ああ 春ですね 草木が芽生え 花は咲き誇り 木々は新しい葉をつけます でもアレルギーがあれば この新しい生命の芽生えは 喜ばしいというより憂鬱でしょう 外に出れば数分と経たないうちに くしゃみが出て鼻が詰まります 鼻水は出るし 目は腫れて涙が出るし 喉はイガイガします あなたをはじめ何百万人もの人々にとって 春は季節性アレルギーの季節なのです この粘液による猛攻撃の理由は 何なのでしょう? 理由はあなたの中にあります あなたの免疫機構です 季節性アレルギーは 枯草熱や アレルギー性鼻炎とも呼ばれ 実際は害のないものに対する 免疫機構の過剰反応です 草木の花粉や 小さな真菌類に由来するカビ胞子などが あなたの粘膜に接触し あなたの身体が これらの無害な訪問者を 感染性のバクテリア同様に 攻撃するのです 免疫機構には記憶力があります 体外からの物質が 「危険」だと識別されると 白血球がそれに合わせた 抗体を作り 次に同じ物質が入ってくると 認識されるのです すると すぐさま 体内の防衛チームを呼んできます しかし時には 免疫機構が誤って 花粉のような無害なものを 識別することがあります 花粉が再び入ってくると 白血球の表面にある抗体が 認識して 捉えるのです これによって細胞は 炎症性の物質を放出します 例えばヒスタミンです これは神経細胞を刺激して 粘膜中の血管が腫れたり 体液を漏らす原因になります つまり かゆみやくしゃみ 鼻づまりや鼻水です 必ずではありませんが アレルギーは 普通子供時代に発症します でも どうしてアレルギーがある人と ない人がいるのでしょうか? アレルギーは家族内で発症する傾向にあるので 遺伝も原因のひとつでしょう 実は 免疫機構の制御を助ける 遺伝子におけるエラーが 高率に見られるアレルギーと 結び付けられています 育つ環境も また関係があります 赤ちゃんの時に アレルゲンに晒されていると それらに対するアレルギーを 起こしにくくなります 農場で育ったり 大家族で育ったり 発展途上国で育つと アレルギーは少ない傾向にあります しかし 例外も多くあり その理由の一部は遺伝によるものです ある説によると そういった人々は子供の時に 伝統的な狩猟社会とともに進化を遂げた より多くの微生物や寄生虫と 接触するのだそうです これは「衛生仮説」と呼ばれ この考え方は免疫機構が よくある微生物に晒されないと 無害な物質に対して 防御反応を示してしまうのだといいます 例えば花粉です 別の説によると 免疫機構が 多くの病原体によって強くなると アレルゲンに対して 過剰反応を起こしにくくなるといいます 花粉はよくある原因物質ですが それは頻繁に接触するからです 実は 様々な物質が原因となります ほこり 動物の鱗屑 虫の毒 薬品 特定の食品 これらも免疫機構に 過剰反応を起こさせます アレルギー反応には 恐ろしいものもあります アレルギーは本格的な アナフィラキシーになることもあり これは典型的には 重度の腫れや 息切れ 非常な低血圧を伴います 死に至ることさえあります 身体はそれ自身に対して アレルギー反応を起こすこともあります 自己免疫疾患を起こして 多発硬化症や全身エリテマトーデスや 1型糖尿病などを起こします 命に関わらないアレルギー症状であっても 惨めな気持ちになることはあります では どうすればいいのでしょう? 薬を飲めば 症状を抑えることができます 最も一般的なものはヒスタミンが 細胞にくっつくのを防ぎます 抗ヒスタミン薬は 炎症反応を止めてくれます ステロイド系の薬は 免疫機構を弱めてくれます より長持ちする選択肢には 免疫療法があります 意図的に管理下で 徐々に高濃度のアレルゲンに 身体を晒すことで 免疫機構に実は 無害な物質だと教えるのです もっと大胆な方法が良ければ あまり一般的でない方法があります 腸管寄生虫です 鉤虫が腸壁に噛みつく時に 免疫機構を鈍らせる物質を 分泌するのです 研究の中には鉤虫が アレルギーを治療できるというものもあり もしかすると これも アレルギーが先進国に より多い理由かもしれません これらの国では 鉤虫があまり見られないからです もちろん 季節性アレルギーが やむのをただ待つこともできます 春の花粉による猛攻撃は 夏至の頃までにはやみますから その頃にはブタクサの季節が やってきてしまいますけどね