちの贅沢品は今 関係性と生存実感になっています

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そしてこの関係性と生存実感 生きる実感は

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決してマンションの一室にこもって

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iPhoneで買えるものではありません

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自然に出て そして生産者と共に
自らが生み出していくものなんです

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そこが私は新しい 私たちの命が喜ぶ

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フロンティアになっていくと思います

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そしてそのフロンティアは 
一人の天才が切り開くものではもはやありません

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食べる人と作る人が一緒になって

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開墾していくんです

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その先に新しいふるさとが
待っているんではないでしょうか

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このアップルは
私たちの頭と知識を豊かにしてくれました

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それに対して私は こちらのアップル
リアルな食べ物

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私たちの命を支えてくれる
このリアルな食べ物の世界につながることで

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私たちの心を豊かに そして
私たちの命に輝きを取り戻していきたいんです

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それを実現する為に
こっちのアップルも上手に活用していきたいと思います

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つまり頭と体 都市と地方の融合です

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皆さん 誰にとっても身近な
この 食べるということから

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皆さんお一人お一人が
世界を変えられる力を持っていることを自覚してください

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世なおしは 食なおし

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さぁ皆さん

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進化の最前線を楽しみながら

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世界を変える冒険に出発しようではありませんか

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終わります